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よけてみな!   

高速で叩き込まれる鉄の弾。人間には絶対に避けることができない死の運命。だからこそ………避けるんだよ!
弾丸回避。漫画だったらある程度は簡単に表現出来るが、映画において弾丸回避の演出は非常に難しい。ハリウッドはそれでも果敢に弾丸回避を演出してきた。現在公開中の映画『NEXT』が新たなる弾丸回避を表現したので、これを機会に弾丸回避についておさらいしてみる(削除しちゃいましたが、旧破壊屋でやった企画です)。

モダン・タイムス
最初に弾丸回避にチャレンジしたのは喜劇王チャーリー・チャップリンだった。違ったらゴメン。
映画『モダン・タイムス』で、ドラッグ食ってハイになったチャップリンが拳銃の弾丸を避けるギャグは今観ても爆笑できる。
演出方法は簡単。チャップリンが高速で小刻みに動いていて、その後ろの壁で火薬が破裂しているだけ。それでも弾丸を避けているように見えるのが映画のマジックだ。
レモ/第一の挑戦
朝鮮半島に伝わる伝説の武術:シナンジュ。アメリカ人レモがシナンジュを身につけ弾丸を避けるまでに成長する!
映画『マトリックス』公開時には極一部の映画オタクたちが「マトリックスよりもレモのほうが先だぜ!」とネット上で騒いでいた。僕は『レモ/第一の挑戦』が未見だったので、「こいつら何言ってんだ?」と思っていた。しかし『レモ/第一の挑戦』を実際に鑑賞して納得!シナンジュすげえよ。
ネタバレしても構わない人はリンク先のYOUTUBEでシナンジュの弾丸回避を見ることができる。チャップリンの弾丸回避からさらに進歩して、編集を切ることで弾丸回避を表現している。この動画を見た人は笑ってしまうだろうが、映画全編を通してみると意外と本気で驚愕するシーンなんだよ!でもこの動きは本気で爆笑モンだなぁ。腕の使い方がいいよね。宴会芸とかでマネしたい………みんなが『レモ/第一の挑戦』を鑑賞済の宴会なんてあるのかな?
マスク
『レモ/第一の挑戦』は編集で弾丸回避を表現していたが、CGが進歩してくると編集を切らずに弾丸回避を表現できるようになった。『マスク』では怪人が体をゴムのようにひねって弾丸を避けた。股下をびよーんと伸ばすのがこのギャグのオチだった。ワンピースのルフィもこういうことはやらんな。
マトリックス
そして弾丸回避の頂点が登場した!超スローモーションの弾丸と海老反りしたネオを高速回転するカメラが捉える。この演出は映像革命を起こし、世界中の映画がマネをした。こうして弾丸回避はマイナー演出から一気にメジャー演出になった。公開当時は僕も一日一回はマネしていた。ウィキペディアの荒川静香(フィギュア金メダリスト)の項目にも「荒川静香は高校時代、映画『マトリックス』の海老反りを観てイナバウアーを思いついた」とは書いてなかった。
しかし過去の弾丸回避に比べると、「コケている」「弾丸がカスっている」点でマイナスポイントである。やはりここで注目すべきはエージェント・ジョーンズの動きのほうだ。

安定した下半身が余裕を感じさせる。ネネはエージェント・ジョーンズの下半身を狙えば良かったんだよ。そうすりゃもっと面白い動きが見れたのに。
バレット・モンク
マトリックス以降の弾丸回避は多すぎるので、取り上げるのは一本に絞る。原題『バレット・プルーフ・モンク』は直訳すると『防弾坊主』だが、これを『弾丸坊主』だと言い張った日本側の宣伝戦略は実に正しい。
チョウ・ユンファ演じる僧侶が持つ秘術を極めると、弾丸を避けることが可能となる。果たしてアメリカ人の主人公(ショーン・ウィリアムス・スコット)はバレット・プルーフ・モンクになれるのか?というストーリーの映画で、クライマックスの弾丸回避にはストーリー上のトリックも仕掛けられていて結構楽しい。
しかし中国人のチョウ・ユンファがチベットの僧侶を演じるのは、今となってはアレだな。
NEXT
そして2008年、再び新たなる弾丸回避が生まれた!以下は『NEXT』のネタバレなので注意。この演出を文章で説明するのは難しいのだが、一応説明してみる。
『NEXT』の主人公ニコラス・ケイジは二分先の事象を先読みできる。で、この映画は「先読み」を表現する時に、「先読み前のニコラス・ケイジ」と「先読み後のニコラス・ケイジ」を画面に登場させる。つまりニコラス・ケイジが二人出てくるというわけ。 [ニコラス・ケイジは「先読み」を使って弾丸の軌道を読むのだが、弾丸は何発も叩き込まれるので画面上には大量のニコラス・ケイジが登場するのだ!]結局は↓の画像と同じ演出だが、『NEXT』の場合は胡散臭さとオッサン臭さが画面に溢れているので、なかなか衝撃的である。

っていうか↑の画像だとエージェントは弾丸を全部避けているけど、[『NEXT』の場合は最後のニコラス・ケイジ以外は全員弾丸が命中しているんだよなー。]

2008-05-06

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