超人気マーヴル・コミックの映画化。バットマン、X-MENのように映画化すれば絶対に成功すると思われていたが映画化は超難航、とにかくモメた。 1993年にジェームズ・キャメロンが企画をスタートさせてから8年かかってようやくサム・ライミが完成させる。この8年間、この映画のスタッフ、キャスティング情報はしょっちゅうニュースになった。しかしようやく完成したときに911が発生、貿易センタービルのシーンは残念ながらカットされた。 キャスティングはスパイダーマンかつピーター・パーカーに「サイダー・ハウス・ルール」のひたむきな演技で映画ファンを感動させたトビー・マクガイア、ヒロインに世界最高のコギャルことキルスティン・ダンスト、悪役グリーン・ゴブリンに外見も演技も変態にしか見えないウィレム・デフォーです。 そして監督はサム・ライミ! |
この映画は主人公のナレーションから始まる。 まずカメラがスクールバスの中の美人女子高生MJ(キルスティン・ダンスト)を写す、 「僕の隣に住んでいる女性だ」 その次にMJと朝っぱらからいちゃついている、ゴツイ男前を写す、 「僕は残念ながらコイツではない」 さらにカメラは移動し汚いデブを写す、 「僕はコイツですらない」 その次にカメラはバスに遅刻して走っているいじめられっ子のダメ高校生を写す、 「これが僕だ」 こうして総製作費166億円の物語は幕を開けた・・・ 主人公の間抜けな名前はピーター・パーカー、いじめっ子の男子生徒には常に小突かれまくって、女子生徒からには「隣に座らないでよ」と嫌われる始末、勿論ナヨナヨしていて猫背でメガネだ。 今日も彼氏がいるのに惚れてしまっているMJが、女友達に手を振っているのに、自分に手を振っていると勘違いして恥と劣等感を植え付ける日々。 唯一人の親友は親が金持ちだけど馬鹿かつ素行不良で私立高校を退学になったハリー。しかしそのハリーもピーターを踏み台にしてMJと付き合おうとしようとしている。 ピーターたちは大学の研究室を見学。写真部のピーターは大学のクモ研究室に行って、クモを撮らずに興奮してMJをパシャパシャ撮っている内に、遺伝子操作したスーパースパイダーに偶然噛まれる。 |
クモに噛まれて気分が悪くなって家に帰るピーター。眠りにつくとクモによってDNAが変形を起こし始めた!ちなみにこのシーンは主人公の神経にクモが張り付くのですが、それってバイキンを擬人化して描くのと同じなんじゃ・・・。 次の日の朝ピーターが目覚めると、何故か視力が回復してメガネが不要になっていた、さらに体はマッチョになっていた! それじゃDNAの変形じゃなくて少年誌の通信販売漫画だろというツッコミはさておき、とりあえず隣に住んでいるMJの部屋を覗くピーター。 しかも部屋中が白い糸だらけになったので親が入ってくるのを必死に拒むピーター。 ここで世界中の観客が「特殊能力を手に入れたんだから別に主人公をマッチョにする必要ないじゃん」と思うだろうが、根強いマッチョ信仰があるアメリカ人にとっては重要な問題なのである。 とにかく自分が憧れのスポーツマンになったことに気がついたピーター。しかしボンクラの彼は通学中に大好きなMJの事をボーっと考えてまた遅刻。 |
学校でも一緒に昼ご飯を食べてくれる人がいないピーター、しかしそのとき近くを通りかかったMJが転びかけた。凄まじい反射能力でとっさに抱きかかえるピーター。大好きな女の子を抱きかかえた喜びでピーターの手首から白いものがピュッと出る。これぞスパイダーマンの最大の特徴であるスパイダーウェブだが、ピーターはとりあえずいじめっ子への復讐に使う。でもいじめっ子に勝っても人気者にはなれなかったし、誰も誉めてくれない。 自分に不思議な能力があることに気がついたピーターはめげずに大ハシャギ。最初こそスパイダーウェブを出すには呪文やポーズが必要と勘違い(実際はいつでも出せる)していたが、彼はウェブを使って宙を舞う決意をする。でも怖いので最初から目をつぶって飛んだので壁にぶつかってしまう。 |
