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03/07/13   映画の壺(その他6)更新

ターミネーター3   ★★★★

    全くの予想外、めっちゃ面白かった。これは僕の個人的な意見だけどT2よりもT3のほうが好き。
    監督のジョナサン・モストゥはB級映画の快作「ブレーキ・ダウン」でデビューし、世界中の評論家や映画ファンから注目を浴びました。しかし続く「U-571」では普通のA級映画に仕上げてしまい、評価を伸ばすことが出来なかった。そしてB級映画の大傑作「ターミネーター」、A級映画の傑作「ターミネーター2」に続く「ターミネーター3」の監督に抜擢。どう仕上げるか注目されていましたが、全映画ファンが大体予想していた通りA級規模のB級映画になっていました。これが逆に好感を持てます。
    ジョナサン・モストゥのアクションには「アクションは生身の迫力」という概念はなく、特撮・特効・スタントをふんだんに使って「アクションとは物質の破壊」という点を前面に出しています。だからこそ超頑丈なのに少しずつ破壊されていくT-850と、何が起きても壊れないT-Xの迫力が生きてくるのです。
    この点がもっとも強く出ているのは中盤のカーチェイスです。車好きが喜びそうな高級車同士のスピード感溢れるカーアクションなんてとっくに見飽きている観客の意思を読み取って、「ターミネーター3」は頑丈な車同士がガツンゴツンと破壊を撒き散らしていく重量級アクションが延々と展開、ようやく破壊が終わるのかと思ったら[今度はクレーン車対消防車という超重量級カーアクション]が始まります。
    演出やプロットはT1、T2と全く同じ手法を取りながら細かい部分で外しまくり。また脚本も「ターミネーターとは命令を遂行することだけが目的の抹殺者」という基本設定をきちんと見直しています。しかし「どうしてターミネーターの外見がシュワなのか?」にもきちんと説明つけるとは思わなかった(裏設定で”T-800シリーズはシュワ”というのはある)。さらに「映画は2時間以内であるべき」という世界中の映画作家達に見習って欲しいポリシーを元に、ジョナサン・モストゥはかったるいシーンを大幅に省略。普通だったら怒りたくなるけど、モストゥのゴリゴリの演出のおかげで小気味良い感じになっています。
    またT-Xがカワイイんだよこれが。もちろんT-Xは暗殺専門ターミネーターで鋼鉄のような無表情で破壊と恐怖を振りまいてるのですが、ジョン・コナーを見つけたときのちょっと嬉しそうな表情や、取り逃したときのちょっと悔しそうな表情が見え隠れしてて本当にカワイイ。これは僕の個人的な意見だけど、「初恋の来た道」の恋心に溢れる美少女:チャン・ツィーイーがギョーザを持って追いかけてくれるよりも、殺意しかないターミネーター:T-Xがプラズマ砲持って追いかけてくれるほうが嬉しいなぁ。
    「ターミネーター3」で衝撃的なのがオープニング。このオープニングでは物語の核となる4人が紹介されます。
    ジョン・コナー。彼の悲壮なナレーションと共に、[いきなり核爆発、そして抵抗軍を導くジョン・コナーが出てきて]、壮大な物語が始まるかと思えば再びナレーションで[「こうなるはずだったんだけど、回避したんだよね。だから僕は今住所不定のフリーター。誰にも知られずに逃げながら生きてます。」と日雇い労働者やってる]ジョン・コナーが登場。肉体労働の後にバドワイザーを飲んでたそがれている。
    未来から過去にやってきた新人派遣OLのT-X。ウィンドウ・ショッピングしていた彼女は
「私もこれから現場に派遣されるんだから、こんな露出の高い格好じゃダメだわ。どこかにブランド物のスーツないかしら。それにパーマかけた髪形じゃOLに見られないからストレートにしないと。」
「私って仕事に一生懸命だけど、どうやったら男を惹きつけられるかよくわかってるわ、勉強したもの。この間なんてちょっと信号無視して警官に捕まったけど、セクシーなポーズをとるだけでお咎め無しだったわ。本気になればすぐにセクシーモードになるのよ。でもたまには膝下まであるスカートのOL制服を着たりするもの楽しいかもしれないわ。」
「そんなことより仕事にかからないとね。私は古臭くて、頭の固いオッサン達とは違ってスタイリッシュに仕事をこなすのよ。まずはケータイのiモードで情報収集ね、電話帳なんて使っていたドイツ野郎はどこのどいつかしら? 早速お仕事ごーまるごーまるごーまるごー!」
   クレア・デーンズ演じるケイト・ブリュースターが登場。ジュリエット役で世界的女優になったクレア・デーンズがジュリエット・ビノシュ化していた。
   最後にT-850型が登場、全身にパウダー塗るなりして衰えを隠したに違いない筋肉美を披露。そしてT-850は今まで通り酒場に向かって歩き始めて・・・。
   発泡酒のCMで全裸のターミネーターが酒場で男相手に大暴れしているのがありますが、あれ嘘です。本編ではここでターミネーター・シリーズの常識を覆す衝撃の展開が起きます。ターミネーターにとって最大級の危機が訪れることに・・・(このシーンを鑑賞するときはみんな腕を交互に上下させましょう)。
    観る前に知っておくと良いかも
● あのお医者さんはシルバーマンといって、T1ではカイルの精神鑑定を、T2ではサラ・コナーの主治医だった人。
● ジョン・コナーに車をぶつけられて怒っている人は、シュワのボディ・ダブル(代役)でシュワの親友。
● 関係ない話だけどドイツだとサブタイトルは「リベリオン・デァ・マシーネン」らしい。ちょっとカッコいい。

