2004年のワーストは「DEEP LOVE」とか「キューティー・ハニー」とか「CASSHERN」とか観る前から、というか
製作が発表された時からアレな事なことがわかる映画ばっかりですが、「茶の味」は期待していただけに落胆した。僕は石井克人というクリエーター(映画監督だとは思っていない)が大嫌いなのですが、これは評判良いので思わず期待していたのです。
そう思ってシネマライズ(渋谷にある映画館、映画を映画じゃなくてカルチャーと思っている人達が大好きな場所)に行くと、こまねこ(シネマライズに行くと無理矢理見せられるクソつまらんアニメ)が流れてきて、Grasshoppa!(2001年に最低DVDマガジンGrasshoppa!で登場したレーベル、今年から映画に進出するらしい)のロゴが出てきて本編スタート。この時点で既に帰りたい気分が充満してきた。
僕は映画館で
これだけは絶対にやらないという事があります。それは
途中退場する事。どんなにつまらない映画だろうがクソ長い映画だろうが、途中退場だけは絶対にやらなかった。映画館に入った以上必ず最後まで観て来た(つまらない映画のクレジットは観ないが)。映画館通いを初めて10年以上経つけど今までに一度も無かった。よく映画の感想で「途中で出た」と書く人がいるけど、そういう行為が信じられなかった。ところが
「茶の味」で生まれて初めて映画館から途中退場しました。「茶の味」は観る事自体、映画館にいる事自体が苦痛だった。前評判で[
少女が逆上がりする]シーンの評価が高いので、そのシーンが来るまで何とか頑張って耐えようとしましたがダメだった。
「茶の味」はどういう映画かというと、映画では無くて
コントの寄せ集めです。田舎のとある家族が色々なコントに遭遇するだけ。
○父と子が電車に乗っているとコスプレした人達も乗車してくる。
○浅野忠信が初恋の女性と再開してダベる。
○アニメーター達が「このポーズがカッコいいよね」「そうそうこのポーズがね」とか喋っている。
というように
コントと呼ぶにはつまらなすぎるが、コントとしか分類できない映像が延々と流れる。映画として機能しているのは「逆上がりを練習する女の子」の物語だけです。
作品としての特徴は
演出していないシーンが多い。怒ったアシスタントが漫画家をボコボコにするシーンは演出を全くしていない。
長回しも多い。一つ一つのコントで同じ構図が延々と続き、もちろん動きも無い。「頼むから画面を切り替えてくれ!」と何度も心の中で祈った。そのうちガマン出来なくなってきたので
目をつぶりながら観るシーンもあった(それでもガマン出来なくて映画館から出た)。
それと大人が演技をしていない、キャラを作っているだけ。ちゃんと演技しているのが子役達だけなので観ていて恥ずかしい。特に最悪なのが浅野忠信!大好きだった俳優なので彼の大根役者振りも必死で擁護していたけど、「茶の味」の浅野は本当に酷い。存在感だけが取り得の俳優の存在がウザくなるとこうなってしまうのか。
それにしても世間では「茶の味」はベタ誉め状態だね。みんな
「空気感が面白い」とか言っているけど、
空気なんざ面白くも何とも無いと思う。あー「リディック」が面白いぜ。