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トルク   ★★★★★

ややネタバレ気味の感想です。ご注意を。


    「トルク」はアメリカでは2004年最悪の映画と呼ばれており、IMDBでも映画史上のワースト60位にランクインしている(IMDBに登録されている映画は2000万本だぞ)。何を言うのだアメリカ人よ!お前等こんなに素晴らしい映画を自分達で作り出しておいて何故否定する?そもそもお前等の国では「デビルマン」が公開されていないのに、2004年ワーストが語れるわけがないだろう!

    「トルク」は精神年齢の低い「トリプルX」と、偏差値の低い「ワイルド・スピード」などを作ったプロデューサーが送り出す、IQの低いバイク映画。おそらく「トルク」の精神年齢と偏差値とIQの合計値は3桁に達しないだろう。だが知性の低さを補って余りある時速の大きさが、この映画のパワーを生み出している!もしこの映画をデートムービーに選んだら、彼女から「何で「2046」にしないのよ!」と怒られること間違いナシですが、まあ映画館は男性だらけだったので、そんな心配必要ないな。
    ストーリーは「ワイルド・スピード」のように、ワル達が化け物のようなカスタムマシンで暴れるだけなんだけど、それでも「ワイルド・スピード」は主人公が警察官で、そこらへんの良識はある。でも「トルク」は麻薬パクって逃げている主人公に、イイ奴等が揃っている黒人ドラッグ暴走族と、悪い奴等が揃っている白人ドラッグ暴走族が絡むという、登場人物全員が麻薬関係の犯罪者
    オープニング、いきなり「ワイルド・スピード」のような改造車同士のレースから始まる。改造車達は荒野を時速160マイル(時速250キロ超え!)で爆走!危険だ、こいつら危険すぎる。しかしその時改造車達の後ろから、弾丸のように迫ってくる何かが!バイクだ!主人公のバイクがもっと早いスピードで突っ込んできた!そしてバイクは推定時速300キロのウィリー走行で改造車を抜く!危険だ!つーかバカだ!同時に画面にバアアアーンと「TORQUE」のタイトルが。最高に頭悪いぜ!
    ガソリンスタンドについた主人公は「四輪乗りはアホだ!」とドライバー達とケンカ、しばらくすると今度は黒人暴走族とケンカする。さっきからケンカばっかでストーリーが進まない。頭悪いからな。
   黒人暴走族に絡まれた主人公、そこに黒人暴走族のリーダーのアイスキューブが登場。主人公にインドネシアの話を聞いてくる。主人公は白人暴走族からドラック盗んで、最近までインドネシアに逃亡していたのだ。
「インドネシアのスシは旨かったか?」
「スシは日本だよ」
「黙れ!この黒ン坊!」

などとゴキゲンな会話をして荒野のバイク祭りに向かう主人公。
    バイク祭りでは、何故か巨乳のお姉ちゃん達があっはーんとバイク洗っていた。ちなみにこのシーンが前半のクライマックスです。
    そして主人公は昔の恋人に出会い、ラブシーン。恋人が「オホホ、捕まえて御覧なさい」、主人公が「アハハ、待て待てぇ」とお花畑でやるべき行動を、恋人と主人公がバイクに乗って人ごみの中でやってしまうのだ。ラブシーンというよりも暴走シーンにしか見えなかったぞ。

    そうこうしているうちに主人公は白人暴走族の罠にはめられて殺人事件に巻き込まれる。そして仲間達と共にバイクで逃亡・・・。ようやく始まったストーリーは結構ダラダラ描かれるんだけど、映画が好調になってくるのは後半。森の中でバイク軍団が対決するという、日本の特撮映画みたいなシーン。[鉄道の上をバイクが走って対決する]という「ミッション・インポッシブル」の1と2のクライマックスを合体させたお得なシーンもある。
    何故かマトリックスのパロディキャラが登場。そう、次は高速道路でマトリックス・リローデッドばりのアクションが始まるのだ!単に無駄な破壊を撒き散らしているだけどな![この高速道路で、ほぼ和解したはずの主人公とアイス・キューブが何故か殴り合っている辺り「男は殴りあわないと友情が芽生えない」というパターン通りで微笑ましい]。