ターミネーター3のミス

●  T-1000襲撃の時は、ジョン・コナーが10歳という設定だったが、T3では13歳になっている。

理由は二つ考えられます。
1:10歳という設定が若すぎた。
2:10歳同士がペッティングというのは問題があるから。

03/07/11   TOP文のみ

雑感

    6月は残業100時間超(徹夜&休日出勤)でかなり辛かったですが、7月8月は仕事量が同じまま、さらに遊ぶ予定が入ってくるので辛い夏になりそうです。学生のみんな!社会人になっても結構遊べるけど命掛けだぞ!

    「T3」に関して、「T2でちぎれた腕が残っているので、そこからT3が出来るのでは?」というネタがメールや掲示板で何人の方から寄せられました。でもスカイネット登場のためにはチップとダイソンの存在が必要(「T2」のみ)なので、あの腕だけでスカイネットが出来るとは考えにくいです。「T2」のT-800型は[全てのチップを消滅させるために自分自身を消滅]させます。その時腕はどうでも良かったはずです。そしてこの時点で「未来は夜のハイウェイ」になりました。
    しかし今回は[T-1型が出てくるので、その説明に]あの腕が使われるのは十分ありそうですね。じゃなきゃ何をやってもサイバーダイン社は結局Tシリーズを生み出せることになってしまう。
    でもあの腕もサイバーダイン社が回収したのか?っていうか「T1」の起点は「T3」で説明がつくのか?あ、今頃思い出したけど「T3」ってジョナサン・モストゥの新作じゃん!
    ケータイのメアドを「トーマス・アンダーソン」に代えたら「了解、アンダーソン君」系の返信が多かったです。このネタ、結構一般的なんだなぁ。
トーク・トゥ・ハー   ★★★★★
   (フルスロットルとは真逆の意味で)素晴らしい映画だった。今年は豊作だ。

03/07/08   HTML修正

パイレーツ・オブ・カリビアン

   ディズニー・ランドのアトラクションの映画化らしいですね。同じディズニー・アトラクション・ムービーで今年公開されたけどきっと誰も観に行ってない「カントリー・ベアーズ」に比べたら、かなり気合が入ってます。もちろんアトラクションは「カリブの海賊」で、「カリブの海賊」というタイトルだと幼稚なために、原題通りに「パイレーツ・オブ・カリビアン」にしたけど、「呪われた海賊たち」というやっぱり幼稚なサブタイトルをつけた作品です。この映画にはさらに幼稚なキャッチコピー
「その呪いを解くのは、愛」
がついていて、僕はこの予告編を観たとき思わず吹き出してしまいました。
    ところで僕はどうしても納得いかない事があるんです。だって予告編で観る限り、オーランド・ブルームでもなくて、ジョニー・デップでもなくて、ジェフリー・ラッシュに呪いがかかっているとしか思えないのですが。呪いを解こうとしているのは海賊達なんでしょ?誰が海賊を愛するのでしょうか?いや、多分どっかで愛の力が誰かに働くんだろうけどね。
   それとオフィシャルサイトで書いてあった「孤独を愛する一匹狼の海賊」っていう設定も何か矛盾しているような。

