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モンスターVSエイリアンとウルトラマンの関連性   

ピクサーやドリームワークスのアニメを観ていて何が楽しいって、オマージュネタが素晴らしいことだ。現在公開中の『モンスターVSエイリアン』では、アメリカ大統領が宇宙人とコミュニケーションしようとして『未知との遭遇』の音階や『スタートレック』の挨拶を披露しようとするシーンがある。ちなみに『モンスターVSエイリアン』ではこのオマージュネタはほんの前振りで、本命のギャグはアメリカ大統領がこの曲を演奏するシーン(リンク先はリミックス版)だ。実際に映画本編を観てもらえればわかるが、このシーンは元ネタを知っている人にも、知らない人にも楽しめるように計算されたギャグになっている。

(注:以下は『未知との遭遇』のクライマックスです。)

他にもオマージュネタはたくさんある。『モンスターVSエイリアン』でゴキブリ博士が誕生するシーンはまんま『ザ・フライ』で、ボブが誕生するシーンは『ブロブ』、東京を襲ったムシザウルスは………ネタバレになるので書けない。
こういったオマージュネタを調べたければIMDBのトリビアページを読めば全部載っているので大変ありがたい。英語だけど。

しかしIMDBにも載っていない『モンスターVSエイリアン』のオマージュネタがあった。それがウルトラマンネタである(シネマ・トゥデイではアニメ・ウルトラマンからの引用が指摘されている)。『モンスターVSエイリアン』のCMを観て知っている人もいるだろうが、[右手を前に伸ばしたスーザンが空中を飛んでいるシーンがあるのだ。実際には空中を飛んでいるのではなくて落ちているだけなので]、スーザンが右手を前に伸ばす意味はない。このシーンが『ウルトラマン』から影響を受けていることは明白だ。僕は2Dで観たが、あれを3Dで観たら最高に気持ち良いシーンだろう。

それとは別にもう一つ『ウルトラマン』へのオマージュでは?と思わせるシーンがある。それが[スーザンの変身シーン]だ。

以下は映画の一番良いシーンのネタバレなので、未見の人は読まないで欲しい。

普通の女性だったスーザンは、隕石の力で巨大モンスター:ジャイノミカに変身してしまう。スーザンは早く普通の女性に戻りたいと思っていた。でもスーザンはジャイノミカとして活躍することで自分に自信を持つようになる。そんなある日エイリアンの侵略によって、[仲間のモンスターたちが捕らえられてしまう。さらにスーザンは巨大パワーを奪われて普通の女性に戻る。][仲間のモンスターたちを助けるためには、巨大パワーを再び手に入れなければならない。][しかしそうなるとスーザンはジャイノミカとして生きていくしかない。][巨大パワーはスーザンの頭上にあって銃で打ち壊す必要がある。][スーザンは少しもためらうことなく、ニヤッと笑いながら]
「[私の名前はジャイノミカよ]」
[と言うと、正面を向いたまま右手の銃を頭上に掲げて、巨大パワーを撃ち抜く!]

このシーンは凄く感動できるシーンだ。日本映画でありがちな脊髄反射の感動じゃなくて、ヒロインの心理描写の変化を理解していると感動できる。それはまあともかくとして、正面を向いたまま右手を頭上に掲げて[巨大生命体に変身するの]がウルトラマンのパク………オマージュかもしれない。アメリカでも有名なゴジラと違って、ウルトラマンはアメリカでは知られていない。ウルトラマンまでチェックしている製作者たちの「怪獣モノ」に対する徹底振りには頭が下がる。


オマケ:以下は『アマルフィ ビギンズ』のダイジェスト版で、その内容は『カジノ・ロワイヤル』ごっこ。ジェームズ・ボンドの影響を受けつつ、織田裕二らしさを全開にしたオダルフィが素敵。

僕が笑ったのは35秒目の追加資金を要求するシーンだ。元ネタの『カジノ・ロワイヤル』では、「カジノで失敗して冷静さを失ったために、追加資金(=イギリス国民の血税)を要求する未熟なジェームズ・ボンド」というのを上手く表現していた。これがオダルフィになると………何でオマエはそんなにキザったらしく追加資金を要求するんだよ!その500万ドルって俺たちの税金だろうが!

2009-07-26

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