    クライマックスではバイク屋での大乱闘が起きたり、金髪美女とゴス美女がバイクでキャット・ファイトという、今年のベストシーンにランクイン間違い無しのシーンを挟みつつ、この映画の真のクライマックスが!
    そう宣伝で煽っている10秒で時速320キロに達するバイク「Y2K」が登場するのだ!それはバイクじゃなくてミサイルだろう!だいたいカタパルト無しに10秒で時速320キロは無理だろ!加速時のGとかどーすんだよ!主人公はノーヘルでサングラスかけてトム・クルーズ気取ってんじゃねえよ!サングラスなんて一瞬で吹っ飛ぶし、風圧で口は凄い形になるぞ!力学なめんな!と思っていた僕だけど・・・。
    主人公がY2Kのエンジンを「ブロロ・・・」とかけただけで、バイクの後ろにいた人間達が10人位吹っ飛んだ。やべえ!マジだよ!この映画マジだよ!この映画のスタッフ達はマジで時速320キロのバイクアクションやるつもりだよ!よし!力学が許さなくてもオレが許す!行けえーーー!(←映画観ていて、久し振りにこういう気分になった)
    そしてY2Kが発射すると(発進という言葉は適切ではない)、驚天動地のバイクアクションが展開!しかも場所は荒野とかレース場とかじゃないぞ、ちゃんとロサンゼルスで超爆走。もちろん走ってるだけじゃなくて、時速320キロで銃を撃ったり殴ったりするぜ!頭悪いからな!バイクが通りすぎるとお姉ちゃんのスカートが「OH!」ってめくれるぜ!お約束だからな!


   「トルク」の事をバカバカ言ったけど、一番バカなのは「トルク」で大喜びしている自分だ。
    クライマックスはメチャクチャ興奮しましたが、冷静に考えればやってることは「デビルマン」のデビルマンVSシレーヌと同じレベルですね。でも面白さが違うんだよ!それに「ダイ・ハード2」以来の[超高速引火ネタ]が観れたのが嬉しい。
    僕は「トルク」を観て、チャーリー・シーンの「ザ・チェイス」というケッ作を思い出した。中学生だった頃の僕は「ザ・チェイス」をレンタルをして毎日観ては、返却してまたレンタルするというのを繰り返していた。この「トルク」は、あの「ザ・チェイス」に匹敵するケッ作だと思う。もし僕が中学生だったら、きっと今日は一日中映画館で「トルク」を観ていたことだろう。でももう大人なので「2046」観に行きました


● 主人公
    ラモーンズのTシャツ着用。トム・クルーズのバッタもんみたいな人。監督もそこらへんわかっているらしく、M:I=2のパロディカットを入れまくる。

● ヒロイン
    ローリング・ストーンズのTシャツ着用。巨乳の姉ちゃんが次々に登場した後に出てくるので、最初のインパクトは弱い。

● 主人公の相棒の韓国人
    メタリカのTシャツと”不名誉”と日本語で書かれたパンツ着用。恋人がレイチェル・リー・クックのバッタもん。

● 白人暴走族
    モーターヘッドのTシャツ着用。彼等の立てた頭の悪い作戦は次々に成功する。

● 白人暴走族の彼女
    最高。彼女の壁紙探してダウンロードした

● 黒人暴走族
    黒人暴走族って似合わなくてカッコ悪いな。僕の中では黒人といったら、MTVのPVみたいに、黒人ギャングは役半分がデブで、HIP-HOPファッションと、下品な金モノアクセしているイメージがあるんだけど、「トルク」ではそーいう奴等が暴走族やっているんだよ! ライダージャケットをバーンと着ているのに違和感が。

● アイス・キューブ
    と思ったけどデブの黒人でも有名な暴走族いるよな!「AKIRA」のジョーカーだよ。
    よく、「黄色人種=猿」「黒人=ゴリラ」という発想は白人の差別思想だ!っていう話聞くけど、「トルク」でアイス・キューブがケンカのために仲間集めるときに、「ウホッ!ウホッ!」と声をあげていたぞ、やっぱり黒人はゴリラじゃん!。同じ被差別猿として仲良くしていきたい。

● Y2K
    映画だけのネタだと思っていたら、パンフで実在するバイクだと知ってビックリ。理論上は時速400キロ出せるらしい。バイク業界なめていたのは僕だった。でも2000年問題っていう名前はカッコ悪いな。

● ジョセフ・カーン監督
    韓国系アメリカ人の映像作家。こいつの作り出す映像は面白いので今後チェックしていきたい。韓流ってのは男前の俳優達のことじゃない、こいつみたいにパワーを持った映画人の事だ。
    ちなみにこの監督はバイクが怖くて乗ったことが無いらしい。僕も同じだよ!しかもバイクの知識は「AKIRA」程度だと映画秘宝で嬉しいこと言っていた。僕も同じだよ!いや、ファミコンでエキサイトバイクやりこんでいた分、オレの方がバイクに強いぜ!

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