わかる人は教えてください

    ちょっと管理人から質問させてください。
SO505iについて:
    携帯をSO505iに替えました。そして待受画像をダウンロードしたのですが、全画面表示が出来ません。カメラで撮った画像は全画面表示が出来るのに。どうしても全画面表示したいのですが、方法は無いのでしょうか?もしくはこれは仕様なのでしょうか?ご存知の方お願いします。
フジロックについて:
    フジロックの二日目に参戦予定です。行きは友人と車でという計画があるのですが、仕事があるために日曜夕方までに横浜に帰らなくてはなりません。そこでフジロック3日目の朝に新幹線で帰ろうと思うのですが、激混みが予想されるフジロック当日、新幹線の座席とかは当日券でも買えるのでしょうか?苗場経験者の方お願いします。

03/07/06   映画の壺(ディープ・ブルー)更新

六月の蛇   ★★★

    ミニシアターファンが毎回騒ぐ塚本晋也監督の最新作、海外でも中々の評を受けています。
「欲求不満を常に押さえ込んでいる美しい妻とその夫(何でこんな夫が!納得いかん)。ある日妻は変態カメラマンに自分の自慰行為を盗撮される。そしてカメラマンに脅迫され、淫らな行為を次々に命令される内に快感を覚え始め・・・」
    海野やよいのエロマンガと同じだと思っていましたが、塚本晋也のインタビュー読むと昔からこの手の変態小説はあったようですね。塚本晋也は「(変態小説)そのまんまです。」と言ってますが、中盤からの展開は塚本晋也節が強くなります。
   「六月の蛇」は決して女性を虐げることに好奇心を注ぐような映画ではありません。この映画は人間の内側にあるドロドロとした性欲をじっくり曝け出していくのです。ですからヒロインはMというよりも、性欲の開放を待ち望んでいるだけなのです。(どっちかというと夫がM的だし。)
    映画は全編に渡って水だらけ、何故かというと水が女性の性欲のメタファーとなっているからです。性欲をメタファーによって表現するのは定番中の定番ですし、その方法が水というのもよくあります。しかし「六月の蛇」はその量が半端じゃない。梅雨という設定にかこつけて、道やら窓やら排水溝にジョバジョバーと水が叩き付けられるシーンが何度も何度も繰り返されます。また夫は排水溝掃除が大好きで、いつも妻を差し置いて、排水溝をゴシゴシこすっています。これはもちろん男性のマスターベーションのメタファーになっています。序盤にあるシーンですが、夫がゴシゴシこすってて、それを見て不満タラタラの妻に大雨がジョバジョバーと降りしきる。まるで艶笑。白黒だから真面目に観ますが、カラー映画だったら爆笑シーンですよ。
    性欲がメタファーというのはわかりにくいから面白いのであって(例:「スピード」)、わかりやすかったらギャグです。しかし塚本晋也はあえて徹底的に水を画面に出現させます。その結果ギャグの領域を超えて映画全体が性欲で満たされます。この徹底振りは異常で、屋内だろうが、個室内だろうが、お構いなしに水が入り込んできます。まるで性欲を止める事が出来ないかのように。そしてこの濃密かつ変質的な性欲の世界に、中盤から意外な展開が入り込んできます。この辺りは塚本晋也ワールドなので解説のしようが無いのですが、まあT-Xもビックリだなと。
    「六月の蛇」はスタンダード・サイズの映画で、「ロスト・イン・ラマンチャ」と同じく映画が始まる前にスクリーンが小さくなります。僕は映画のサイズではない映画を映画だと認めたくないのですが、この作品は青と黒と白が支配する小さい画面が映画の淫靡さを盛り上げているので気になりません。

