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アバウト・シュミット   ★★★★

人生って何さ?

    映画では何度も何度もこのネタは使われてきました。映画に限らず小説でも歌でも絵画でも描かれてきたネタです。「アバウト・シュミット」は「男の人生なんて何にも残らないんだよ、あなた達(観客)もそうでしょ?」という映画です。これが黒澤明の名作「生きる」だったら後半全部注ぎ込んで人生に残したものを見せてくれますが、「アバウト・シュミット」は延々と主人公シュミットが何も残せなかった現実を描いていきます。演出はコミカルで笑えるのですが、映画に対する笑いという構造の他に、中高年に対する自虐的な笑いという構造にもなっており・・・何て偉そうな事書いたけどそれじゃあ綾小路きみまろと同じか。
    20代以上の方(特に男性)全てにオススメです。演技、演出、脚本、撮影、どれも非常に素晴らしく画面の小物や人物の配置も上手いこの監督は注目しておいたほうが良いですね。
くだらない話1:劇中とある女優のヌードシーンがあるのですが、このヌードのボリュームは「チャーリーズ・エンジェル」の3人を足した量よりも大きいですよ!これはドリュー・バリモアのふくよかさを考慮しても断言できます。
くだらない話2:劇中唐突にネイティブ・アメリカンが登場して彼らの迫害を過去を説明するシーンがありました。最初は意味不明だったのですが、ラストに[シュミットが自分の人生とアメリカの開拓者達(ネイティブ・アメリカンを迫害した)との人生を比べ、開拓者達を讃える]シーンがあって納得。これがポリティカル・コレクトネスに関する配慮ですね。
ポリティカル・コレクトネス:アメリカで起きた現象。差別的表現はいけないので、別の言葉に言い換えること。差別に対する動きは理解できるが・・・。
● 黒人→アフリカ系アメリカ人
● 特定の宗教→思想的に異なる人
● デブ→水平方向に挑戦がある
● チビ→垂直方向に挑戦がある

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