04/02/24 TOP文のみ更新
ブラウン・バニー ★
ヴィンセント・ギャロ。知らない人のために解説しますが、ヴィンセント・ギャロとは俳優であり、演出家であり、脚本家であり、バイクレーサーであり、カメラマンであり、音楽家でもあるマルチな才能を持った男。珍しい存在には違いないのですが、日本というか渋谷でのギャロの扱いは特殊です。
渋谷ではなぜかギャロの存在自体がファッションになっている。ギャロの映画や写真を鑑賞することはファッションなのです。そんな珍妙な現象の中から生まれた究極のクソ映画が「ブラウン・バニー」です。(ギャロを誉めることもファッションの内に入るので、日本での批判意見は少ない)
日本国内では「ブラウン・バニー」はアメリカ映画だと言い張っていますが、実は日米仏合作で、しかも出資金は100%日本。渋谷のギャロ文化を狙って作られたようなものです。ギャロはコントロール・フリーク(単なる超ワガママ)として有名で、「ブラウン・バニー」では主演、監督、製作、脚本、撮影、美術、音楽を全て自分で行っています。そして出来上がった作品は音楽以外は壊滅状態でした。
「ブラウン・バニー」はカンヌ国際映画祭で公開され凄まじい大不評を買い、カンヌ映画祭史上最悪とまで呼ばれ、その騒動はニュースにまでなった。賛否両論すら起きていない、否定しかなかった。あまりの不評っぷりを受けてその後本編を30分近くもカットして公開することになりました。僕が観たのは当然その短縮版ですが、それでももう30分はカットできそうな仕上がりです。
「ブラウン・バニー」とはどういう映画なのでしょうか?一部の人達は「ブラウン・バニー」をロードムービーだと評していますが、違う気がします。ロードムービーとは旅の映画、主人公が旅の途中で出会いがあったり事件が起きたりしてドラマが生まれる映画のことです。
それに対して「ブラウン・バニー」は車の中にカメラを置いているだけ、窓から見える景色を写しているだけ、道路を写しているだけ、前を走る車の後部を写しているだけ。そんな映像が延々と続く。しかもそこにドラマが一切存在しない。風景だけです。風景以外のもので観客にわかるものと言ったら道の混み具合くらい。これではロードムービーとは言えません、道路ムービーです。(本当は花の名前をした女性達と出会うが、出会っても何もドラマが生まれていない。)
ギャロファンなら「あれは心象風景じゃないの?」と擁護するかもしれない。でもそれも違う、だって劇中ギャロの心象が何も変化していないから。心象が何も変化していない、物語が何も変化していないのに、道路の映像は渋滞になったり夕焼けになったりする。映像に人間ドラマが結びついていないだけじゃない、映像が映画にすらなっていない。
「ブラウン・バニー」の撮影が素晴らしいという人達もいる。でも「ブラウン・バニー」で唯一撮影が優れているのは塩の砂漠のみで、後は全てゴミです。車の中にカメラを置いて風景を写しているだけなのは優れた撮影とは言わない。道路公団が設置したカメラの映像を見て「素晴らしい映像ですね」と褒めているのと同じ。そんなのは機材さえあれば誰でも撮影が出来ます。
もし本当にロードムービーをやりたいのならカメラは車の外に置くはずです。この場合だったら機材が揃っていても素人には撮影できません。風景の中を走る車を捉える、どこかに向かう主人公を表現する、そして映像の視点が主人公の視点になり観客の視点にもなる。これこそがプロの撮影のはず。でも「ブラウン・バニー」はそれすらも放棄した(ただし塩の砂漠ではちゃんとやっている)。
しかも人間を写すときは人間の顔の前にカメラを置かない。後頭部にカメラを置く。つまり画面に写るのは髪の毛なんです。まあこれなら演技しなくて済むからね。
また「ブラウン・バニー」はカットという作業をあまり行っていません、何も考えずに撮影したのか(カットを行うためには撮影前に入念な準備が必要)一つのシーンを延々と同じ視点で写します。バイクを持ってきて、ヘルメットをかぶって、エンジンをかける。この一連の作業を一瞬たりともカットしないで全て見せてきます。いや、そういうテクニック的な部分はあまり問題じゃあない、ギャロにとっては全てが風景なのだからカットする意味はないのかもしれない。
本当に問題なのは旅の途中、ギャロがメシを食ったり、飲み物を飲んだり、トイレに行ったり、顔を洗ったりするシーンすらカットしない事だ!こんなものは映画じゃない!日常だよ!日常描写ってのは効果として描くべきなのに、メインとして描いてどうするんだよ!
