ダイハード3
普段は留置場にいるウッチャンの元へ1211のボス:村木がやってくる。村木が留置場の中で「アチョー」と構えを取ると怪しげな音楽が流れてきて、次のシーンでは村木とウッチャンが脱走に成功している。
村木はウッチャンに「犯人は俺たち1211じゃない。謎の組織がいて真の黒幕がいる」と黒幕は弁護士であることがバレバレの説明をつける。
脱走したウッチャンはきなこの近くに行く。そしてきなこから隠れながらきなこに電話をかけ、人の命を奪うとことの重さを説く。(これが伏線になっている)
村木とウッチャンは横浜中華街のハンのアジトに行く。アジトにはNゲージが置いてあった。Nゲージには7:28 12:34というメモが書いてあった。Nゲージを動かすとNゲージが爆発した。村木はこのNゲージの動きから瞬時に敵の陰謀を見破った。村木が見抜いた恐るべき陰謀とは………
「7月28日に横浜市営地下鉄の電車に爆弾を仕掛けて、
外から爆弾を狙撃して列車を爆発させる。
タイミングは横浜市営地下鉄が地上に出た時だ。」
・ ・ ・ ・ ・ お前はサイコメトラーか!
何で手口がわかるの!
何で横浜市営地下鉄だってわかるの!
何で起爆の方法とタイミングまでわかるの!
ちなみにどうして村木とウッチャンが横浜市営地下鉄だと気づいたのかは、横浜市営地下鉄のHPを見つけて理由がわかりました。Nゲージが横浜市営地下鉄のはまりんだったそうです(Nゲージにしてはちょっと大きい気もするので違うかもしれない)。ここではまりんじゃなくて箱根登山鉄道や瀬戸大橋線やシベリア鉄道の模型を使っていたら楽しい事になっただろうにな。
ウッチャンはきなこに電話で連絡を取り、組織の陰謀を教える(でも爆弾が仕掛けられた電車を教えるシーンが無い)。きなこは慌てて横浜市営地下鉄の関内駅(でも関内駅ってJRもあるんですけど)に乗り込む。通報しろよ。メモには電車の発車する駅と時刻まで書いてあったらしいのできなこはその電車に乗り込む。乗り込むなよ、緊急停止ボタン押せよ!こうして爆弾を載せた電車は出発してしまった。
爆弾電車の片側の運転手は眠らされていた。仕方無いのできなこはもう片側に移動する。だから通報しろよ。時間が無いんじゃないのか? もう片方の運転手は撃たれていた。仕方無いのできなこは爆弾を探す。電車を止めろよ。そして電車は暴走を始めた。横浜市営地下鉄も気づけよ。だいたいこの計画って地下鉄が地上に出た時に狙撃するんでしょ?地下鉄が地下にいる間に停止させれば問題無しじゃん。この脚本は欠陥だぞ、リコールしろよ。
暴走といっても普通電車が駅に止まらないだけなのでただの急行電車に見える。
きなこは必死に爆弾を探す。でもさ「横浜市営地下鉄の電車に爆弾を仕掛けて、外から爆弾を狙撃して列車を爆発させる」でしょ?僕だったら爆弾は車内じゃなくて車外に仕掛けるけどなぁ。車内にあったら狙撃できないじゃん、普通電車のガラス近くには人間がいるよ?外側から電車を見て、向こう側の壁はほとんど見れないじゃん。電車が止まっていても狙撃できないよ。それにきなこは何で爆弾が車内にあるって知っているの?
ちなみにきなこが消火器に隠されていた爆弾に気がついた理由は爆弾がピコピコ光っていたからです。え?何でピコピコ光っているの?これは単なる爆薬なんでしょ?起爆装置がないから外から狙撃するんでしょ?
横浜市営地下鉄が地上に出るのできなこは爆弾を取り外す。建物の屋上から電車内の爆弾を狙っていたハンは狙撃に失敗する。
ちょっと真面目に批判させてもらいますが、この一連のシーンは本当に酷い。地下鉄に爆弾が仕掛けられた→ある地点に達すると爆発する→主人公が直接乗り込んで自力で解決しなくてはならない。このメチャクチャすぎて現実的に成立していないプロットは丸ごと「ダイハード3」のパクリなんだけど、「ダイハード3」はサイモンセッズという実在のゲームのルールに乗っ取っている。犯人が「サイモンセッズ、何時何分のあの地下鉄に爆弾を仕掛けた。主人公が自力で解決しないと爆破させる。」と主人公の行動を限定させてしまうのだ。もちろんこの限定にはゲームとしてではなく、ちゃんと犯罪計画として裏の意味もある。だから「ダイハード3」は現実的には成立していなくても、映画としてはちゃんと成立しています。映画にとって大事なのは現実的なお話じゃなくて、映画的なお話なのです。
でも「恋人はスナイパー」は現実的に成立していないばかりか、映画としても成立していない。映画のお話になっていません。しかも爆弾が隠してある場所が「ダイハード3」と同じというパクる必要が無いところまでパクるし。
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