音楽ネタ:ラウド系とスパウト

    t.A.T.uが大暴れしてくれて、大変な騒ぎになりましたね。常日頃から電車の中で我が物顔で大騒ぎする女子高生達を見てタジタジになっているオッサンどもに「ざまあみやがれ」と心の中で投げかけてきた僕にとって、この現象が日本全国規模で巻き起こったのが非常に微笑ましいです(でも僕はその女子高生達にからまれた事もあるが)。
    代役がミッシェル・ガン・エレファントというのはロックファンには衝撃でしょうが、よく考えてみれば混乱の最中いきなりライブなんて百戦錬磨のミッシェル・ガン・エレファントじゃないと出来ない芸当です。
    僕はいわゆるラウド、モダンヘヴィネス系(ミクスチャーとも言われる)の音楽が大好きです。学生のときに友人に薦められてKORNのTWIST(聞いた人間全員呆れ果てるとんでもない名曲)を聞いた時からその世界にはまっていました。この時代はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンKORNが大暴れしていて、リンプ・ビズキットが雄叫びのような産声を挙げていました。また次々にラウド系が出現、昔からハードコア等激しい音楽やっているアーティストもとりあえずラウド系に分類されたりして、どこの洋楽掲示板もしょっちゅう荒れていました。でもファンになりたての僕には幸せな時代。
   しかしリンキン・パークという超大型新人が出現、ラウド系ながらメロディアスに歌う彼らの衝撃的なスタイルが大ウケ。さらにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは消滅し、KORNのCDは売れなくなり、新作を延期しまくりのリンプ・ビズキットは、大物アイドルと浮名を流すくせにネット上では「僕の彼女は綾波レイです」と主張、激しいラウド系の流行は終わり、僕はt.A.T.uを聴くようになりました。しかし最近「スパウト」ってラウド系がひっそりと日本デビュー!視聴して即買いしましたよ。遂にデビューした!というよりもオーストリアのアーティストなので、世界の流行に乗り遅れてデビューした感が強いですが、かなりイイですよ。
    スパウトはオーストリア出身で、クラシック以外の音楽があの国にあった事自体が衝撃です。CDのオビには「インターネット・クラブシーンで話題沸騰中!」そんなもんねえよ!とツッコミ入れたくなりましたが、でもインターネット・クラブシーンってのが「みんなCD買う気ないのでダウンロードしまくり」って意味だったらゴメン。他にも「大噴火型・パーティ・ミクスチャーバンド」というキャッチコピーがついてるなど、これから流行する予感だけはします。
    スパウトの音楽性はリンプ・ビズキットとほとんど同じで、歌詞も何となく似ています。またMCで「do you wanna dance?」と激しく煽るサマは、英語わからなくても何か恥ずかしい感じ。曲名もちょっと微妙なセンスで
sicksong
「ヤバい歌」

don't look back
「振り返るな」

it's time to rock
「さあロックの時間だ」ってそれはアンドリューW.K.だろ

the ultimate love connection
「究極の愛の連結」

yakuza connection
なんじゃ、そりゃ

shockwave surfers
このタイトルって”MIDI surf”のパクリじゃないの?

    と色々書いちゃったけど僕はスパウトがかなり気に入ったんだって。

ディープ・ブルーのミス

●  ヒロインの台詞
「あなた達はアルツハイマーの苦しみがわかるの?
アルツハイマーの私の父は、毎日私に母の居所をたずねたわ!
そしてその度に私は母の死を伝えたのよ!」

それって伝えなくてもいいのでは?例えば「出かけたわ」と嘘を教えたりして、納得させるのがアルツハイマー患者への接し方じゃないの?

