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03/12/3    TOP分のみ更新

雑談

    「バッド・ボーイズ2バッド」を観て、「ファインディング・ニモ」を観て、t.A.T.uのライブに行ってきました。破壊屋に書きたい事は一杯あるんですが、仕事も遊びもフルスロットル状態なので大変です。
    「バッド・ボーイズ2バッド」は荷物満載のトラックが主人公の乗るフェラーリより速いという、意味不明のカーチェイスがありました。「ファインディング・ニモ」は公開まだなんで内容や評価には触れませんが、有名な殺人のテーマソングが流れるというとんでもないシーンがありますよ。t.A.T.uのライブは良かった。

03/11/29    TOP分のみ更新

うおおおぉぉ!!

ソニックマニア、KORN&SLIPKNOT実現!!すげえ、凄過ぎる。恐らく来年の幕張は阪神が日本一になった道頓堀を凌ぐモッシュとダイブの嵐になることでしょう。


このジャンルを知らない人にはサッパリわからんでしょうが、これはつまり歌謡界に例えるとSMAPの前座にモーニング娘。が来るようなもんです。

映画に例えると「マトリックス・レボリューションズ」を観に行ったら「王の帰還」の予告編が!
ゴジラに例えるとキングギドラの前にモスラが!
「となりのトトロ」の前に「火垂るの墓」が!
「猫の恩返し」の前に「ギブリーズ episode2」が!
「ターミネーターVSランボー」が!
マンガに例えると範馬刃牙VS鎬紅葉の前座に範馬勇次郎VS愚地独歩が!
テポドンミサイルの前にノドンミサイルが!
t.A.T.uの前にシャンプーが!
盆と正月が!
泣きっ面にハチが!(以下永遠に続く・・・)


そんなことは置いといて・・・
● フォーン・ブース   ★★★
電話ボックスという超限定空間での80分強烈スリラー!面白かった!
もしスチュが日本の女子高生だったらメールで何とかするんだろうな(実際は無理)。

03/11/28    TOP分のみ更新

アンダーカバー・ブラザー   ★★★★

    これも夏に書いてそのまま放っておいた感想なんですが、K-1に出現した黒いドラゴンに感銘を受けて載せました。アンダーカバー・ブラザーは”「燃えよドラゴン」をブルース・リーではなくてジム・ケリーという観点から見ている男”という設定なのです。
    しかし黒いドラゴンはこの格好で戦ってくれるなんて・・・(一応言っておくがトラックスーツは戦闘服なんだぞ!トイレには不便だけどな!)。

