今週放映されるアメコミ映画『パニッシャー』はとんでもない珍作だ!映画『パニッシャー』はドルフ・ラングレン版とトーマス・ジェーン版があってどっちも珍作だが、今週放映されるトーマス・ジェーン版『パニッシャー』はかなり強烈だぞ!次々にアメコミが映画化される中、特殊能力が無いパニッシャーを映画化するとなると他のアメコミ映画との差異を出すために、色々と「珍」なことをやらなきゃいけなかったんだろう。
とりあえず見所を列挙する。
- 「妻と息子を奪われた」というのがストーリーだけど、実際は親戚皆殺し!最近亡くなったロイ・シャイダーも殺される!
- アメコミヒーローの中では珍しく特殊能力を何も持たないパニッシャー!特殊能力が無いのはバットマンも同じだが、バットマンは莫大な資産と数々の特殊兵器がある。でもパニッシャーはそういうのも無い!がんばれフランク・キャッスル!(パニッシャーの本名)
- だからみやげ物のTシャツを着たらパニッシャー完成!呪術がどーのこーのという説明もあるが、関係なかった。
- 最初の30分はわりと普通の映画っていうか緊迫感もある!でもパニッシャーが敵を拷問するシーンから一気に珍作モードになるぞ!
「えええ?映画でホントにこんな残酷な拷問描くの?」って思わせておいて、小学生レベルのイジメしかやっていない!このシーンは劇場で大爆笑したので、どうしてもみんなに観てもらいたいんだが「そんなの観ねえよ!」というマトモな人のために解説しましょう。
- ガリガリ君みたいなアイスクリームを敵の体にペトペトつけて拷問。
- 敵は自分の体がバーナーの炎で溶けていると勘違いして「溶ける~!」と悲鳴。実際に溶けているのはガリガリ君(BYギンティ小林氏)。
- 肉が焼ける感を演出するために、パニッシャーはステーキまで焼いていた。右手にバーナーでステーキ、左手にガリガリ君。すごい格好だ。
- 拷問が終わったらパニッシャーは敵にガリガリ君を食べさせてあげる。
- 敵の組織に戦いを挑むパニッシャー。とりあえず「敵をストーキング⇒弱みを握ぎる」を繰り返す!
- 敵の組織のナンバー2(男)を尾行していたら、ナンバー2は恋人(男)とディープキス!
- ナンバー2がホモセクシャルだという弱みを握ったパニッシャーは、「証拠写真をネット上にアップするぞ!」と脅す。恐るべしパニッシャーの嫌がらせ!
- パニッシャー、アパートを借りてそこをパニッシャー基地にした!
- パニッシャー、パニッシャー・カーを作ることにした!しかしバットマンと違ってお金が無い!だから中古車みたいなヤツを自分で改造!防弾仕様にするお金もないので鉄板つけるだけ!
- パニッシャーは謎の男!と思ったらマスコミの前に登場!
- パニッシャーは謎の男!と思ったら検索するとプロフィールが出てくるので正体はすぐにバレた!
- パニッシャーの悲劇の物語を知ったアパートの住人たちは、パニッシャーのためにホームパーティーを準備!心地よい映画だなー。
- パニッシャーを狙う殺し屋登場!ギターを持った渡り鳥だ!
パニッシャーがメシ食っているとギターを持った渡り鳥(高橋ジョージ似)が出てくる!
よく日活アクションへのツッコミで「ギターを弾き終わるまで酒場の敵が襲いかかって来ないのはおかしい!」ってあるけど、映画『パニッシャー』を観ると全然おかしくないことがよくわかる!だっていきなり目の前でギターを弾かれだしたら固まるしかないよ!もちろんパニッシャーも固まるぞ!