そして「ブラウン・バニー」を愛の映画だと言う人もいる。あの最低のクライマックスを愛のシーンとか言ってる人もいる。でもさ…
警告:
「ブラウン・バニー」は衝撃のクライマックスが話題の売りです。以下はネタバレで、隠していません。各自の判断で読んでください。
「ブラウン・バニー」の衝撃のクライマックスとは[フェラチオが延々と続くだけ]です。それも女に命令しながら。他人の性行為を見ていてここまで不愉快になったのは初めてだぞ。何でこんなシーンがずっと続くんだ?あのデカイ茶色のボカシは何なんだ?ギャロのチンポコに茶色のボカシが入るからブラウン・バニーなのか?(本当の意味は永遠の時を生きるウサギのこと)
その女はギャロの昔の恋人なのですが、観客全員ドン引きのフェラシーンはギャロが射精して女に飲んでもらう事で終わる。そうすると自分だけ終わったギャロは女に向かって「お前とは2度と会わん」と拒絶するのです。これのどこが愛なんだよ!そもそも劇中ギャロは誰も愛していないぞ!女に対しては単に恋しがっているだけ。その証拠に自分が射精したらギャロは女を拒絶するし、フェラしてもらった女は思い出(妄想)の中の女だ。それに恋人に対してのオーラル・セックスはしてあげるのが愛だろ!してもらうのは愛じゃないぞ!
ギャロはオナニスト(行為じゃなくて精神的な意味)なんだよ!「ブラウン・バニー」は愛の映画じゃなくて自慰の映画なの!「ブラウン・バニー」を愛の映画だと思う人は、どうしてギャロが女がレイプされたら救おうとも取り戻そうともせずに逃げ出したのかわかっているのか?ギャロは愛すことができないから、本当の意味でワガママだから逃げたんだよ。「ブラウン・バニー」はギャロの「俺は愛されたいんだ!あの娘が恋しいんだ!でも俺は愛す事ができない」というせつない悲しみに触れる映画なんだよ。そしてそんなワガママな悲しみには誰も触れる事ができないんだよ!
「ブラウン・バニー」を評価する事が出来るのはギャロの「俺は愛されたいんだ!」というワガママを優しく見つめることのできる、ギャロを理解している女性達だけです。
ちなみに僕が生まれて初めて映画館でブチ切れた決定的な理由はラストシーンです。
女に精子を飲んでもらったギャロは女を捨てようとする。
(この時点で僕はブチ切れそうになった)
ギャロ「2度と会いたくない、君は俺を裏切った」
女「違うわ」
ギャロ「他の男とマリファナ吸って寝ていた!」
(マリファナを吸う女が回想される)
女「私はあの男達にレイプされていたのよ!あなたは私がレイプされていると知っていたはずよ!」
(犯される女とそれを見ているだけのギャロが回想される)
ギャロ「そうさ、君がレイプされているってわかっていたけど、怖くて逃げたんだ!」
(犯された女を捨てるギャロが回想される。っていうか本当にムカつくんですけど)
女「あの後私は死んだのよ!」
(死んだ女が回想される)
突然女が消える。
一人ぼっちになったギャロ。
ギャロはどっかに行く。
END
この瞬間僕はブチ切れて、エンドクレジットの最中に椅子を蹴りながら立ち上がり「ふざけんなこのクソ映画!」と罵りながら劇場を後にしました。
04/02/22 TOP文のみ更新
究極のクソ映画2本立て(両方ともクロエ・セヴィニー)
去年
「踊る大捜査線は2003年ワースト」とか
「21世紀のワースト映画」とか事実誤認も甚だしい事を書いてしまい、申し訳ございませんでした。踊る大捜査線は決してワーストではありません。
ワースト二位です。
ブラウン・バニー
この映画こそが真のワーストです。僕は「人生最低の映画は?」と聞かれたら、必ず
「だいじょうぶマイ・フレンド」と「ちんなねえ」と答えてきましたが、ここに新しく「ブラウン・バニー」を加えます。
● ブラウン・バニー ★
生まれて初めて映画館でブチ切れました。過去にも数々の最低映画に出会ってきたけど、映画鑑賞なんてそんなに怒るもんじゃないから、破壊屋でネタにして終わりにしてきた。でも「ブラウン・バニー」はそうじゃない、本気で怒ってキレた。
そして今日、もう一つのクソ映画を観てきました。
ドッグヴィル
最初の1時間は下手糞な人間ドラマ。その次は1時間30分は[
虐げられ、こき使われ、輪姦]される女の物語。もう本当にクソ映画です。
最低の2時間半にブチ切れそうになる自分を抑えながらクライマックスまで耐えましたが…
● ドッグヴィル ★★★★
何だこのクライマックスは!