    「アンダーカバー・ブラザー」とは乱暴に言うと「オースティン・パワーズ」の黒人版です。ストーリーは無いんですが。「黒人達の地下組織が黒人の社会進出を阻む白人至上主義の組織に戦いを挑む。そして黒人達はブラックカルチャーの申し子、アンダーカバー・ブラザーを雇い早速潜入捜査を命じる・・・」というようなストーリーがあったような気がします。早い話が正義が黒で悪が白だということです。
    「オースティン・パワーズ」のギャグは下ネタがメインだったのに対して、「アンダーカバー・ブラザー」は白人差別ギャグがメインです。例えば白人のファッションはダサい、白人はバックストリート・ボーイズやインシンクを聞く、白人は「フレンズ」を観ている。といった人種差別ギャグ?が大量に出てきます。もちろん対照的に黒人はファッションも音楽も格好イイという点が強調的に描かれます。そしてアンダーカバー・ブラザーは黒人の格好良さの象徴たる存在で、黒人女も白人女も黒人男も白人男も次々にアンダーカバー・ブラザーの虜となります。肌の黄色い我々がアンダーカバー・ブラザーを格好イイと思えるかは難しいところですが、この写真を見ればその結果は悪い意味で一目瞭然です。
    この映画の製作規模は非常にショボく、「オースティン・パワーズ」ではラスベガスでバート・バカラックをBGMにしたデートシーンも、「アンダーカバー・ブラザー」ではカラオケで「エボニー&アイボリー」(黒人と白人は仲良くしようね!という曲)を歌うだけ。途中のカーチェイスなどは機材さえ揃えてもらえば誰でも撮影できそうな内容。モテモテの主人公が街を行くだけで騒がれるというシチュエーションは「オースティン・パワーズ」だったら何十人もの女の子が出てくるのに対して「アンダーカバー・ブラザー」ではたった二人(女友達に頼めばすぐ撮影できる)。みんな銃を持っているの銃撃はほとんど無く、戦うときは必ずカンフーです(発砲シーンの撮影は面倒なため、役者を殴ったほうが撮影が簡単)。銃を持っているのに拳を構えているなんてのはまだいいほうで、クライマックスには敵の部隊が全員手ぶらで突撃してくるという素晴らしいシーンもあります。
    そこまで製作費を抑えているのに、ヒロインはデニス・リチャーズで特別出演がジェームズ・ブラウンと妙に豪華、また爆発シーンもかなり派手。実に正しい製作費の使い方です。
    えーと映画本編の感想書いてませんが、ボンクラが強かったり、モテたり、格好イイという基準になっている内容なので、ボンクラの僕には楽しかったです。以上。
● 感動したシーン
我々黄色人種(の男性)が中学生の頃、「金髪の人の陰毛って本当に金髪なのかなぁ」と思春期の悩みをぶつけていたのと同様に、黒人(の男性)達も「白人女性の乳首って本当にピンク色なのかなぁ」と疑問に思っているシーン。そりゃお前らの乳首はみんな黒いからな。

● 劇中笑った台詞
色んな人達がぞろぞろ集まる職場の事を、「イヤだ!まるでアリー・MY・ラブだ!」

● 劇中笑った装置
劇中に出てくる黒人を識別する装置は「このがあったか!」と思いましたよ。

● こんな映画を公開する映画館
銀座にあるソウルトレインがシェイクしているファンクなシアター地下鉄が通ると揺れる場末の映画館):銀座シネパトスに向かうと、まばらな客は秘宝系の人ばっかりでした(確信は無いが空気でなんとなくわかる)。そういや日本で一番お洒落な映画館:六本木ヒルズのヴァージンシネマズではチケット売り場に水が流れていてたまげたけど、シネパトスのほうがもっと驚いた!まさかあそこまで雨漏りスゴイとは・・・(注:この映画を観たのは8月の大雨の時)。

Where is my Dream?

    KORNの新譜が!オフスプリングの新譜が!インソレンスもプレイモも新譜を出していた!レッチリもプライマル・スクリームもアンダーワールドもベストを出した!つーかエレクトラグライドは本日だ!でも体調が悪いので、とてもじゃないけどオールナイトのダンスイベントなんて無理です。せっかく休みをもらったのに。
    CD発売ラッシュで財布が悲鳴あげてますが、とりあえずラウンドスケープ(リンキン・パークのオープニングアクト)のデビューシングル:Where is my Dream?を購入。バリバリのデジタルロックだったので大いに喜ぶ。そういや来年2月に遂にマッド・カプセル・マーケッツが新シングルを出す事が決定!このジャンルが再び流行るのか?
    そして週明けにt.A.T.uのライブに行って来ます!何か前日に徹夜仕事が入ってしまいましたが、いざとなったらt.A.T.uバリのドタキャン見せてやります。t.A.T.uはドタキャンするのかな?ドタキャンしたら東京ドームのファン達はめっちゃ盛り上がると思うんだけど。でもドタキャンされてももうミッシェル・ガン・エレファントはいない
    ソニックマニアのウェブサイトにインソレンスが映画『ドラインヴィン』に出演とありますが、そりゃ「ドリヴン」だ。インソレンスがデビューしたのは「ドリヴン」の撮影がとっくに終わった後の事で、音楽の使い方もメンバーの出演シーンも挿入感バリバリ。当時の僕は「映画の編集ってプロモの意向でこうも改悪されるのか」とわかってた事とはいえショックを受けました。
   「ドリヴン」はMTVのPV集のような映画で、当時流行っていた音楽を片っ端からBGMに。しかしパーティーシーンにインソレンスのポイズン・ウェル(名曲だがパーティーにかかるような曲ではない)、クライマックスのレースアクションにファットボーイ・スリムのライト・ヒア ライト・ナウ(超名曲だがそれじゃあ日産のCMだ)と変な感じ。
ところでt.A.T.uのチケットが値崩れを起こし始めたようですが、そんな事言われても定価で買った僕は困る(ちゃんと正規で買おうぜ!)。

