かなり楽しかったです。夏の娯楽映画陣の中でもオススメ。以前にも書いたとおり「カリブの海賊」の映画化ですが、海賊映画というよりも
バリバリの冒険映画ですね。映画の本編自体はかなり単調で浅はかなのですが、ジョニー・デップのキャラが物語的に複雑な存在(ただのわけわからん男とも言う)なので観客の予想を裏切る多彩な展開も行われます。
ジョニー・デップとオーランド・ブルームという
今最も僕のケツの穴を犯して欲しい男二人が出演していますが、
出演者全員来日バックれたためにそれはおあずけとなってしまった(何書いてんだ僕は)。
本編だと正統派の主人公のオーランド・ブルームはイマイチで、邪道すぎる主人公のジョニー・デップの圧勝です。
このジョニー・デップの邪道さというのが映画を面白くしている要素です。ジョニー・デップがジェリー・ブラッカイマー製作の大作映画主演というのはかなり違和感がありますが、実は最適なキャスティング。何故なら観客の求める海賊のイメージとは自由気ままな悪党ですが、娯楽映画の主人公に悪党を持ってきても観客は共感しにくい。だけどジョニー・デップがその悪党なら問題はない、彼には危険すぎる魅力の中にある種のかわいさがあるので観客も彼のキャラに引き込まれていくのです。
パイレーツ・オブ・カリビアン用語集
● アステカの呪い
消化の仕組みがよくわかる。しかし呪いの効果における肉体の概念がイマイチわかりにくい。
ところでこの映画は[
「呪われた金貨自体を封印(消滅)させる」]というのが抜け落ちていますが、これは続編対策かな?
● ミスター・スミス
エージェントがとれてただのスミスに・・・ってそれは違う映画だ。
● 月の光
ケミカル・ブラザーズのPVに出てくるクラブ状態になる。ヒア・ウィ・ゴー!
● メダル
[
882枚もよく集めた]と思ったが、そういやあの金貨に何か魔法の力が働くシーンが一箇所だけありましたね。
ちなみにこのメダルは宣伝だと「ウィルから手に入れたメダル」となっていますが、本編だと少女はウィルから
メダルをパクっています。
● 囚われた女
[
当然身の安全が心配されるが、]
海賊全員不感症だったという設定[
なので大丈夫だった。でも色々嫌な目に遭う。]
● 海賊の掟
絶対の掟のはずだが[
「まあガイドラインだし」という事を理由に無視される]。まるで日本の憲法第9条みたいだが、フランス人が考案したらしい。
● 海賊のお掃除
ブラックパール号は整備は最低だが
掃除だけはみんな夜通しでやっている。特にシーツ(帆?)はみんなで協力してほこりを落としているのでヒロインは燃焼系の運動をする羽目に。
● 海賊の歌
「ヨーホーヨーホー」とおなじみの歌が聞こえてくるが、ブラックパール号には「ホネホネ・ロック」が似合う。
● 犬
「カリブの海賊」の映画化なので、当然あのギャグをやってくれます。
● ボート
海賊が沖合いにいる船と戦う場合、2種類の方法があります。
ボートを持って突撃する作戦とボートを使わずに突撃する作戦です。ボートに乗って突撃するのは珍しい作戦らしい。
どうでもいいことですが、あの突撃方法は浮力が強すぎて海面に浮き出てしまうのでわ?(昔の海賊モノのパロディらしい)。
● 海賊側のボンクラコンビ
宝箱と間違えてご婦人の着替えを盗んでくるが、意外なところでそれが役立つ。しかし彼らが役立っているわけではない。
● 海軍側のボンクラコンビ
わざとらしい台本によってブラックパール号の解説をする。まるで遊園地のアトラクション入り口のお兄さんみたい。
● 爆弾の海賊
月の光が無かったらヒロインはかなり残酷なことやっているよな。
● 死の島
パンフには死の海と書かれいてるが、海賊の隠れ家が海っておかしくない?
