デビルマン ★
修正して再掲です。
- 映画が始まるといきなり暖炉の前でくつろぐ子供が出てくる。この時点でもう不安になる。
- 不動明(デビルマン)と飛鳥了(サタン)と牧村美樹(ヒロイン)の三人がショッピングモールで出会う。この三人がドラマの核となるはずだが、三人が一緒になるシーンはここだけ。
それよりもショッピングモールのほうが重要だ。何故ならこのショッピングモールは今後何度も何度も登場するから。
- 不動明は飛鳥了にコンプレックスを抱いている。不動明は体は弱いが、強い意志を持っており、また強くなりたいと願っている。などといった重要な要素がイマイチ描ききれていない。
- 不動明と飛鳥了がのアイドルは物凄く演技が下手。役者に双子を持ってくるというアイデアは面白いんだが、句点があると一呼吸区切る台詞の読み方が気に障る。っていうか棒読み。あまりにも棒読みすぎてシーンによっては会話しているのか独り言なのかわからない時もある。
それと不動明を演じた人は叫び声も満足に上げられない。「ああああ」って感じで叫ぶ。
- 学校では少女(以下:ミーコ)が女子高生達にハンドボールで苛められている。それを見た牧村美樹がやはりハンドボールで反撃する。元ハンドボール部の僕にはたまらない展開だ。
- 飛鳥了はオープンカーで高校に通っている。これは原作通りだが、笑っていいものか。
- 飛鳥了は不動明を飛鳥了の父の研究所まで連れて行く。
- 研究所で何か事故が起きて飛鳥了の父は死んだらしい。飛鳥了の父は最期の伝言を自分撮りで残していた。自分撮りの割には場面が切り替わると飛鳥教授の顔がドアップになってたりして、演出が細かい。
- 飛鳥了の父はどうやら南極の地下から、一つの細胞がガソリン800万リットル分(もっと他の表現ないのか)のエネルギーを持つ生命体を発見したらしい。だがその生命体の正体はデーモンだった。生命体は研究所を襲って、何千人もの研究所員を全員殺し、デーモンに変身させたのだ。
しかし何千人も研究員がいるってどんな研究所だよ。国防総省だってそんなに研究員いないぞ。
- そのとき不動明に向けて精子の形をした生命体が発射された。受精した不動明は化け物になる。
- さらに突然別の化け物が出てくる。でも不動明は一撃で倒す。それを見た飛鳥了は何か天使になりながら
「ハッピー・バースデー・デビルマン!」
と言う。デビルマン&不動明の人格や感情がどういう状態なのかはサッパリわからず。
- 何千人も死ぬという事件が起きたのに、通常通りの日常生活が送られる。
- 不動明は牧村家から誕生日プレゼントとして、バイクを貰う。不動明は牧村美樹とバイクでデートに出かける。何でセーラー服でデートしているのかわからんかったが、次のシーンでバイクは高校のグラウンドを走っている。デートじゃなくて通学だったのか!
しかし何故バイクでグラウンドを走っているのだろう。中型免許持ってないとか?
- デビルマンの力を持った不動明が、高校のいじめられっ子達を倒すという「スパイダーマン」と全く同じ光景が繰り広げられる。でもこの映画で唯一マトモなアクションシーンはここだけ。
- 不動明と牧村美樹は教会に行き、牧村美樹が祈りを捧げる。普通の男女が教会行くか?と思うが…
「何を祈っていたの?」
「結婚して子供作りたい」
それは願掛けだろ!神社行け!神社!(牧村家の惨劇はこの天罰じゃないの?)
- 不動明の友人牛久(うしく)は絵描きだった。彼は飛鳥了の悪魔性を見抜き、飛鳥了をモチーフにした悪魔の絵を描いている。
のはずだが、こいつはさっきから海岸で海女をモデルにしているので、そっちが気になって仕方ない。何故海女の絵?
- 部屋で休む不動明にワコールの下着を着たお姉ちゃんがやってくる。お姉ちゃんはワコールの下着のまま不動明を前述の研究所に連れて行く。
- ワコールの姉ちゃんはシレーヌという名前らしい。
シレーヌ?
シレーヌ!?
ちょっと待てい!これがシレーヌなのか?
