2000年にフランスで製作され、日本では2001年に公開された映画「シックス・パック」。この作品はハリウッドの影響を受けて作られたサイコサスペンスで、シックス・パックという名前の犯人が起こす連続殺人事件を、2人組の刑事が追うというオーソドックスなもの。脚本の酷さが君塚良一並みで笑えます。
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パリで若い女性を刺し殺し死体を陵辱する連続殺人事件が起きる(前から思ってたんだがフランス映画って屍姦が多いのは何故?)。事件の手口は全て共通していた。人通りの少ない通りで女性を狙ってその場で刺し殺して行為に及んでいる。既に同じ事件が5件起きていた。 この映画ではコリン・ファースに激似の犯人(シックス・パック)はオープニングで既に画面に登場している。と思っていたらコリン・ファースの弟だった。 事件を捜査するのは、中年でパソコンを信用しない刑事ナタン(役者は誰だか知らん)と、相棒の若い刑事ソール(TAXiシリーズの役立たない方の主人公)は遊園地近くの犯行現場に行く。ナタンは 「犯人はきっと高いところから人通りの少ない場所を探しているに違いない、アレだ」 と遊園地の観覧車を見上げる(効果音がジャジャーーンと鳴る) 人通りの少ない場所を探すのに遊園地の観覧車を使うヤツなんてこの世にいないと思うぞ。 多くの物的証拠が残っているが、ナタンに言わせると 「そんなもの役に立たないのは犯人にもわかっている」 は?何言ってるの?お前刑事辞めろよ 二人は過去の殺人事件の現場に行く、やっぱりナタンは 「犯人は高い所から殺害現場を探すのだから(決め付けるなよ)あのビルに違いない」 と言ってビルに登る。殺害現場となった人通りの少ない所が見える。 |
高い所ばっかり探していたので、捜査に行き詰まったナタンは知り合いの精神分析医の所へ向かう。 このおっさんは殺人マニアでもあって 連続猟奇殺人事件といえばアメリカだ、 犯人はアメリカ人だ」 と日本映画並に強引な推理を展開。世界中のミステリー作品にケンカ売っている推理ですが、この推理は当っていた。 犯人はアメリカ人だったのだ! ・・・・・・この時点で映画館出たかった。 さらにナタンは殺人マニアのおっさんからあるアメリカの恐ろしい殺人鬼の話を聞かされる ある男がの妊娠中の妻が死亡した。そして男はその後8人の妊婦を殺害しお腹を切り裂き胎児を取り出して父親になろうとした。その男の職業は殺人課の刑事で名前はハリーだった。だから男はダディ・ハリーと呼ばれた。 僕は中盤でこのダディ・ハリーが本当に出てくるまでずっとタチの悪いジョークだと思っていました。 その頃犯人でアメリカ人のシックス・パックは新しい犠牲者の女性を付け狙って尾行するが、尾行が下手なので女性にはバレバレ。 女性は2人組の警察官に助けを求める、職務質問されるシックス・パック。しかしシックス・パックは警察官に何か説明すると、警察官はシックス・パックを質問するのをやめてしまう。シックス・パックには何か秘密があるのだ。 警察官は怯える女性に「そんな格好で歩いてるからだ」と逆に説教、女性はどっかに帰る。性犯罪を描いた映画なのに、女性に対する配慮が全く無い。 「失礼しました」とシックス・パックに謝る警察官だが、シックス・パックは突然警察官を2人とも切り殺す。一瞬である。シックス・パックが何故ここまで強いのか説明は無いし、なんで警察官を殺したのかもわからない。しかも警官殺しなんて大事件なのに劇中ほとんど取り上げられず後で主人公達が「ああ、そんな事件あったな」と思い出すだけだった。 |
