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04/05/30   TOP文のみ更新

雑談

    今忙しいので、ヌルい更新でも勘弁してください。


● 下妻物語   ★★★★
    気に入った!CGや編集で遊びすぎる新参監督の悪いクセがちょっとあるのですが、本筋の「性格の合わない女の子二人の友情」がちゃんとクライマックスに向かって突っ走っています
    原作者が「ハードボイルドじゃなきゃ乙女じゃない」と言っていて、実際劇中でも男気に通じる乙女チックな生き様が出てくるので、男性にも観れる内容になっています。
    ちなみに宣伝で煽っている「超大物がゲスト出演!」は・・・本当に大物でした。


● クリムゾン・リバー2   
    顔の無い黙示録の天使達の正体が[スキーマスクを被っていた]からってオイ。

04/05/23   映画の感想更新

トロイ   ★★★

「兄ちゃん、僕のこと大切だよね?」

「お前がそういう事言う時は、必ず何かしでかした時だ。」

「よくわかったね。」

「お前が10歳の時に親父のバイクを勝手に盗んで、一緒に謝ってやっただろう。その時もお前は同じこと言ってたぞ。」

「またやっちゃったんだよ。」

「しょうがねえなー、今度は何を盗んだんだよ。」

「実はさぁ・・・」



こうして全てが始まった。いや、マジで。


    「ロード・オブ・ザ・リング」の大成功を受けて作られただろう映画です(今年はアーサー王もある)。ブラッド・ピット、オーランド・ブルーム、エリック・バナという超美形男優三人の愛の物語・・・というやおい好きの女性にはたまらない内容ですが、別に彼らが愛し合うわけではないぞ。
    「トロイ」の基本構造はお持ち帰りです。まずトロイのボンクラ王子が王女をお持ち帰り。怒った相手は巫女さんをお持ち帰り。しまいにゃ[王子をお持ち帰りしたり返品したり]して、オチはもちろん木馬をお持ち帰りします。


    トロイのボンクラ王子がギリシャの王女に惚れてしまい、駆け落ちしたのでギリシャ激怒。そしてギリシャとトロイで大戦争が勃発(訪朝した小泉首相が喜び組を全員持ち帰って将軍様が激怒するようなもんか)。王子のあまりの身勝手な愛に付き合わされるトロイとギリシャの両方が可愛そうだが、そんな世界は自分中心で、愛を叫ぶようなトロイの王子とギリシャの王女の恋はメインプロットにならない、これは当然のことです。世界中の大半の観客は民主国家で暮らしているんだから、国の指導者の国を滅ぼす愛なんて共感出来るワケがない
    トロイの王子とギリシャの王女の物語は最小限に抑えられ、アキレスの物語とヘクトルの物語がメインに描かれ、それぞれの従兄弟の存在がポイントになります(ロミオとジュリエットが脇役のモンタギュー家とキャピレット家の物語みたいなもんか)。でも物語の展開はふつーな展開に終始するのみ。
   戦争シーンの物量は物凄いのですが、大軍勢が意思を持ってバラバラに動いていた「指輪物語」に比べるとコピー&ペースト感が強い。ドラマの頂点に戦争シーンがあるのではなくて戦争シーンでドラマを盛り上げているので、観たあとに強く残るものがない。だけど長尺でも全く退屈はしないだけの実力は持っている作品です。ヤリや盾などの武器、貴族達の服装、トロイ都市など古代ギリシャ世界の雰囲気もよかった。それと槍術対決ってのは珍しいな。僕が槍術対決を観たのは黒澤明の「隠し砦の三悪人」以来だぞ。


    ところで劇中、巫女が戦争という悲劇が続くことを悲しんで「いつまで続くのだろう」という台詞があったけど、何千年経っても続いているよ「永遠に終わらない」というアキレスの返答は正しいけどお前が言っちゃ・・・。
おなじみキャラネタ
● パリス
つい最近どっかの危険地帯に出向き誘拐された被害者達に対して、同じ国の人達が「JIKOSEKININ取れ!」と大騒ぎになった。あの現象にビックリした僕でもパリスの首根っこ掴んで「JIKOSEKININ取れ!」と言ってやりたい。
演じるのはレゴラス。「指輪物語」のレゴラスは遠距離武器で接近戦も戦うカッコよさで世界中を驚かせたが、今回は[接近戦で大失敗]したので遠距離武器にコンバートという情け無い役回り。

