トップページ | サイトマップ(全コンテンツ一覧) | 映画の壺 | マッド・シネマ | 映画掲示板 | 雑談掲示板

03/08/26 3:33   映画の壺(オー・ブラザー!)更新

ファム・ファタール   ★★★★

    ファム・ファタール   意味は「悪女」、「運命の女」、「男を狂わす女」。しかもフランス語。何て素晴らしい言葉だろう。(映画におけるファム・ファタールの意味は「バウンド」の項参考)。僕の現実の友人の多くが「あ、アイツきっと観に行ってるな」と思ったでしょうが勿論速攻で観に行きましたよ!

    ストーリーはカンヌ映画祭の会場で1000万ドル相当の超高級かつ下品なビスチェをレベッカ・ローミン=ステイモスが盗むところから始まります(ビスチェは身に着けているのにどうやって盗めるのか?それはお楽しみというヤツだ)。この一番最初の強盗計画のプロットからして「踊る大捜査線2」並みに成立していません。そしてレベッカ・ローミン=ステイモスはビスチェ強奪後に国外脱出が出来なくなって大変に困っているのですが、ここで絶対に有り得ないとんでもないプロットが発生して舞台はアメリカに移ります。・・・もうこれ以上はネタバレになってしまうので書けません。

    デ・パルマの「ファム・ファタール」は秘宝読者には最悪洋画候補として知られていて、現在多くの秘宝読者が「ファム・ファタール」を劇場で観てクライマックスで大喜びをしているでしょう。ただし「ファム・ファタール」は最悪映画と一言で片付けられません。「ファム・ファタール」はいわゆる物語が成立していない映画です。例えば「踊る大捜査線2」は物語(というか事象)が成立していない上に映画としても成立していない、「踊る大捜査線」としてのみ成立している映画ファンの僕にとっては大変耐え難い映画でした。しかし「ファム・ファタール」は物語は成立していないけど映画(というか映画的映像)としては成立しているという、映画ファンにとっては大変困ってしまう内容です。デ・パルマの演出手腕はデ・パルマ的テクニックという点においてのみ冴えに冴えているのです。
   わかりにくく解説すると”フォトジェニック”という言葉がありますが、フォトジェニックなものを写真として切り取れば”良い”写真です。だけどそれを映画として切り取ってしまうと”良い”とは限らない。「ファム・ファタール」はそういう事をとことんやってる映画なのです。
   
    さてあんまりデ・パルマの事を知らずにこの映画を観た人向けに簡単に解説すると・・・
[「ファム・ファタール」のテーマはもちろん劇中のポスターに出てくる「デ・ジャヴ」で、この「デ・ジャヴ」を再現させることが映画の目的です。
「”教会”で”写真家”に”写真を撮られ”、”ホテル”に向かった女。
彼女は”昔の仲間”に襲われ、”アメリカ”に脱出したい、今と”違う状況で生活”したい。
そんなことを考えているときに自分と”瓜二つの女性”の家で、”水が溢れる”お風呂で”3時33分”にまどろんだ。
そして夢を見た。人間は夢を見るとき自分の脳内にある事を夢見る
クライマックスでそれがデ・ジャブとして観客にも彼女にも再現する・・・」
]
文章で書いてしまうとこれだけの事なんですね。
オマケ:
○   模倣作家としても知られるデ・パルマですが、今回のヒチコックネタはほとんど開き直りのようなことやります。

○   あのシーンの撮影のためにレベッカ・ローミン=ステイモス本人が連れて来たモデル仲間って・・・セレブの世界は豪気だ。でもリエ・ラスムッセンは本当にカッコいい。