- ギターを持った渡り鳥は一旦帰ってまた襲ってくる!さっきのギターの意味が全くわからない!「ギターを聴かせたかった」んだろうなぁ。
- ギターを持った渡り鳥が役立たずだったので、敵の組織はロシアの暗殺者を送り込む!(演じるのはプロレスラーのケビン・ナッシュ)。なお、このロシアの暗殺者のファッションセンスは大変疑問に思う。『大いなる遺産』のイーサン・ホークのスーツ姿、『トランスポーター』のジェイソン・ステイサムのシャツ姿に匹敵する。
- ロシアの暗殺者は武器を何も持ってないので(それ暗殺者なのか?)、ひたすらパニッシャーとの取っ組み合いになる!お互い殺そうとするパニッシャーとロシアの暗殺者の凄惨な肉弾戦!だけど二人がワルツを踊っているように見える!
- ロシアの暗殺者との戦いで傷ついたパニッシャー。アパートのダメ人間たちがパニッシャーを守る!感動のシーンだ!
- 遂に最終決戦!パニッシャーはおバカな暗殺者を送り続けた敵の組織(ボスがジョン・トラヴォルタ)にランボースタイルで戦争を挑む!
- しかしだ。パニッシャーは敵の豪邸に殴り込む前に、何故か近所の駐車場に爆弾を仕掛けるのだ。敵の豪邸に殴りこむんだがから駐車場関係ないじゃん。しかも敵の駐車場ならともかく無関係の駐車場だ(敵の企業がやっている駐車場だが)。
だが、これが映画『パニッシャー』の極めて重要なオチとなるのだ!駐車場に爆弾を仕掛けた意味がわかった時、僕と弟は劇場で大爆笑しながら拍手をした。これは文章で解説しても面白くないので、観てもらうしかない!
- ジョン・トラヴォルタの奥さん、息子(殺し方が凄い)、部下をぶっ殺して全てが終わったパニッシャー。自殺しようとしたけど、やっぱり自殺は止めて「コール・ミー・パニッシャー!」
以前も書いたが、『パニッシャー』公開時には破壊屋史上もっとも長い議論が掲示板で起きた。公開時に鑑賞した人がそれほど多くないこの映画で、あそこまでの議論が巻き起こるのも珍しい。議論といっても賛否両論というものじゃなくて、珍作っぷりに対するツッコミだ。そして議論の約半分は路駐のシーンについてだった。路駐とは路上駐車のことだ。どうして路駐で大議論になったかというと………解説すると非常に長い。パニッシャーは敵の組織を崩壊させるために、ネチネチと嫌がらせをする。そしてパニッシャーの嫌がらせのメインが路駐なのだ。この路駐描写が非常に細かい!あまりにも細かすぎたので、路駐シーンにハマる人が続出して議論になった。解説すると………
- 手順1:パニッシャーはボスの奥さんがいつも車を運転して映画を観に行っている事を調べる。奥さんはちゃんと駐車OKの路上に止めていた。
- 手順2:ボスの奥さんが映画を観ている間、パニッシャーはボスの奥さんが駐車した場所に行く。
- 手順3:パニッシャーは大きなバックを持っている。パニッシャーはバックの中から消火栓をゴソッと取り出す(アメリカ映画でよく破裂するヤツ)。それ持ち歩けるのか。
- 手順4:パニッシャーは奥さんの車の横に消火栓を設置する。
- 手順5:パニッシャーは奥さんの車を勝手に動かして路駐禁止の所へ移動させる(車イス専用の駐車ゾーンに止める念の入りよう)。
- 手順6:当然駐車禁止のキップが切られる。
- 手順7:キップを切られたら、パニッシャーは奥さんの車を元の駐車場所に戻す。消火栓の前は駐車禁止なので、元の駐車場所に別の車が止まることはない。
- 手順8:パニッシャーは消火栓を回収する。
- 手順9:こうして奥さんが知らない間に路駐キップが切られた!
このやたら細かい嫌がらせから、どういう効果が生まれるのか?手順30くらいまで書けば説明できそうだが、もうメンドイので後は実際に観て。
ちなみに次のパニッシャーはレイ・スティーヴンソンだそうです。誰それ?スティーヴン・レイとは違うの?
マッドシネマ
2008-02-29
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