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花咲ける騎士道   ★

ネタバレを隠していません。楽しみにしている方は読み飛ばしてください。

    ※A っていうかリュック・ベッソンのセンスって本当に最低だな。


    リュック・ベッソン製作脚本、ジェラール・クラヴジック監督という黄金の「WASABI」コンビが送る新作なんだけど・・・みんなこの作品知ってるの?僕も公開直前にようやくその存在を知ったぞ。5月、6月と映画館に通いつめたのに予告編も一度も観なかった。ヒロインはスペイン人のペネロペ・クルス。もちろんフランス語は喋れないけど、とりあえずフランス語の発音で台詞をこなすというヒロスエ方式で演技している。作ったのは毎度おなじみ最悪映画会社ヨーロッパ・コープ。この映画会社が製作した映画は必ず★一つだなぁ。
    公式サイトは「けっこんぴあ」で、ロレアル・パリのサラサラお肌で映画に行こう!とかキラキラくちびるで映画に行こう!キャンペーンをやっているので、「きっと映画館の中は女性客だらけだろう」と思っていたら結構男性客が多かった。この人達はペネロペファンなのだろうか?
● オープニング
    18世紀のヨーロッパで戦争が起こっている様子が描かれる。以前「トロイ」の戦争シーンを「コピペ感が強い」と批判したけれど「花咲ける騎士道」の戦争シーンを観るとコピペしてくれただけマシだったことがよくわかる。高校生の騎馬戦とかのほうが迫力あるし人数も多い。


● 1
    戦地で国王ルイ15世は部下に質問する「どうして戦争が起きているのだ?」。って何でお前が原因知らないんだよ!さらに愚かなルイ15世はフランス軍の戦力が46962人だったので、キリが良い47000人にしようとして38人の兵士を徴収するように命令する。ルイ15世が愚かなのかそれともリュック・ベッソンが愚かなのかイマイチよくわからんプロットです。困った部下達は「戦争して敵の酒や敵の女を楽しめ!」と老人や小人やベルギー人を集める。※A繰り返し


    とある村ではモテモテの美男子のファンファン(演じるのはモテモテの美男子に見えないヴァンサン・ペレーズ)が村の若い娘に手をつけていた。ファンファンは娘の母親にも手をつけていた。っていうか村の女ほぼ全員に手をつけていた。ファンファンは怒った村人達に襲われたがメチャクチャ強いので捕まらない。どうしてそんなに強いのかというと「僕はパリでフェッシングのコーチしていたのさ~」と戦いながら説明してくれる。ちなみにアクションシーンの演出は「WASABI」と違って高瀬道場が関わっていないのでとっても下手糞。カメラが切り替わる度に戦っている人数が増減する
    ぬるーいアクションの末にファンファンは村人達に捕まる。

    そしてファンファンは村の娘をキズモノにしたということで責任とって結婚することになる。娘はその気になっているがファンファンは逃げようとする。でもファンファンは村人達に脅されて仕方なく結婚の準備。ファンファンが結婚するとあってファンファンが手をつけた村の娘達はみんな泣いている。そのうち一人の女性が怒ってファンファンにナイフを振りかざすと、服をビリビリに破かれ無理矢理全裸にされて泣きながら外に出されるという、映画の展開と全く関係ない上に思いっきり異質な状況になる。でもリュック・ベッソンって大好きだなこーいうシーン。※A繰り返し


    だがファンファンは結婚式の最中に逃亡して懺悔室に逃げ込む。懺悔室には女占い師(ペネロペ・クルス)がいた。占い師は予言する。「あなたは軍隊に入って出世して姫と結ばれて城を手に入れるでしょう」。それを聞いたファンファンは38人の徴収に来ていた軍隊に逃げ込む。当然ショックを受ける花嫁にファンファンはこう言う。「君を欲しがる男は他にもいるさ」。そして娘からもらった持参金を大勢の男たちに向かって投げて「その金を手に入れたやつにこの娘をやるぞ!」と娘を売り飛ばす。「君を欲しがる男は他にもいるさ」意味が違う!そして我先にとむらがる男達、女性客が観に来ていない理由がよくわかりました。このシーンはどうもギャグらしいのですが全く笑えません。※A繰り返し


    ファンファンが軍隊に入ると先ほどの占い師もいた。実は占い師は男たちに「軍隊に入れば姫と結ばれるでしょう」と嘘の予言をしては軍隊に入れてしまいその礼金で生活していたのだ。他にも騙された男がいたのでファンファンはこの詐欺トリックを解説してもらうが、それでも騙された事に気がつかない。ファンファンは本気で姫と結婚できると信じているのだ。