03/08/24   TOP文のみ

火垂るの墓   ★★★★★

特にネタバレを隠していませんので注意。
    日本の夏で終戦記念日前後と言えば当然「火垂るの墓」です。今年は仕事(が終わった後に飲みに行ったために)のせいで見れませんでしたが・・・。「火垂るの墓」は毎年夏休み中の金曜ロードショーでやるので、多くの日本人の夏休みや週末の浮かれ気分が吹き飛んだことでしょう。
    この映画はジブリ系の映画では世界的知名度は低いほうですが評価は非常に高く、「もののけ姫」が海外の映画評論家達の間で大騒ぎになる前からベタ誉めされていました。ただし「子供には見せるな」とよく口添えがされていましたが。このあたり日本とはちょっと考え方が違いますね。世界最強最高の映画サイトIMDBの全映画ランキングベスト250にも入っていますし、IMDBのアニメ映画ベストでは「白雪姫」や「ファンタジア」を抑えて第五位です。ちなみにピクサーの反撃が始まる前までは、IMDBのアニメ映画ベストはジブリ系が上位独占状態でした(ワーストはポケモンが3本も入ってる)。僕自身は「火垂るの墓」は大嫌いなのですが、この映画には5つ星をつけるしかない。
    「火垂るの墓」は戦争反対!という単に説教臭い映画ではありません。戦争について考えるのは我々の役目であり、映画が考えることじゃない。「火垂るの墓」が描くのはあくまでも戦争が生み出した悲劇のみに集約しており、戦争反対というのは映画を鑑賞した我々が自主的にたどり着く結論です(つかない人もいるだろうがそれは個人の自由)。この悲劇に集約しているという点がこの映画のもっとも優れた点であり、僕が嫌いな理由でもあります。
    「火垂るの墓」は回想形式となっているのですが、通常回想形式というのは”生き残って年老いた主人公”とか”主人公は死んじゃったけどその子供や孫”とか”主人公の身近な人間”とかがナレーターとなって回想するのが常識なのに、「火垂るの墓」は幽霊になった主人公が自分達の悲惨な人生を回想するという、映画の基本構造からして悲劇的です。他にもおままごとが哀れすぎたり、節子が海に遊びに行くと栄養失調で肌が荒れていたりと全編を隙無く悲劇が覆っています。
    そしてこの映画のもっとも悲劇的な部分なのが、兄妹のメタファーがホタルだということです。いやホタルの美しさがメタファーなのではない。ホタルの儚さがメタファーになっているのが悲劇なのです。中盤で兄妹がホタルを見に行く美しく幻想的な名シーンがあるのですが、そこは映画のテーマとは直接関係ない。あれは伏線みたいなもので後半の「なんでホタルすぐ死んでしまうん?」という節子の台詞こそが、「火垂るの墓」の悲劇を全て表しています。この台詞を聞いた人ほとんどが「それはホタルじゃなくてお前達兄妹の事なんだ!」と理解できてしまう。映画鑑賞でこんなに悲しいことがあるのだろうか。だから嫌いなんだよ、この素晴らしい名作が。
    よく映画を観ていて想像を絶するカス映画だったときにスクリーンにモノでも投げつけてやりたい気分になります。もし「火垂るの墓」を劇場で観ていておはじきを食べるシーンが来たら、ダンボール一杯にサクマドロップを買ってきてスクリーンに投げつけてやりたくなるだろうな。
オマケ:
IMDBランキングで世界最高のアクション映画になっているのはもちろんあの日本映画の超傑作だ!

その他

● コンフェッション   ★★★
実在のテレビ番組のプロデューサーが「実はオレ、CIAのスパイで人殺しまくったんだ」という(嘘ぱっちとしか思えない)自伝を出した。その映画化です。監督のジョージ・クルーニーは「真実はわからない」と言ってるけど、脚本も演出もただ一箇所を除いて全て「嘘」という解釈が出来るように描いていました。

● ファム・ファタール   ★★★★
あの「ビスチェは下品すぎるだろ」と思っていたけど、実際ブラの部分(と言っていいのかアレは?)がズレまくっていた。それとあの曲はボレロじゃなかったのか。てっきりボレロだと思い込んでいました(本当は坂本龍一のボレリッシュという曲)。

フジロック

    7月の話ですが初めてフジロックに参加しました。金曜の夜に友人の車に載せられて、新潟苗場は向かって出発。車内には僕や友人が用意したフジロック予習用CDが多くありましたが、僕のワガママで途中t.A.T.uがかかったりしました(フジロックに来てねえよ)。
    金曜深夜に苗場に到着。苗場をうろつく雨合羽にジャンパーに長靴のアンちゃんネーちゃん達を見て、自分たちの装備が甘すぎたことに気がつきましたよ。とりあえず会場をざっと見て、仮眠室のある健康ランドへ。仮眠室はフジロッカーで満杯なので、僕は車の中で睡眠取ることに。そして土曜日の朝に再び会場に向かい、友人たち(チケットが手に入らなかった)と別れて僕一人で会場入りしました。