ミナス・ティリスの攻防並みに腰を抜かされたぞ!これは
最高のアメリカ映画です。もちろん「ドッグヴィル」はデンマーク映画だけど、このクライマックスはまぎれもなくアメリカ映画の精神と手法を取っていて、それがある意味
究極のアメリカ映画批判になっている。
クライマックスで館内の客は笑っていたけど僕は興奮していた。本来なら5つ星の作品ですが、クライマックスに至るまでの2時間半が
どうしても許せないので減点。
オマケ:
シネマライズのパンフレットを買った事がある人なら知ってると思うけど、シネマライズのパンフレットには必ず
作品にちなんだお洒落な料理のレシピが載っています。ところが「ドッグヴィル」に関しては料理家の人も許せないものがあったのか、載っているレシピが
煮ないシチュー…って
食べられないじゃん!(でもレシピにちゃんとオチがあって、食べられるようになっている)。
04/02/15 TOP文のみ更新 Nothing Happened! Happy Valentine's Day. by HAkaiYA
「指輪物語」の映画版 ★★★★★
映画なんて全く知らない子供の頃に、近所の地区センターのビデオルームで「天空の城 ラピュタ」を観て凄まじい衝撃を受けた。あれは映画じゃなくて夢だった。幼い頃の僕は夢の世界に放り込まれて、そこでパズーやシータ達と一緒になった。そこでムスカが笑いドーラが駆けていた。ラピュタもそこにあったんだけど最後に天空に昇って行ってしまったので夢から覚めた。そのうちボンクラ学生になって映画ファンになった。もうしばらくしてボンクラ社会人になった。
でもまさか大人になってもあの夢の世界を体験できるとは…(「マトリックス」とは違う。あれは現実の自分のボンクラ度を強く思い知らされているからこそ面白かった。)
● ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 ★★★★★
兎にも角にもミナス・ティリスの攻防!!2003年に我々の度肝を抜いた「二つの塔」のヘルム峡谷なんざ単なる前座です。あのミナス・ティリスの攻防は21世紀序盤の人類は映像を使ってここまで出来ましたという基準点でしょう。
滅びの山のシーンは「どう考えても映像よりも文章のほうが有利だろ」と思っていましたが、サムの存在を見事に使いこなしてこの難問をクリア。文章を何百行省略しても、たった数秒の演技と演出と編集で取り戻すことができるのです。映画の持つ力を見せてもらいました。
またこの映画は名台詞のオンパレード!僕はやっぱり「私は[男]などではない!」が最高です。
「ハウルの動く城」がとんでもない傑作でもない限り、2004年のベスト1はこれです(と言って去年はコロコロ変わったなぁ、「ドッグヴィル」とかが一位になったらどうしよ)。
04/02/13 TOP文のみ更新
王の帰還を控えての雑談
残業が多いという事で会社から産業医に診てもらうように言われました。ピンピンしてるっつーの!(でもこういう制度は労働者として喜ぶべきなんだろうなぁ)
● ラブストーリー ★★★★
韓国の純愛ラブストーリー。前半の小学生感覚丸出しの恋愛描写が意外にも面白いんだけど、後半きちっとした恋愛映画になると逆に勢いが落ちる。
● ニューオーリンズ・トライアル ★★★★
銃撃事件の被害者(原告)が銃器メーカー(被告)を訴えて訴訟を起こす。全米が注目する大規模裁判!火花を散す法廷での対決!そのとき両陣営の弁護団に、陪審員から「評決売ります」のメッセージが…。
これが面白い!裁判モノやパワーゲームモノの中でもかなり高レベルの映画です。今公開中の作品ではまっとうにオススメできます。数時間後に王の帰還が出てくるんだけどね。
04/02/11 映画の感想更新 Something Happens? Happy Valentine's Day. from HAkaiYA
ハリー・ポッター 秘密の旅館(完結編)
そんなやり取りを見ていたハーマイオニーは呆れた顔をしながら
ハーマイオニー
「あなた達本当に勉強が出来ないのね、何でこんな事もわからないのかしら。計算の仕方が間違っているのよ。いいわねハリーとロン、よく聞いて。ロンが2000円を足したのが間違いよ、2000円は足すんじゃなくて引くの!それが正解だわ。
まだわからないといった顔ね、ロン。あなたのその表情は世界中の観客が見飽きているわ。もう一度説明すると12000円から2000円引いたら10000円になるでしょ?私たちが旅館に払ったお金は15000円じゃなくて、キャッシュバック後の10000円だからそれでいいのよ。
別の説明の仕方だと、私達はお金を盗られたんだから”2000円を引く”か”マイナス2000円を足す”のが正しい計算よ。お金が無くなった時に”2000円を足す”や”マイナス2000円を引く”という計算はダメよ。