モデルに下着と帽子を着せてシレーヌを表現するとは、いい根性じゃないか。
- ワコールの姉ちゃんとデビルマンの戦いが始める。ワコールの姉ちゃんが気の抜けた声で腕を振り回しているので、パンチというよりも、モデルのダイエット体操を激しいカメラワークで捉えたように見える。
- しばらくしてワコールの姉ちゃんが本格的にシレーヌに変身、不動明もデビルマンに変身する。フルCGのアクションになって空中戦になる。でも気の抜けた役者の声は相変わらず。
映像は超高速で動くが疾走感はまるで無い。10年前の「ガメラ 大怪獣空中決戦」の特撮のほうがよっぽど凄いぞ。
- デビルマンVSsレーヌ、決着がつかなかったのでシレーヌはどっかに消える。
- 不動明と飛鳥了はショッピングモールの喫茶店に行く。ウェイトレスはアンミラみたいな服を着ている。
飛鳥了は
「生命体(デーモン)は弱くて、それ単体では生きられない、だから他の生物と合体する」
と説明している。え?超エネルギーを持つ生命体じゃないの?さっきと説明が違うぞ。
- 不動明はデーモンを殺した事を悔やんでいた………ということが台詞で説明される。
- 不動明はデビルマンの力を牧村美樹を守るために使うことを決意する。
え、何故?牧村美樹とデーモンがまだ関わっていないじゃん!原作のようにシレーヌと戦う前に牧村美樹がデーモンに襲われていないと、この決意は成立しないよ。
- ショッピングモールでデーモンが人々を襲い始める!狙われたのはたまたまショッピングモールにいた牛久。不動明は牛久の悲鳴を聞いて海岸へ向かう。いや、海岸じゃなくてショッピングモールだって!
- 海岸についた不動明。牛久を砂浜で探す。だからショッピングモールだって!
- しかし砂浜に牛久はいなかった(当たり前だ)。不動明は海に入る。どこへ行くつもりだデビルマン!
- 不動明は海の中で牛久を探す。それも潜って探すわけではなくて、海面に顔をつけるだけ。
- 海の中にも牛久はいなかった(当たり前だ)。不動明は山に行く。
- 牛久は山にいた。牛久はジンメンに喰われて取り込まれてしまったのだ!デビルマンはジンメンを一発殴ると、ジンメンは死ぬ。早っ!(原作だとかなり衝撃的なエピソード)
- ショッピングモールでデーモンが人々を襲い始める!狙われたのはたまたまショッピングモールにいたいじめっ子達。って何で同じショッピングモールでまた同じ事件が起きるんだよ!
- デーモンが次々に人々を虐殺していく。逃げ惑う人々の中、さっきのウェイトレスはデーモンと戦っている。ウェイトレス強え。
- デーモン達はお店の外に出て人々を殺している。それを見た不動明と飛鳥了は
「助けよう」
「助けなくていいじゃん」
とかのやりとりを繰り返す。その押し問答はデーモンを倒してからやるべきだと思います。二人が口ケンカしている目の前で人々が死んでいく。
- デーモン達はお店の中で人々を殺している。あれ、外じゃないの?
- そこへデビルマンがわざわざ壁を壊して入ってくる。ああ、この演出がやりたくて店の中に戻ったのか。デビルマン、HIP-HOPで圧勝。
- 人間が作ったデーモン特捜隊が、デーモンの隠れ家を襲撃する。飛鳥了はデーモン達を助けようとガン=カタでデーモン特捜隊と戦う。しかしもの凄く動きの鈍いガン=カタだ。地面を転げる意味がわからん。
- 小錦が万歳している。
- 小林幸子が買い物帰り。
- ボブサップがテレビ出演。
- 鳥肌実が逮捕される。
- ↑以上、どれもギャグのように思えるが、「人間とデーモン」を表現している映画の重要シーンです。こういう重要シーンで、登場するだけでギャグになる芸人たちを使う無神経が不思議。
アイドル・ユニット、ジュノン・スーパーボーイ、モデル、格闘家、プロレスラー、関取、演歌歌手、漫画家、美少女クラブ、アジテーター。これは全部『デビルマン』の出演者たちの職業だが………役者使えよ!
