『ハルフウェイ』というつまらない映画を観てきた。つまらないことはわかっていたのだが、『ハルフウェイ』にはTKOが出ている。TKOが出ている限り映画館に行くしかないのである。TKOがロン毛の教師役(『GOEMON』と一緒に撮影したのかな?)だったので、一緒に行った映画ブロガーたちと笑いをこらえるのが大変だった。
それはさておきこの映画のラストシーンには謎がある。『ハルフウェイ』のラストシーンは
[音楽室でヒロインと彼氏がお互いに好きだという気持ちを確認して、東京に行くことになったであろう彼氏対して、ヒロインが「東京に行って欲しくないです」と言ったところで、いきなりエンドクレジット]
というものだった。この終わり方はかなり酷くて、劇場内では失笑されていた。ところがこのラストシーンがパンフレットに書いてある記述と違うのだ。パンフレットには
「[放課後のグラウンドで彼氏がヒロインを抱きしめる]」
というような展開が書いてある。映画本編だとグラウンドではなくてテニスコートの審判台に変更されていて、[その後も物語は続いている]。「パンフレットにはラストシーンまで書かなかったのだろう」と思った。しかし驚いたのは家に帰ってネットに繋げた後だった。以下はネタバレ映画評論家の福本次郎氏が書く『ハルフウェイ』のラストシーンである。
[彼らの別れを劇的な演出で描くのではなく、無人の校庭でそっと抱きしめるという終わり方も余韻を残す。]さすがに女心を熟知した脚本家、物語のツボを心得ている。
ええええええええええ?それは違うだろ。福本次郎氏が書いた記述はパンフレットの記述に近い。考えられる理由は
だろう。福本次郎氏は『ハルフウェイ』の映像にも言及しておりそちらは別に間違っていない。ただ他にも『ハルフウェイ』の映画評には
シュウといるだけでドラマのヒロインになったようなヒロの姿
という映画本編にはまるで感じられないシーンを評した記述がある。それに 「物語のツボを心得ている。」 といった記述もおかしい。この映画はあえて物語を作りこまずにアドリブの会話を生かしている映画だし、物語的なツボを否定したからこそ、[途中(ハルフウェイ)]で終わらせたはず。恋愛依存的なまま終わるヒロインの映画を「通過儀礼」だと指摘しているのもおかしい。 福本次郎氏は一体何を観たのだろう?まあ「こんな映画を見ちゃいけない」の主催者である福本次郎氏が映画を見ていないというのは、至極当たり前のことなのかもしれない。
2009-03-02