確かにこれはマグル界でもよくある計算ミスね。でも普通は目の前に現金があったりするから一瞬で気がつくわ。それなのにあなた達が派手に間違えるから、破壊屋のお客さん何百人かが騙されて悩んでしまったのよ。ねえハリー、何も考えずにスニッチばっかり追いかけていちゃダメ、クディッチは得点制なんだから計算も出来なきゃ。そしてロン、一番悪いのはあなたよ!チェスが出来ても勉強が出来ないと立派な魔法使いにはなれないわ。大体こんな計算も出来ないから、自分達の成長にも気がつかずに第4作の出演契約を結んじゃうのよ。あなた達は第3作でも結構キツイものがあるわ。ハリポタはロード・オブ・ザ・リングのように溜め撮りじゃないのよ!」
悔しそうなロンはハリーにポツリと「ハーマイオニーだって第4作に出演するくせに…」と言いました。
04/02/08 TOP文のみ更新
ラスト・サムライ ★★★★
映画のストーリーはウィンチェスター社の宣伝から始まる。インディアン狩りの英雄オールグレイン(トム・クルーズ)の仕事はウィンチェスター社の広告塔になって、インディアン達を殺した銃の素晴らしさを宣伝することだ。しかしオールグレインはインディアン達を虐殺した罪の意識に悩まされアル中になっていた。自暴自棄になり仕事もクビになったオールグレインは、「日本の軍隊の近代化に協力して欲しい」という依頼を受けて、富士山が妙に大きい日本へ向かう。
日本に着いたオールグレインは軍隊の近代化指導にあたり、そしてすぐに最初の戦争が始まった。だが敵は剣術、弓術、馬術、柔術に優れた最強の戦士達”侍”だった!銃を持った軍隊をあっという間に蹴散らした侍達、オールグレインは侍達に捕らえられてしまう。だが侍達の大将である勝元(渡辺謙)は何故かオールグレインを殺さずに客人として迎えいれた。侍達のコミュニティの中でオールグレインが見たものは…。
インディアン虐殺の加害者となり魂が穢れたオール・グレイン。彼は異国の地で、
侍(=インディアン=「ダンス・ウィズ…」)達と生活を共にする。だが侍達は近代化の前に滅びる直前だった。オールグレインは[
侍と共に滅びる決意をして、自分が殺した侍の意思と鎧を継いで(ついでに嫁さんとガキも)滅ぶための合戦へ挑む。そしてオールグレインは魂の名誉を取り戻す]…。
穢れた魂が再び清められる映画ですが、「ラスト・サムライ」は贖罪の物語ではありません。実際物語を暗くさせないためか、オールグレインの父殺し、兄弟殺しの側面はほとんど描かれない。その代わりオールグレインの意識や感情の変化(つまりドラマ)を時間をかけわかりやすく描きます。
優れたドラマは主人公の意識の変化を描くのが上手いものですが、「ラスト・サムライ」はオールグレインの視点(=観客)を通して侍達の生き様も同時に描きます。この2種類のドラマが上手く展開するので非常に見応えのある映画になっています。
日本人である我々には日本の描写について色々意見があるでしょうが、
「ラスト・サムライ」は時代劇や歴史物ではありません。主人公が異質なコミュニティの中で生きる様を描いた
ファンタジー映画です。異質なコミュニティとは日本人でもなく、村社会でもなく、侍です。侍の描写で重要なのは正確な史実ではなくて「信念に生きる男達」という
設定なのです。そもそも侍や剣術集団といった存在は日本人である僕たちにもファンタジー的な存在です。それに今の日本人にとって「時代劇」とは、リアリズムを徹底した黒澤明の映画よりも、徘徊老人が身分証明書を差し出すとみんな土下座する最近1000回を超えたTVドラマのほうが馴染みが強い。まあ侍達がのんびり農村で暮らしているのは、「七人の侍」の[
侍達も勝てた]バージョンだと思えばいいですよ。日本人の文化を日本人が描くというのにも限界があり、外国人達が外国人の視点で日本人の文化を捉えているのが面白いです。
僕が偉く感心したのは序盤で出てくる切腹のシーン。外国映画とは思えない切腹の使い方だったので、僕はこの切腹が
「侍が見事に死ねば、それは礼節を以って迎えられる」というクライマックスの伏線になっている事に全く気がつきませんでした。逆に切腹や土下座という概念に馴染みのない海外の観客ならこのシーンが伏線となっている事に気づいたかもしれません。
ただ
日本人や日本文化を美化しすぎ、今も昔も日本人は風変わりな民族だって。侍なんて単なる特権階級だったんだし(逆にそういった点にまで触れた「七人の侍」は恐るべき映画だ)。それに侍ってのは時代の波に呑まれて消えたんだよ。ネイティブ・アメリカンみたいに虐殺されたわけじゃないよ。
僕が侍の描写で「?」と思ったのは、侍の心を持つと未来が見えるという演出。オープニングで勝元が見る
白い虎(=白人の武者=トム・クルーズ)や、トム・クルーズが侍として目覚めると突然勝ちの手が見えたりする演出はちょっと風変わりでした。
?とまではいかないけどラブシーンもちょっと…。引き戸の奥で着替え中の和服の日本人女性がオールグレインに見られているのはまだいい(西洋人は引き戸にエロティシズムを感じる)。劇中のラブシーンが
男の衣装の世話を尽くす日本人女性という
西洋人男性なら誰でも想像してそうなラブシーンなのも別にいい。だけどオール・グレインが小雪に別れを告げるシーンで、
わざわざ小雪が身を清めている最中に会いに行くのは単なる覗きだろ!時間が無いからってそりゃどうかと思うぜ!あんた侍魂よりも
待魂の持ち主じゃないのか!