● アキレス
最強の戦士かつアテネ・オリンピックのヤリ投げ代表。演じるのはブラピ。弱点の場所はみんな知っているよね?
勇猛な戦士達が出てくるこの映画で、筋肉ムキムキとは言え美形のブラピが最強の戦士というのは説得力に欠ける。しかしアキレスは格ゲー並みのジャンプ技の使い手ということにして、微妙な説得力を持たす。

● ヘクトル
将軍であり、最強の戦士であり、礼儀正しい王子で、劇中唯一マトモなキャラなので観客はこいつに感情移入することになる。戦争の原因そのものの弟、血気盛んな軍人、神のお告げに頼る神官、いつもダメな決定を下す王に囲まれていて思いっきり苦労しているが、[アキレスの怒りを買う]という地雷を踏んでしまうのは彼。[アキレスと戦う前に、妻と子に挨拶し、弟と挨拶し、父と挨拶するので100%死ぬとバレバレ]。演じるのはハルク。

● アガメムノン
ギリシャの王。名優が演じているにも関わらず全く魅力の無い王。決め台詞のBURN!TROY!BURN!はカッコいい。

● オデッセウス
「俺は戦えなかった!戦う機会を与えられなかった!ヘルム峡谷も!ペレンノール野も!モルドールの黒門も!だからトロイで暴れてやる!」というシャウトが聞こえてきた。映画の最後でオイシイとこだらけのキャラ。

● プリセウス
ヘクトルの従兄弟で巫女。登場シーンの時はこんな重要キャラになるとは思わなかった。クライマックスはトロイの中心で、愛を叫ぶ

● メネラウス
スパルタの王だがスパルタ教育が見られるわけでもない、ただの嫌なオッサンである。

● プリアモス
トロイの王。後半で土地勘を利用したモノ凄い作戦を実行するが戦争には全く関係無かった。

● ヘレン
メネラウスの妻。世界中の女性の「レゴラスに守って欲しい」という夢を叶えた女・・・叶えたのかなぁ?

● アキレスのいとこ
「敵を欺くには味方から」という作戦を立てて自爆する。

● アキレスの部下
名前忘れた。アキレスに忠実なイイキャラの割には見せ場が無い。

● アンドロマケ
ヘクトルの妻。「ディープ・ブルー」の女優さんなんだけどみんな覚えている?

● ヴォルガング・ペーターゼン
監督。映画史に残る大傑作「Uボート」を作った。だから「トロイ」で海戦シーンが無いのは残念だけど、「パーフェクト・ストーム」という微妙な作品も作った人だからなぁ。

● アキレス&オデッセウスの部下
「すっげー暇だよ」
「しりとりでもやる?」
「木馬、今日中に持っててくれないと辛いよなー」
「おいおい!外で燃やすとか言ってるぞ!」
「やべーよ!やべーよ!中に人がいるって知らせる?」
「バカ!それじゃあ意味ないだろ!」

● 木馬
ホワイトベースのことではない。現在宣伝キャンペーンで新宿にも巨大なトロイの木馬がある。中には秘宝読者達がいて「世界の中心で、愛を叫ぶ」「CASSHERN」の映写室を襲撃、フィルムを焼き討ちにして全部「スターシップ・トゥルーパーズ2」のフィルムに差し替えようと企んでいる。大嘘です。

