Tag Archive for 人種

男と女と日本と中国

今勤めている職場には中国の人たちがいるんだけど、外見だけで見分けをつけようとすると正答率は8割くらいだ。雰囲気でなんとなくわかる一方「こいつ絶対日本人」「こいつ絶対中国人」と思っていた相手が違う場合もある。

でもほぼ確実に「こいつ中国人!」と見分けられる方法がある。それはトイレだ。多くの中国人たちがチャックを使わない。スーツを着た男たちがズボンを下ろして用を足す姿はなかなかシュールだ。でも日本人と一緒に仕事していると感化されるのだろう、チャックを使わない中国人はどんどん減っていくのであった……


という話を友人女性にしたところ「私は来日して日が浅い中国人女性なら化粧と髪型で分かる」と言われた。髪型は確かになんとなくわかる。日本人女性は「美容院でやってもらいました」感じがとても強く出ている。しかし化粧についてはあまりわからない。中国人女性のほうが化粧が薄く、色も地味な気はするが。

職場の女性陣に聞いてみると化粧や髪型以外でも「ファッションでもわかる」とのこと。これこそ男の俺には全くわからないので詳しく聞いてみると「(中国人女性は)服の上下やソックスの組み合わせ方が、日本人から見るとズレている」らしい。

社会人男性は化粧しないし、髪型の個性も少ないし、服はスーツだ。だから女性のほうが民族的特長がより外見に出ているのだろう。

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オシッコで正体がわかるといえばこの映画。

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人種衝突映画としてのボルケーノ

終戦の日が近づくとテレビでは反戦映画を放映するが、防災の日が近づいている今日テレビでは『ボルケーノ』を放映する。今回はロサンゼルスで地震・噴火が起きる『ボルケーノ』の話。

トミー・リー・ジョーンズ主演の『ボルケーノ』は1997年に製作されたディザスター(災害)映画であんまり評判良くない。でも『ボルケーノ』の背景には人種衝突があってその観点で観ると意外と面白いのだ。『ボルケーノ』が人種衝突を題材にした理由は、1992年にロス暴動が起きて白人・黒人・韓国人たちの人種衝突が浮き彫りになっていたからだ。以下はネタバレ込みで『ボルケーノ』の各シーンを解説する。


ボルケーノ
ボルケーノ

ロス暴動といったら「黒人たちが商品を略奪している映像」というのが一番有名なのかな?もちろん『ボルケーノ』にもそんなシーンがある。

ボルケーノ

もう一つロス暴動で有名なのは、白人の警官が黒人を暴行している証拠映像。『ボルケーノ』でも白人の警官と黒人がケンカしているときにマスコミが来ると、こんなセリフになる。

ボルケーノ

このシーンはハッキリとは説明されないけれど、貧困層の住宅街で金持ち白人が高級車で事故を起こし黒人たちが激怒。黒人の牧師が教会に白人を匿ったという状況だ。で、その白人は「俺をパトカーで未開の地から文明国へ戻してくれ!」と黒人に対する嫌味を言っている。

ボルケーノ

これは洗濯モノが燃えているシーン……だけではない。アメリカでは「洗濯モノを干す=乾燥機が無い=貧困層」ということになる。中流以上が住む住宅街では「洗濯モノを干してはいけない」というルールが設けられる場合もある。だからこのシーンは「貧困層の住宅が燃えている」というのが正しい解釈。この後の「美術館は守られているのに、貧困層の住宅街は守られない」という黒人の怒りの伏線にもなっている。アメリカ国旗もちょっと見える。

ボルケーノ

黒人は白人に協力し、白人は黒人の住宅街への救援に向かう。グッとくるシーンのはずだが、120%わかりきっている展開なので思ったより熱くなれない。

ボルケーノ

この韓国系の女性は優秀な医者で、金持ちイケメン白人の恋人から貰ったロレックスを身に付けているという設定。後半だと彼女は全身全霊で人々の治療に当たる。アジア人女性が完璧なエリートキャラを演じているというのは90年代だとけっこう珍しい。そういえばバージニア工科大学銃乱射事件のチョ・スンヒの姉も韓国系エリートだったな…。

ボルケーノ

地下鉄の運転手は二人とも非白人。このあと運転手は災害に巻き込まれるが、キリスト教信者の白人が犠牲となって運転手は助かる。宗教的・人種的に重要なシーンだが、それよりも犠牲となる白人がデロデロと足から溶けていく描写のほうが印象に残る。