アメリカとフランスの通商交渉が始まろうとしている最中、ナタンにダディ・ハリーに面会できるという話がまいこんでくる。猟奇殺人を追うなら猟奇事件の犯人には会わなくては、ということで次のシーンはシカゴ(省略法か?) ナタンは特別刑務所(そこらへんの大学にしか見えないが)でダディ・ハリーと面会する。不気味な監獄で仰々しく座っているダディ・ハリーだが、その監獄はどっかの教室を改造したセットと思われる。 この辺の展開は「羊たちの沈黙」だが、主人公が思いっきりヘタレた質問しかしない!だって 「服役何年ですか?」としか聞かないんだもん。本当にそれしか聞かない。連続殺人事件ほったらかしにしてシカゴに来てそれだけかよ。 ナタンは刑務所案内してくれた刑事から、パリの連続殺人事件は2年前から足取りが消えた殺人鬼シックス・パックと手口が同じだと聞く。 ちなみにシックス・パックはビールの半ダース入りのパックのことだがポルノ用語のスラングで”複数の男性を同時に相手にする女性”という意味があるらしい。いやちょっと待て。それじゃあこの映画のタイトルと婦女暴行事件の内容が全然あってないじゃん! |
犯人はアメリカからやって来たシックス・パックだという確信を持ったナタンは帰国する。おみやげはバドワイザーのシックス・パック
相棒のソールはノートパソコンを買ってコンピュータで犯人の正体を暴こうとする。彼が作ったプログラムにより被害者達の共通点が浮かび上がる。被害者たちの共通点とは……… アメリカに興味があった 何だよそれ。っていうか そのプログラムって殺人課の刑事一人で作れるのか? どういうデータを入力したんだ? お前らはパソコン使わなきゃそんなこともわからないのか? とにかくパソコンの画面には5人の被害者のアメリカへの関心度が棒グラフでミョーンと出てくる。 ここで5人とも”アメリカ旅行の予定があったORアメリカ旅行してきた”こと、そして5人ともパリにあるアメリカ政府の観光局を利用していたことが判明する。 |
シックス・パックの事件を捜査するナタンに謎の組織からの圧力がかかり始める。
だがナタンはそれでも捜査を続けて犯人の目星をつける。どうやって目星をつけたかというと、ナタンは被害者の写真を見ていて後ろに写っている男が犯人だと思ったから。こんな脚本書くなよ!ほとんど超能力じゃないか!フランスにも君塚良一がいるんだな。 そこでナタンは署長からアメリカ観光局の職員全員の顔写真が入ったフロッピーを手に入れる。 どうやって手に入れたんだよ! それにフロッピー1枚に入る量じゃないだろ!CD-RかMOにしろよ! 署のパソコンで遊園地の写真の男と観光局の職員の男の顔の照合するが当りは無かった。それにしてもフロッピーにしては画像の読込速度が異様に速い。 そこで今度はアメリカ大使館の職員全員の顔写真が入ったフロッピーを手に入れる。ってだからどうやって手に入れるんだよ!国家の重要な情報だろうが! |
そしてナタンとソールはアメリカ大使館の職員の中からシックス・パックの写真を見つける!アメリカ大使館の職員だから警官は職質をやめたのだ。 しかし遊園地の写真にたまたま写っていた男が、アメリカ大使館の職員が犯人だという証拠にはならない。当たり前だ。しかも上層部から圧力がかかってナタンとソールは捜査からはずされる。 そこでナタンとソールは独自に囮捜査を始める。つまり連続婦女暴行殺人犯人に狙われそうな女性をわざと泳がすというサイテーの作戦に踏み切る。その女性を守るのは警察じゃなくて、もちろんナタンとソールの二人だけである。 |
