破壊屋2007200620052004旧映画の感想

エレクトラ   ★★

ご要望が多いので、『エレクトラ』のストーリー解説をします。まずは滅茶苦茶なことしか言わないオープニングのナレーションから。

「古来より善と悪は戦いを繰り広げていた」
画面では善の忍者軍団と悪の忍者軍団が戦っている。

「それは人々の、子供の心にもあった戦いかもしれない」
言ってることの意味がわからんが、画面にはぬいぐるみを持った女の子が出てきて、子供の心を表現する。

「彼女は善と悪の戦いに決着をつける最終兵器だ」
画面には『デアデビル』で死んだヒロイン:エレクトラの死体がカウンターショックを受けている。確か『デアデビル』でエレクトラは[刺殺]されたんだから、[カウンターショックは有効じゃない]と思う。結局エレクトラは生き返らなかったらしい。

「善は気紛れを使う。気紛れで未来を予知し、気紛れで死者を生き返らす。」
日本風のお寺で気紛れでエレクトラが蘇った。映画『エレクトラ』本編スタート!


蘇ったエレクトラは日本風の寺院で忍術を身に着け、金を貰って人を殺す殺人者になっていた。だがエレクトラは簡単に標的は殺さない。まず標的のセキュリティ達を皆殺しにして標的だけは見逃した。逃げた標的は別の場所でセキュリティ達を雇った。だがエレクトラはまたセキュリティ達を皆殺しにして標的だけ逃した。再び逃げた標的は精鋭のセキュリティ達を雇ったが、やっぱりエレクトラに皆殺しにされた。エレクトラは標的に恐怖を味あわすために毎回ジェノサイドを繰り返していたのだ。だから標的はもうすっかり諦めていた。標的は言う、「あの女は音も無く近づき人を殺す」
標的の言うとおり、エレクトラは一切の音を出さずに近づいてきてようやく標的を暗殺した。でもエレクトラはワインレッドのコルセットに同色のローライズとブーツというSM嬢みたいな格好しているので目立つ目立つ。こんな格好した女性がこっそり忍んでくるので、忍者というよりも出張ホステスみたいだ。


ジェノサイドを完了させたエレクトラは自分の家の床掃除を始めた。そこへエレクトラのエージェントがやってきて「暗殺で貰える料金は標的一人分なんだから、毎回皆殺しにするなよ。」と忠告する。だがエレクトラは正当防衛を主張した。

エレクトラは次の仕事のために、暗殺の依頼人が用意した湖畔の別荘(これが信じられない位バカでかい別荘)に行く。別荘でエレクトラはスーパーで買ってきた生活用品を並べたり、水着になって泳いだり、座禅を組んだりしていてる。もうエレクトラが休暇を取って旅行しているOLにしか見えない。(途中エレクトラが「さっさと殺したい!」と言うシーンがあるので、そこでエレクトラが殺し屋だということがようやく思い出せる。)

エレクトラの別荘に少女が入ってきた。エレクトラはそこらへんにあったカッターをブン投げて少女の動きを止める。アビーと名乗るその13歳の少女は[空き巣だったが、エレクトラは見逃してあげる]。
アビーは隣のコテージで父親のマークと暮らしているらしい。エレクトラは自分の仕事はレイオフ(首切り…じゃなくて解雇)関係だと嘘をつく。エレクトラとアビーとマークは三人でクリスマスを一緒に過ごすことにする。もうこの映画が何の映画だか思い出せない(途中エレクトラが「もう帰るわ」と言って煙のように一瞬で消えるので、そこでエレクトラが忍者だということを思い出せる。)


エレクトラが家に帰ると、衝撃の事実が判明した。[エレクトラに依頼された暗殺の標的はアビーとマークだったのだ。早速アーチェリーを携えて、アビーとマークを殺しに行くエレクトラ。(だけど標的のコテージの隣に別荘を借りて、そこに暗殺者を住ませるなんて、相当間抜けな殺しの依頼だな。警察に速攻で足取りがバレルぞと思ってたら、後でもっと意外な事実が…)。]

[結局二人を殺す決意がつかなかったエレクトラは二人を助けることにする]。

エレクトラが二人のコテージに行くと、既にコテージは忍者達に囲まれていた。どーでもいいがクリスマス・デコレーションのコテージを忍者達がうろつているのは凄い違和感だ。
エレクトラはアビーとマークを守りながら忍者達と戦う。そのためには…そう気紛れだ。エレクトラは気紛れで未来を予知して忍者の動きを読んだ。返り討ちにされた忍者は爆発した。どうやら忍者は死ぬと必ず爆発するらしい。
エレクトラは生き残った忍者をモタモタした日本語で尋問する。忍者もモタモタとした日本語で尋問に答える。(このシーンは英語字幕も日本語字幕もつくのでご安心を)