スーパーヒーローの能力を手に入れた夜、ピーターはゴミを捨てに行ってMJと合う。 意外にも、ちょっといいところをMJに誉められるピーター、しかしピーターの目の前でMJはスポーツカーに乗った男前の彼氏とデートに行ってしまう。ピーターは一言つぶやく 「カッコいい車だね」 そして部屋に帰ったピーターは車を買う決意をする! っていうか車より人助けだろ! お前のどこがスーパーヒーローなんだよ! それ以前に車買ったって女の子にモテ始めるわけじゃないぞ! 多くの観客がツッコミを入れるさなか、このピーターの姿に涙した男性は世界に数百万人位はいると思います。 とにかく部屋に帰ってチラシで中古車情報をかき集めるピーター、最初こそジャガーのチラシを見ていたがあっという間にランクダウン。ようやく手ごろな値段の車を見つけたピーター、そして・・・ 今度はバイト探しだ! |
ピーターはバイト先を賭けプロレスに決定する。それからピーターはスーパーヒーローのデザインを描いたり、シンボルマークを決めたりする作業。スケッチブックに熱心に書き記していく(きっとニッケルバックやスリップノットを勝手に自分のテーマソングにしているに違いない)。 そして伯父夫婦に「図書館で勉強してくる」と嘘ついて、プロレス会場へ。 受け付けに「フェザー級は募集していないよ」 と馬鹿にされつつもエントリー。会場では凶悪レスラーが素人レスラー達を次々に打ちのめしていた。 そして遂にピーターの出番だ! 司会者「君のリングネームは?」 ピーター「ヒューマン・スパイダー(クモ型人間)です!」 司会者「ダサい!スパイダーマンにしろ!」 ピーター「違います!僕はヒューマン・スパイダーです!」 司会者「うるさい、お前はスパイダーマンだ。さあ皆様スパイダーマンの登場です!」 これが8年間待たされたスパイダーマンのデビューの瞬間です。 そしてスパイダーマンのスタイルは普通のフード型マスクと赤いトレーナーに青いジャージにスニーカーと手袋 全然違うじゃねえかよ! ピーターはスケッチブックで空想していた衣装とは程遠い格好、会場からは「KILL HIM」コール。さらにリングは檻に囲まれたデスマッチ形式と知ってビビって「そんなの聞いてないです!やめてください!」と周囲に頼むスパイダーマン。 遂に試合が始まった。しかし心は思いっきり弱いボンクラのスパイダーマンでも体は超人なのでレスラーに圧勝。 ピーターは賞金を手にすることができた。 ところがプロモーターが悪徳だったので何と賞金は払われなかった。その直後にプロモーターは強盗に遭う、強盗はピーターの方に逃げてくるがピーターは腹いせに強盗を見逃してしまう。 |
帰り道に車泥棒に射殺された伯父を発見するピーター、怒ったピーターは高層ビルを舞いながら(まだ慣れていないので手足をバタバタさせながらだが)パトカーよりも早く犯人を追い詰める。しかしその犯人はなんと自分が見逃した強盗だった。悲しみに暮れるピーター。 高校の卒業式が行われた。ピーターとハリーは二人でNYの大学へ、貧乏のピーターだが学費と家賃はハリーの父親が援助してくれることになった。さらにボーイ・フレンドと別れたMJも女優を目指してNYへ。 そしてNYでは神出鬼没の超人スパイダーマンが登場!次々に悪人達を捕まえる大活躍をみせる。 誰も知らないその正体はもちろんピーター。彼は伯父の死から正義の心を学んだのだった!しかし正義の味方として活躍するので遅刻してバイトをクビになるピーター。お金に困ったピーターは自分が活躍する姿を自分で写真に撮ってマスコミに送って端金を稼ぐ。 そんなある日マンハッタンで偶然MJと再会する、女優になれずにフリーターとして働いていたMJ。しかもMJは親友のハリーと付き合っていた。親友だと思っていたいじめられっ子仲間に裏切られるピーター、やっぱり金持ちにはかなわいのか! 戦うのだ!ピーター! 上映時間1時間でまだお前はヒロインを助けてないぞ! 悪役とも会ってないぞ! バイト先の上司に嫌味言われている場合じゃないぞ! 勉強しないと単位取れないぞ! 所持金7ドルでデートに誘っている場合じゃないぞ! |