● ウィル・ターナー
海賊になるために強くなる練習をしていて、ある日海に出る決意を・・・それは「ワンピース」のルフィか。
[
特別な血筋]という「パイレーツ・オブ・カリビアン」の重要なポイントを本人があまり認識していないが、それは観客も同じだ。でも洞窟のシーンでは事態の認識が早すぎるような気もする。
● ジャック・スパロウ
どんなときでも帽子を大切に・・・それは「ワンピース」のルフィだ。
船のマストから港の桟橋に飛び降りるシーンがカッコいいぜ!(え、足が折れる?いや大丈夫なんだなコレが)
コンパスが北を指さなかったり、帆を張ったまま嵐に突入したり、[
昔の仲間と今の仲間]の海戦の最中にウロチョロしてたりと、[
部下ほぼ全員に裏切られる]のは
当然かと。
● バルボッサ
悪魔の実のせいで不幸な事になるが戦闘には便利・・・だからそれは「ワンピース」のルフィだ。
演じるジェフリー・ラッシュは「シャイン」での名演が有名な演技派。インタビューでは
「(船長なのに)オウムじゃなくてサルを肩に乗せてるなんて、傑作なアイデアだよね」
と答えていた。
流石演技派ですね、
「カットスロート・アイランド」は眼中に無いらしい。
● エリザベス
何日も海にいたのに日焼けを全くしない。それどころか無人島にいようが、戦闘に参加しようが、何度も海に落ちようが
化粧のノリは常に絶好調。
恋愛事情も非常に恵まれている。
「私の婚約者はやっぱり地位のあるエリートがいいのかしら。」
「でもやっぱり愛よ。私と運命的な出会いをした、かつ幼馴染のあの人がいいわ。本当の愛があれば身分なんて関係ないわ。」
「ああ、今度は危険な魅力に溢れた男が出てきたわ!女だったらこんな男との愛も憧れちゃうわね。」
以前
「猟奇的な彼女」という映画があったが、エリザベスはどっちかというと
「攻撃的な彼女」。「お洋服がキツすぎてクラッときちゃうわ」「[
あの人に愛を告白されてクラッときちゃうわ]」としおらしいのは最初と最後のみ。本編の後半では「男って本当にバカね、女にはもっと苦労があるのよ、ああっもう!」とそこらへんの海賊を殴り出し、[
海賊を串刺し]にしてだんご三兄弟にしたり、男の腹の中に[
直接爆弾を埋め込んで吹き飛ば]したり、携帯のアンテナが一本も立たないような[
無人島で島を焼き討ちにして煙]を立て、必殺
海上ドリフト走行を編み出すなど、海賊を凌ぐ暴れっぷり。キャラクターのほとんどが戦闘タイプになっているこの映画において、最強の戦闘キャラクターである。
● 海上ドリフト走行
[
生身の海賊達の砲弾が無い船]が、[
不死身の海賊達の砲弾を積んだ船の横]につけるという
意味不明の作戦だが、観客も海賊もみんな度肝だけは抜かれた。
● 女を船に乗せると災いを呼ぶ
ほどなくしてこの迷信は
「エリザベスを船に乗せると災いを作り出す」という格言になる。
● ヒロインの父親
[
「たまには海賊行為もいいんじゃない?」]と無茶苦茶なことを言って物語を締める。
● ヒロインの婚約者
[
「素晴らしい剣だ。家庭も愛情溢れるものに違いない」]と無茶苦茶なことを言って物語を締める。
● 鍛冶屋の親方
↑この台詞が成立するには[
「親方じゃなくてウィルが作りました」]という説明が必要なような。
● その呪いを解くのは、愛
以前、
「ジェフリー・ラッシュに呪いがかかっているのに、このキャッチコピーは納得いかない」というような事を書きましたが、やっぱりこのキャッチコピーは本編とは関係なかったです。というか「愛」自体本編と関係なかったです。ヒロインが主人公に惚れ直す過程も弱いし。
ちなみに呪いを解くのには[
「特別な血筋」を持つ人の血縁関係者の血が数適]あれば大丈夫でした。
● 不敵な笑み
思いつめた表情で海を見つめるウィル・ターナー、敵を確認したウィルは「来たぞ」とジャック・スパロウに声をかける。しかしジャックは悠然と不敵な笑みを浮かべる・・・
予告編で出てくるカッコ良すぎるシーンだが、本編だとこの前後で二人がとった作戦はどうしようもなくショボい。
● コルセット
あのキメ台詞カッコ良すぎです。
● オープニング
「船旅をしていた少年が海賊に襲われ海に流され、それを少女が発見する。そして少女は彼の首に不思議なメダルがかけられていることに気がつき・・・」という
「天空の城 ラピュタ」の男と女が逆転したことをやっています。
● エンディング
[
オーランド・ブルームが「アイ・ラブ・ユー」と叫んで、ジョニー・デップを助けるために突撃する]という
ヤオイ好きにはたまらない展開(違うぞ)。
● パイレーツ
バイキングじゃないので、フィンランドのバイキング野郎と呼ばれた長髪長身の男は出てこない。
● 海賊映画は当たらない
最近の破壊屋は映画ファンじゃない方も多いので、知らない方も多いかもしれませんが海賊映画(海洋冒険モノ)は失敗作が多いんです。特に破壊屋がベタ誉めしているレニー・ハーリンの映画なんか、
映画会社を二つ潰したほどの大失敗でした。
● ブラックパール号
[
帆を張り替えると区別つかん。]
● インターセプター号
レニー・ハーリンだったら[
尋常ならざる量の爆薬を載せるぞ!]
● 猿
「船の船長は小動物を飼っている」というクリシェがありますが、ジャック・スパロウが船長に見えないのはそこらへんが原因かな。
● 孤独を愛する一匹狼の海賊
「一匹狼の海賊って矛盾しているような」と以前書きましたが
マジで一匹狼の海賊でした。ただし孤独なのは[
仲間にはぶられたのが原因]。「オレって群れたりするのが嫌いなんだ」という奴は単に友達がいないということですね。
● ジャック・スパロウの仲間達
[
不死身の海賊と戦ったのに誰も死んでいない]。強いのかもしれないが、海戦の技術は小娘以下。
● リンゴ
バルボッサの野望のメタファーですが、[
ラストのあの登場のさせ方]は強引かと。
しかし遂に80年代生まれのヒロインが登場してくるようになったか。