    山中を行進する軍隊。そこではたまたま山賊達がフランスの王女と姫を誘拐しようとしていた。王女は何故か護衛をほとんどつけずに旅に出ていたのだ。山賊は王女を拘束して一緒にいたポーランド人の乳母を強姦する。その悲鳴を聞いたファンファンは「女性に暴力を振るうとは何事だ!俺の生き様を学べ!そして死に様も学べ!」カッコ悪い台詞を叫びながら山賊達と戦う。ちなみにファンファン以外にもフランス軍が大勢来てるんですが誰も女性を助けようとせずに見ているだけ。※A繰り返し
    ファンファンはたった一人で山賊を全滅させる。山賊のボスが言う「貴様のせいで3人が死んだ!」っておーい!余裕で3人以上死んでいるよ!転がっている死体だけでも一杯あるよ!ちなみにこの映画のスタッフは数を数えられないらしく、他にもルイ国王が卵を何個も注文したけど2個しか用意されていないといったシーンがある。
    山賊のボスも倒したファンファン。そこへ謎の怪人ブラック・マスクが登場してファンファンを撃ち殺そうとする。だが占い師が間一髪のところでファンファンを助ける。降伏したブラック・マスクが「すいません山賊と間違えました。」と絶対無理のある嘘をつくと、ファンファンは見事に騙されてブラック・マスクを解放する。そして強姦されていたポーランド人の女は実は楽しんでいた。※A
    王女と姫を救出したファンファンは王女から「チューリップのファンファン」というイマイチな名前をもらう。ファンファンは予言通り姫と結ばれる確信する。


    ファンファンは軍隊の駐屯地に到着して正式に入隊する。ファンファンは副隊長の激しい罵詈雑言の元、厳しい行軍や有刺鉄線の下の匍匐前進などといった厳しい訓練を晴の日も雨の日も続ける。ってこれはハリウッド軍隊映画のまんまパクリじゃん!監督は「この映画の歴史描写は18世紀に存在しうる一線は守られている」と言ってるがバッチシ一線は越えているよ。 それと「渡河訓練だ!」と言ってみんなでに入っていくシーンは本気で呆れた。

    厳しい訓練に耐え切れなくなったファンファンは逃げ出そうとしたために牢屋に入れられる。牢屋に入れられる時にファンファンは「WASABI」のモモと出会う。
● 2
    副隊長は占い師の婚約者だったが、ファンファンは副隊長の下手な求愛をからかって怒りを買う。そして牢屋を逃げ出した(天井から普通に出れました)ファンファンは軍隊の駐屯地の屋根に登って「ハッハッハ僕は逃げるぜ」と大声で笑う。大声で笑ったので当然軍隊に見つかるファンファン。ファンファンと副隊長が屋根の上で決闘する。その決闘はファンファンが副隊長を屋根から落とすことで決着がつく。副隊長は少し気が触れたがなんとか無事だった。
    何だかんだでファンファンは脱獄と反逆と上官殺人未遂の罪を許してもらう。占い師も副隊長と結婚することを決意する。またファンファンとモモは親友になる。以上この3つは超重要な展開のはずですが、劇中全く説明がついていません


    ルイ15世の護衛のために軍隊は城へ行軍する。ルイ15世の周囲ではスパイ疑惑があった。ブラック・マスクと呼ばれるスパイが暗躍して情報が漏れているらしいのだ。ルイ15世は「ブラック・マスクだと?黒人を見張れ!」と命令する。※A繰り返し

    ブラック・マスクとは黒い帽子と黒い服と黒いマントと黒い仮面を被った敵国のスパイで・・・ってそんな怪しい格好したスパイは一瞬で捕まるよ!何でそんなに目立つやつがスパイやってるの?っていうかブラック・マスクの正体は国王の側近なんでしょ?それだったら顔を隠す必要ないじゃん!素顔のまま情報盗めるじゃん!だけどブラック・マスクが城内をその格好でうろついていても誰も騒がない。


    ファンファン達の軍隊が城に到着した。ファンファンとモモは夜になるのを待って姫の部屋へ忍び込む。自室でくつろぐ姫は突然ファンファンが入ってきてビックリして悲鳴をあげる。そうするとファンファンは「なんだこのアホウドリか九官鳥みたいな女は!こんな女は嫌だ!」逆ギレする。※A繰り返し
    ファンファンとモモは捕まって牢屋に入れられる。

    占い師が牢屋にやってきた。占い師はファンファンに愛を告白して、ファンファンもそれを受け入れる。え!何で?