03/11/24    TOP分のみ更新

東京ゴッドファーザーズ   ★★★★

    2003年度のアカデミー賞長編アニメーション部門に「ファインディング・ニモ」の対抗馬として突如出現した映画です。「東京ゴッドファーザーズ」と「千年女優」がアカデミー賞Wノミネートを狙っているという話を聞いたときは「またくだらない宣伝を・・・」と思っていましたが(アカデミー賞を狙ってるのは配給側で監督は意識していないらしい)、本編を観てビックリ!こんなに素晴らしい内容ならノミネーションも可能でしょう。敵は「ファインディング・ニモ」なので受賞は絶対に無理でしょうが。
    星を4つにしたのは「東京ゴッドファーザーズ」が傑作の類ではなくて、こじんまりとした良品だから。最近の映画の中では最もオススメできる作品で、間違いなくクリスマスムービーに最適なのに公開は何故か秋。しかも横浜じゃあ上映していないし。こんな素晴らしい映画なのに勿体無い。
    東京に住む3人のホームレス(ゴッドファーザーズ)。一人は愚痴の多いオッサン浮浪者ギンさん、もう一人は優しくてたくましいオカマのハナちゃん、もう一人は浮浪者になってダイエットに成功した元デブの女子高生ミユキ(デブでもアニメヒロインとして成立している。この映画のデザイナーは天才か?)。3人のホームレスはクリスマス・イブにゴミ捨て場に捨てられた赤ちゃんを見つけます。そこで彼らゴッドファーザーズになって赤ちゃんの両親を探して事情を聞こうとするのですが・・・。
    というのが映画の目的です(警察に行かない&行けない説明はちゃんと付く)。映画の基本構造は3人のホームレスが行く先々で、自分達に繋がりのある人達と次々に出会う人情コメディです。しかし本編は物語が始まった瞬間から人情コメディとは思えないほど目まぐるしくストーリーが展開、観客を絶対に飽きさせません。最初のクライマックスは何とガンアクションだ!
    東京でホームレスが両親探しなど不可能に近いはず。でもこの映画は奇跡の物語なのです。オカマだけど母親になりたいハナちゃんにとって赤ちゃんは神様からの贈り物。そしてクリスマスなんだから東京は奇跡の街(東京タワーがクリスマスツリーでちゃんとツリーの根元にはちょっとしたプレゼントがある)になって、3人のホームレス達には奇跡が次々に起こるのです。だけど起きる奇跡は全て世俗にまみれまくったくだらないモノばかり。「お供え物を盗みに行ったら[赤ちゃん用のオムツ]があった」「タクシーの運ちゃんが赤ちゃんの行き先を知っていた」「ヤクザと仲良くなったら[赤ちゃんの母親の元愛人]だった」。アニメ映画なのに現実離れすることなくストーリーは展開します。僕はこういう泣かせるドラマは実写でやるべきだと思っているので、「東京ゴッドファーザーズ」がアニメである必然性をあまり感じなかったけど、次々に奇跡が起こっても嘘臭くないというのはアニメの特権なのかもしれません。
    いや、ホント泣ける映画なんです。3人のホームレス達は劇中ずっとお互いの悪口をこれでもかこれでもかと吐き続けていて、そこに涙や優しさはありません。でも社会からはじかれて悪態をついている彼らだからこそ、捨てられた赤ちゃんを社会に戻そうと努力する姿が涙を誘うのです。自分の事すらおぼつかないホームレス達が赤ちゃんのために我が身を投げ出す事が彼らの優しさなのです。
    僕が偉く感心したシーンがあります。
    [ハナちゃんが病気になって医者に診察をしてもらう。そうすると医者はギンさんに「生活を改善しろ」と厳しい言葉を投げかける。当然ギンさんは「俺たちはホームレスなんだぞ!」怒り始めるのですが、その医者は「医者は病気を治すまでが仕事、生活を改善するのは君達だ」とさらに厳しい言葉を投げかける。だけど実はその医者も辛い人生を歩んできたことがわかるのです。]
    ここで終わったら単にお涙頂戴の戯言エピソードなんですが、[実はその医者の辛い人生がギンさんが考えていた嘘の人生と全く同じ]というギャグになっているんです。人生の厳しさから逃げることなくギャグをやってのける脚本はお見事としか言いようがありません(でも中盤ゴッドファーザーズの目的がボヤけてしまっているのが残念)。
    クライマックスは[3人のホームレスそれぞれが自分の役割を果たします。アクション俳優でも競輪選手でもなかったギンさんは自転車に乗ってトラックと闘い、親を否定したミユキは親と子供の両方の視点を理解して赤子を救おうとする、そして赤ん坊を抱いたマリア様に憧れていたハナちゃんには本当の奇跡が起こってマリア様どころか天使様に・・・。そして彼らが行き着いた先は、十字架の地病院だった!]


