2004年にこんな時期がありました。新宿や渋谷の映画館へ行くと必ず大行列が出来ていて、その大半はカップル。シネコンに行くとその映画だけチケットが売り切れていて、ロビーにはやっぱりカップルが溢れている。カップル達が求めていた映画は『世界の中心で、愛を叫ぶ』でした。でも僕は観なかった。何度かネタにしておきながら、僕は『世界の中心で、愛を叫ぶ』を観に行かない事で自分を貫ぬく事にしました。嘘です。単に一緒に観に行く人がいなかっただけです。
それでも周囲の人に「面白いから観て」と言われ続け、「まあいつか観てみよう」と思っていた所に今回のテレビ放映。これでもかとCMが挿入されまくった『世界の中心で、愛を叫ぶ』を観ました。メディアミックスされた作品って安易に扱われるからステキ。
うんでまあ感想なんだけどまあまあだった。白血病の美少女との初恋物語という究極なまでに陳腐な題材を、あえて陳腐な演出で迎え撃ち、よくぞここまで練り上げたと思う。
表プロットとして、現代に生きる主人公が過去の初恋物語を追い求め自己完結させる物語。裏プロットとして、[恋人達を繋げる事が出来なかった過去を引きずる少女が、台風に巻き込まれながらも再び繋げる物語]。一見単調な表プロットを展開させながら、観ている者の気づかないうちに裏プロットが展開している構図が良いです。こういう脚本大好き。ただ後述しますが、この二つのプロットが融合するシーンでガックリきました。
またこの内容で2時間越えは辛い、もっと小品にして欲しかった。それに感動というよりも脊髄反射的な泣かせポイントが用意されている感じでした。
僕がかなりガックリ来た『世界の中心で、愛を叫ぶ』のトリック
って僕はテレビ見ながら「えええぇー」とツッコミ入れてしまいました。
2005/10/04|▼この記事の直リンク先