ボルケーノ

ドン・チードルは、この手の映画に必須の「白人をサポートする黒人」を演じる。右にいるタマゴハゲのおっさんはいろんな映画で「タマゴハゲのおっさん」を演じているリチャード・シフという役者。この頭に相応しい役ばっかりだが、実はショーン・コネリー系のカッコいいオヤジである。映画の中で変なキャラを演じている男って、プライベート写真だとすごいイケメンだったりするので油断ならない。
リチャード・シフ
↑リチャード・シフ

ボルケーノ

人種問題とは関係ないシーン。この少女はトミー・リー・ジョーンズの娘役。少女の子守がトミー・リー・ジョーンズに「あなたの娘は首が360度回転する」と報告している。『エクソシスト』は首が回転するホラー映画だが少女の反抗期も描いている。という知識があれば、このシーンで娘が反抗期を迎えていることがわかる。知識がなくてもわかるので安心して欲しい。いい映画とはそういうものだ。

でも『ボルケーノ』が批判される原因は、この娘がピンチになる⇒トミー・リー・ジョーンズが助けるというパターンがくだらなすぎる点である。少女を演じたギャビー・ホフマンは最近消えてしまったが、『ボルケーノ』のヒロインのアン・ヘッシュも消えたな。

ボルケーノ

で、これが映画のオチ。火山灰のおかげでみんなの人種がわからなくなってしまった!人種を超えた救助活動はなんて素晴らしいのだろう!というワケ。このあとトミー・リー・ジョーンズが「この星の住人たちはお互いの個性を認めることができる」と報告して、ジョーンズ星人がBOSSを飲んでいるというシーンは無い。

2001年におきた同時多発テロによるワールドトレードセンタービル崩壊では、色んな人たちが灰にまみれて救助活動をしたけど、あの事件は中東系に対する憎悪と差別を増幅させるきっかけとなってしまった。非常時になると、人種を超えて人々が協力するのか、人種差別が浮き彫りになるのかはわからない。というか両方なんだろう。『ボルケーノ』は一応その両方を描いたが、人種を超えるシーンの描き方が都合良すぎた。

そして2004年に『ボルケーノ』と同じくロサンゼルスの人種衝突を描いた傑作映画『クラッシュ』が製作された。『クラッシュ』は現代のアメリカが人種衝突の問題に答えを出せない状況になっていることを描いていた。ちなみに主人公は先ほどのドン・チードルである。


追伸:映画評論同人誌「Bootleg」で白人映画の中の黒人について書いたけれど、取り上げられなかった作品は大量にある。『ボルケーノ』はその一本で、俺はなんだかんだ言って『ボルケーノ』が割と好きである、同時期に製作されて競作となった『ダンテズ・ピーク』よりはずっと面白いしね。


参考

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食べて、飲んで、吐き出して

週刊新潮の高山正之は、中国人を批判するコラムで「他人にたからないのが日本人」という結論を書いていた。俺が仕事で関わっているプロジェクトには中国人もたくさん参加しており、彼らは中国国内のエリート層だ。で、その中国人の中に、俺の後輩(日本人)に昼ごはんをおごってくれる人がいる。高山正之的には、おごっているのが日本人で、おごられているのが中国人なのだろうか。

中国人が昼ごはんをおごりたがるのは、何となくわかる。中国人や韓国人には「同じ皿にある食事を一緒にハシでつつけば仲間」という感覚がある。だから仕事仲間である日本人に昼ごはんをおごることで親密になろうとしている。日本人だと食事よりも飲み会だ。日本人は酒の席を共にすることで取引先と親密になろうとする。周囲に気を使いがちな日本人が、酔っぱらうことで気を使わなくてもいい関係を作ることで、親密になれるのかもしれない。まあ実際は飲み会でもやたら気を使うんだけど。

先日サマーソニック後に友人たちと3人で居酒屋に入って、豆腐やらゴーヤーチャンプルやらを頼んだ。当然3人でそれぞれの料理を小皿に取り分けて食べた。そこに相席する形で白人3人組がやってきて、俺らと同じく豆腐やらゴーヤーチャンプルやらを頼んだ。白人たちは一人一品を延々と食べ続けた。豆腐を頼んだ人はずっと豆腐、ゴーヤーチャンプルを頼んだ人はずっとゴーヤーチャンプルを皿が空になるまで一人で食べた。「分ければいいのに…」そう思った。