ファンファンは姫を狙っていたんだよね?


占い師は副隊長との結婚を決意したんだよね?



それなのに何でこの二人が結ばれているの?



    占い師はファンファンの無実を訴えようとして城に忍び込む(この城は出入り自由なのか?)。占い師は国王の側近(実はブラック・マスク)の部屋に入る。占い師は側近がブラック・マスクだという事に気がつき、そこへルイ15世もやってきた。占い師はルイ15世に側近こそがブラック・マスクだと訴える。
ルイ15世「本当にお前がスパイなのか?」
ブラック・マスク「私を疑うのですか?王よ、あなたは私と同じ王族ではないですか!」
ルイ15世「お前が王族なのか?」
ブラック・マスク「そうです、敵国からスパイの礼として小国の王にしてもらう約束をしました。だから同じ王族です。」
こうしてブラック・マスクの陰謀はバレた
    ブラック・マスクは占い師を無理矢理引っ張って部屋から走って逃げる。誰も追いつけなかったためにブラック・マスクは城からの逃亡に成功する。っていうか人間一人無理矢理引っ張っているヤツをどうして誰も追えないの?それにここは城の中でしょ?何で逃げ出せるの?
● 3
    逃亡したブラック・マスクは占い師を連れて馬車に乗りイングランドの城に逃げ込む。
「この戦争でイングランドが勝てば私は王だ!お前は妃だ!」
    って何でブラック・マスクが占い師を妃にするのよ?動機が全く無いじゃん! (ただし僕が人生最高の映画だと思っている「天空の城 ラピュタ」にも同じ脚本のミスがある。映画の前半で飛行石を狙ってシータを追い回していたムスカが、後半では何故かシータを妃にしようとして連れ回すのだ!!まあ宮崎駿もリュック・ベッソンもミスだとは思っていないでしょうが。)


    ブラック・マスクを追いかけたファンファンも城に忍び込んでくる。ファンファンはイングランドの王達をホールドアップさせる。ちなみにイングランドの王は白痴として描かれている。※A繰り返し
    そのころイングランドの大群(ただし人形)がフランスに攻め込もうとしていた。逆転をするためにはイングランドの塔に白い旗を掲げなくてはいけない。ファンファンは城の塔に向かうがブラック・マスクがジャマをする。激しく剣で殺しあうファンファンとブラック・マスク!そのとき占い師が閃いた!



「白い旗が無いわ!でもファンファン、あなたのシャツは白よ!」



そうかその手があったか!とおもむろにシャツを脱ぎ始めるファンファン


もちろん脱いでる最中にブラック・マスクは切りかかってくる!


占い師は何とかブラック・マスクを止めようとする!

    シャツが上手く脱げないファンファンと、そんなファンファンを狙うブラック・マスクと、必死に止める占い師最高に間抜けなクライマックスだが、結局シャツを脱いだファンファンはブラック・マスクの首をロープで締めて塔から突き落として殺す。
    城の塔に白いシャツがあがった。イングランドは負けたのだ。こうしてフランスは勝利した。


● エンディング
ファンファンは占い師と結婚して子だくさんになった。

    さて「花咲ける騎士道」には衝撃の設定があります。この映画は戦争が起きて、軍隊に入隊して、厳しい訓練を受けて、王の元へ行き、女性と恋をして、再び戦争が起きるというどー考えても数ヶ月の物語なのですが実は3日間の物語なのです。※1が一日目、※2が二日目、※3が三日目のお話だったわけ。特に一日目と二日目はあからさまに長い時間が流れていますが、マジで3日間の物語なのです(劇中ハッキリわかるシーンがある)。リュック・ベッソンの脚本は天才的ですね!タイムマシンとか使っていないのにここまで時の流れが狂っている映画も珍しいです。
    ちなみにパンフレットには「リュック・ベッソンの脚本は文体が素晴らしい」という賞賛の言葉が載っています。文体は脚本とは関係ないけどね。それしか誉める場所が無かったのね。
    あ、「花咲ける騎士道」は一応ラブコメディなんですが、ファンファンは「女なんて花をあげて誉めればいいのさ」という主張を持っており実際それしかやっていない。映画としての恋のマジックは一切ありません。もちろん観客は誰も笑っていませんでした。
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