主人公が結婚の誓いの儀式と言葉をうっかり死体の花嫁(コープス・ブライド)にやったら、死体が動き出して彼女(ある意味クール・ビューティー)と結婚する羽目に。というダークファンタジー。
日本だとあんましピンと来ないけど西洋社会だと結婚とは契約なので、誓いの儀式と言葉をこなしてしまった主人公には死体でも契約が発生してしまう!…と思ってたら結婚における契約条件「結婚とは○○○○○○○まで」という有名かつ意外な落とし穴があった。
単品アニメとしてはかなり面白いんだけど、恐ろしいプロットやデザインとは裏腹に意外と優等生映画。ミュージカル映画でもあるんだけど、ミュージカルとしてはイマイチです。
従来のバートン印の映画は毒気が毒としておいしかったんだけど、『コープス・ブライド』は毒気にもっと明るい味付けをしている。例えば『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だと”不気味なハロウィンの精霊たちが、クリスマスを楽しもうとするんだけど、彼らは結局は不気味なフリークスなのでクリスマスを楽しむことが出来ない。”といったフリークスの悲しみが魅力になっている。でも『コープス・ブライド』のフリークス達は全員死んでも元気で、毒気が明るくなっていました。
ドラマの焦点は死んだ花嫁と生きている花嫁、この二人のヒロインの想いと悲しさになってくる。つまり自分が死者であることの悲しさと好きな人が他の人と結婚する悲しさ。そして[その悲しさからくる優しさが映画のラストを飾る。主人公は自由になりたくて蝶を描いていた。そして彼女はその通りになった。]
2005/11/02|▼この記事の直リンク先