●  ダーティー・ダズン・ブラス・バンド
音しか聞いてないけど、良かった。

●  電撃ネットワーク
最高です!客の数も多過ぎ、異様な盛り上がりでした。「俺達のやってることは誰にでも出来る。だけど誰もやらないんだ。」という言葉にすげえ感動した。会社の宴会や幹事会などでもこの精神を見習うべきだと思った。

●  ボブログ3世
遅刻したバック・ドロップ・ボムの穴埋めで出てきました。イイ人だ。

●  バック・ドロップ・ボム
大好きなアーティストなのでかなり楽しみしていましたが、ちょっと期待はずれ。

●  NGOのお姉さん
NGO活動の啓蒙みたいなことやっていた。ハードコアなパフォーマンスだったと思う。

●  ケムリ
苗場の山の中を歩いていたら奥の方からケムリが聞こえてきて、それだけで感動してしまった。ライブもみんなイイ笑顔で泥だらけになっていた、ファン達のマナーもすごい良かったし。ケムリのやってることって音楽の理想的な形なのかも。でも「もうみんな脚がプルプルだよな!」と訪ねておきながらPMA(ケムリの代表曲、凄まじく盛り上がる)をやるのは反則だ。

●  エイジアン・ダブ・ファウンデーション
みんなでまったりと踊っていました。キメ台詞は「サノバ・ビッチ」に引っ掛けて「サノバ・ブッシュ!」だ!

●  アンスラックス
遠くから見ていたけどガッツンガッツンでカッコ良かったです。

●  コールドプレイ
最後のほうだけ聞いていたけど、感動的でした。

●  プライマル・スクリーム
かなり楽しみにしていましたが、直前に発売されたライブ版と同じ構成だったし、メンバーにやる気があんまり感じれなかったので直ぐにマッドに移りました。でも名曲「loaded」をやったらしくてちょっと悔しい。

●  マッド・カプセル・マーケッツ
まさに地獄絵図。ちょうどこのとき雨が降ってきたんだけど、ライブ中にスモークと閃光がガンガンたくし、デジタルの爆音だし、客は大暴れだし、まるで自分が雷雨の中にいるような錯覚に陥りました。これぞデジタルMIDIサーファー。僕も大暴れだったので荷物も靴もこのとき全部壊れました、体力も根こそぎ奪われた。ちなみに新曲は「Crash people」というタイトルかな?「Crash POW」「Ch@os Step」の進化系みたいな曲でした。

●  ビョーク
人、人、人!グリーンステージには見渡す限り人が詰まっていた。チケットが売り切れた理由がこのとき理解できました。今回のフジロックの大本命アーティストなので一番期待していたけど、直前のマッドで体力は0(座れる場所がないほど混んでいた)。仕方なく途中で会場から脱出。友人と合流するために山の夜道を一人で歩いていたら、ビョークの歌声が聞こえてきた。夜の山道にビョークというのは怖かった。


    土曜の夜は友人達がオフシーズンのスキー宿を見つけてくれたので、そこでノンビリ出来て本当に助かった。日曜からまた仕事だったもんで。   ちなみにフジロッカーのみなさん、オフシーズンのスキー宿はかなりオススメですよ。僕らが泊まったところは深夜チェックインも出来るし、苗場まで車で迎えに来てくれるらしいです。来年もこの手を使おうかなぁ・・・。

03/08/20   TOP文のみ

三本とも4つ星

    月の残業が100時間ペースのまま遊びに行ったりしているので、とてもじゃないけど更新まで手が回りません。最近疲れが溜まってきて周囲からも心配されています。目も疲れたのか海外版の「ザ・リング」のポスター女性の乳房とビキニラインに見えてきました(「絶叫計画」シリーズ最新作のポスター。他のもオイシイ)。    とはいえ映画館は通っています。