2005/06/14|▼この記事の直リンク先

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エレクトラ   『デビルマン』以来のボブ・サップ

以下はネタバレを隠していません


エレクトラはアビーとマークを連れて、善の忍者軍団の首領で棒術の天才:スティック(←そのまんまやんけ!)の所へ連れて行く。善の首領はビリヤード場にいた。何故ビリヤード場なのか?それは善の首領は棒術使いだからビリヤードがメッチャ上手いのだ。今日も善の首領は賭けビリヤードでチンピラからお金を巻き上げていた。ちなみに善の首領を演じるのは、指導者(そして父親)としての風格を備えた英国人を演じさせたら右に出るものはいないリーアム・ニーソンのフォロワーっぽい存在になってしまったテレンス・スタンプ。

善の首領からは大してアドバイスを得られなかったので、エレクトラがアビーとマークを守る決意をした。その5分後位にはエレクトラとマークは恋人同士になって、エレクトラとアビーは姉妹みたいになっていた。ドラマを省略しすぎだぞ。エレクトラとアビーはキャッキャッ言いながら座禅の練習とかしている。


その頃悪の忍者軍団は悪の会議を開いていた。出席者の悪人達はもちろん全員日本人だ。悪の忍者軍団の首領ローシ(老子のことだと思う)は部下のキリギに「宝」を手に入れることを命じる。


エレクトラは気紛れによって悪の忍者達がやってくることに気がついた。エレクトラ達は森の中へ逃げる。だがキリギも気紛れによってエレクトラたちの逃げ先がわかっていた。気紛れは善の忍者の術だとオープニングで説明していたはずだが、もうどーでもいいや。だって気紛れだし

森の中で追い詰められたエレクトラ一向。まず最初に襲ってきた悪の忍者はタトゥーだ。タトゥーは特殊能力で刺青の動物を実体化させ操ることが出来るのだ。タトゥーは空飛ぶ狼を実体化させた。森の木々を高速ですり抜け空飛ぶ狼がマークを襲う!そこでマークがそこらへんに落ちていた木の棒を狼に咥えさせると、空飛ぶ狼は攻撃できなくなった。それでいいのかよ!

次に襲ってきたのは日本の宣伝だともう一人の主役という事になっているボブ・サップだ!さあボブ・サップは一体どんなに強いのか!
ボブ・サップにはショットガンの弾も、刃物による突き刺し攻撃も効かなかった!その演出は既に『バキ』でビスケット・オリバがやっているが、確かにボブ・サップは強そうだ。 そしてボブ・サップが「ウガー」って感じで森の大木の幹を吹き飛ばすと大木がボブ・サップのいる方向に倒れてきてボブ・サップは押し潰されて死んだ。ボブ・サップ秒殺。

その次に襲ってきたのは、キンコウとかいうバカだ。このバカは特殊能力を何も持っていない只の人に見えるのだが、キンコウはナイフで13歳の少女アビーを人質にとる。タトゥーやボブ・サップよりもこいつのほうが遥かに役立つじゃん!…と思いきやキンコウは13歳の少女アビーにブン投げられ、その隙にエレクトラに一撃で殺される。

ほっとしたのま束の間、次なる刺客腸チフスのメアリーが襲ってくる。メアリーは黒髪ゴス系の美女で、その特殊能力は周囲の生命力を奪うこと。
「そしてメアリーはエレクトラに飛びつきキスをして、倒れ込みながらエレクトラから生命力を奪い取った。そして森の木々からも生命力を奪った。」
文章で書くとこうなんだが、実際の演出は
「金髪健康系美女のエレクトラとゴス系のメアリーが、寝そべって抱き合いながらキスをしてエレクトラは果てた。その周囲をCGの黒い花びらが舞っている。」 です。


絶対絶命のピンチに陥った一行だが、その時善の忍者軍団が助けに来てくれた。善の忍者軍団なのでみんな白い忍装束を着ている。(忍装束は迷彩服なんだから、白なんて目立ってしょうがないぞ。雪地用の迷彩服でジャングル歩いている軍隊みたいなもんだ。)
善の忍者軍団が来たためキリギ、タトゥー、メアリーは引き上げる。