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白人映画の中の黒人たち

こんど発売される映画評論同人誌『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』のテーマは黒人なんだけど、俺が書いたのはブラックムービーではなくて白人主体のハリウッド大作映画についてです。白人映画の中に出てくる黒人を取り上げた。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

『ダイ・ハード3』で、「俺はクロンボが大っ嫌い」と書かれた看板を身につけてハーレムに立つジョン・マクレーン刑事。白人映画の中の黒人といえば『ダイ・ハード』シリーズが有名。

ハリウッド映画というのはほとんど白人主体の文化で、スーパーマンもスパイダーマンもバットマンもスーパーヒーローはみんな白人。黒人のスーパーヒーローが主役なのは『スポーン』くらいだけど、『スポーン』は興行的にも作品的にも大失敗した(あとは『ブレイド』か)。CGを駆使した超大作で黒人が主役を張れるのはウィル・スミスかデンゼル・ワシントンくらい。また娯楽映画の登場人物はマイノリティーから優先的に死んでいくので、『ジュラシック・パーク』の1と3のように白人だけが生き残る映画も珍しくない(2の黒人は子どもなので死なない)。そんな状況だと劇中の黒人の役割が限られたものになっていく。たとえばホラー映画だと黒人の役割は以下のようになる。

  1. 学生たち(主に白人)がバカ騒ぎしている
  2. 黒人のキャラクターが学生たちに警告する(黒人の職業は掃除人や修理工)
  3. 学生たちは意に返さないが、ヒロインだけはきちんと黒人の警告を受け止める
  4. 学生たちが次々に襲われて殺される 黒人の言うことは正しかった!

と、こんな感じ。学生のみなさんはどっか旅行する時に黒人に会ったら、ちゃんと話を聞いておきましょう。じゃないと死ぬわよ!

他にもハリウッド映画の定番黒人キャラはいくつかパターンがある。『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』では、そんな白人映画に出てくる定番黒人キャラについて書いたんだけど、他にも書いたことがある。白人映画における黒人の特徴は定番キャラだけではない。中年女性の生き方を描いた『エデンより彼方に』という映画ではこんなシーンがある。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

ヒロインのジュリアン・ムーアは「父を亡くした黒人を慰めるために黒人の体に触れる」ところを記者に目撃される。たったそれだけのことで美談の記事になるほど偏見が厳しかった。

このシーンが意味する要素は2つある。1つは当然ながら「映画の舞台が50年代のアメリカで黒人差別が激しかった」という時代背景を説明している。もう1つは「そんな時代にも関わらずヒロインは黒人に対して優しい人間である」ということを説明している。このようにハリウッド映画では白人の主人公がマイノリティと仲が良いシーンを入れて、白人の主人公がリベラルな人間であることを強調する。

『エデンより彼方に』は50年代を舞台にした映画だけど、このようなシーンは現代映画のほうに多い。キャメロン・ディアズとトニ・コレットがダブルヒロインの『イン・ハー・シューズ』に特徴的なシーンがある。以下は『イン・ハー・シューズ』の中盤のネタバレになります。

『イン・ハー・シューズ』のトニ・コレットは弁護士を演じている。トニ・コレットはオタクっぽくてイマイチな同僚の男とデートでバスケ観戦をする。ところがデート中のある出来事によって、トニ・コレットと観客は同僚がイイ男だと気が付くようになっている。

Bootleg Vol.1 DYNAMITE

左の白人が同僚で、真ん中の女性がトニ・コレット

トニ・コレットは同僚が黒人と仲良く会話しているを見てウットリしている。このシーンは、同僚の白人がエリート層の弁護士なのに誰とでも仲良くできる人間だということを説明しているのだ。トニ・コレットはそんな同僚に惚れ、観客は同僚に好感を抱くようになっている。このように白人映画の中では黒人を始めとするマイノリティたちは特殊な扱われ方をする。


『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』では、40本近くのハリウッド映画を取り挙げ、定番黒人キャラや、特殊な扱われ方をする黒人、ちょっとわかりにくい黒人差別ネタなどについて書きました。記事のタイトルは、人種差別撤廃を願った名曲「エボニー・アンド・アイボリー」をパロって「エボニー・イン・アイボリー」にしました。興味のある方は是非5/23の蒲田の文学フリマへいらしてください!


Bootleg

『Bootleg Vol.1 DYNAMITE』の豪華執筆陣の告知ページ


ところで「エボニー・イン・アイボリー」というタイトルだけど、同じ言葉を考えた人が他にもいるかも!と思って検索したところ、白人と黒人の乱交エロDVDが出てきたよ。

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