● アンダーカバー・ブラザー   ★★★★
ソウルフルな黒人映画。カンフーの真似ごとしているバカな黒人って絶対にイイ奴だよな。例:モーフィアス
我々黄色人種(の男性)が中学生の頃、「金髪の人の陰毛って本当に金髪なのかなぁ」と思春期の悩みをぶつけていたのと同様に、黒人(の男性)達も「白人女性の乳首って本当にピンク色なのかなぁ」と悩んでいると知って感動した。

● 英雄(HERO)   ★★★★
チャン・イーモウの映画に5つ星以外をつけるのは初めて。

● デブラ・ウィンガーを探して   ★★★★
女性は男性よりも抑圧される部分がある分、男性よりもずっと思慮深い事がよくわかる。

03/08/11   映画の壺(その他6、その他7)更新

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち   ★★★

    かなり楽しかったです。夏の娯楽映画陣の中でもオススメ。以前にも書いたとおり「カリブの海賊」の映画化ですが、海賊映画というよりもバリバリの冒険映画ですね。映画の本編自体はかなり単調で浅はかなのですが、ジョニー・デップのキャラが物語的に複雑な存在(ただのわけわからん男とも言う)なので観客の予想を裏切る多彩な展開も行われます。
    ジョニー・デップとオーランド・ブルームという今最も僕のケツの穴を犯して欲しい男二人が出演していますが、出演者全員来日バックれたためにそれはおあずけとなってしまった(何書いてんだ僕は)。
   本編だと正統派の主人公のオーランド・ブルームはイマイチで、邪道すぎる主人公のジョニー・デップの圧勝です。 このジョニー・デップの邪道さというのが映画を面白くしている要素です。ジョニー・デップがジェリー・ブラッカイマー製作の大作映画主演というのはかなり違和感がありますが、実は最適なキャスティング。何故なら観客の求める海賊のイメージとは自由気ままな悪党ですが、娯楽映画の主人公に悪党を持ってきても観客は共感しにくい。だけどジョニー・デップがその悪党なら問題はない、彼には危険すぎる魅力の中にある種のかわいさがあるので観客も彼のキャラに引き込まれていくのです。
パイレーツ・オブ・カリビアン用語集



● アステカの呪い
消化の仕組みがよくわかる。しかし呪いの効果における肉体の概念がイマイチわかりにくい。
ところでこの映画は[「呪われた金貨自体を封印(消滅)させる」]というのが抜け落ちていますが、これは続編対策かな?

● ミスター・スミス
エージェントがとれてただのスミスに・・・ってそれは違う映画だ。

● 月の光
ケミカル・ブラザーズのPVに出てくるクラブ状態になる。ヒア・ウィ・ゴー!

● メダル
[882枚もよく集めた]と思ったが、そういやあの金貨に何か魔法の力が働くシーンが一箇所だけありましたね。
ちなみにこのメダルは宣伝だと「ウィルから手に入れたメダル」となっていますが、本編だと少女はウィルからメダルをパクっています。

● 囚われた女
[当然身の安全が心配されるが、]海賊全員不感症だったという設定[なので大丈夫だった。でも色々嫌な目に遭う。]

● 海賊の掟
絶対の掟のはずだが[「まあガイドラインだし」という事を理由に無視される]。まるで日本の憲法第9条みたいだが、フランス人が考案したらしい。

● 海賊のお掃除
ブラックパール号は整備は最低だが掃除だけはみんな夜通しでやっている。特にシーツ(帆?)はみんなで協力してほこりを落としているのでヒロインは燃焼系の運動をする羽目に。

● 海賊の歌
「ヨーホーヨーホー」とおなじみの歌が聞こえてくるが、ブラックパール号には「ホネホネ・ロック」が似合う。

● 
「カリブの海賊」の映画化なので、当然あのギャグをやってくれます。

● ボート
海賊が沖合いにいる船と戦う場合、2種類の方法があります。ボートを持って突撃する作戦とボートを使わずに突撃する作戦です。ボートに乗って突撃するのは珍しい作戦らしい。
どうでもいいことですが、あの突撃方法は浮力が強すぎて海面に浮き出てしまうのでわ?(昔の海賊モノのパロディらしい)。

● 海賊側のボンクラコンビ
宝箱と間違えてご婦人の着替えを盗んでくるが、意外なところでそれが役立つ。しかし彼らが役立っているわけではない。

● 海軍側のボンクラコンビ
わざとらしい台本によってブラックパール号の解説をする。まるで遊園地のアトラクション入り口のお兄さんみたい。

● 爆弾の海賊
月の光が無かったらヒロインはかなり残酷なことやっているよな。

● 死の島
パンフには死の海と書かれいてるが、海賊の隠れ家が海っておかしくない?