ゲームについて

    僕はチャラチャラしたゲームが嫌いで「ポピュラス」や「エイジ・オブ・エンパイア」のような硬派な洋ゲーが好きです。わけわからん美少女が出てくるゲームなんて画像見ただけで寒気がしてくる。破壊屋には昔作ったゲームコンテンツが二つあって、一つはPCゲーム「ポピュラス・ザ・ビギニング」ネタ。これは破壊屋開設当時から生き残っているコンテンツなんだけど、反響が全くといって言いほど無かった。もう一つはジョン・カーペンターの映画を元ネタにしたプレステ2の「メタルギア・ソリッド」ネタで、これは別途に掲示板を作るほど凄い人気があった。更新はとっくの昔に停止しているのにいつまでもアクセスがあります。でも社会人になってからというもの、ゲームからは完全に疎くなってしまった。今では週に一回PCゲームの「エイジ・オブ・エンパイア」という歴史物シュミレーションをやるのみです。社会人になってからはプレステ2なんて使っていない。

    そんな僕が最近プレステ2のゲームを買ってしまいました。しかもギャルゲーを買ってしまった。そのギャルゲーとは・・・







    こういうのはギャルゲーとは呼ばないのかな?でもコンセプトが最高なんです。ある日突如日本列島に巨大生物が出現、それはグラビアアイドルだった(グラビアアイドルなので水着もミュールも一緒に巨大化)。プレイヤーは自衛隊となって巨大生物の暴走を止めなくてはならない。というツッコミどころが[僕には]何も見つからない完璧なプロット。
    ステージ1ではヘリに乗り込んで身体データの測定、つまり巨大生物に出来る限り接近して胸部、腹部、臀部にレーザーを当ててデータを採取するというアホらしいものですが、その後のステージは都市戦や空中戦など怪獣モノ映画のパターンをきちんと踏襲している。
    僕は子供の頃から自分よりも身長が高い女性には無条件に憧れてしまうクセがあったのですが、中学生の頃に28センチも身長が伸びてしまった上に大学生になっても背が伸び続けたために、自分より身長が高い女性というのは180オーバーが前提条件になってしまった。ノッポで有名なシガニー・ウィーバーとかジーナ・デイビスとかでもギリギリですね。もちろん「キル・ビル VOL2」でノッポ女優のユマ・サーマンとダリル・ハンナが対決するシーンは最高でした。自分よりも身長が高い女性はいなくても、自分よりも強い女性は世の中に溢れているので、現在では強い女性に蹂躙されたいという願いが強く、デカイ女性に蹂躙されるのは夢になってしまった。ところがこの「THE大美人」はそんな僕の欲望を存分に満たしてくれる。
    ゲームに全く疎い僕がこの「THE大美人」というゲームの存在を知ったのは、ヘヴィメタル雑誌のBURRN!で記事が載っていたからですし、購入の決意をしたのは映画秘宝でカラーページ使ってまで特集していたからです。両紙とも男性にある「大きな女性へのマゾヒズム的欲望」について言及し、またインターネットや映画界でその現象が何度か登場していた事実を取り上げています。
   BURRN!と映画秘宝は両誌とも女性寄りの文化に触れることがない男性達が主な読者層です。例えばBURRN!読者は洋楽にメッチャ詳しいですがアヴリル・ラヴィーンは聞かないし、秘宝読者は映画が大好きなのに「世界の中心で、愛を叫ぶ」は観ない。また彼等には萌えるという感覚は存在せず、映画や音楽に燃えるのみです(すごくてきとーに書いてるので信用しないで)。そういう男性達ってのは意外にも女性に攻撃されたい!女性を見上げたい!女性に踏み潰されたい!という欲望が強い。以上「俺はちげーよ!」と思う人多数でしょうが、僕がそうなんだよ!


    ちなみに「THE大美人」の巨大生物の胸部、腹部、臀部のデータはどこにも出てきませんでしたが、僕が計算したところ

B:2880

W:1770

H:2550

    です。これは数学科の僕が計算した結果なので正確な値だと思ってください。 胸のカップは推定になってしまいますが、ZZZZZZZZZZ・・・(中略)・・・ZZFカップくらいだろうか。

雑談

    24日月曜日にジムノペディというインディーズバンドのライブに行って来ます。だんだん自分の音楽の趣味がわからなくなってきました。つい最近までは「歌謡曲なんて全部この世から消えちまえ!」と願っていたのに。

    2週間位前だったけどYAHOOニュースのトップに「24」の男優が離婚申請ってのがあった。キーファー・サザーランドの離婚が日本のニュースになる時代が来るなんて夢にも思わなかった。でも昔ジュリア・ロバーツと付き合っていたかな?


