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ラブ・アクチュアリー   ★★★★

   注意:全体的にややネタバレ気味な解説です。


オープニング

    Love actually is all around. ”愛は実際まわりに溢れている”という事が解説される。


1:首相と秘書

    イギリス首相の恋を描く一番派手なエピソード。
    イギリスに若き首相が生まれた。彼は公務に弱気になっている内に自分の秘書に惚れ始めていたが、この秘書を巡って恋のライバルが登場。しかもライバルの男は正義と平和を守る世界最強の男だった。
    クライマックスは呆れる程くだらんが、それに喜んでいる自分がいる。

● 首相
    日本でも小泉政権が出来る前にはしょっちゅう「首相候補がいない」という状態があったけれど、イギリスはそれ以下の状態だったんだな。ヒュー・グラントが首相だなんて。
    ドタバタラブストーリーっつったらそりゃミュージカルも欠かせないわけだけど、「ラブ・アクチュアリー」の場合はヒュー・グラントの意味不明ながダンスが堪能?できる。

● 秘書
    ブリジット・ジョーンズに一番近いキャラ、形が。ファック・アップでピス・イットなお茶目ガール。
    ところで女性には「太目の女の子はカワイイ」って概念無いんですかね?僕にはあるんですが。

● 恋のライバル
    誰がコイツを演じるか知らなかったので、劇場でビックリしました。戦闘力から考えるに世界最強っつーのは嘘じゃないだろうけど、正義と平和は嘘っぽい。


2:ダニエルとサム

    最愛の妻を亡くした夫と、妻の連れ子である息子・・・という哀しくて複雑な導入からは予想も出来ない元気なストーリーが展開するエピソード。クライマックスも一番長い。ところでパンフレットにはモンモンと悩むサムと書いてあるが、モンモンとしているのはダニエルです。

● ダニエル
   幼いパダワンに理力ではなくて愛を教える。最初こそ妻を亡くし、連れ子と打ち解けることが出来ない苦しみを味会っているが、その苦しみから解決されると連れ子の部屋でクラウディア・シファーとセックスすることを考える。

● サム
    ダニエルの義理の息子、つまりパダワン(嘘)。女にモテるためにロックを始め、反社会的な行動はパンク的、ラストシーンではダチをブラザーと呼ぶ羽目になるのでヒップホップだ。
    クライマックスでは[空港に突撃し次々とセキュリティを突破するが、最後のセキュリティが彼の前に]立ちはだかる。しかしロックを信じる者にはロックの神が現れる!そう、そのとき・・・。

● ジョアンナ
    サムが恋する女の子。10歳の美少女だがロリータ感覚皆無のソウルフルガール。かっけぇ。

● ケ○トとレ○
    恋に悩む人を助けてくれる。僕だったらザンパノとジェルソミーナを選ぶけどな。


3:ジェイミーとオーレリア

    ご主人様とメイドの恋だけどオタク感が皆無なのはメイドの顔がゴツイからかな?
    おっちょこちょいのメイドとか、テラスで告白を待つ美女とか、アホらしいシーンを綺麗にやってのけるエピソード。でも監督・脚本のリチャード・カーティスって今の時代にこういうのをやってるのでマトモな人間じゃない!と思ってたら、こいつは「ビーン」の製作者だった。やっぱりマトモじゃない。

● ジェイミー
    駅前留学中の作家。弟と真の意味で兄弟になったのがキッカケでフランスに逃げてメイドを雇う。「おっちょこちょいのメイドのせいで、大事な原稿が吹き飛ばされて、メイドが一生懸命(かつエロく)原稿を拾ってくれる・・・」というアホ臭いシーンを実現するために、今日もタイプライターをたどたどしく扱う。っつーかタイプライターの使い方知らないならPC使えよ

● オーレリア
    フランスで働いているメイドなのにフレンチメイドを着ていないのは、彼女がポルトガル人だからかな?
    英語を勉強していたら突然問題を出されるが、彼女にとっては「EASY QUESTION!」だった。でも人によってはハードな問題だよな。答えを間違えちゃった人もいるんじゃない?

● ジェイミーの昔の恋人
    コリン・ファースにあんな美人は似合わん。


4:ハリーとカレン

    既婚者向けのエピソード。
    熟年カップルで子持ちのハリー(夫)とカレン(妻)。だけどハリーは部下の小悪魔ちゃんに誘惑されていた・・・。浮気じゃなくても辛いものがあるという事か。

● ハリー
    アラン・リックマンが部下と一緒に会社でクリスマス・パーティーを計画!ってプロットはナカトミ・ビルと同じだよな。最後には歓喜の歌をかけて欲しかった。

● カレン
    ハリーとカレンはハリポの「アズカバンの囚人」コンビだったりする。

● ルーファス
    僕がもっとも嫌いな役者の一人、ローワン・アトキンソンが演じる。相変わらずウザイ演技だ。

● 小悪魔
    悪魔の角が見えるドイツ女


5:サラとカール

    愛が見つからない女性向けのエピソード。
    サラは入社後30分で同僚のカールに恋をした。それから2年7ヶ月3日2時間半後、何も進展は無かった。だけど会社のクリスマス・パーティの時・・・9つのエピソードの中で一番現実的な物語。

● サラ
    キスする直前に「恥ずかしいからあなたに目をつむってて欲しいの」とお願いして、男性が目をつむっている間に自分の歯についた焼きそばの青ノリを取っているような女。

● カール
    お前は「メリーに首ったけ」を観ろ!答えはそこにあるぞ!