● ウィル・ターナー
海賊になるために強くなる練習をしていて、ある日海に出る決意を・・・それは「ワンピース」のルフィか。
[特別な血筋]という「パイレーツ・オブ・カリビアン」の重要なポイントを本人があまり認識していないが、それは観客も同じだ。でも洞窟のシーンでは事態の認識が早すぎるような気もする。

● ジャック・スパロウ
どんなときでも帽子を大切に・・・それは「ワンピース」のルフィだ。
船のマストから港の桟橋に飛び降りるシーンがカッコいいぜ!(え、足が折れる?いや大丈夫なんだなコレが)
コンパスが北を指さなかったり、帆を張ったまま嵐に突入したり、[昔の仲間と今の仲間]の海戦の最中にウロチョロしてたりと、[部下ほぼ全員に裏切られる]のは当然かと。

● バルボッサ
悪魔の実のせいで不幸な事になるが戦闘には便利・・・だからそれは「ワンピース」のルフィだ。
演じるジェフリー・ラッシュは「シャイン」での名演が有名な演技派。インタビューでは
「(船長なのに)オウムじゃなくてサルを肩に乗せてるなんて、傑作なアイデアだよね」 と答えていた。
流石演技派ですね、「カットスロート・アイランド」は眼中に無いらしい。

● エリザベス
何日も海にいたのに日焼けを全くしない。それどころか無人島にいようが、戦闘に参加しようが、何度も海に落ちようが化粧のノリは常に絶好調
恋愛事情も非常に恵まれている。
「私の婚約者はやっぱり地位のあるエリートがいいのかしら。」
「でもやっぱり愛よ。私と運命的な出会いをした、かつ幼馴染のあの人がいいわ。本当の愛があれば身分なんて関係ないわ。」
「ああ、今度は危険な魅力に溢れた男が出てきたわ!女だったらこんな男との愛も憧れちゃうわね。」

以前「猟奇的な彼女」という映画があったが、エリザベスはどっちかというと「攻撃的な彼女」。「お洋服がキツすぎてクラッときちゃうわ」「[あの人に愛を告白されてクラッときちゃうわ]」としおらしいのは最初と最後のみ。本編の後半では「男って本当にバカね、女にはもっと苦労があるのよ、ああっもう!」とそこらへんの海賊を殴り出し、[海賊を串刺し]にしてだんご三兄弟にしたり、男の腹の中に[直接爆弾を埋め込んで吹き飛ば]したり、携帯のアンテナが一本も立たないような[無人島で島を焼き討ちにして煙]を立て、必殺海上ドリフト走行を編み出すなど、海賊を凌ぐ暴れっぷり。キャラクターのほとんどが戦闘タイプになっているこの映画において、最強の戦闘キャラクターである。

● 海上ドリフト走行
[生身の海賊達の砲弾が無い船]が、[不死身の海賊達の砲弾を積んだ船の横]につけるという意味不明の作戦だが、観客も海賊もみんな度肝だけは抜かれた。

● 女を船に乗せると災いを呼ぶ
ほどなくしてこの迷信は「エリザベスを船に乗せると災いを作り出す」という格言になる。

● ヒロインの父親
[「たまには海賊行為もいいんじゃない?」]と無茶苦茶なことを言って物語を締める。

● ヒロインの婚約者
[「素晴らしい剣だ。家庭も愛情溢れるものに違いない」]と無茶苦茶なことを言って物語を締める。

● 鍛冶屋の親方
↑この台詞が成立するには[「親方じゃなくてウィルが作りました」]という説明が必要なような。

● その呪いを解くのは、愛
以前、「ジェフリー・ラッシュに呪いがかかっているのに、このキャッチコピーは納得いかない」というような事を書きましたが、やっぱりこのキャッチコピーは本編とは関係なかったです。というか「愛」自体本編と関係なかったです。ヒロインが主人公に惚れ直す過程も弱いし。
ちなみに呪いを解くのには[「特別な血筋」を持つ人の血縁関係者の血が数適]あれば大丈夫でした。