パンフレット読んで気がつきましたが、キンコウとは均衡のことで特殊能力はバランス感覚でした。

2005/06/15|▼この記事の直リンク先

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エレクトラ   何でも気紛れ

以下はネタバレを隠していません


善の忍者軍団に連れられてエレクトラ一行はアメリカにある忍者の里へ向かう。メアリーに精気を吸われたエレクトラは、うなされながら子供の頃の記憶を思い出す。エレクトラの母親は角の生えた怪物に惨殺され、幼いエレクトラはそれを目撃してしまったのだ。劇中エレクトラが数を数えたり、果物を並べたりするシーンがあるのだが、これはどうもPTSDを演出していたらしい


エレクトラが悪夢から覚めると衝撃の事実が判明した。実は善と悪の忍者軍団が求めていた最終兵器「宝」とはアビーだったのだ。アビーはインドネシアの戦士の武器を使い滅茶苦茶強かった。アビーは善の日本人忍者達と棒術で乱捕り稽古を始めるが、日本人達は成す術もなく13歳の少女にボコボコにされる
これでアビーとマークも善の忍者軍団に加わった。
どーでもいいが善の忍者軍団の主要メンバーはみんな白人なのに、悪の忍者軍団は日本人や黒人などマイノリティーが多いね
もう一つどーでもいいことだけど、この映画は日本の忍者の物語だけど、サイは琉球の武器で、棍術は中国で、しまいにゃあインドネシアまで出てきた。気紛れの能力を使っているのはこの映画の脚本を書いている奴だと思う。


また意外な事実が判明する。アビーとマークを暗殺するようエレクトラに依頼したのは善の首領だったのだ。つまりこーいうことである。
1:善の首領は殺人者のエレクトラを善に更正させたかった。
2:そこでアビーとマークを暗殺するように、エレクトラに依頼する。
3:多分エレクトラはアビーとマークが殺せない。
4:そしてエレクトラは更正する
まるで気紛れで思いついたような更正方法だな。


夜になるとエレクトラは脳内から電波を発信し始める。キリギがその電波を脳内に受信した。エレクトラとキリギが会話を始める。
「私達で決着をつけましょう」
「よかろう、お前の生まれた家で決着だ」

幼い頃のエレクトラが見た角の生えた怪物はキリギだったのだ。子供の頃の記憶だったので、エレクトラは勝手に角を生えさせたのだ。エレクトラの母親を殺害したのがキリギなわけだが、どーしてキリギがエレクトラの母親を殺したのかは不明だ。


エレクトラは今は廃墟となった自分の生まれた家に行く。そこへキリギと悪の忍者軍団もやってきた。忍者軍団は一斉に家の中に飛び込む!が…廃墟となった家でもガスは通っていたため、エレクトラがガス栓を開けて火をつけて家を爆発させる。悪の忍者軍団は一瞬で全滅した。
エレクトラとキリギの一騎打ちになった。二人が対峙すると何かエネルギーが生じて、周囲の布が一斉に宙を舞い始めた。そしてエレクトラとキリギが激しく切りあうんだが… 画面上はエレクトラが布を切っているカットと、キリギが布を切っているカットが交互に出てくるだけ。まあ素人が組手なんてできるわけないしね。


アビーが乱入してきた。エレクトラとアビーは逃げ出す。エレクトラとアビーは庭園の迷路の中に逃げ込んだのではぐれてしまった。
一人になったアビーをタトゥーが襲う。タトゥーの特殊能力は刺青の動物を実体化させることだったが、もうそんなことはお構いなしに膨大な量の蛇を召還し、その蛇全てがアビーを襲う。ローティーンの少女が大量の蛇にクネクネと巻きつけられて「いやっーーーーー」と悲鳴を挙げている。この映画のスタッフはロクに日本の文化を理解していないくせに、日本の変態アニメだけはちゃんと理解しているんだな。

エレクトラは再びキリギと古井戸の前で対峙する。エレクトラは一瞬消えて、キリギの目の前にテレポートしてキリギを殺した。このシーンって海外版「ザ・リング」のクライマックスに似ている。

さらにエレクトラは、蛇を召還中のため無防備なタトゥーを余裕で刺し殺した。気紛れでメアリーの居場所もわかったので、メアリーがいる方向に思いっきりサイを投げたら、命中してメアリーも死んだ。
しかし時遅くアビーはメアリーに殺されていた。もういちいち説明しなくてもわかると思うけど、アビーは気紛れで生き返った

アビーもエレクトラも第二の人生を歩んでいくことにした。


善の首領が映画をシメる。




「第二の人生のほうが良いってこともあるじゃないか」





あれ?まだ悪の忍者軍団のローシが残っていたんじゃ?

2005/06/19|▼この記事の直リンク先

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