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パッション   ★★

   ハリポ+指輪物語+こち亀全巻+ギネスブック+毛沢東語録の発行部数を全部足しても足元にすら及ばない程有名な原作の映画化ラストで主人公が磔になって死にます思わずネタバレを書いてしまった程有名です。

    ファンを揶揄する言葉で信者というのがあって、よく人物や作品を貶したりすると激怒する人達がいる(例えば僕はレニー・ハーリンの信者)。「パッション」にはモノホンの信者が約10億人いるわけなんですが、それは良い意味での信者だし、作品に対する信者でもないので、作品 を貶しても多分大丈夫でしょう。
    日本人は本当に信仰心が無い民族で、この信仰心が無いというのは国際的に見れば結構恥ずかしい部類に入ると思う。かくいう僕も信仰心というものを全く持ち合わせていない。
    僕は確か小学生と中学生の2回、聖書にチャレンジしようとして新約の部分だけは大体読んだような記憶がある。内容のほとんど覚えていないが・・・。そして大学生の時、旧約聖書のオナニーの語源になったオナンが神の怒りを買い雷に打たれて死ぬという件から、生殖に結びつかない性行為を禁止する、つまりオナニーや膣外射精がダメという概念が生まれたのを知って「この本から学ぶ事など何も無い」と結論づけてしまい、それ以来全く読んでいない。そんな僕が「パッション」を観ること自体間違っていますね。いつか頑張って読みます。まあでもリアルなショック映画というのも、「パッション」の一つの側面だしさ。

    「パッション」の内容は全編ラテン語(英語字幕が付く)で延々とキリストへの拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!最後に処刑!というアブグレイブ刑務所真っ青の内容になっています。キリストへの信仰心がある人ならこの無残な展開自体に「おお、イエスが!イエスが苦難の道を!」と感動できるのでしょうが、僕にとってはすげーつまらなかった。サタンが出てきたり[地震]が起きたりしても、心が動かない。ただ映画が信仰を裏付けるという意味では興味深かった。
オマケ1:「パッション」がいかにとんでもない映画であるかは町山智浩アメリカ日記の過去ログを読んでもらえばわかると思う。特に「パッション」が公開されて「やっぱりユダ公が!」ってことでアメリカでは反ユダヤ運動まで起きているけど、それが根拠の無いことだというのもよくわかります。


オマケ2:よく映画秘宝で70年代、80年代ショック映画とかのメチャクチャなキャッチコピーを読んでいた。でも70年代後半生まれの僕には、ああいうキャッチコピーをリアルタイムで触れることは無かったので、当時を知る秘宝読者達がうらやましかった。ところが「観客がショック死!」「殺人犯が映画を観て自首!」って、「パッション」でそのメチャクチャなキャッチコピーに触れる事ができた。まさかこんな形で願いが叶うとは・・・でも「パッション」のキャッチコピーってメチャクチャではなくて単なる事実なんだよな。


オマケ3:「パッション」は泣ける映画だとは思わないけど、「恋人はスナイパー」や「DEEP LOVE アユの物語」のほうが泣いている観客が遥かに多いという現状はどうかと思う。
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