破壊屋200720062005

ライブ8   

7月2日はライブ8の日でした。開催前は全然話題にならなかったけど、ライブ8開催後にニュースでもかなり取り上げられたのでその時知った人も多いでしょう。「世界最大のチャリティーフェス」「アフリカの貧困を無くすためのフェス」「偽善フェス」「白人様が黒人を救済するフェス」などと色々呼ばれているフェスです。まあG8各国に対してアフリカへの援助金の捻出や債務帳消しなどを訴えるために、世界の各都市で超有名アーティスト達がフェスをやったのです。

そして「ライブ8を日本でも開催する」という事が決定したが、確か開催の2週間位前。どうしてそこまでギリギリの状況になったかというと、主催のボブ・ゲルドフが何故か東京ではライブ8をやりたくなかったらしい。しかし開催数週間前に他の都市がアフリカへの寄付金を増やしてくれる事が決まったので、それじゃあ東京も寄付金増やしてくれるだろうからと開催決定。ボブ・ゲルドフは本当にこういう記者会見をやった。なめとんのか。

でも日本のライブ8には何とビョークが出てくる!というかビョークのパートナーが仙台のほうで個展やっていて、たまたまライブ8の時に日本にいるらしい。これは一昨年のフジロック以来のビョークで、しかもビョークのライブは2年間も行われていない(アテナ・オリンピックを除く)。絶対に観に行かなくてわ!またビョーク以外の出演アーティストとして、アメリカからグッド・シャーロット、日本からRIZE。それ以外にはマクフライ、ドリームズ・カム・トゥルー、Do As Infinity、Def tech……全然わからん


ライブ8のチケットを入手するためには、まず公式サイトからG8に対してメッセージを送るそうです。早速ライブ8のWebサイトにG8に対してのメッセージを打ち込んで、送信ボタンを押すと…送信エラー。もう一度文章を打ち直してもまたエラー。頭に来たので「さっきから失敗するんだけど!」と文句の文章打って送信ボタンを押したら送信成功。ごめんなさいライブ8並びにG8、僕からのメッセージは無視してください。

次に銀行口座の番号が送られてくる。この口座に振込みで寄付をすれば抽選でチケットが当たる(金額は関係無い)。1000円寄付して数日後………落選メールが来た。「しょうがないな、たったの1000円しか寄付していなしんだし、落ちて当然だよな」と諦めたが、7月1日の開催前日の夕方に追加当選メールが来た!思わず「チッ!どうせ合格するんだったら、1000円も寄付するんじゃなかった。500円にしておけば良かった。」と酷い事を考えてしまう。えーと確かフランスの国境無き医師団によると、栄養食5食分の値段は50円だったな(以前はフランス映画を観に行くと必ずこのCMが流れた)。もし僕がケチらずに5000円を寄付していたら、栄養食が500個分に相当したんだな。すいません。

チケットは当たったがビョークとグッド・シャーロット、RIZE以外は全くわからない。会社の友人達に「「ドリカムって何?」「Def Techって何?」と聞くが結局何なのかはわからなかった。ただドリカムには昔ジャンキーがいたらしい。それなら期待できるかもしれん。と思ったら脱退していた。


チケットは2枚当たったので、夏フェスなどに一緒に行く筋金入りのロックファンのアクセルを誘い、いざ幕張へ。久しぶりに会ったアクセルとは早速アヴリルが結婚した事について話し合うなど、ロックファンらしい会話をする(ロックはロックでもIN ROCKだな)。アクセルは「世間のニュースだと”アヴリルがカナダのロックバンドのボーカルと結婚”という扱いで、SUM41がかわいそうだともっともなツッコミをしていた。あとウチらは「一生に一度は生でマイコーのライブが見たい」と思っているので、マイケル・ジャクソンの無罪判決も喜んでいました
会場に着いてチケットを手に入れて、ステージ内に入ると焼き鳥屋さんとドリンク売り場がちょっとあるだけ。他には一部でイカリングと呼ばれているホワイトバンドが売ってあるだけ。何かアフリカの現状を訴えるブースがあると思っていたのでこれは以外。さすが急増フェス、空き時間にやることが何も無い。そして今日はビョークが見れるとはいえ、生まれて初めてのJ-POPアーティストのライブなんでテンションは一向にあがらない。


到着時にはマクフライが演奏していた。バリバリのアイドルロックなんだけど、音がちょっと古っぽくて懐かしい気がする。マクフライが終わったけど会場の中にいても仕方ないので、アクセルとビールを飲みに会場の外へ。ビールを買うときにお店のおばさんに「ドリカムはいつ?」と聞かれる。「さぁ?ビョークの後じゃないッスかねぇ」「ビョークって何?」「世界最高の女性アーティストなんスけど……」。そうだよな!世間一般の認識としてはドリカムこそがメジャーで、ビョークなんてみんな知らないもんだよな。
再び会場内に戻るとお目当てアーティストのグッド・シャーロットが最後の曲の「ライフスタイル・オブ・ザ・リッチ・アンド・フェイマス」を演奏していた。グッド・シャーロットは後半にやると思い込んでいたのですっかり油断していた。ガックリくる。

しかしこれではいつビョークが出てくるのかわからない。もちろんタイムテーブルなんて無い。仕方なくステージ内で待つが、ウチらはドリカムとかに全く興味が無いので「ドリカム出てきたらどーしよう」とか愚痴をこぼしていたら、ドリカムが出てきた。だがいざボーカルが声をあげると…アクセルと二人で「何じゃありゃあああ!」「あの声すげえ!」ビビリまくり、信じられない位ボーカルの声が良く伸びる。本当に凄かった。でも曲がイマイチのような気がする。多分実力を出し切っていないのでは?数曲やっただけで帰った。