● ビッグ・フィッシュ   ★★★
    「全身小説家」という映画を思い出した。

04/05/18   マッドシネマ(恋人はスナイパー 劇場版、すいませんアップロードを忘れていました)、映画の感想更新

ドーン・オブ・ザ・デッド   ★★★★

死ぬまでの暁にしたい10のこと

1:スポーツをする

2:映画を観る

3:自転車に乗って遊ぶ

4:ファッションを楽しむ

5:知らない人とコミュニケーションをとる

6:ゲームして遊ぶ

7:お酒を飲む

8:エッチする

9:そこらへんのムカつく奴(顔とかが)をぶっ殺す

10:女の子に「好きだ」と言う



    いやー日々の生活って大切なんですね。「ドーン・オブ・ザ・デッド」にそんなこと教えてもらいましたよ。さすが「死ぬまでにしたい10のこと」のサラ・ポーリー主演の映画です。
    「ドーン・オブ・ザ・デッド」は「ゾンビ」のリメイクですが、これがおもしれー!!とにかく呆気にとられたのは最初の5分、最初の5分で世界が崩壊します。政治家が核ミサイルのスイッチを押して地球上でドカーンと爆発が一杯起き、ナレーションで「こうして世界は崩壊した」というわけじゃない。地球規模の天災が発生してニュースキャスターが「もう終わりだ~」と叫びながら都市が木っ端微塵になるわけでもない。
    ある日突然自分の家で少女が壊れた、愛する人も壊れた。ビックリして外へ出るとそこらじゅうで同じことが起きていた。自分の生活が無くなる事、自分が見知っていた世界が無くなっている事、もう2度と元通りになれない事。世界が崩壊するっていうのはそういう事なんだ。そして本当の恐怖とは世界が崩壊したのに、自分は残っていることだ!「ドーン・オブ・ザ・デッド」はそれをたったの5分で描きます。まるで映画のお手本のようで素晴らしい。
    そして衝撃のオープニングが終わると世界中の人々がゾンビになってしまって世界で、わずかに残ってしまった人間達の物語が始まります。でも「ドーン・オブ・ザ・デッド」は世界規模の物語じゃない。残った人間達はショッピング・モールに集まる。建物は残っている、食料だってある、電気もある、娯楽だってある。でも世界はもう終わってしまっている。それでも残ってしまった人々の物語。これぞ映画です。ゾンビが襲ってくるだけだったら単なるホラー映画です。
    「ドーン・オブ・ザ・デッド」は演出の変化球の投げ方が上手い。観客の予想を裏切るべきシーンは裏切るし、観客の期待を裏切ってはいけないシーンは裏切らない。一番感心したのは[デブのババアがゾンビになる]シーン。下手糞なホラー映画だったら観客が一番ビクッとなるタイミングでゾンビが登場するんだけど、「ドーン・オブ・ザ・デッド」はなんと観客が一番怖くないタイミングでゾンビが登場する。「え?」と肩透かしを喰らった思いきや、その直後のゾンビの迫り来る動きが超怖い!「驚かす」じゃなくてちゃんと「怖がらせる」のです。
    さらに登場人物がどのような状況にいるのか、ちゃんと常に観客が把握できるようになっているので、「いつゾンビが来るかわからない」という登場人物の状況になりきって映画が楽しめる。
    また物語の展開も上手い。生き残った人々には様々な事情や特徴があってそれが大量の伏線になるんだけど、次々に貼られる伏線は順番に丁寧に回収されていく。秀逸なのはショッピング・モール外にいるアンディという男の存在です。「ドーン・オブ・ザ・デッド」はショッピング・モール内の物語ですから、ショッピング・モールの外にいるアンディは絶対にアンディの視点で描かれない。ショッピング・モールからの視点でのみ描かれるのです。つまり映画としてルールをちゃんと守っている。
    「恋人はスナイパー 劇場版」とか「CASSHERN」とかそういった事がまるで出来ていない作品を観た直後なんで余計に強く感じました。


    もちろん「ドーン・オブ・ザ・デッド」は高尚な映画ではなくバリバリのホラー映画なので、車でガッツンガッツン突っ込んで、爆発があって、頭が吹き飛んで、チェーンソーで[ゾンビや美女]をぶった切って、オッパイがあったりするので最高だぞ!!

