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ドロップキックを放つ映画は傑作の法則   

ゼロ年代のベスト映画上位100本のまとめを作っていたんだけど、ドロップキックを放つシーンがある映画が多いんだよね。というわけでドロップキックムービーズの一覧です。


100位:チャーリーズ・エンジェル

まずはこの映画から。ルーシー・リューのドロップキック。

ドロップキック

83位:パッチギ!

真木よう子のドロップキック。真木よう子は「ケンカをしている場合じゃない!」と伝えに来たのに、とりあえず目の前の相手をドロップキックで倒す。映画館では大爆笑となった名シーン。

ドロップキック

76位:300 スリーハンドレッド

白兵戦でなぜドロップキックを使うんだよ!

ドロップキック

38位:母なる証明

この画像は『母なる証明』のポン・ジュノ監督の日本デビュー作『ほえる犬は噛まない(161位)』から。ただし『母なる証明』でも「ドロップキックでサイドミラーを破壊する」シーンがある。

ドロップキック

24位:グエムル -漢江の怪物-

「えええ?座った姿勢から飛び跳ねてドロップキック?」と話題になったシーン。しかも葬式のシーンなんだよ。

ドロップキック

16位:殺人の追憶

初対面の相手にドロップキック!映画の中のドロップキックとしては、これが一番話題になった。高低差があるので撮影もかなり危険だっただろう。

ドロップキック

5位:ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

足を揃えてないけど、オマケでこれも。

ドロップキック

4位:ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

オークまでもがドロップキック!

ドロップキック


「ドロップキックを放つ映画=傑作」というのは定説?で、破壊屋でも昔からネタにしていた。この定説は韓国映画の進出と関係がある。90年代後半から韓国映画が輸入されるようになって、その面白さもあってマニアックな映画ファンたちは韓国映画のファンになっていた。しかし韓国映画を観ていると疑問に思うことがあった。

「なんで韓国映画はしょっちゅうドロップキックを放っているんだ?」

この疑問に対しての答えは二つある。一つはポン・ジュノ監督のインタビューだ。『ほえる犬は噛まない』『母なる証明』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督は

「ドロップキックは韓国人の熱い性格を表現するのに便利だ」

と答えた。

もう一つは韓国で実際に起きた連続殺人事件のとあるエピソードだ。韓国映画『チェイサー』のモデルにもなった柳永哲(ユ・ヨンチョル)の連続殺人事件。犯人の柳永哲は2004年に逮捕された。警察署に連行される柳永哲に被害者の遺族が詰め寄ってきたのだが……そのとき警察官が遺族に階段の上から蹴りを浴びさせたのだ!もちろんマスコミが集まっている中でである。警察官の蹴りで遺族が吹っ飛ぶ映像は日本でも流れた。この映像を観て「韓国映画の中でなぜドロップキックが多いのかよくわかったよ!」という人は僕の周りでのみ多い。


ゼロ年代ベストの上位100本からは落ちたが、名作『GO!』でも在日朝鮮人役の窪塚洋介がドロップキックをかます名シーンがある。

話はズレていくが、朝鮮高校の不良たちの必殺技は頭突きだ(パッチギ)。チョーパン(朝鮮パンチ)という別名でも有名だ。そしてチョーパンが出てくる映画は『ガキ帝国』『月はどっちに出ている』『パッチギ!』といずれも日本映画史上に残る傑作ばかり。

でも職場で韓国人たちにドロップキックやパッチギについて聞いても「知らない」という答えだった。その代わり軍隊では「掌底(手のひらを使うパンチ)」の使い手がいたことを教えてもらった。おまえらどんだけ必殺技を持っているんだ。

2010-02-13

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