● 「東京ゴッドファーザーズ」の日本独特な雰囲気は海外でも新鮮な感覚としてウケそうですが、ただ一つ心配な部分があります。キャラクターが怒ると顔が膨らんだり崩れたりする日本のマンガ、アニメ独特の表現って外国人は理解できるのかな?

● この映画ほど優しいオッパイと怖いオッパイを描いた作品は無いと思います。っていうかアニメのオッパイ語るなんで僕も終りか?

● これは一般常識ですが、この事を知らないと映画の意味がわからないのでとりあえず解説。ゴッドファーザーとは名付け親のことです。

● オープニングはクリスマスでクライマックスは新年。ちゃっかり初詣のシーンが出てくるあたりの日本人らしい無宗教感覚も素敵。

雑談

    雑談掲示板に「電車の中でスパイダーマンを目撃」というカキコがありました。勿論僕では無いのですが、カキコを読んだ友人達が「あいつあの格好で電車に乗ったのか」と思っていた事が判明。というわけで全国のスパイダーマン全身タイツの購入者はアレを着た時はマトモな行動をとってください。アレを人前で着れるような人はマトモじゃないと思いますが(例:僕)、いつか「スパイダーマンの格好をした痴漢登場!」という事件が起きないかと非常に不安なんです。

03/11/22    TOP分のみ更新

地獄の黙示録 特別完全版   ★★★★

    もし未見なら最初の30分だけ観たほうが良いですよ!映画史上最高の名シーンの一つとして名高い「ワルキューレの騎行」があるのですから。


ネタバレじゃないけど、何も知りたく無い人は注意。



    ベトナム戦争中にアメリカ人達がベトナムの村近くでサーフィンが出来る事を知った。勿体無い!ベトコンはサーフィンをしないのに!ベトナム人を殺して村を奪わなきゃ!次の日になったらヘリコプターで出撃、勇壮な音楽を大音量でかけながら村に向かって射撃と爆撃を繰り返して無差別殺戮。家も学校も破壊して、しまいにはナパームで適当に一掃。
    村が壊滅したら早速「みなさんアメリカが助けに来ました!」と村人を人道的救助! でも内臓飛び出しているベトナム人は放っておいてレッツサーフ!
    たった数分で「アメリカって何?戦争って何?」を描いた素晴らしいシーンです。
    それが終わると、あとはカリブの海賊のベトナム戦争版みたいで意外と退屈です。(パイレーツ・オブ・カリビアンではなくて、ディズニーのアトラクションのほうのカリブの海賊
    それと売れっ子になる直前のハリソンフォードと、売れっ子になる数十年前のモーフィアスも出てきますよ。

