プログラムピクチャーという言葉がある。まあ『男はつらいよ』みたいな番組(プログラム)的な映画のことだ。プログラムピクチャーは日本映画の全盛期を支えたが、そのうち廃れていった。映画会社の松竹が根強くプログラムピクチャーを作り続けたが、渥美清が亡くなったので「国民的映画」と呼ばれた『男はつらいよ』シリーズが終わってしまった。そして「日本最後のプログラムピクチャー」と呼ばれているのが『釣りバカ』シリーズだ(ロマンポルノもそう呼ばれている)。『釣りバカ』は松竹の看板映画として「国民的映画」と銘打って毎年公開されている。しかし三國連太郎も既に85歳。この高齢だと『釣りバカ』シリーズの撮影も難しくなっているだろう。そのうち三國連太郎のXデーが来て『釣りバカ』が終わって日本からプログラムピクチャーが消える………はずだった。
しかしプログラムピクチャーは消えないのだ!何故なら松竹が新しい「国民的映画」を計画しているからだ。「国民的映画」にはもちろん日本国民に広く愛されている俳優が必要だ。渥美清と西田敏行という大俳優の後を次ぐその男の名は………
大沢たかお!
そう『築地魚河岸三代目』が新たなるプログラムピクチャーとなるのだ!これは凄い。『築地魚河岸三代目』って『スシ王子』との相互便乗映画だと思ってた。『三丁目の夕日』『踊る大捜査線』を無視して『築地魚河岸三代目』が「国民的映画」となるのかよ。今からサブタイトルが楽しみだな。
『築地魚河岸三代目 夜霧にむせぶ大沢たかお』
『築地魚河岸三代目 大沢たかお恋やつれ』
『築地魚河岸三代目 大沢たかお危機一髪!』
『築地魚河岸三代目 大沢たかおに明日はない!?』
とか。ちなみに『築地魚河岸三代目』のヒロインは田中麗奈だ。
破壊屋的には「なんで大沢たかおが映画界であんなに幅を利かせているのだ?」というのがネタだし、映画秘宝では「なぜ日本映画は田中麗奈を使い続けるのか」とネタになっていた。しかしここ数年の大沢たかおと田中麗奈の無意味に充実したフィルモグラフィーは全て「この二人を国民的俳優にする」という松竹の大いなる陰謀だったと思えば納得できる(ただしそれでも大沢たかおがセガール映画に悪役ヤクザとして出演したのは説明がつかない)。
しかし『築地魚河岸三代目』ってシリーズ化できるほどヒットするのか?女性の共感を得ないと映画がヒットしない今の日本で、大沢たかおが魚河岸に行くことがどれほどのアピールになるのだろう。
どうでもいいんですが、田中麗奈のファンはこの一年間に『魍魎の匣』『銀色のシーズン』『犬と私の10の約束』『築地魚河岸三代目』『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』と地雷原を突破できるのでしょうか?ちなみに僕のような多部未華子ファンたちにとって去年一年間は『俺は君のためにこそ死ににいく』『西遊記』『こわい童謡 表の章』『こわい童謡 裏の章』と地雷原突破の年でした。ほぼ全員が『こわい童謡』は未見なので、突破できたのはごく少数。
2008-05-04