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夏の夜の恐怖   

電車に乗っていたら、靴づれで足を痛めたらしい女性がいた。その女性に対して、内気系変質者な男がやたら親切にしようとした。自分を電車男だと思っているのだろうか?その「親切」とは、女性の足に保湿クリームを塗ろうとしたり、女性のカカトをさすりだすなど、痴漢…とまでは言わんが、とにかくキモイ親切だった。女性は確実に迷惑がっており、態度にもそれを示していた。一旦電車男はその場を離れたが、女性に興味を持っているそぶりを示していたため、僕は電車男を監視していた。

横浜駅に電車が到着し、僕も電車男も女性も降りた。電車男は一旦女性と別れる振りをして女性の尾行を開始した。僕は電車男の前に立ちふさがり胸ぐら掴んで
「お前さっきから何やってんの?」
と問いただすほどの武闘派じゃないんで、そんなカッコいい真似はせずに、ダッシュで女性のところに行って
「さっきの男がつけてきてますよ」
と教えてあげた。

そこで女性は迎えに来てもらう友人をケータイで呼び出し、その間僕と女性は駅構内で電車男の通過を待っていた。その時ふと思った。このまま電車男が登場しなかったら、僕が変質者だと思われないか?良くても新手のナンパと思われないか?っていうか電車男が尾けてこなかったら、僕はどうやってこの女性と別れればいいんだ?

しかし電車男は後方から登場してきてくれた。女性はギョッとしていたが、僕は内心ホッとしていた。ココバットのライブの帰りだったためにオジー・オズボーンのTシャツを着ている僕が電車男をにらみつけると、電車男はあさっての方向へ消えていった。そりゃまあ別の意味で僕が怖いだろうな。顔ツキが悪いと有利だね。

その後女性を改札まで送る最中、女性から
「あのーメアド教えてください」
言われるほどの男じゃないんで、こちらから
「いやー、俺破壊屋ってサイトとかやってるんだよ!」
積極的にアピール。もちろん破壊屋のメールには今現在何も届いていない。顔が悪いと不利だね(まー友人呼ぶ時点で信頼できる男がいるってことだよな。うん、きっとそうだ。)

で、この日何が一番怖かったかというと
「まあそのサイトでは、スパイダーマンの格好してブートキャンプとかバカなことやってるんだね。」
女性「あ、それ知ってるよ。」
恐怖で頭が真っ白になった。知られてないほうが良かった。

2007-09-07

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