03/07/04   映画の壺(その他6)更新

ターミネーター3公開前

    今「マトリックス・リローデッド」「チャーリーズ・エンジェル・御開帳編」を観に行った観客を前に、シュワが予告編で「いっとぅいずたぁーいむ」と挨拶をしています。 シュワちゃんはオーストリア出身のドイツ人で、英語が喋れるようになったのは大人になってからです。だから英語の発音はあまり上手くないけど低音でゆったりした迫力のある発音になって、彼の大きな魅力になっています。T2の「あいびーばーっく」「ハスタラ・ビスタ・ベイベェ」等は映画の名キメ台詞の中でも代表的なものです。
    もうすぐシュワの最新作:「ターミネーター3」(以下T3)が公開されますね。「ターミネーター2」(以下T2)から10年もインターバルがありますが、これには大きな二つの理由があります(ただしこれは映画ファン達の勝手な推測でもある)。一つはT2を製作したカロルコが潰れた事と、もう一つの理由がどんな天才脚本家でもタイム・パラドックスに説明がつけられない事です。
まずターミネーター(以下T1)のストーリー:
    人類は将来スカイネットに反乱を起こされて壊滅状態。しかし英雄ジョン・コナーの出現により人類は逆転する。追い詰められたスカイネットは戦闘型サイボーグ:T-800型を過去に送り込み、ジョン・コナーの母親サラ・コナー抹殺を企む。それを阻止するためにジョン・コナーは戦士カイルを送り込んだ。そして実は[ジョン・コナーの父親とは、過去に送り込んだカイルだったのだ。]
次にT2のストーリー:
    サラ・コナー抹殺に失敗したスカイネットは気を取り直して、少年時代のジョン・コナー抹殺を企む。そのために最新型ターミネーター:T-1000を過去に送り込む。ジョン・コナーはそれを阻止するためにT-800型のチップを取り替えて、少年時代のジョン・コナーを守るように命令。しかしチップは取り替えても外見を変えていなかったために、T-800型が味方になったと知らなかったサラ・コナーと当時の観客はパニックに(公開時はネタバレだった)。
    またT2ではジャッジメント・デイというサブタイトルがついていています。
    T1のラストで残ったターミネーターの腕とチップをサイバーダイン社が入手、その技術を元にスカイネットを開発するが、ジャッジメント・デイに暴走して核戦争が勃発。そしてスカイネットが世界を支配する。
    といった経緯があるのです。そしてT2の後半はジャッジメント・デイ回避が主軸となります。
    サイバーダイン社に侵入したジョン達一行はサイボーグの腕とチップを回収、ついでに[サイバーダイン社を吹っ飛ばして、技術者も死んでくれた。最後に腕もチップもT-1000型もT-800型も全部溶鉱炉に投げ込んだ]。こうしてジョン・コナー暗殺計画はスカイネットにとって最悪のやぶへび、かつ大失態でありつつジャッジメント・デイは回避された・・・。


    回避したって事は3は絶対に無理なのでは?しかもT1のターミネーターの残骸からジャッジメント・デイが発生するって事はT1の物語の起点は何?
    しかしハリウッドは不可能を可能にします。まずかなり派手に潰れた映画会社カロルコがまさかの大復活。T2ならぬC2となりました。しかも不可能と思われていたT3を製作。ってことはタイム・パラドックスに説明がついたのか?
    T3の最大のポイントは、スカイネットがどうして復活しているのかということです。T3のサブタイトルは「ライズ・オブ・ザ・マシーン」(僕はPCとかの起動と同じ意味だと思っていた)とあります。これは恐らくマシーン達の初期の反乱を意味しているのでは?
    予告編から勝手に予想しますが、T-Xって他のマシーンを制御できるんですよね。ってことはT-Xが世界の軍事システムを奪えば[それが「ライズ・オブ・ザ・マシーン」になるのでは?もしかしてT-Xはスカイネットのイブ?]あ、これでもパラドックスは発生するか。
    でも一番可能性が高いのは”サイバーダイン社の社員が頑張った”もしくは”説明つけようが無いので、まあそれはそれとして映画を楽しもう”ですが、T1では「ターミネーターは各時代に送り込まれた」という説明があるので、作ろうと思えばいくらでも続編が作れるんですよね。
    さらに誰がT-XとT-850を過去に送ったのか?という点も謎です。まあT-Xはスカイネットでしょうが、微妙なバージョンアップをしたT-850はジョン・コナーの命令を聞かないらしい。ってことは誰がT-850の送り主なのでしょうか?
    また他にも注目すべき点が多くあります。

● どうして美少年だったはずのジョン・コナーが不細工なのか?

