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ウォーターボーイズ   ★★★★★

    ただの高校、じゃなかった唯野高校を舞台にした青春映画の傑作です。公開時にこの映画を「フル・モンティ」と比べた映画評を読んだ事がありますが、「ウォーターボーイズ」の圧勝でしょう。こっちのほうが若いし、体もキレイだし、なんせ乳首の数が圧倒的に多い
    矢口史靖監督はこの映画を漫画としてとらえたので脚本は穴だらけ。秋の文化祭のために夏休み前から釣堀作るし(あのバスケ部は水産の専門家か?)、夏を犠牲にして努力したボーイズ達に、努力はあまりせずに楽しみ半分でやってきた仲間達がアッサリとくわわるし(ただし現実の役者達は全員相当な努力をしている)、[火事を消すのにプールの水がほとんど消える]し(でもここらへんの展開はすごい上手い)、ラストで[ヒロインは主人公にパンツをプレゼント]するし(文化祭が終わったら妻夫木君は彼女にどういう意図なのかよく聞いておいたほうがいいと思うぞ)。どれも上映中にも気になるような大きな穴だけど、脚本の心情変化や人間関係は完璧。それ以前に役者もスタッフもみんなひたむきなので映画のマイナスにはならない、むしろ脚本の穴すら好感が持ててきます。そう思うだろ?リュック・ベッソン!お前も映画を漫画(バンド・デシネ)として捉えているしな。
    このひたむきさというのは重要です。劇中のウォーターボーイズのひたむきさと、撮影合宿形式を取った役者達のひたむきさがシンクロしているので観客もそれを感じ取って感動できます。また映画とは観客を虚構の世界に引きずり込むことが目的ですが、この映画では観客もひたむきさに打たれてウォーターボーイズ(または文化祭の観客)とシンクロすることができます。また妻夫木君のひたむきさは大根役者振りもかわいらしく感じさせます。でも妻夫木君、「ドラゴン・ヘッド」予告編の演技はギャグかと思ったぞ。
撮影合宿:夏休み等に役者もスタッフも一緒に合宿をして映画を製作する日本だけの珍しい制作方法。
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