囮捜査のために、まずマリーヌという婦警に長期休暇をとってもらう。捜査の許可がないのでプライベートの時間中にやるしかないのだ。いやちょっと待てよ、マリーヌって誰だよ。そうこの映画は後半になって唐突にヒロインが登場するのだ。ちなみにこのマリーヌを演じるのはなんとマルチェロ・マストロヤンニの娘。 マリーヌには男がいなさそうな寂しい女性を演じてもらい、なおかつ人気の無い場所が近くにある盛り場で目立つようにする。そうすればシックス・パックがきっと狙ってくるとナタンとソールは確信する。 妙に女性を馬鹿にしているような気もするし、盛り場で目立てば狙われるって何だよその考え方。 ここでナタンとソールの囮捜査の方法 >男がいなさそうな寂しい女性 パソコン用意したので男とチャットする >盛り場で目立つ ボウリング場でパーフェクトをとれば目立つ マリーヌ「私ボーリングできないわ」 ソール「練習するんだ」 どこがサイコ・サスペンスなんだよ!スポ根じゃないのか?だいたい何でチャットすると殺人鬼がやってくるんだよ!アイツはそこまで局地的なハッカーなのか? こうしてマリーヌの夜に一人でボーリング場、あとは下品な男たちと嫌々ながらのエロチャット、もちろん全てナタンとソールに見張られていて自分は婦女暴行殺人鬼に狙われているかもしれない生活がスタートする。この捜査がどれほどの期間かは忘れたが多分3ヶ月くらいかかっている(だってボーリング素人のマリーヌがプロ級になるんだもん)。 途中マリーヌはキレるが(当然だろ)ナタンに説得されて辛抱強く囮を続ける。 |
ある夜ボーリング場で結構な人気者になったマリーヌは遂にパーフェクトまであと1ストライクというところまでに達する 気合を入れるために盗聴器をはずしてバッグに入れるマリーヌ ナタンとソールは「土曜の夜のパリだから」という理由でメシ喰いに行った。 マリーヌはパーフェクトを達成するがバッグを盗まれる、ちなみに誰がバッグを盗んだかは説明が無い。そして……… シックス・パック登場 マリーヌは自分を狙っているシックス・パックに気がついて、公衆電話からナタンの携帯に電話かけるが、ナタンは携帯を持ち歩いてなかったので出ない。じゃあ警察に電話すればいいものを、何故か警察には電話しない。 ナタンとソールは盗聴器からボーリングの音がしているので安心していた(盗まれた盗聴器から何故ボーリングの音がするのかは不明)。そして……… マリーヌはシックス・パックにさらわれる ようやく異常に気がついたナタンとソールは、警察に連絡して救助を求めて、自分達は近くの貨物倉庫を調べることに マリーヌの惨殺体発見 キックボクシングができる婦警のマリーヌがどうして貨物倉庫まで無抵抗で連れてこられたのかは不明。 |
貨物倉庫奥のトンネルに逃げ込んだシックス・パックを追い詰めるナタンとソール、そのとき警察が駆けつけて・・・ではなくて特殊部隊がやってきた ナタンはソールに 「あいつらはまかせた」 特殊部隊相手に何をやれっていうんだよ! ナタンはシックス・パックにナイフで刺されつつ、シックス・パックを追い込む。このとき映画に奇妙な現象が起き始める、シックス・パックの顔が一切動かなくなるのだ。何故か動かなくなったシックス・パックに無防備に詰め寄り殴るナタン。しかしシックス・パックは反撃はおろか反応すらしない 突然画面が不自然な構図になり(CGじゃない特撮のため) シックス・パックの頭が爆発! なんと特殊部隊が吹っ飛ばしたのだ!そしてこの演出を・・・つまり役者ソックリの人形の頭を爆破をするためにシックス・パックが動かなくなったのだ! |
実は特殊部隊はフランス政府のモノで、政府はシックス・パックの正体を知りながらアメリカとの通商交渉会議を有利にするために、アメリカ人の婦女暴行殺人鬼シックス・パックを交渉終了まで逮捕しなかったのだ。 怒るナタンは「お前らの所為でマリーヌが死んだ!」 違う!マリーヌが死んだのはナタンの所為だろ!! 警察署長は「よくやったナタン」(犠牲者でてんだろーが) ナタン「違います、マリーヌのおかげです」 だから違う!お前の所為で無駄に殺されただけだろ! |