    しかし愛ばっかり強調される日本映画界において、愛がアッサリと壊れるこの映画は貴重でしょう。世界の中心?世界はもう無いんだよ!いくら叫んだって叫び声は聞こえないんだ!

04/05/16   TOP文のみ更新

真珠の耳飾りの少女   ★★★


    フェルメールの「青いターバンの女」に秘められた物語・・・なんだけど大体僕はフェルメールなんぞ好きじゃなくて、マグリットやダリやクリムトとかが好きな人間。だからフェルメールの絵の中に物語を見出したこの映画にはあんまり興味が無かった。でも評判がいいので観に行った。かなり混んでいるらしいので平日に行ったんだけど、その日はレディース・デーだったので逆効果。女性で満員の劇場に男はほんの数人だけ。しかもアイスクリームの宣伝キャンペーンもやっていたのでみんなアイスクリームを食べていた。映画館の客全員がアイスクリームをパクついている異様な光景だった。


    「真珠の耳飾りの少女」はフェルメールの世界を再現した映画です。でも本当は再現じゃなくて原作者やスタッフ達がフェルメールの絵から勝手に世界を作り出し自分達で構築しているだけなんだけど、その出来があまりにも良いので本当に「再現された!」と思えてしまう。当時の生活描写の丹念な描写には唸ってしまうし、フェルメールがヒロインと二人で絵の具を作りながら惹かれていく過程も面白い(昔の画家は絵の具作りから始めなくてはいけなかった)。物語には特別な起伏は何もなく登場人物達の微妙な感情だけで起伏が作られる。本当に絵画みたいな映画です。映画としては本当に素晴らしい出来なので星は3つだけど、これは非常にうっとおしい作品でもあります。「絵の中に物語を見出す」しているんだけど、その物語っていうのが
    貧しくても美しいメイドがいた。メイドは画家の家に勤めることになった。そこにはヒステリックな奥様や、厳しくても優しいメイド長や、奥様のイジワル娘がいた。画家は絵を描くのが遅いので苦しんでいた。でも画家はメイドをアシスタントにして絵を描き始める。そのうち画家はメイドに魅せられ「君をモデルにしたい」と言い始めた。だがイジワル娘が物を盗んでヒロインのせいにしたり、パトロンがメイドに手を出そうとしたりする。また大奥様が・・・ ってこれがフェルメールの絵の物語かよ!日本の貴族系少女マンガで散々やってるパターンだよ。物語や登場人物が型にはまりすぎている。それにメイドに「唇を濡らせ」と命じたり、ピアッシングをしているフェルメールに色気が無いので、これらのシーンがものすごく下品に思えてきてそのうち全てがうっとおしくなってきた。


オマケ:この時代に既に「カメラ」や「映像」という概念があって、フェルメールがそれを駆使していたというのはちょっと驚いた。


    それにしてもこういう芸術系の映画は定期的に流行るねぇ、ほとんど観に行かないけど。大体僕は本当の意味で好きなのがマグリットやダリやクリムトなんぞではなくて、空山基だしね。あとギーガーとか。

雑談


   6月12日(土)のマッド・カプセル・マーケッツのライブに行ってきます。そして8月8日(日)のサマーソニックにマッド・カプセル・マーケッツが参戦!うーんこりゃとりあえずチケットだけでも買っておくか・・・。


