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キング・アーサー   ★★★

    「指輪物語」も「スター・ウォーズ」も「ハリー・ポッター」もみんなアーサー王伝説の影響を受けている!と華々しく宣伝しているけど、映画版「キング・アーサー」は「七人の侍」の影響を受けています。監督はアメリカの黒人の兄ちゃんで、その昔「リプレイスメント・キラー」でデビューを飾った人。この監督のインタビューは非情に面白くて
「黒澤の映画が大好きでさ、何度も何度も観ていたら妻にDVDとか全部取り上げられたからPCでこっそり観ているよ!
「七人の侍みたいな映画を作りたかったんだけどさ、キング・アーサーの脚本を読んでみたら騎士が七人だったからラッキーだと思ったんだ!

    ってイギリス人が聞いたら激怒しそうな事語っています。
    そう「キング・アーサー」はアーサー王伝説はわりと無視した作りなのです。だから最大150人と言われる円卓の騎士はたった七人。インディ・ジョーンズにも出てきた聖杯は無いし、抜いたら王になれると言われる聖剣エクスカリバーは単に墓に突き刺さっていた剣。その代わり「七人の侍」へのリスペクトが強い。円卓の騎士には騎士じゃなくて武士としか思えない動きをする奴もいる。っていうかこいつは武士というよりも久蔵[なので死に際まで似ている]。←「キング・アーサー」「七人の侍」両方のネタバレ。


    僕はこういう中世活劇が好きなので楽しめたし、ローマ帝国に渋々従いながら任務に就く騎士団の物語は面白い。たった八人で敵の軍隊と対峙する氷原の対決なんかかなり燃える。     でも「キング・アーサー」のドラマには欠点が多い。敵の先住民がアーサー達に[協力を申し出る]シーンがアッサリすぎて(クライマックスじゃなくて途中で[和解]する)全然盛り上がらなかったり、「七人の侍」で言うところの菊千代であるランスロットのドラマが弱すぎる。一番致命的なのは「キング・アーサー」とはアーサーがブリテンのキングになる物語だ!という基本設定が理解できる描写が無い。僕はエンディングの[ブリテンの先住民がアーサーに土下座する]シーンで、ようやく基本設定を思い出しましたよ。
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