Posts Tagged ‘破壊屋’

白人映画の中の黒人たち

月曜日, 5月 10th, 2010

こんど発売される映画評論同人誌『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』のテーマは黒人なんだけど、俺が書いたのはブラックムービーではなくて白人主体のハリウッド大作映画についてです。白人映画の中に出てくる黒人を取り上げた。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

『ダイ・ハード3』で、「俺はクロンボが大っ嫌い」と書かれた看板を身につけてハーレムに立つジョン・マクレーン刑事。白人映画の中の黒人といえば『ダイ・ハード』シリーズが有名。

ハリウッド映画というのはほとんど白人主体の文化で、スーパーマンもスパイダーマンもバットマンもスーパーヒーローはみんな白人。黒人のスーパーヒーローが主役なのは『スポーン』くらいだけど、『スポーン』は興行的にも作品的にも大失敗した(あとは『ブレイド』か)。CGを駆使した超大作で黒人が主役を張れるのはウィル・スミスかデンゼル・ワシントンくらい。また娯楽映画の登場人物はマイノリティーから優先的に死んでいくので、『ジュラシック・パーク』の1と3のように白人だけが生き残る映画も珍しくない(2の黒人は子どもなので死なない)。そんな状況だと劇中の黒人の役割が限られたものになっていく。たとえばホラー映画だと黒人の役割は以下のようになる。

  1. 学生たち(主に白人)がバカ騒ぎしている
  2. 黒人のキャラクターが学生たちに警告する(黒人の職業は掃除人や修理工)
  3. 学生たちは意に返さないが、ヒロインだけはきちんと黒人の警告を受け止める
  4. 学生たちが次々に襲われて殺される 黒人の言うことは正しかった!

と、こんな感じ。学生のみなさんはどっか旅行する時に黒人に会ったら、ちゃんと話を聞いておきましょう。じゃないと死ぬわよ!

他にもハリウッド映画の定番黒人キャラはいくつかパターンがある。『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』では、そんな白人映画に出てくる定番黒人キャラについて書いたんだけど、他にも書いたことがある。白人映画における黒人の特徴は定番キャラだけではない。中年女性の生き方を描いた『エデンより彼方に』という映画ではこんなシーンがある。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

ヒロインのジュリアン・ムーアは「父を亡くした黒人を慰めるために黒人の体に触れる」ところを記者に目撃される。たったそれだけのことで美談の記事になるほど偏見が厳しかった。

このシーンが意味する要素は2つある。1つは当然ながら「映画の舞台が50年代のアメリカで黒人差別が激しかった」という時代背景を説明している。もう1つは「そんな時代にも関わらずヒロインは黒人に対して優しい人間である」ということを説明している。このようにハリウッド映画では白人の主人公がマイノリティと仲が良いシーンを入れて、白人の主人公がリベラルな人間であることを強調する。

『エデンより彼方に』は50年代を舞台にした映画だけど、このようなシーンは現代映画のほうに多い。キャメロン・ディアズとトニ・コレットがダブルヒロインの『イン・ハー・シューズ』に特徴的なシーンがある。以下は『イン・ハー・シューズ』の中盤のネタバレになります。

『イン・ハー・シューズ』のトニ・コレットは弁護士を演じている。トニ・コレットはオタクっぽくてイマイチな同僚の男とデートでバスケ観戦をする。ところがデート中のある出来事によって、トニ・コレットと観客は同僚がイイ男だと気が付くようになっている。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

左の白人が同僚で、真ん中の女性がトニ・コレット

トニ・コレットは同僚が黒人と仲良く会話しているを見てウットリしている。このシーンは、同僚の白人がエリート層の弁護士なのに誰とでも仲良くできる人間だということを説明しているのだ。トニ・コレットはそんな同僚に惚れ、観客は同僚に好感を抱くようになっている。このように白人映画の中では黒人を始めとするマイノリティたちは特殊な扱われ方をする。


『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』では、40本近くのハリウッド映画を取り挙げ、定番黒人キャラや、特殊な扱われ方をする黒人、ちょっとわかりにくい黒人差別ネタなどについて書きました。記事のタイトルは、人種差別撤廃を願った名曲「エボニー・アンド・アイボリー」をパロって「エボニー・イン・アイボリー」にしました。興味のある方は是非5/23の蒲田の文学フリマへいらしてください!