エドワード・ファーロングが諸事情あって降板、代役にわけのわからん奴が選ばれたため。


● あの女性は?

昔大人気だった少女系女優、最近見かけていなかった。別にそんな昔じゃないが、スッゴイ昔に思える。


● どうして棺桶背負っているのか?

バルカン砲もロケットランチャーも全部棺桶の中にあるから(信用しないで)。


● 予告編でT-Xの髪型が変わるのは?

予告編から判断する限り、乳首を隠すためとしか思えないが、きっと本編ではマトモな説明がつくでしょう。


● チャーリーズ・エンジェルとT-X。どっちが強いの?

もちろんエンジェル達のはずだが、この夏エンジェル達の微妙なキツさが気になった映画ファン達が、次々にT-X派に転向すると思われるので、相当な苦戦が予想される。


    でもこのターミネーター・シリーズで一番根本的なミスは、あれはサイボーグじゃなくてアンドロイドだということだったりします。

ミニミニ大作戦に関して

訂正事項:豊作さんからの情報ですが、シャーリーズ・セロンが乗っているミニ・クーパーは旧型で、強盗の際のミニ・クーパーは新型だそうです。確かにそうじゃなきゃ自家用車で強盗していることになっちゃうね。

補足事項:宣伝媒体によって表現が食い違っている「過激すぎてヴェネチアで撮影禁止」の件ですが、JJさんからの情報の「撮影のための水路規制に市民から抗議がきた」が真相っぽいです。他にもスタッフが建造物傷つけたとの情報もありますが、少なくとも映画の迫力とは無関係なことは判明しました。

チャーリーズ・エンジェル・フルスロットルのミス

●  キャメロン・ディアズがサーファーに質問するシーン。サーファーは車に乗り込むが、車の下にいるドリューはサーファーのタオルを見ている。

窓からタオルを投げ捨てたのかも。劇場でもう一度観る人は本当に不自然かどうかチェックしてくれるとありがたいです。でも初めて映画を観る人はこういう事を考えずにただただコスプレを見るんだ!

03/07/02   映画の壺(マトリックス、その他6)更新

シティ・オブ・ゴッド   ★★★★

シティ・オブ・ゴッド。そこはブラジルにあるスラム街。犯罪と縁の無い世帯数0、子供達は七五三が終わる頃には立派な強盗犯、誰も携帯電話なんて持ってないけど拳銃だったら子供も持ち歩いていて、初体験よりも早く殺人を経験する街。今まで街が平和になったのは、麻薬が蔓延りすぎて市民全員ラリパッパした時のみ。他の時は常にバトル・ロワイヤル
    と、ここに住んでいる人達に怒られそうな事を書いてしまいましたが、21世紀になった現在もきっとこの街は麻薬と犯罪と暴力だらけでしょうから仕方がない。
    「シティ・オブ・ゴッド」は映画雑誌、映画評論家達の間で大絶賛となっている作品で、何でそんなスゲー映画が六本木でしかやってないんだよと思いましたが、もしかしてこの映画フィルムが一本しかないのでしょうか?英語字幕が入っていたし。ってことは逆によくこんな映画を見つけてこれましたね。
    この映画はいわゆる暴力映画です。ただし暴力映画と聞いて眉をひそめた人がこの映画を観ると、眉をひそめるどころではありません。「シティ・オブ・ゴッド」は暴力への好奇心を満たすものでも、暴力をドラマの小道具に使ったわけでもありません。映画に暴力が染み付いています。「ハリポタは魔法の映画」って感覚が当たり前のようにです。よくブラジルの事を「サッカーのスーパースターかギャングになる事でしか成功できない街」と言いますが、この映画だと「サッカーで遊びながら強盗」しています。
    映画の序盤はナレーターの少年時代の回想形式となっており、ここらへんのシーンはまだ暴力に映画的な詩情が見られて戦慄かつ感動的です。しかし中盤以降はドラマにあらゆる映画の技法を使っておきながら、暴力だけはドキュメンタリー風に見せつけてきます。おぞましい暴力の世界に放り投げられた観客は、ナレーターであるカメラ小僧と一緒にその世界を体感していくのです。また終盤ではナレーターの目と、観客の目と、事実だけを写し出していくカメラの目が一つとなります。[観客が見続けてきた長い暴力の果てもまだ暴力なのです]。
    内容は映画秘宝が「ヤクザ映画、かつボンクラだらけ」と看破して特集組んでいたのが大正解。ナレーターのドラマは童貞物語が主軸になってます。さらに最凶ギャングの主人公は街の頂点に立ったけどファッション興味ない、クラブで踊れない(お前はそれでもリオの人間か?)、女との縁は一切出来ずに人殺してばっかり。あと観客からも劇中のキャラからも笑いものになるベネのセンスが僕と近くて気まずかったです。