雑談

    勤労感謝の日と振り替え休日の日に仕事が入りました。それじゃあただの勤労の日だ。今年観たい映画は残るは「ファインディング・ニモ」と「ラスト・サムライ」なんで、しばらく映画館に行かなくても大丈夫なんですが、金髪の女戦士がド派手なカラーのスーツを着込んで戦う2部作の傑作映画[キューティー・ブロンド ハッピーMAX]をまだ観ていないんだよなぁ。

03/11/19    TOP分のみ更新

ルールズ・オブ・アトラクション   ★

    スーパーフリーな青春恋愛映画です。自由恋愛という意味ではなくて犯罪集団の方のスーパーフリー。
    オープニングの季節は冬。アメリカの大学寮内で行われるパーティの最中、ヒロインは酔い潰れている合間に卑劣なロストバージンを迎える。その瞬間、映画にマジックが発生します。突然映画が逆回転を始めて、過去に戻り始めるのです。逆回転の最中同じように汚い思いをする学生達が出てくる。何故彼らはこうなってしまったのだろうか?映画がさらにさらに逆回転を続け春にまで戻った時、悲惨な青春の原因を描き始めます。この男女達はルールズ・オブ・アトラクション(引力の法則)によって惹かれて、だけどお互いが惹かれ合うことはなく・・・
    「ルールズ・オブ・アトラクション」の内容はかなりダーティで、大学生達が寮内でアルコールとセックスとドラッグだらけの青春を過ごす姿が延々と描かれます。勉強するシーンは一切ありません、「コンドームを使えば98%安全よ、2枚重ねなら196%よ」って99.96%だろ。演出もゲロ、オナニー、性病など汚い描写を繰り返し、セックスをする際にはなんとティッシュが登場!現実世界では必要だけど、ハリウッド映画ではラブシーンの時にティッシュを出すのは禁じ手なので滅多に無いんです(理由:映画の夢を壊すから。それと汗もかかないし、シャワーも浴びない場合が多い。)。また映画の後半では突然新キャラのゲイが登場して、男同士のじゃれ合い(BGMはジョージ・マイケル!)を見せた後に高級レストランで下ネタを連発するという映画本編に全く関係の無いシークエンスが延々と続いたりもします。「ルールズ・オブ・アトラクション」はハードコアな青春恋愛映画なのです。そういう意味では楽しめるんだけど・・・。
   宣伝では「恋愛引力の法則」「絶望的に君を知りたい」などと若者をリアルにとらえた映画としています。好きな相手が現れたらオナニーをするって確かにすごくリアルだけど、映画でそれをやられても困るんだって!(でもあのやり方はリアルじゃないな)。

    別にこの映画はつまらなくはない、面白い映画です。それでも僕がこの映画を否定する最大の理由は主人公です。主人公が最低([恋した女性が固いので、その周囲の女性をファック。軽蔑されるとその女性を殴る])なので全く共感出来なかった。余りにも共感できなくて、僕は映画の途中まで「主人公が恋している」という恋愛映画の超基本設定にすら気がつかなかった。
    もしスーパーフリーを題材に映画を製作するとしたら、主人公は当然"観客の共感を得る男"であり、その男がスーパーフリーに入ってどんどんと悪に堕ちていくのが物語となる。ところが「ルールズ・オブ・アトラクション」はスーパーフリーのリーダーみたいな男の恋愛映画にしてしまった。そういった要素が狙いの映画だとはいえ、僕は楽しめないよ・・・。
    この映画には二つの映像のマジックがあります。一つはオープニングの逆回転。そしてもう一つの映像のマジックはヨーロッパ旅行の映像です(これも本編とは関係が無い)。映画の後半に延々と意味の無いヨーロッパ旅行の映像が流れるのですが、その内容は「ヨーロッパの女20人に頼めば1人はヤラせてくれる」というグローバルのようで全くグローバルでない理論に従って、スタッフと役者がヨーロッパの素人娘との本物のセックスシーンをデジカメを使って撮影したもの。って、そういう映像の事を我が国ではハメ撮りと言うんですけれど。
    ちなみにレイプと暴力の申し子を主人公にして、なおかつ観客をその主人公に共感させるというとんでもない映画は実際にあります。しかもその映画は映画史に燦然と輝く大傑作、題名は「時計仕掛けのオレンジ」です。