● チルソクの夏   ★★★
    韓国と日本を結ぶ小っ恥ずかしい恋の物語。ディテールのこだわり(70年代後半という設定なので茶髪がいないとか)や、歌謡曲で映画を作る手法(1シーン1シーンの意味や感情を歌謡曲で表現する)を本気でやっているので感心した。
    イイ映画なんだけど物語の起点になる「七夕の出会い」が凄まじく下手。観客も笑い出していた。韓国映画の「ラブストーリー」だと小っ恥ずかしい恋の物語にバカが絡んでくるので恥ずかしさが緩和されるんだけど、「チルソクの夏」にはバカがいないので小っ恥ずかしいままで展開する。


● ホーンテッド・マンション   ★★
    ビックリする位怖くない映画。でもホーンテッド・マンションのテーマが流れると、子供の頃に東京ディズニー・ランドで出来立てホヤホヤのホーンテッド・マンションで大泣きしたことを思い出して結構興奮した。


● CASSHERN   
    映画が終わっても誰も帰らないので不思議に思っていたら、この監督の嫁さんの有名歌手が主題歌を歌っていることを思い出してとっとと帰った。映画の内容に「何だコレは?」と思いつつも作り手の根性や熱意が伝わってきた。


● 花嫁はギャングスター   ★★★
    最強かつ最凶の女ヤクザが一般人の姉を安心させるために、何も知らない一般人と結婚するという韓国映画。元気があって面白い。ただギャグが全然練られていないので、そこらへんはハリウッドリメイクに期待。
    しかしあのオチはいいのかね?日本は[武富士]、韓国は[地下鉄]でとんでもない事になったじゃないか。

04/05/09   マッドシネマ(恋人はスナイパー 劇場版)更新

パッション   ★★


    ハリポ+指輪物語+こち亀全巻+ギネスブック+毛沢東語録の発行部数を全部足しても足元にすら及ばない程有名な原作の映画化ラストで主人公が磔になって死にます思わずネタバレを書いてしまった程有名です。

    ファンを揶揄する言葉で信者というのがあって、よく人物や作品を貶したりすると激怒する人達がいる(例えば僕はレニー・ハーリンの信者)。「パッション」にはモノホンの信者が約10億人いるわけなんですが、それは良い意味での信者だし、作品に対する信者でもないので、作品 を貶しても多分大丈夫でしょう。
    日本人は本当に信仰心が無い民族で、この信仰心が無いというのは国際的に見れば結構恥ずかしい部類に入ると思う。かくいう僕も信仰心というものを全く持ち合わせていない。
    僕は確か小学生と中学生の2回、聖書にチャレンジしようとして新約の部分だけは大体読んだような記憶がある。内容のほとんど覚えていないが・・・。そして大学生の時、旧約聖書のオナニーの語源になったオナンが神の怒りを買い雷に打たれて死ぬという件から、生殖に結びつかない性行為を禁止する、つまりオナニーや膣外射精がダメという概念が生まれたのを知って「この本から学ぶ事など何も無い」と結論づけてしまい、それ以来全く読んでいない。そんな僕が「パッション」を観ること自体間違っていますね。いつか頑張って読みます。まあでもリアルなショック映画というのも、「パッション」の一つの側面だしさ。

    「パッション」の内容は全編ラテン語(英語字幕が付く)で延々とキリストへの拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!拷問!虐待!最後に処刑!というアブグレイブ刑務所真っ青の内容になっています。キリストへの信仰心がある人ならこの無残な展開自体に「おお、イエスが!イエスが苦難の道を!」と感動できるのでしょうが、僕にとってはすげーつまらなかった。サタンが出てきたり[地震]が起きたりしても、心が動かない。ただ映画が信仰を裏付けるという意味では興味深かった。
オマケ1:「パッション」がいかにとんでもない映画であるかは町山智浩アメリカ日記の過去ログを読んでもらえばわかると思う。特に「パッション」が公開されて「やっぱりユダ公が!」ってことでアメリカでは反ユダヤ運動まで起きているけど、それが根拠の無いことだというのもよくわかります。


オマケ2:よく映画秘宝で70年代、80年代ショック映画とかのメチャクチャなキャッチコピーを読んでいた。でも70年代後半生まれの僕には、ああいうキャッチコピーをリアルタイムで触れることは無かったので、当時を知る秘宝読者達がうらやましかった。ところが「観客がショック死!」「殺人犯が映画を観て自首!」って、「パッション」でそのメチャクチャなキャッチコピーに触れる事ができた。まさかこんな形で願いが叶うとは・・・でも「パッション」のキャッチコピーってメチャクチャではなくて単なる事実なんだよな。