Bootleg

『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』の豪華執筆陣の告知ページ


ところで「エボニー・イン・アイボリー」というタイトルだけど、同じ言葉を考えた人が他にもいるかも!と思って検索したところ、白人と黒人の乱交エロDVDが出てきたよ。

破壊屋の超映画瓦版は見ちゃいけない

月曜日, 4月 26th, 2010

id:tada-woさんが飲み会で言った名言。

ギッチョくんの破壊屋は個人映画サイトとして間違いなく5本の指に入るよ。
でもその残りの指は超映画批評や映画瓦版だからね。

俺は爆笑しながら「その指は手首ごと切り落としたほうがスッキリしますねー」と答えた。この2サイトは俺の周囲では嫌われているサイトだし、もちろん俺も嫌っている。しかしこの2サイトにはもの凄くシンパシーを感じることがあって、それは「サイト形式を守り続けている」という点だ。こう書くと「え?旧破壊屋ってブログじゃなかったの?」と思われるかもしれないが、これは自分でもわからないほど微妙な問題だったりする。自分では「サイト」だと思っていたんだけど、Web上にログを書き残していたという点では間違いなくブログだ。それは映画瓦版も超映画批評も同じなんだけど。

というか破壊屋はブログか?サイトか?という疑問は新破壊屋でも続いている。hakaiya.comはトップページをブログにしているだけであって、全体から見れば独自ドメインのサイトとも言える。ただ新破壊屋は今までと比べると格段にブログ色が強くなった。というわけで俺が嫌いながらも勝手にシンパシーを抱いていた映画瓦版の服部弘一郎氏と超映画批評の前田有一氏には申し訳ないが、彼らを裏切って破壊屋はブログになってしまった。これからの破壊屋はブログもサイトも両方活用する福本次郎スタイルでいきます。

誰かが私にディスをした

火曜日, 4月 20th, 2010

半年に1回くらいの割合だけど、破壊屋のことを「誰かを攻撃するサイト」だと勘違いした人がでてくる。自分が攻撃したい人のプロフを雑談掲示板に晒したりするのだ。最近だと心が体調不良っぽい方が、有名ダンサーを雑談掲示板上で猛攻撃していたんだけど、余波で俺まで攻撃を受ける羽目になった。

その手口はなかなか陰湿で、ある掲示板で色んな人たちが俺のことを話題しているんだけど、掲示板のソースを見ると全部同一人物のIPアドレス。もちろんそのIPアドレスは雑談掲示板のIPアドレスと一致している。あと俺のメアドを使って「メールください!」とか貼ったりもしている。心が体調不良な方を敵に回すとけっこう面倒で、過去にも「破壊屋管理人に集団ストーカーされた!」とネット上で訴えまくる人がいた。ネット上でそんなこと書かれたらたまったもんじゃない、俺は完全に犬に噛まれとる。

(その人たちが統合失調症だとは限らないが)統合失調症の人に加害者扱いされるのは、テレビに出ている芸能人が多かった。「テレビを観ていたら私と目があった!アイツが私を監視している!」って感じで。でも今はブロガーやサイト管理人が加害者扱いされるパターンも多いんじゃないかな。「コイツの書いていることは私の頭の中にあったことだ!コイツが私を盗聴している!」って感じで。

ネット上で「西村博之が私の視覚を盗聴している!」と訴えている女性がいた。確実に統合失調症の症状なんだが、その女性は本気で「私が見ていることは西村博之も見ている!許せない!」と思っていた。そこで、その女性が考えた嫌がらせが「汚物を見続る」ということだった。つまり自分の便や使用済み生理ナプキンを見続ければ、自分の視覚を盗聴している西村博之がダメージを受けるだろうと考えたのだ。その女性は、数年間その嫌がらせを続けたらしいが、とうぜんの如く西村博之氏は一切のダメージを受けることなく平然と活動している。そこで女性はある結論を出してネット上に書いた。↓

西村博之はスカトロに強い

ネット上でそんなこと書かれたらたまったもんじゃないよな。

破壊屋ブログ化

土曜日, 4月 17th, 2010

今年はちょうど破壊屋が10周年なので、装いも新たにhakaiya.comが始動………というか、ここまで装いが新たになるとは自分でも思っていなかった。ブログ化は以前から考えていたんだけど、はてなブログ(仲間が多い)とさくらブログ(hakaiya.comでファイル管理ができる)のどっちにするか悩んでいた。でも結局はどちらも採用せずにhakaiya.comをブログ化することにしたよ。今年いっぱいは色々と思考錯誤するので、レイアウトとか突然変わるかも。

それにしても10年か、この10年は色々とあったよ。卒業して、就職して……卒業と就職だけだけど。