(海外版の予告編の画像参照)
● オールグレイン
「日本人はRの発音が下手、日本人の発音は母音がハッキリしている」というネタのせいか、日本人達には「アルグレイン」と呼ばれている。
どことなくアラゴルンに似ているのがミソですな。
● 勝元
西郷隆盛がモデルなのに方言を喋らずに英語を喋る。きっとNOVAウサギより喋れる。
● 小雪
古典的な日本人女性の描き方のように思えますが、「東洋人女性は短身」という観念がこびりついている西洋人にとっては「白人男性よりも背が高い東洋人女性」というのは斬新ではないのでしょうか?あ、男がトムだから全然斬新じゃないや。
● 天皇
「(天皇の)演技が変」「ラストの天皇とのやり取りは蛇足」と色々言われていますが、それは
天皇批判じゃないのか!別にいいけど。
● サイレント・サムライ
福本清三のキャラにアメリカ人らしい味付けをしていてお見事。サイレント・サムライのあだ名がボブなので、
サイレント・ボブを連想したのは僕だけでしょうか。
● 原田眞人
毎回賛否両論の映画を作る映画監督、でもこんな仕事もやるんですね。クライマックスは思いっきり都合の良い悪役になる。
● デューク真田
革新的な勝元とは違い、古風な観点で描かれる侍。非常にオイシイ役でした。
● エドワード・ズウィック
黒澤明じゃなくて小津安二郎ファンだという軟弱さが原因なのか、合戦シーンで特大バトルアクションは展開せず。脚本が
ブレイブハートを想定しても演出がこれじゃあ…。いやドラマは上手いんだから正しい人選だけどね。
● ニンジャ
奇妙な果実魂全開のシーン。世界中の観客が
「サムライは理解できたけど、ニンジャは?」とか思っていないか心配です。パロディ映画で「ラスト・ニンジャ」とか出てきそうですね。
…最初の侍登場シーンを見る限り、侍たちは中つ国でも戦えますね。同じニュージーランドロケだし。
雑談
12月も忙しかったので、感想を書くだけ書いておいてまとめてないやつが他にもあります。そのうちに(っていつもこれだ)。
しかし今月の日曜日全部に仕事が入ってしまった…週休一日かよ!
● ヴァイブレータ ★★★★
ラブストーリーの映画。男と女が初めて出会っていきなりセックスした後に、男と女のラブストーリーが展開するのにはギョッっとした。でも最初にヤることやっておけば後の上映時間はじっくりとラブストーリー描けるので、便利な手法ではないでしょうか?こういう映画ばっかりになっても困るが。
04/02/05 TOP文のみ更新
また問題
年末の問題に引き続き、また問題を出します。前回の数列は
余りにも破壊屋とは無関係だったので、今回はちょっと趣向を変えます。難易度は前回よりはずっと低いので
答えは募集しません。みなさん各自考えてください。答えは来週最初の更新時に載せます。
ハリー・ポッター 秘密の旅館
ハリーとロンとハーマイオニーの三人が冒険の途中日本にやってきました。夜になったので三人は旅館に泊まろうとして、
一人一泊5000円の旅館:穂倶悪津に入りました。穂倶悪津は温泉を楽しんだ後のクディッチや、石の如く固くなった体もほぐす薬膳が売りの旅館です。
三人は
5千円札を一枚づつ取り出して、
合計15000円を穂倶悪津旅館オーナー:ダンブルドアに払って、部屋に入りました。
しかし穂倶悪津旅館は
「ご声援ありがとうの5000円キャッシュバックキャンペーン」中でした。そこでダンブルドアはホテルマンのドビーに
五千円札一枚を渡して三人に返すように言いました。だけどちょっと魔が差したドビーは
5千円札を自分の財布にしまい、代わりに千円札を3枚取り出して、ハリーとロンとハーマイオニーに
1枚づつ渡しました。
「合計12000円、一人当たり4000円なんて安い!」と喜ぶ三人でしたが、ドビーがあからさまに目を合わせようとしないので、怪しく思った三人はドビーを問い詰める事にしました。そうしたらドビーは2000円をパクった事をアッサリとカミングアウト。
さてここでロンが疑問の声を上げました。
ロン
「おかしいよ!ドビーから返してもらった時点で旅館に払った宿泊料は一人4000円で、三人で12000円だったんでしょ?」
