Archive for 6月, 2011

ケータイ小説映画「teddy bear」

金曜日, 6月 10th, 2011

この文章はBootleg Vol.2 Love Storyに載る予定だったけれど、ページ数の関係で載せられなかったものです。Bootleg Vol.3 Noirの発売記念として破壊屋に載せます。ネタバレしているので注意。

ストーリー

高校に入学した晴菜はクラブで出会った仲間たちからドラッグを薦められる。薬物に手を出す一歩手前の晴菜を止めたのは成也だった。晴菜は成也と付き合うが、束縛の強い成也のせいで友達付き合いが悪くなり、晴菜はいじめられるようになる。さらに晴菜の自傷癖が成也にバレて殴られる。母親との仲も悪い晴菜にとって、唯一の友達は瑞穂だけだった。

晴菜は束縛から逃れるために成也と別れるが、成也の親友から真実を聞かされる。実は成也は進行性の健忘症だったのだ。成也は施設に入ることになり、晴菜は成也の介護をする。そんなある日成也は赤信号の意味を忘れてトラックにはねられて意識不明の重体となる。病室で成也に付き添う晴菜は、成也からテディベアをプレゼントされる夢を見る。目を覚ますと成也は死んでいた。晴菜は悲しみに耐えられず死んだ成也に「私をお嫁さんにして」とメールを送る。死んだ成也から返信が来た。「生きろ」と。

生きる希望が沸いた晴菜は妊娠していた瑞穂の出産に立ち会う。瑞穂は自分の子どもに晴菜+成也として「晴也」と名づけたのだった。

解説

晴菜と成也の二つの母子家庭の物語になっていて、成也と付き合うことで晴菜自身も母親との関係を修復するという脚本が面白い。ただフラッシュバックを使った回想シーンを連発するのが興ざめ。

泣かせのための人死にが多い日本映画だけど、その死因は交通事故と病死がほとんどだ。アメリカ映画と違って他の事故や事件や戦争で死ぬというパターンはほとんど無い。『teddy bear』は難病の彼氏が交通事故で死ぬというダブルコンボが特徴的だ。

原作では登場人物全員ヤンキーだが、映画版ではだいぶ性格が丸くなっている。瑞穂を妊娠させる男は原作だと未成年だが映画では成人であることが強調されている。

死んだ成也からケータイメールが届くラストシーンは珍シーンだが、原作のラストは実にケータイ小説的だ。原作では植物人間になった成也を晴菜が見舞い続ける。ある日晴菜は夢の中で成也から「生きろ」と言われて、成也の死を受け入れる心構えができる。心構えができた晴菜は念入りの化粧をして髪を綺麗に巻き、植物人間の成也にカワイイ自分を見せに行く。そして成也は息絶えるのだった……。心を込めたメイクが深い愛を表現しているんだよ。

『teddy bear』の原作については速水健朗氏の著書『ケータイ小説的。』に興味深い指摘が載っている。『teddy bare』は実話だという触れ込みなのに、ストーリーが浜崎あゆみの歌詞と同じだというのだ。ケータイ小説における浜崎あゆみの影響力の高さがわかるエピソードだが、浜崎あゆみがケータイ小説映画に関わることは一度も無かった。

teddy bare

クラブで遊ぶシーン、原作だと飲酒しているけど映画だとお茶を飲んでいることを強調する。

teddy bare

アクセサリーをプレゼントする時にアクセサリーの文字の和訳が出てくる

破壊屋文学フリマオフ会

金曜日, 6月 10th, 2011

文学フリマ当日は例によってミニオフ会をやります。参加したい方は12:30と15:00までにBootlegブースの周辺にいる俺に声をかけてください。スパイダーマングッズを手に持っておきます。

参加するかどうかは、当日の気分で決めてもらって構わないです。「破壊屋とかよくわからんけど、文学フリマまで来て誰にも声かけずにかえるのはちょっともったいない!」という感覚の人でも大歓迎です。ただしBootlegブースの人に「破壊屋オフ会参加しに来たんですけど…」と声かけても、「場所知らない…」と返されるだけなので注意。

今まで文学フリマのミニオフ会に来たことある方は、今回も同じお店でやりますので、直接来てもらってもOKですよ(閉店だったらどうしよ)。

食べるモノ 昼ごはん
移動開始時間 12:30
集合場所 文学フリマ会場、Bootlegブース近くの壁際
食べるモノ ジュース
移動開始時間 15:00
集合場所 文学フリマ会場、Bootlegブース近くの壁際

集合場所はBootlegブース近くの壁際ですが、人数が増えてきて他の人のジャマになっていると判断したら集合場所を変えてしまいます。が、その告知はツイッター上でしかできません。当日見捨てる形になってしまったらごめんなさい。参加表明は…できる人は事前にメールでもツイッターでもいいので参加表明しておいてください。当日無断ドタキャンorドタ参加してもOKです。

文学フリマ

会場の地図

ツイッターのログ June 9th

木曜日, 6月 9th, 2011

(さらに…)

今度のBootlegは悪だ!

