公開初日だというのに劇場はガラガラ、しかも観客はその系統の男性単独客ばっか。
本当は
「バレット・モンク」ってタイトルなんですが、配給側が「弾丸坊主」というタイトルで公開したかった気持ちが見え隠れするので「弾丸坊主」にしました。
チベットの山奥にある寺院に世界を征服できる力を持った巻物があった。その巻物を狙ってナチ達がやってきて・・・って
「インディ・ジョーンズ」と同じじゃん。ただ「インディ・ジョーンズ」は聖櫃や聖杯の出典や効果をキッチリ説明しますが、「弾丸坊主」は巻物について「世界を征服できる」としか説明しないので、一体巻物は何なのか?という
ストーリーの基本が抜け落ちています。
その巻物を守っているチベットの僧侶:弾丸坊主(チョウ・ユンファ)は銃弾を交わす程すばやい動きをする格闘家でもあった。彼は何故かアメリカにやってきて後継者探しをする。そしてある日映画館でバイトしているダメ人間(ショーン・ウィリアム・スコット)と出会う。だがこのダメ人間はメチャクチャ強かった!
何故そんなに強いのかという理由には驚きました。ダメ人間である主人公はある道場で格闘技を学んでいるのですのが、そこは僕が昔格闘技を学んでいたのと同じ系列の道場だったんです!映画の主人公が僕と同じ事をやっているのは感動しますね。主人公はゴールデン・パレスで[
カンフー映画を観て]強くなりましたが、僕は横浜のゴールデン・タウンで[
セガール映画を観てセガール拳]を学びました。ああいう映画を観た後に街を歩いていると「チンピラ5人位なら勝てる」とか妄想しちゃいますよね。横浜黄金町は本物のおヤクザさんが多いので、すぐにその妄想は打ち砕かれますが。
とアホな事書いてしまいました。しかし「マトリックス」の
ヴァーチャル・ゲームやって強くなれるのにもビックリしましたが、「弾丸坊主」は[
カンフー映画を観れば強くなれる]って
身も蓋もないな。
「HERO/英雄」や「グリーン・デスティニー」では
人が飛ぶのは当たり前の事として捉えていましたが、「弾丸坊主」は一応「空気」を使って人が飛ぶ説明をつけようとします。ただ主人公が坊主に
「つーか重力は?」と聞くと、坊主は
「無いと思えば無い」と答えるのでやっぱり説明はつきません。「無いと思えば無い」のは気分や意識的なものに通じることであって、重力はいくら無いと思ってもちゃんと存在するんだけどね。
また「弾丸坊主」は「マトリックス」のコピー映画なので、ビルでヘリがガトリングガンを連射して、制御不能になって、主人公がロープに引きずられて、ビルの屋上で
ズザザッーっとなる完コピシーンもあります。
こういうインチキ格闘映画が大好きなので、適当に楽しめました。
オマケ:
チベットの僧侶が見栄を切りながら銃を撃つシーンに疑問を抱く人がいるかもしれません。でももうちょっと映画に詳しくなればあのシーンが何もおかしくない事に気がつくでしょう。僧侶が銃を撃たないというのは常識ですが、チョウ・ユンファが2丁拳銃を撃つのは
それ以上の常識なのです。