男同士の絆が国家を築く。
まるで男塾のようなテーマを
アリストテレス先生から教わった少年アレキサンダーは、
「絆」を「愛」に拡大解釈して立派なホモになる。
古代ギリシャでは女性は無視されていて、男同士の絆が高尚なモノだと考えられていた。オリバー・ストーンがそこに焦点を当てた本作は、ええ乳した姉ちゃんが男達に狙われるシーンはないが、その代わりええケツした兄ちゃんがてごめにされて
「ウォー!」と悲鳴をあげるシーンがあるような作品です。
大王となったアレキサンダーはアジア方面への大遠征を開始。苦難の毎日だが、夜はベッドで寝そべって美青年と絡みつくような視線を交わす。そんなことばっかりやってるのでアレキサンダー大王には
当然跡継ぎが出来ない。じゃあ仕方ないから
子作りしようと、征服した土地の王女(アジア人)を娶ろうとする。
登場人物全員が「ギリシャ人以外と結婚するなんて許されん!アジア人は低俗だ!」と激怒するが、アレキサンダーは西洋人とアジア人の間にある問題を
パッチギって結婚する。
妻が出来てもアレキサンダーの男色と男の絆論は収まらず、インドに侵攻すると現地の美青年とキス。これがキッカケで[
アレキサンダーの周辺は崩壊を始める。しかしそれでもアレキサンダーは西洋と東洋の調和のために遠征を続けるのだ・・・。数十年後、当時のアレキサンダーの部下が「アレキサンダーは東洋との調和とか言ってたけど、アレは単なる征服と支配だったよなぁ」]と、世界中の
肌に色が無い人達に突き刺さる言葉を呟いて映画は終わる。
アメリカで公開されて、「トルク」「キャット・ウーマン」と並び2004年のワーストを欲しいままにしている「アレキサンダー」だけど、結構面白かった。アレキサンダーの行為を西洋から東洋への侵略として描きつつも、ちゃんと理由付けをして偉業としては否定しないところが良い。でも3時間の上映時間と、そのボリュームに見合っていない戦争シーンから言って、とてもじゃないけど他人にはお薦めできないな。あ、
蛇とたわむれるジョリママはお薦めできます。
オマケ:「グラディエイター」の有名な時代考証ミスで「銅像が着色されていない」ってのがある。「アレキサンダー」はちゃんと着色されているんだけど、やっぱり色がついているとカッコ悪い。