「サーフィン一筋に青春をかけている少女、彼女の夢は大会で優勝して有名サーファーになること。その日のために毎日大波相手にサーフィンをしている。そんなある日、彼女が勤めているリゾートホテルにアメフトのスタープレイヤー達が休暇で泊まりにやってきた。その中の一人のハンサムでスーパースターのクォーターバックがヒロインに惹かれて「僕達にサーフィンを教えてくれ」。ということでアメフト選手とホテルのメイド(+女子中学生)達がサーフィンで合コン。そのままヒロインとクォーター・バックは恋に落ちてラブラブに・・・」
思わず製作陣の首根っこつかんで
「てめえら俺の共感得るつもりあんのかよ!!」とガクガク揺らしてやりたいストーリーですが、実は意外にも
硬派で面白い。ドラマは凡庸でしたがオススメできますよ。
この映画ではサーフィンはファッションでもレジャーでも
地獄の黙示録でもなくて、あくまでも
過激なスポーツとしてとらえています。僕にはあの波は色と形がキレイなだけで、あとは
台風情報の波と全く同じに見えました。今まで数々のサーフィン映画がありましたが、この映画に一番近いのは
「パーフェクト・ストーム」ではないでしょうか?
相当な労力をかけたと思われるサーフィンの撮影とCGは素晴らしいの一言で、サーフィンする
ヒロインの顔を波の内側から写すというとんでもないカットもあります。映画としてサーフィンを演出している一方、
生身の迫力も重視していてバランス感覚が優れています。
編集が下手なのが本当に残念。
で、この映画はどこが硬派なのかというと、
「プリティ・ウーマン」のアンチテーゼになっているんですよ。
「マイ・フェア・レディ」から始まって「プリティ・ウーマン」で完成された女性向け映画のスタイルというものがあります。女性の幸せの象徴を素敵な男性の存在と定義して、女性が変化(change)していくスタイルです。そして
「私を変えてくれる」男性の条件は
「金持ち、ハンサム、優しい、社会的地位がある、私に夢を与えてくれる、夢以外のモノも与えてくれる」という
僕達には絶望的な条件でした
(”達”つけてゴメンナサイ)。
「ブルー・クラッシュ」のクォーター・バックも全く同じなのですが、[
ヒロインは彼からの甘い誘いを(適当に味わった後で)否定します。そして否定したことで、自分のとる道を肯定します]。また女性をチェンジさせる役割のはずの男性が
単なるアドバイザーになっている上に、ヒロインに不良から
助けてもらうシーンが実に自然な展開。またオープニングで出てくるヒロイン達と行動するゴツい不良男性達に至っては、後半では
女性を馬鹿にする単細胞のひがんでいるジモティにまで落ちぶれています。
この「プリティ・ウーマン」に対するアンチテーゼは、別に製作側がそう意識させたのではなくて、
今の時代がそうなっているだけなんですね。「男はいたほうがいいけど、まあ私は私よ。」ってな感じで。
僕は「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」の代替として「ブルー・クラッシュ」を観に行ったつもりだったのですが、意外な拾いもので良かったです。でもやっぱり3人組のサーファーガールの魅力は
エンジェルたちの足元にも及ばず、予告編だけでのけぞった
デミ・ムーアのビキニ姿の迫力に比べると少女たちのビキニ姿は実に心ともない。
しかしもう再読込も済んだことだし、あとは全開になるだけだ!!
オマケネタ
この映画、少女の青春映画なのにアレが画面に2回も写るってどういうことよ。
地獄の黙示録
映画史上最高の名シーンの一つとして名高い「ワルキューレの騎行」、実は「サーフィンするためにベトナムの村を壊滅させる」というシーンなんです。