6:ビリーとジョー

    愛する人がいなくても大切な事があるというエピソード。決してゲイのエピソードではない。でも洋ピンのゲイモノでこんなタイトルがありそうだ。
    「ラブ・アクチュアリー」は9つのエピソードはそれぞれ絡み合っているが、このエピソードだけが唯一他のエピソードと絡まない。ただしビリーが歌うクリスマス・ソングが狂言回しの役目をする。

● ビリー
    セックス!ドラッグ!ロックンロール!の人生を歩んでいたらセックスもドラッグもロックンロールも無くしたオッサン。あ、ドラッグは無いほうがいいのか。日本だったら永ちゃんが嬉々としてこの役を演じそうだな。

● ジョー
    こいつの営業手腕すごくね?だって[あのトンでも曲を1位にしたんだろ]?


7:ジュリエットとピーターとマーク

    片想いのエピソード。
    ピーターとジュリエットはこれが映画のクライマックスじゃないの?と思える程素敵な結婚式を迎えた。それもピーターの親友マークのおかげ。でもマークは意外な想いを心に秘めていた・・・。ピーターは何故バチェラー・パーティーにオカマを呼んだのか?
    僕もあんな風に「完全な誤解なのに女の勘という事で真実扱いされる」という苦痛を味わったことがあります。女の勘はあくまでも勘でしかなくて、当たるわけではありません!単に男の勘が鈍すぎるから、女の勘ばっかり注目されるんです!

● ジュリエット
    美しき花嫁、18歳。どーいうことだよ!

● ピーター
    この作品でもっともどーでもいい男。

● マーク
    9つのエピソードでもっとも泣かせてくれる男。でも僕もああいうのはやった事ある。告白じゃないけど。


8を飛ばして9:ジュディとジョン

    一番軽く扱われているエピソード。
    普通は恋から始まって体の関係になるし、逆に体の関係から恋が始まるときもある。だけどジュディとジョンそのどっちでもない、むしろ両方だった。
    このジュディとジョンのやってることがわからない人が多いと思うので解説します。ジュディとジョンはスタンドインという役者さんなんです。映画の撮影ってのはああやってスタンドインを使って、セットや照明や録音の準備を完全にしてから本物の俳優を呼んで実際の撮影を開始する。スタッフとスタンドイン達が現場で苦労している間、映画スター達はみんな自分専用のトレーラーの中で遊んでいるわけです。僕は以前、映画雑誌で「撮影中の思い出は?」という質問に対してプレステの事ばっかり話しているハリウッドスターのインタビューを見かけたことがあります。

● ジョン
    ある意味ブラピ。

● ジュディ
    この作品でもっともどーでもいい女。


8:コリン

    ラブストーリーってジャンルは夫婦やカップルは勿論、女性同士や女性単独でも観る事が出来る。何故なら愛を求める人がラブストーリーを観るのは当然だから。でも男性単独は違う。男性単独客が愛を求めてるラブストーリーを観るはずが無い、単なる映画ファンだから観ている。
    そういう男性単独客っつーかボンクラ向けのエピソードもちゃんとあるのが「ラブ・アクチュアリー」のスゴイところ。

    顔が駄目、性格も駄目、喋りも駄目、ファッションも駄目、っつーか生き方が駄目。何もかもが駄目なバイト君のコリン。女性への挨拶は「こんにちわ、未来の僕の妻」とバカ丸出し。そんな調子だから女性に声をかけまくっても成果全く無し。だがある日彼は自分がモテない理由に気がついた。「イギリスの女は男を見る目が無い!」
    お前がモテないのはイギリスの女に男を見る目があるからだというツッコミはさておき、イギリスの女を諦めたコリンはとんでもない計画を立て始めた・・・。大阪戎橋でナンパが上手くいかない兄ちゃんが新幹線で渋谷センター街に行くようなもんか。
    9つのエピソードの中でもっとも意外な展開をするが、もっとも投げやりな脚本だよなコレ。コリンに感情移入していた僕としては後半の展開は・・・うぉおおおおお!と叫びたくなりましたよ。 だってさぁ・・・(続きはコチラ、完全なネタバレ!観る前に読まないで!)


エンディング

    会社の友達から聞いた話だけど、「ラブ・アクチュアリー」は付き合ったばかりのカップルで観ないほうがいいらしい。確かにそうだ。9つのエピソードは全て愛が成就するわけではないが、色んな愛の形を観せてくれる。そして「ラブ・アクチュアリー」のエンディングは観客に向けて「ほら、”愛は実際まわりに溢れている”でしょ?」という形で終わる。ここで付き合いが長いカップルだったら幸せな気分になれるかもしれないが、短いカップルだったら気まずいことこの上ない。
    って一人で観に行った俺はどうすりゃいいんだよ!まわりに溢れても中心の俺には何もないじゃないか!ああそっか!世界の中心で、愛を叫ぶって今の俺の状態なのか!

[違います]。

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