ハリー
「旅館の最初の値段は一人5000円で、三人で15000円。」
ロン
「でも12000円にドビーが盗んだお金を足してもまだ14000円だ」
ハリー
「千円札が一枚どっかに消えた?」
ロン
「ドビーはまだ何か隠している?」
ハリーとロンがドビーを問い詰めても
ドビー
「ミーさ、ローカルの異星人だから千円札なんて知らない。でもいとしいしとなら知ってる。」
とまるで変なおじさんのように混乱しているので話になりません。
そんなやり取りを見ていたハーマイオニーは呆れた顔をしながら
ハーマイオニー
「あなた達本当に勉強が出来ないのね、何でこんな事もわからないのかしら…。」
さてさて、ハーマイオニーは何に気がついたのでしょうか?ヴォルデモートの陰謀でしょうか?JKローリングの印税でしょうか?リチャード・ハリスの香典でしょうか?
というわけでみなさんもトリックを考えて見てください。じっくり考えればわかる類の問題ですが、ハマるとキツいかもしれません。
キャスティングが気に入らない人は
ハリー・ポッター |
ロード・オブ・ザ・リング |
スター・ウォーズ |
ドリフターズ |
ハリー |
メリー |
R2D2 |
仲本工事 |
ロン |
ピピン |
C3PO |
高木ブー |
ハーマイオニー |
おらがサム |
オビ・ワン |
いかりや長介 |
ドビー |
ゴクリ |
ジャージャー・ビンクス |
志村けん |
ダンブルドア |
灰色のガンダルフ |
ジャバ・ザ・ハット |
加藤茶 |
に脳内変換して読んでください。あ、
ハーマイオニーがいかりや長介だ。
ちなみにこの問題は確か結構昔の日本の小説が出展なのですが(旅館の値段が安いのはそのためだと思われる)、その作者と作品の名前を忘れてしまいました。ご存知の方はちょっと教えてください。
サッパリわからない人向けのヒント
[
上記の文章におかしい計算があるのでそこを見つける問題です。即答でわかる人には「そういう問題の出し方は卑怯だろ」と思えるでしょう。]
04/02/03 スタイルシートを少し変更。カウンター修正
映画の雑談(最近の予告編)
コンビニのローソンが
犬のマグカップが当たるイノセンス&ハウルの動く城キャンペーンというのをやってますね。押井&宮崎がこんなところで実現するとは…。
「ハウルの動く城」の最新予告編を観ました。まだ映画の全貌を掴める様な予告編ではないですが、いくつかのデザインは見れました。
気持ち悪いけど嫌悪感は無いデザインをやらせたら宮崎駿の右に出る者はいない事を再確認。
「ハウルの動く城」は戦争がテーマになるそうです。「もののけ姫」の合戦や「天空の城 ラピュタ」のシータ救出戦など宮崎駿は戦争を描くのも上手い。漫画「風の谷のナウシカ」では、
クシャナが自軍の防壁をぶっ壊して騎兵隊を出撃させ、飛び交うミサイルと同速度で敵陣に突撃、反撃に出てきた敵軍をナウシカが一人で食い止めるという大戦争シーンも描いた事あるんで、期待が募ります。
気になる予告編
レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード
エル・マリアッチシリーズ第三弾、デスペラードシリーズ第二弾という、不思議な位置付けになっている「レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード」。チラシに書いてある文章に
”そしてデップも、自らのシーンを「詩的で美しい」とコメントする。”って確かにジョニー・デップは美しいけど、
自分で言うなよ。予告編はジョニー・デップを大フィーチャー、ミッキー・ロークって誰だっけ?
ホーンテッド・マンション
エディ・マーフィー主演作なのに、
エディ・マーフィーが一瞬も出ない!つまり「エディ・マーフィーを出すと宣伝のマイナスになる」という判断なのだろか?
ドーン・オブ・ザ・デッド
やる気のなかったアメリカ版予告編よりも、日本版の方がずっと気合入っている。
テキサス・チェーンソー
温いロードムービー風の予告編が突然ホラーに!カッコイイ…。
キル・ビル VOL2
KILL IS LOVE!?