● 不敵な笑み
思いつめた表情で海を見つめるウィル・ターナー、敵を確認したウィルは「来たぞ」とジャック・スパロウに声をかける。しかしジャックは悠然と不敵な笑みを浮かべる・・・
予告編で出てくるカッコ良すぎるシーンだが、本編だとこの前後で二人がとった作戦はどうしようもなくショボい。

● コルセット
あのキメ台詞カッコ良すぎです。

● オープニング
「船旅をしていた少年が海賊に襲われ海に流され、それを少女が発見する。そして少女は彼の首に不思議なメダルがかけられていることに気がつき・・・」という「天空の城 ラピュタ」の男と女が逆転したことをやっています。

● エンディング
[オーランド・ブルームが「アイ・ラブ・ユー」と叫んで、ジョニー・デップを助けるために突撃する]というヤオイ好きにはたまらない展開(違うぞ)。

● パイレーツ
バイキングじゃないので、フィンランドのバイキング野郎と呼ばれた長髪長身の男は出てこない。

● 海賊映画は当たらない
最近の破壊屋は映画ファンじゃない方も多いので、知らない方も多いかもしれませんが海賊映画(海洋冒険モノ)は失敗作が多いんです。特に破壊屋がベタ誉めしているレニー・ハーリンの映画なんか、映画会社を二つ潰したほどの大失敗でした。

● ブラックパール号
[帆を張り替えると区別つかん。]

● インターセプター号
レニー・ハーリンだったら[尋常ならざる量の爆薬を載せるぞ!]

● 
「船の船長は小動物を飼っている」というクリシェがありますが、ジャック・スパロウが船長に見えないのはそこらへんが原因かな。

● 孤独を愛する一匹狼の海賊
「一匹狼の海賊って矛盾しているような」と以前書きましたがマジで一匹狼の海賊でした。ただし孤独なのは[仲間にはぶられたのが原因]。「オレって群れたりするのが嫌いなんだ」という奴は単に友達がいないということですね。

● ジャック・スパロウの仲間達
[不死身の海賊と戦ったのに誰も死んでいない]。強いのかもしれないが、海戦の技術は小娘以下。

● リンゴ
バルボッサの野望のメタファーですが、[ラストのあの登場のさせ方]は強引かと。

しかし遂に80年代生まれのヒロインが登場してくるようになったか。

その他

    最近のシュワ出馬ニュースで知りましたが、シュワはやっぱりオーストリア人で帰化してアメリカ人になったそうです。つまりドイツ人は関係ない。血はドイツ人なんだが・・・


● マイ・ビッグ・ファット・ウェディング   ★★★

03/08/08   マッドシネマ(踊る大捜査線2)、映画の壺(その他6)更新

ターミネーター3のミス

●  スカイネット司令部ではスタッフが「毎秒60テラフロップです」と言う。

テラフロップとは「1秒毎に実行できる浮動小数点演算の回数」のこと。つまり「毎時時速60キロで進んでいます」みたいな意味になってしまいます・・・日常生活でもつい言ってしまうか。

03/08/07   マッドシネマ(踊る大捜査線2)更新

取り急ぎ

    言い忘れましたが、今年は旅行に行ってたのでサマソニは不参加でした。ゼブラヘッド見たかったなぁ。

03/08/02   TOP文のみ

わかった!

    今までリュック・ベッソンを散々バカにしてきてごめんなさい。「WASABI」よりもつまらない「踊る大捜査線2」に比べりゃ、どんな映画でも傑作です。ところで「踊る大捜査線2」って散々煽っていた「臨海副都心カジノ計画」が本編に無いんですが、「草壁中隊長」役の俳優さんの発言から察するに他にも足りないシーンがあるような気がします。
   ただしこれは僕のあてずっぽうなので真に受けないでください!
▲03年07月後半へ ▼03年09月前半へ

破壊屋TOPページに戻る 全てのコンテンツ 映画の壺 マッド・シネマ 一つ上に戻る