『明日、ママがいない』の内容変更の検討が決まった。ネット上では「クレーマーに屈した!」「残念すぎる!」って声が多数だ。そういう悔しい気持ちはすごくよくわかる。理不尽なクレームで自主規制の風潮が強まっているのも怖い。
でも内容変更の要求自体は小さいしどこまで要求を受けるかも決まっていない。要求は「施設長の暴言をやめる」「登場する子供のペット扱いをやめる」「ポストというあだ名をやめる」の3点。実際そういう子供は「ペットの里親」という言葉にすら自分を「ペットよりも価値がない」と連想して傷つく。またドラマの製作側は「ポスト」という言葉はもう既に減らしているとのこと。
『明日、ママがいない』の設定をやりたいのなら児童福祉の関係者を監修にして製作すべきだった。それを怠ったうえに野島伸司を監修にしたのは単なる暴挙。内容変更の受け入れは本来の製作の形になったとも言える。
今回は明らかに日本テレビ側の製作ミスだ。内容変更は一番手軽な妥協点。内容を変更せずに検証番組を作るという手もあるけど、そんな面倒なことはやらないだろうし最初から内容変更を想定していたはず。
それにしても肝心の日本テレビ&製作側が「表現の自由」に少しも興味を示していないのが凄い!視聴率とスポンサーの反応がすべてのテレビドラマならではの現象だろう。いまや日本テレビが興味あるのは「いかにして関係各位(スポンサー、芦田愛菜(バーニング周防)、野島伸司のメンツを潰さないか」という点だ。高須クリニックがスポンサーに名乗り出て既存のスポンサー企業のメンツが潰れる形になったのは面白かった。
『明日、ママがいない』が大嫌いでCM降板や内容変更のニュースを「当然だ」と感じている俺だけど、『明日、ママがいない』のBPO審議入りだけは絶対に避けるべき。さすがにこれがBPO審議入りになると表現の範囲が大きく狭まってしまう。『明日、ママがいない』擁護に大きな声をあげた人たちには、ドラマの作り手よりもお笑い芸人たちが多かった。彼らはBPO審議入りの恐ろしさに一番身近な存在なのだろう。