日曜日, 6月 5th, 2011

さて問題です。この二つの戒名は誰と誰の戒名でしょう?

あぶデカあぶデカ

正解は『あぶない刑事』シリーズのタカとユージです。ユージの戒名が特に酷いな。


おかげさまで映画評論同人誌Bootlegの最新号「Bootleg Vol.3 Noir」が発売されます。Noir(ノワール)とはフランス語で「黒」を意味する言葉で、映画関係では「フィルム・ノワール」「香港ノワール」といった犯罪映画のジャンルを意味する言葉としても使われますね。

今までのBootlegのテーマは「黒人」「愛」でしたが、今回侍功夫編集長が選んだテーマは「悪」!映画界における悪といえば、ジェイソンやフレディのように豪快に人を殺しまくる悪から、映画が始まる前にオレンジ色の服着たおねーちゃんがちょっとダウンロードしている程度の悪まで色々とあるわけですが、俺が選んだのは殺人や事故による死です。具体的には日本映画のボディカウント(死体の数)です。妻夫木くんの『悪人』みたいに一人殺してウジウジ悩んでいるような映画ではなくても、もっと大勢が死んでいる映画が対象です。

アメリカ映画ってのは主人公が何十人も殺して、親友が途中で殺されて、最後は悪党を裁判にかけず逮捕もせずにぶっ殺して、ヒロインとキスしてハッピーエンドになるわけですが、いやそれハッピーエンドじゃねーだろ。そんな事件起きたら一生トラウマになるだろ!と思いますが、そんなことは全然気にせずに続編が作られたりします。

日本ではそこまでおおざっぱな映画は時代劇くらいですが、現実では一人殺したら死刑になりつつある日本でも、映画の中で何人も殺す人はいるわけですね。冒頭のタカとユージも映画シリーズ6作の中で殺しまくるので、死体を数えるのが大変でした。

また殺人者だけではなくて事故・災害映画の中の死体の数も数えています。大震災直後の記事としては、ものすごく不適切で不謹慎ですが「悪」がテーマなのでご容赦願います。

「Bootleg Vol.3 Noir」は6月12日 日曜日に発売です!お近くの書店には絶対にないので、遠くの蒲田にある文学フリマ会場までご足労願うことになります。しかし侍功夫編集長が素敵なオマケを用意しています。後で告知しますが、破壊屋昼食会、破壊屋オヤツ会も一緒にやります。

他の豪華執筆陣の内容はBootlegブログで読めます。うーん、みんなすごいの書いてきているな。

AKB38度線

金曜日, 6月 3rd, 2011

こんなコメディ映画のプロットを思いついた。


北朝鮮のとある幹部はAKB48の大ファンで、日本国内の北朝鮮工作員にAKB48の写真集やグッズを購入させて密輸していたが、ある日それが軍部にバレてしまう。幹部は一方的な裁判で処刑となるはずだったが、彼は手元にあったAKB48グッズを見てひらめいた。

「AKB48は民衆から効率よく搾取できるシステムです!私は偉大なる祖国のためにAKB48を学んでいたのです!」

幹部のアイデアに感動した将軍様によって彼は無罪放免となり、北朝鮮にAKB48を導入する任務につくことになった。幹部は韓国から優秀な整形外科医を拉致し、喜び組のメンバーたちをAKB48風に整形させた。チマ・チョゴリを着て伝統民謡を踊っていた彼女たちも、ミニスカ制服を着てダンスするようになった。セックス専門の喜び組には枕営業の制度を導入したので、彼女たちは性の奴隷ではなくて性のサービス業として高給取りになった。将軍様の誕生日のメインイベントはマスゲームではなくて喜び組の握手会になった。幹部も喜び組の人気メンバーと恋仲になれて幸せだった。

そして国民から財産を搾取する最大の手段である、投票権付きCDを将軍様の号令で大量購入させる計画が始まった。CD収録の音楽は小室哲也(特別出演)に作らせた。しかし幹部とメンバーの恋がバレてしまう。軍部はメンバーの恋愛に激怒し、再び一方的な裁判が行われ幹部に処刑命令が下される。だがその時に将軍様が病死し、軍部は混乱に陥る。幹部は手元にあったCDの投票権を見てひらめいた。

「このCDを国民にタダで配るのです!そして次の指導者を投票で決めてもらうのです!」

こうして北朝鮮は民主主義への第一歩を踏み出すのであった。幹部は釈放されたが特権階級としての身分は失っていた。だが家に帰るとそこには恋仲のメンバーがいた。驚く幹部だがテレビを見てみると、自由報道ができるようになった朝鮮国営放送が幹部とメンバーのデート写真をスキャンダラスに伝えていた。メンバーは言う。
「卒業しちゃった」
幹部とメンバーは抱き合ってキスをする。END。


幹部は草なぎツヨポン、恋仲になるメンバーは沢尻エリカ様、監督と脚本は井筒和幸羽原大介のコンビがいいな。

ところで総選挙が終わったら、結果に納得できないファンたちによる不信任投票やったらまた盛り上がると思うよ。