オマケ3:「パッション」は泣ける映画だとは思わないけど、「恋人はスナイパー」や「DEEP LOVE アユの物語」のほうが泣いている観客が遥かに多いという現状はどうかと思う。

04/05/05   マッドシネマ(恋人はスナイパー 劇場版)更新

スクール・オブ・ロック!スクール・オブ・ロック!スクール・オブ・ロック!


    GW前にラウンドスケープのライブに行ってきました。こいつらのライブはダンスフロアにロックバンドが殴り込みをかけたら違和感なく盛り上がった感じなんで好きです。
   でも実はこの日は仕事が大詰まりしていて、ライブ開始時刻が過ぎても会社が抜け出せない。しょーがないので上司にこれからライブに行く事を正直に告白して見逃してもらいました。おかげでライブに参加できたのは途中からだった。社会に反抗することが真のロックなら、俺のロックは社会と迎合することだ!日々の生活無くしてはロックもできん!


● スクール・オブ・ロック   ★★★★★
    クライマックスで拍手が起きた。試写会やイベントじゃないぞ、普通の一般公開の映画だよ。もちろん映画が終わった後も拍手。映画館で映画を観るのって楽しい。


● 恋人はスナイパー 劇場版   
    星は一つだけど、バカすぎて楽しかった。真のバカ映画を作るのはアメリカでもリュック・ベッソンでもない。日本の民放だ!でも映画館でテレビ番組を観るのってむなしい。

04/05/02   TOP文のみ更新

フォーチュン・クッキー   ★★★★

    今年のGWは話題作だらけですが、仕事も入ったりしているのでとにかく今一番観たい映画だけは絶対に押さえなくては!と考えて「フォーチュン・クッキー」を観に行きました。こういう映画は大好きなんだよ!
    しかし映画が始まった瞬間、誇らしげに出てきたのがウォルト・ディズニー・ピクチャーズのロゴ!「ゲッ、これディズニー映画かよ!」と不安になりました。そして不安は的中、「フォーチュン・クッキー」は安全なギャグとぬるーいテンションで家族揃って楽しめる健全な映画でした。でも面白いんだよ!

    いつもケンカばかりしている仕事が出来る堅物のママと、先生に怒られまくりのぞんざいな性格の娘が、ある日中国人のおみくじクッキー(フォーチュン・クッキー)の魔法で心が入れ替わってしまった!大変だ!娘には若者だらけの学園生活とロックバンドのオーディションがあるのに!(つまりママがギターを弾く必要がある)。ママには再婚相手と結婚式があるのに!(つまり娘がオジサンと・・・)
    リメイク映画だけど、このパターンは昔からよくある。「転校生」が一番有名だし、母と娘という点では「あたしんち」の映画版が同じ。でも入れ替わった相手がライブをこなしたりテレビ出演したりして、苦労している内に相手の気持ちがわかるという点では「ドラえもん」の星野スミレのエピソードが一番近いかも。
    内容はディズニー映画なのでとにかく健全。体が入れ替わるコメディなのに下ネタは無く、お尻ネタがほんのちょっとあるだけ(ディズニーじゃなかったらあのお尻はキッチリ見せるし、母と娘が入れ替わったらオッパイネタがあるはず)。娘の憧れの先輩が「バイクに乗ってるけど不良じゃないの!」というのが映画のポイントになっているし(ディズニーじゃなかったら娘の憧れの先輩は不良が出てくるはず)、母が娘に対して怒る理由もマリファナでもなく、タバコでもなく、アルコールでもなく、ファーストフードのポテトを食べたからが原因だったりする。娘の友人には学園映画の必需品であるゴスッ娘が出てくるのですが、これも黒い服に、黒い髪に、黒いマニキュアというだけで、性格は全然ゴスじゃない。ギャグのネタ用に登場したとしか思えない精神病の男が何もギャグをしないなど手抜きっぽいのもある(ディズニーじゃなかったら、ママの姿になった娘が精神病の男に文句を言うシーンがあるはず)。 流石監督がインタビューで「ディズニーのファミリー映画なんてどうやって作ればいいのかわからなかった」と答えているだけはあります。
    でもやっぱり現代の映画だけあって健全なだけじゃない、ロックがポイントになっている。母が娘のロックの世界に入り込むというのが第一のクライマックスになっているし、「ラモーンズは最高だけどホワイト・ストライプスは嫌い」という台詞やハイヴス(サマソニ04で来る)がキッカケで娘が憧れの人と仲良くなったりする。 そして第二のクライマックスは実にディズニーらしい優しい感動モノだった。
   ウチら映画ファンにはジェイミー・リー・カーティスの暴れっぷりが(BGMがアンドリューW.K!!)楽しめるし、アヴリル・ラヴィーンに影響受けまくっているファッションのリンゼイ・ローハンもカワイイ。とにかく楽しい映画だった。でもパンフレット買ったら「ヒロインと同世代の女の子の感想」として日本人の少女モデル達の感想が載っていた。そんなもん読みたくねえ。