- 世界はデーモンで混乱しているが、不動明は牧村家のおじさんにおせち料理を届けに行く。
- 不動明が空に向かって気の抜けた声をあげるので、おじさんは気まずくなる。
- おせち料理を届けた帰りに、不動明は警官の格好した飛鳥了と出会う。飛鳥了は警官の振りして人殺していたのだ。ってお前サタンだろ!そんなチマチマと殺すなよ!サタンの力使ってサクッっと殺せよ。
- 「デーモンは人々に潜り込むので、人間差別が激しくなっていった」というナレーションの元に、デブたちが男を潰したり、デブたちが女を犯すシーンが出てくる。それは肥満体に対する差別ではないのか?
- 日本は治安が悪くなってきたので、マシンガンが簡単に手に入る世の中になる。
- 「日本にはデーモンが一杯いるから」という理由で、日本は世界中からミサイルでボコボコにされる。アホか!と言いたいけど、イラク戦争もこんな感じだったのだろう。
- 日本が反撃している!らしいんだが、ただしそれっぽい描写は無い。
- ここまで観ていて、僕はようやくシレーヌがもう出てこないことを、カイムは存在しないことに気がついたよ。
- 牧村家で不動明と牧村美樹が語っている。
どーでもいいが、何故牧村美樹は部屋にいるときも室内着ではなくて、ファッションモデルが選んだような服を着ているのだろうか。寝ているときも化粧が完璧だし。やっぱ男の子と一緒に暮らしていると、寝顔も油断できないんですかね。
- 降りしきる豪雨の中、不動明がデーモン特捜隊の牧村家から連れ去られる。それは晴天の中の悲劇だった。(文章が矛盾していますが、ホントにこうなんです)
- 原作で名高い牧村家の惨劇が起きる。牧村美樹は箪笥に隠れながら「私は魔女だ!来い!」とか言ってる。じゃあ隠れるな。
- 実はデーモンだったミーコがデーモン特捜隊に襲われる。だがミーコもガン=カタの使い手だった。さらにデーモン特捜隊もガン=カタの使い手らしく、マシンガンを持って撃たずに突撃してくる。
- ミーコはガン=カタでデーモン特捜隊を皆殺しにする。ちなみにミーコが劇中やったことは「デーモンの力を使って地球儀を壊す」「デーモンの力を使って宙に浮く」「ガン=カタで皆殺し」。印象に残るのはデーモンの力よりもガン=カタだ。
- 徒歩で牧村家に帰った不動明は牧村美樹のケータイを見つける。不動明はケータイを見ながら牧村美樹の死んだことを知る。しかしこの編集だと、まるでケータイカメラに牧村美樹の最期が録画されていたように見える。
- 牧村美樹は生首になっていた。不動明は教会へ行って生首を祭壇に捧げる。
- 飛鳥了も教会にやってくる。飛鳥了は人間のことを過去形で喋っているので、既に人間が滅んだことがわかる。そういや散々廃墟を写していたけど、そんなことサッパリわからんかったよ!工事現場だと思った。
町の風景を描いただけで世界が滅んだことを観客に認識させた「ドーン・オブ・ザ・デッド」とはエライ違いだな。
- 何故か不動明は飛鳥了が戦う。理由は「飛鳥了がサタンだから」。じゃあ最初から戦え。原作はもっと理由があったぞ。
- 教会にはなぜか地下遺跡があった。地下遺跡で戦う不動明と飛鳥了、いやデビルマンとサタン。
- デビルマンとサタンがぶつかると地球は完全に壊滅した。三池崇の映画で同じヤツがあったな。竹内力と哀川翔はデビルマンとサタン級ってことか。
- 地獄と化した地球でデビルマンは力を解放し、全長100メートルはあるデビルマンが登場。サタン泣き出す。
- だが次のシーンではデビルマンは元のサイズ。『魁!男塾』であった「気合で大きく見える」ってヤツだろうか。
- 戦いが一撃で終わり、不動明と飛鳥了は死にながら仲直り。
- ミーコは人間になれた。ミーコは近所の男の子と地獄で生きる決意をする。ってこれがラストかい!
- アイドルソングが流れて映画が終わる。
マッドシネマ
2008-03-15
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