フルスロットルの魅力を思いつくままに

● 生きてて良かった秘宝館!誰にでも出来そうなカード窃盗のために、映画史上最高の作戦が展開される!

● 空前絶後のオープニング!世界軍事史上、最高の陽動作戦が展開される!

● コラ女子!「キャメロン以外の二人なら私のほうが勝てそう」とか言うんじゃない!(本当にそういうCMがある)

● 映像が予告編と違うからお得気分!

● エンジェル最年長のルーシー・リューがコギャルに!東洋人は娘っぽく見えるのでOKだ!

● ドリューが着るのはもっともコーディネートが難しいとされるメタルTシャツばっかり!

● アクションなのに位置関係の描写を一切行っていないモトクロスは圧倒的!

● デミ・ムーアが射殺するあの人は?

● キャメロン・ディアズのオシッコギャグはこれでもう今年三度目だよ!

● 人間を肌の色で判断するな!腋臭がキツけりゃアイリッシュだ!

● 暗闇でモールス信号!何の意味があったのかわからん!

● 遺跡の中から全裸のエンジェルが!意味は無い!しかし意義がある!!


    僕の夢はモンゴル軍に入隊してキャメロン・ディアズの生ロデオを見ることです。じゃなきゃ「痩せた男」ように信念を持って生きる男になりたいです。

チャーリーズ・エンジェル・フルスロットルのミス

●  モトクロスのシーン。悪役が上半身裸でスタートラインにつくが、次のシーンではライダースーツを装着している。

見えないシーンで装着したと思えば済む話ですが、それよりも裸でスタートラインにいく理由がわからん。

03/06/29   555更新

2003年前半 映画ベスト5

    ちょっと大作追っかけの映画ファンみたいなベスト5。でも今年はかなり豊作だと思います。

五位:ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
THE TWO TOWERSだと?アルカイダに潰されたやつだろ?

四位:リベリオン
感情があってもなくても皆殺しじゃねえか!

三位:シカゴ
オスカーとったからって調子に乗りすぎ

二位:マトリックス・リローデッド
観客が実存哲学予習して映画観ると思っているのか?


    と思わず大好きな映画達に文句をつけてしまいましたが、これは昨日余りにも素晴らしい作品と出会ってしまったからです。その作品はもちろん2003年最高傑作の「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」です。どうしてここまで素晴らしい映画が存在し得るのか?と真剣に悩みましたが、これは「マトリックス・リローデッド」で説明されている事に気がつきました。つまり因果関係です。「マトリックス・リローデッド」では「全ての目的(結果)には原因(理由)がある。」とされています。この事を上手く認識できないから、上映中にネオや観客はその過程に戸惑います。

注:以下、チャリエン嫌いな人には全く理解できない文章が延々と続きます。

   同じく「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」という結果にも原因は存在します。全世界の女子が「女の子がかわいく戦って男をやっつける映画がないかしら」と願い、全世界の男子が「映画の全シーンがコスプレで、台詞がほとんど下ネタで、マトリックスとスパイダーマンがごっちゃになっていて、あとはお尻ばっかり写っていて、それを大女優達が演じているアクション映画がこの世にあったら!」と願っているのです。その結果として「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」が存在するのは極自然な因果でしょう。このように人類の身勝手な願いが現実に「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」として実体化するのは、やはりこの世は「マトリックス」だという証拠です。もしくは「マトリックス・リローデッド」のクライマックスと同じ現象が我々にも起きていると言えます。

チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル   ★★★★★

    この映画、日本では「伝説のエンジェルが悪役」という劇中最大のトリックをCMでガンガンネタバレさせていて、「オシャレなアクション映画」として宣伝しています。アメリカ版の予告編では黒人になったボズレーが「わざっぷ!チャーリー!」と気合の入った挨拶するのに、日本版ではこの黒人を予告編から完全削除していました。そして映画本編が始まると宣伝通り「オシャレなアクション映画」のような導入部分を見せておきながら、それを完璧に破壊するキャメロン・ディアズの衝撃!!この瞬間映画はフルスロットルとなりそのまま最後までいきます。(オープニングのキャメロン・ディアズの衣装を考えた馬鹿はワダエミを超えたと思うぞ)
    僕は映画を観るときは必ず脚本を最重視しながら鑑賞しますけど、ストーリーが一切頭の中に入ってこない映画なんて初めてです。「証人保護プログラムの情報が入った指輪があって、世界中の非合法組織がその情報を欲しがっているので、黒幕が指輪を盗んだ」という基本プロットですら上映後に理解しました。だってストーリーが展開しようとすると、必ずキャメロン・ディアズが踊り出すんですよ!あ、でも お店が提供してくれる衣装をキャッキャッ騒ぎながら着ているキャバクラ嬢三人組。しかし彼女達にも悩みがあった。「今度結婚するからこの仕事辞めるわ」「パパには内緒にしているの」「他の二人は仕事辞めちゃうのかしら、私ずっとこのまま?」「昔の男がまた追ってきたわ。私の大切な仲間には迷惑かけたくない!」「あ、伝説のママがまた来てくれたわ!」というストーリーなら理解していたんですが。
    この映画は技術が完璧で、カメラワークはお尻を捉え、映画の色調はコスプレに合わせて、音響は「ピコ~ん」「ポン!」という感じで、カットバックでまたお尻と、その徹底振りは黒澤、キューブリック並みです。また映画のテーマはお尻で、撮影、編集以外にもヒロインの名前が「お尻」で、会話のほとんどがお尻で、クライマックスのトリックもお尻で、上映時間においてお尻が占める割合はチャーリーのシーンの10倍を超えています。(どうでもいいことですが、会社の同僚達と観に行って上映後にこの映画の魅力を語っていたら、女性社員に「お尻ばっかり言ってる人」と蔑ずまれました。いや、映画のテーマがそうなんだって!確かにこれは僕のための映画だけど。)
    登場するエンジェル達は(僕的に)非常に魅力的で、エンジェル達がアップで写ると微妙にキツかったりするのも、またカワイイ。まあ僕はデミ・ムーアのビキニ姿でも大興奮していたので問題無し!「いや~、やっぱりそれは問題だろ」とほざけるロリコン共には14歳の美少女双子エンジェルもいるので安心しろ!
    映画掲示板に渡 富士夫さんが「画面に溢れるのは、80年代とオリジナルシリーズへのリスペクト」と書いてあった通りの内容でした。90年代以降の音楽も、アクションではプロディジー、オープニングはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがガンガン流れているのですが、80年代の音楽がきちんとオマージュやパロディの形を取っていると思われるのに対して、90年代以降の音楽は「適当に流しときゃいいや」みたいな扱いでした。”思われる”と書いたのは80年代に小学生だった僕には80年代ネタはフラッシュ・ダンス(溶接している時にかかる音楽)とブルース・ブラザース(修道院のシーン)だけしかわからなかったからです。メタルネタは何となくわかったけど、MCハマーですら掲示板のカキコでようやく気がつきました。
オマケネタ:1
クライマックスで映画史上もっともあり得ないラブロマンスが展開します。どんなに勘の鋭い映画ファンでも予想できませんよコレは。
オマケネタ:2
黒人になったボズレーはちゃんと説明がついてましたが、その代わりルーシー・リューの父親が・・・。
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