オマケ:ディズニーがピクサーの一連の作品の続編を作るそうですね。
ピクサー抜きで。つまり日本テレビがスタジオジブリ抜きで宮崎アニメの続編を作るという事か!スクウェアとエニックスが離別したら何故かスクウェアがドラクエ作るようなもんか!
ソニックマニア感想
キル・ビルTシャツにアディダスのリストバンドで参戦してきました。待ち時間が短くて済む対面式ステージは良いアイデアだと思います。フェス形式ってライブだけではなくてお祭り気分も味わえるから好き。ただフジロックに比べると性質の悪い奴やガキが目立つ。あとKORNファンの女の子達はみんなソフトにゴスが入っていてカワイイ。
● SHAKALABBITS
全く盛り上がらず。ただ他のアーティストとジャンルが違い過ぎるのでむしろ健闘していた方だと思う。
● FUTURE KINGS OF SPAIN
観ませんでした。TDOパワーズさんと超久し振りに再会したので、二人で破壊屋についてや、仕事の内容や、m@stervisionさんのサイトが素晴らしい事や、「踊る大捜査線」「バレット・モンク」「スパイゾルゲ」がいかに酷い映画という事について話し込む。
● ラウドネス
ステージ前にオヤジ客が多い。こういう客がいるのはある種のステータスだと思う。「燃えよドラゴン」のテーマをヘヴィにカバーした曲も披露。スリップノットがキャンセルしたので、KORN以外ではもっともヘヴィでハードなライブだった。
● プレイモ
客が超多い!プレイモは最近ロックを押し出そうとしている事もあるのか、残念ながらアニメネタはやってくれなかった。それでもガンガン日本語でMC。日本語MCは発音が明瞭で非常に聞きやすい。ただロックを押し出しているはずなのに、数年前に流行ったラウドブームまんまのライブを展開。
最初はまあまあの盛り上がり方だったけど、必殺曲「アキラ」にインスパイアされた(というかパクった)「キ・ラ」で観客は爆発!この曲を始める前のMCで、ボーカルのマルクが
「カツヒロ・オオトモォォォ!」と叫んだので、思わず感激して
「YEAAAAAAAAAAAAAH!」と叫び返したのは僕独り(その後つられて数人が叫んだ)。うーんマルクさん、スイマセン。日本じゃ大友克弘ってマイナーなんですよ。押井守よりもマイナーなんですよ。日本人はみんな宮崎アニメで育っているんですよ。でも今年は「イノセンス」「STEAM BOY」そして「ハウルの動く城」が公開されるんで、楽しみにしていてくださいよ。
● ジーザス・ジョーンズ
客が少ない!ラウドネスより少ない!ライブは良かった。あまり動かなかったため、寒くなってきたのでロングの七人の侍Tシャツを着る。
● バックヤード・ベイビーズ
「パイレーツ・オブ・カリビアンよりおっかない!」と紹介され登場してきた、海賊ロッカーのバックヤード・ベイビーズ。これが実に気持ちのいい爆走ロッケン・ロール。勿論彼らがスリップノットの代役を勤めているとは思え無いけど、フェスの3番手のアーティストとしてのライブはキッチリ見せていった。
ちょっと疲れたのでステージから離れるとXLYUさん達と会う。その時カラー・オブ・ファイアのメンバーがたまたま近くを通る。あまりの美しさにビビる。白人男性って何でこう綺麗な人がいるんだろう?
ステージに戻ろうとしたら、趣味の悪いタトゥーをチラチラさせた謎の白人男性がそこらじゅうにケンカ売りまくっていたので、ケンカを買う。ほとんどじゃれ合いのプロレスごっこを展開。二人で抱き合いながらゴロンゴロン転がっていたら、彼が疲れて何もしなくなったので、フォールして僕が勝つ。彼は僕の七人の侍Tシャツを見て「サムライ・スピリットを持っている!イイ人だ!」みたいな事を言っていた。「サムライ・スピリット」って日本だとゲームかホームページだよ!
そして彼は日本人女性を見かける度に「ナイスガール!ナイスガール!」と叫んでいた、どうもナンパがしたいらしい。お目当ての女性が見つかったのか、「あれはお前の女だろう!」と僕を掴んで日本人女性目掛けて投げ飛ばしてきた。ヨロヨロと吹っ飛びながら彼がナンパするためのキッカケと通訳が欲しかった事を理解する。僕は英語全くわからないのだが、彼が「私はKORNの関係者です。KORNのWEBサイトの管理人です。」みたいな事を日本人女性達に言ってるので、僕は「KORNの関係者らしいですが、多分インチキです。」と戸田奈津子のような通訳をしてあげる。日本人女性はとっくにインチキを見抜いていたのか、彼に「ウソツキ」という言葉を教えていた。彼は「ウソツキ!ウソツキ!」と教わった言葉を連呼してどっかに消えた。白人男性って何でこうクズばっかりなんだろう?