Mission from God!(ブルーズ・ブラザーズの決め台詞)

● コールド・マウンテン   ★★★
    詳しい事は知らんけど、これって多分20代前半の男女の物語のはずでは?それを演じたのがニコール・キッドマンとジュード・ロウなので違和感が・・・。
    南北戦争から逃げ出した脱走兵のジュード・ロウが故郷に帰るまでに多くの苦難を味わう男の冒険物語と、故郷で愛する人をじっと待つニコール・キッドマン・・・だったら普通の映画なんだけど、腑抜けたニコール・キッドマンの元にレニー・ゼルヴィガー演じる筋金入りの女がやってきて、農場を舞台に戦火に耐える女の戦いが平行して描かれる。ラストシーンで[女がみんな生き残っている上に、何とか生き残った旦那が女房に動かされている辺りが現代劇ですな]。
    オープニングで集団戦闘、クライマックスで決闘シーンがあるけど、その間2時間が延々とドラマなのでダレる。ナタリー・ポートマン、ジョヴァンニ・リビシ、ドナルド・サザーランドらが脇を固める他にフィリップ・シーモア・ホフマンも彼らしい役で登場。


● アップルシード   ★★
    不自然に大きい目、逆三角形の顎、理解不能な髪の毛のデザイン、寒気がしてくるアニメ声。これアニメじゃん! いや、こういうアニメアニメしたキャラクターって苦手なんです・・・。
    僕が大好きなブンブン・サテライツの「DIVE FOR YOU」と共にキャッツアイみたいな美人アンドロイド3人組が出てくるのはガックリきた。


● ブルーズ・ブラザーズ   ★★★★★
    先日BS2でやってたのを鑑賞。僕の映画人生ベスト10に入る作品。中学生の時にテレビ放映で偶然見てメッチャハマッた。たまたまビデオに録れていたので何度も何度も観た。サントラも買った。当時は映画に詳しく無かったので「どうせ誰も知らないマイナーな映画だろ」と思っていたけど、そのうち「ブルース・ブラザーズ」が多くの映画ファンから支持されている傑作であることや、出演者達が超有名人(スティーブン・スピルバーグとかレイア姫とか)であることを知った。今観るとそういう部分も楽しい。
    僕はこの映画から男ならその場のノリで生きていけ!そのツケはやってくるが、それでも動じることなく生きていけ!という事を学んだ。なるべく実行はしないようにはしている。


● トイ・ストーリー2   ★★★★★
    これも傑作。劇場での一度しか観てないのでテレビ放映を楽しみにしていたのに、仕事がすげえ忙しくて帰れなかった。魂を持つ人形が自分のアイデンティティを模索するという「イノセンス」と同じ構造を持っている映画(大嘘)。以前も書いたけど少女がマニキュアを覚えるシーンは、アニメでも実写に勝てることを証明したシーンだと思う。
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