03/11/16    映画の壺(その他7)更新

死ぬまでにしたい10のこと   ★★★


1:娘たちに毎日「愛している」と言う

2:娘たちの気に入る新しいママを見つける

3:娘たちが18歳になるまでの毎年のバースデーメッセージを録音する

4:家族でビーチへ行く

5:好きなだけお酒とタバコを楽しむ

6:思っている事を話す

7:夫以外の男とセックスをする

8:誰かを私に夢中にさせる

9:刑務所にいるパパに会う

10:爪とヘアスタイルを変える


    スペイン・カナダ合作映画の「死ぬまでにしたい10のこと」。23歳の主婦アンが余命2,3ヶ月と診断される。彼女はその事を家族に伝えずに、「死ぬまでにしたい10のこと」をメモにまとめる。そしてその思いを実現していくうちに生きる喜びを・・・という風に宣伝をしていますが、ちょっと違う。
    この映画はお涙頂戴映画ではありません。「死ぬまでにしたい10のこと」の原題は「MY LIFE WITHOUT ME(私のいない私の人生)」です、そのタイトルの意味は・・・     アンは17歳のとき出会った夫と結婚して出産、母親の家の庭でトレイラー暮らし、夫は失業中、父親は刑務所暮らし。今までの自分の人生に自分を感じることがなかった。だからアンは自分のことを他人の様に「YOU」と呼ぶ。

    観客はアンの悲劇に共感するのではなくて、アンが「10のしたいこと」を設定して自分の人生を歩む姿、つまりアンの普通の人生に共感するのです。「10のしたいこと」もトリックは特に仕掛けられておらず(一つだけトリックがある)、「10のしたいこと」は夢ではなくて単なる物事として捉えられ、アンの人生はリアリズムを基にして描かれます。(1シーンだけ映画がミュージカルになるシーンがあるのですが、直後にこのミュージカルは否定される。)

    だけどそれも「私のいない私の人生」の本当の意味ではない、このタイトルの意味がわかるのはラストシーンなのです。
    [彼女は死ぬ直前、まるで曇りガラスの向こうに自分の家族がいる光景を見る。それは幸せな光景だった、自分がいないのに。そしてそれが「私のいない私の人生」。彼女は今までの自分の「私のいない私の人生」に後悔はしていない、だって死ねば何も無いから。アンは家族がこれから迎える「私のいない私の人生」が幸せであることを祈りながら・・・。   そしてたった一つだけ叶わなかった「したい事」は「私のいない私の人生」が叶えてくれる。]
    このラストシーンで激しく感動しました。お涙頂戴というよりも、自分の死の先で家族の幸せな風景を見ることが出来る彼女の優しさと悲しさに共感した。
    サラ・ポーリー(2,3ヶ月しか生きられないアン役)、レオノール・ワトリング(子供が好きなのに出産に恐怖を感じる女性役)、デボラ・ハリー(アンと同じく人生に意味を無くした母役。っていうかブロンディーじゃん!)、アマンダ・プラマー(ダイエット中毒の役)、マリア・デ・メディロス(ファッションが全ての美容師役)と女優陣が非常に充実。それに比べて男性陣は役者も役も情け無い。
    自分の人生を模索する女性達を描いた完全に女性向けの映画なのですが、男性に対してもメッセージがあります。実に辛らつなメッセージが。 この「10のしたいこと」を見ればわかりますが、夫を完全に無視しています。アンの夫は17歳でアンを孕ませてトレーラー暮らしをしているバカですが、非常に優しい男性で、アンを愛し、子供を愛し、自分が貧乏でも常に家族に愛と優しさを与えています。それなのにアンは夫を無視する、だって自分の人生を決定付けたのはこの男だから。
    つまりどんなに優しくても愛があっても、とりあえず家族を幸せにできないバカな男には用がないという実に痛いメッセージがある。あ、でも後半に[一生懸命に働いて家族を愛せば女は認めてくれる]という心温まるシーンもあったので頑張ろう。
    ちなみに僕がざっと思いつく「死ぬまでにしたいこと」は・・・