2005/08/05|▼この記事の直リンク先

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ライブ8   気を集めておいて元気玉を出さないのはズルイと思う

ドリカムが終わると観客が続々と集まってくる。そしてステージ上のセッティングが何となくビョークっぽい、ただそれだけの事で座っていた観客達が一斉に立ち上がり始める。うーん、これがビョークの力か。それからしばらくすると場内が暗くなり「ペイガン・ポエトリー」のインストが聴こえてきた。ところがインストが全部終わってもビョークが出てこない。物凄く気まずい雰囲気が会場を支配する。やはりこのフェスは段取りがイマイチ…、サマソニでスリップノットの時に同じ事態になったら小規模の暴動が起きてますよ。

再び「ペイガン・ポエトリー」が流れてきてビョーク登場!さすがビョークは空間支配力みたいのものがある。フジロックの時はあまりきちんと観れなかったので、今回の初っ端から有名曲で飛ばす展開が嬉しい。ビョーク最強の名曲「ハイパーバラッド」が生で聞けただけで、今日ここに来た価値があった。

ビョーク終了後に一気に人が帰り始めるが、それでもまだ大分残っている。その時友人でメタルファンのpoggyさんと会う。「さっきまでオレ、ドリカムとか聞いてたよと言ったら笑われた。


Def Techという二人組が登場。何だこりゃ?新興宗教のセミナーか?ぶっちぎりで今年のワーストライブです。Def TechはMC二人組のJ-POPらしいんだけど、ショートの金髪で白いTシャツを着た白人MCが出てきたので、思わず「エ・エミネムだ!エミネムがいるぞ!」とツッコミ。音は耳障りがすごく良いし、かなり上手いんだけど……迫力というものがまるで無い。テレビの歌番組みたいな感じ。生音じゃないというのもあるだろうけど、去年のサマソニでジュラシック5を生で体験した身としては、彼らは歌謡ヒップホップにしか思えない。

それよりも日本人MCが凄かった。ライブ8のテーマであるアフリカの貧困問題の現状に言及していたのは最初だけ(でもこの時から言ってることが少し怪しかった)。そのうち「ブッシュよ!小泉よ!オレの声を聴いてくれ!」と言い出し始めた。さらには9.11を目撃した経験を語ったあとに「でも世界にはまだテロが続いている。どうすれば世界は争わなくなるのか?どうすれば世界は平和になるのか、みんな答えを聞かせてくれ!と観客にマイクを向ける。シーンとする観客。皆さんだったらなんて答えます?愛?金?みんな仲良く?軍隊無くせ?政治をキチっと?金日成ファック・イエー?僕としてはそこで「ロッケン・ファッキン・ロール!!」とヴェルヴェット・リヴォルヴァーの決め台詞を叫びたかったんですが、それをやるときっとDef techファン達にネット上で「感動をぶち壊したバカがいた」とか叩かれそうなのでヤメた。でもヴェルヴェット・リヴォルヴァーも参加しているライブ8なので、割と良い回答だとは思います。

そしてMCが答えを言いました。
「世界が変わるためには自分が変わればいいんだ。自分が変われば世界は変わって平和になる。」

いや、それは一番安易な答えだろう。あまりにもアレな答えに観客も引いてしまい、拍手もまばら。

っていうかさ、「自分が変われば世界は平和になる」って間違ってるよ。それは物凄く傲慢な発想だし、あまりにも宗教的すぎるよ。自分が変わったところでテロも戦争も宗教問題も差別も解決しないって。もし自分が変わって世界が変わったなんて本当に主張するなら、そいつは解脱でもしたんだよ。争い事を無くすための答えって相手を理解することでしょう。お互いのことをわかりあうってのが争いを無くすときの基本でしょ。それがとてもじゃないけど出来ないから、世界からテロも戦争も宗教問題も差別も消えないんでしょうが。そして少なくとも貧困は無くそうというのがライブ8の趣旨なのでは?

さらにMCは観客からパワーを集め始めた。両手をあげて「みんなオレに力をちょっとづつくれ!」と言い出し始めた!オチとしては元気玉しか考えられないはずなんですが、マジで集めてました。

そしてMCはみんなに手を繋ぐように指示する。僕のいたブロックではほとんど誰も手を繋いでいなかったけど、スクリーンを見ると前の方では確かにみんな手を繋ぎ始めている。 「同じ会場だとは思えないねー」とぼやきました。

今回は貧困救済をみんなに考えさせるライブ8だったので、Def Techもこんな感じのライブにしたんだと思う。この間別のライブに行ったら、またDef Techが出てきたんですが、そのときは至極真っ当なライブでした。


Def Techが終わると、ただでさえ少なかった客がさらに帰り始める。この写真はDef Tech後の観客席の写真です。
ライブ8
もうこうなったら最後まで観てやる!そして最後にグッド・シャーロット、ドリカム、ビョークを前座に押さえて登場してきたのがDo As Infinity。最初の30秒くらい聞いて帰る事を決断する。いや、ボーカルの女の子が少しポッチャリしていてカワイイと思うんだけどな。

その後アクセルと共に焼肉食って帰宅。あ、RIZEは知らぬ間に終わっていました。

2005/09/08|▼この記事の直リンク先

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