ステージに戻ってpoggyさんとKさんと出会う。KORNのメンバーと出会って話したらしい。彼女達に証拠写真を見せてもらう、スゲエ!。マジで一緒だ!しかも彼女達が用意したプレゼントをじかに受け取ってくれたらしい。いい話だ。フェス終了後にはpoggyさんに連れられてKORNファンサイトの方たちにも会う、集まった人は全員女の子だった。
● エヴァネッセンス
これも客がかなり多い。最新のヘヴィネス・バンドかと思ってたけど、ボーカルのエイミーの唄をじっくり聞かせるライブだった。KORN直前で殺気だっているはずの客達も黙ってライブを鑑賞。一生懸命歌うエイミーがカワイイ。エイミー一人だけが残りピアノを引きながら「マイ・イモータル」を歌い、「ブリング・ミー・トゥ・ライフ」に繋がる場面が良かった。何でこんなに素晴らしい曲が「デアデビル」の主題歌なのかなぁ?この曲が便・溢れっくとブルズアイに結びつかん。
KORN、KORN、小池屋スKORN
最高でした。他のアーティストの余韻全て吹っ飛んだ。KORNが以前来日した時は、僕はライブに行くという習慣がなかった。だから僕にとってはKORNの存在を知ってから7年たってようやくライブが観れるという感覚。感慨も大きいです。
以下、セットリスト順の感想です。
● ライト・ナウ
6THアルバムの冒頭を飾る曲で何ちゃってシングル曲(PVだけ作られた)。6THアルバムで一番好きな曲。僕達の目の前にKORNがいるだけで感動。
● ブレイク・サム・オフ
6THアルバムの曲。引き続き盛り上がる。
● ガット・ザ・ライフ
KORNの大ヒットシングル。大いに盛り上がる。
● ヒア・トゥ・ステイ
5THアルバムの先行シングル。完成されたモダン・ヘヴィネスで僕が非常に好きな曲。嬉しい。
● フォーリング・アウェイ・フロム・ミー
4THアルバムの先行シングル。いつ聞いても美しい曲だ。
● ブラインド
1stアルバムの曲。KORNのデビューシングルにして、KORN最高の名曲。いや、モダン・ヘヴィネスの中でも最高の名曲。あのか細いイントロが流れているだけで観客達は大歓声を上げる。これが生で聞けたんだからもういいや。
● ディドゥ・マイ・タイム
「トゥームレイダー2」の主題歌。ここでいい加減疲れ始めたのだが…。
● シューツ・アンド・ラダーズ
童謡「ロンドン橋落ちた」を取り入れた1stのシングル。イントロで美しいバグパイプが流れることでも有名な曲で、バグパイプを吹くジョナサンの姿に観客全員感動。ようやく会場内が落ち着いたので体は休めたけど、心は全く休まず。途中あのONEに変わったらしいですが、覚えてません。
● フリーク・オン・ア・リーシュ
3rdアルバムのシングル。あんまし覚えていない。
● A.D.I.D.A.S.
僕が一番好きな2ndアルバムからの先行シングル:A.D.I.D.A.S.!個人的にも大好きな曲で歌詞も覚えているので大感動。観客みんなで「All Day I Dream About Sex」の合唱出来て嬉しかった。ジョナサンがアディダスのジャージを着てこの曲を歌ったのであのジャージは流行った。
● デッド・ボディーズ・エブリフェア
まさかやるとは思わなかった3rdアルバムの隠れ名曲。
● ヤ・オール・ウォント・シングル
6THアルバムの曲で今度シングルになる。ちょっとギャグじみた曲で楽しい。
● キル・ユー
これまたやるとは思わなかった2ndアルバムの隠れ名曲。
● ファゴット
アンコールの曲。疲れすぎてほとんど覚えていない。
● サムバディ・サムワン
最後を締めたのは4thアルバムのシングルでもあるこの曲。これもあんまり覚えていない。
というように6枚のアルバムの中から最強シングルと隠れ名曲達で組み合わせた悶絶モノのセットリストでした。KORNが生み出してきた6枚のアルバムの素晴らしさを改めて感じた。
僕は2ndアルバムが一番好きなので、ツイストとグッド・ゴッドをやってくれなかったのが残念ですが、まあ仕方無いでしょう。2ndアルバムは特にイイ曲ばかりだと思うんだけどな、ツイストとかK@#O%!とかロウライダーとか。
追記:
1:ジョナサンのおでこが広い事は気にならなかった。
2:でもジョナサンがふっくらしている事は気になった。
3:バグパイプ吹いてるジョナサンはかわいかった。