1:トラックスーツを着てキル・ビルを観に行く

2:キャメロン・ディアズとドリュー・バリモアとルーシー・リューがお尻フリフリしているのを見る

3:毎週映画館に行って、毎週破壊屋を更新する

4:夜道で男に悪さされている女性を助けて、その女性に惚れられる。

5:タトゥーのライブに行く

    やべえ全部叶っているよ、生きる意味がないじゃん!(ちなみに4はその女性がベロンベロンに酔っ払っていたんだけど、今度は酔っ払った勢いで暴れだしたので警察呼んで後は任せました。社会的には正しくても映画的には間違っているなオレ。)

雑談

    「マトリックス・レボリューションズ」が終わった後に、中学生達が「一番悪いヤツって誰なの」で議論していた。
   某映画サイトの掲示板で「マッチスティックメンのラストシーンの女性が誰なのか」で議論が起きていた。
   映画ファン達の間で「YAHOO掲示板のキル・ビルの批判意見が酷すぎる、何もわかっていない」というのが話題になっているので、僕も覗いてみた。確かに酷かったが僕がやってる事と同じ気もする。

03/11/16    映画の感想更新

国内戦略版

● 死ぬまでにしたい10のこと   ★★★
女性向けの映画と思いきや、男性に対して辛らつなメッセージが・・・。

● ほえる犬は噛まない   ★★★
韓国人のブラック感覚がウケた。日本人や欧米人には無理だろうなぁ、この映画。

● 東京ゴッドファーザーズ   ★★★★
超オススメ!すごいイイ映画だった!

● ルールズ・オブ・アトラクション   
この主人公は2003年最悪のクソ男だ。


   何か久しぶりにゴミ映画を観たくなった。僕がネット始めた頃から掲示板でよく意見を読ませて頂いている銀幕三十郎さんが「>ギッチョさん    2003年ワーストを「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」に決定してしまった貴兄は全くもって軽率です。なぜならば、この作品をどんなレトリックで批判しようとも、「スカイハイ」(劇場版)より下とみなすことは絶対に不可能だからです。他ならぬ僕が言うのだから間違いありません。」と言うので「スカイハイ」を観に行こうとしたけれど、なんか単なる最悪映画っぽいなので辞めました。その代わりもっとスゴいゴミ映画を観てきました。ゴミだと思ったら案外面白かった。その作品の感想はまた今度・・・。

    あとdagu君も書いていたけれど、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の海外版の配給が決まったそうですね、国内で。
   僕はあの映画は絶対に再編集するべきだと思っていたので、「国際戦略版」を作る事はそんなに悪い事じゃないと思う。多分オリジナルより良くなるんじゃないかな?。日本のコミック・ムービーなので結構ウケると思うよ。でも音響効果を差し替えるって、オリジナルプリントはそのままなの?それに「海外版を海外上映が終わった後に国内配給する」というのは今までにもあったけれど、「海外で配給されていない海外版を国内配給」ってどういう事よ?国内記録を延ばしたいんだろうな、きっと。
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