少年少女向けに書いたケータイ小説が大ヒットしたYoshi。そんなYoshiが「大人向けの恋愛」ということで作った恋愛映画『ラストラブ』。だからガキは『ラストラブ』を観ないだろうし、マトモな大人もYoshi作品なんて観ないはず。一体だれが『ラストラブ』を観るのだろう?あ、僕か。
で、DVDで観たんだけど、いやーこれは酷い。酷すぎるよ。横浜が舞台なのでハマっ子の僕としてはこの作品の存在自体が悲しい。原作はYoshiで、脚本は詩人の龍樹(リュージュ、男性)。
みなとみらいを背景に号泣している田村正和。
以下ストーリー解説。完全ネタバレ。
- NYでジャズミュージシャンをやっていた田村正和。しかし妻がガンで死亡する。それ以来、田村正和は小学生の娘と日本で二人暮らししていた。
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田村正和はごみを分別しないで出す男だった(そんな設定の主人公も珍しいが)。ある朝ごみ回収を手伝っていた伊東美咲とケンカになる。
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観た人全員が驚く謎のシーン。伊東美咲が唐突に路上で脱ぎだして出勤服姿に変身する。
しかも睨みながら。
何だコリャ。
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数日後、田村正和と伊東美咲は飛行機の中で偶然にも再会する。
「おおう!」
「あ、あなたは!」
って学園モノの「通学路でケンカした相手が転校生だった」レベルのラストラブだな。
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その後、田村正和と伊東美咲はNYで偶然にも再会する。偶然を連続させるなよ!
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伊東美咲はNYの高級ホテルのインターコンチネンタルに戻る。
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伊東美咲に日本に残してきた婚約者から電話がかかってくる。
「結婚やめよ」
電話一本かい!
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ショックを受けた伊東美咲はホテル内の部屋でウィスキーを4瓶空ける。酒豪だ。
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田村正和が伊東美咲の部屋に普通にガチャって入ってくる。高級ホテルなのにオートロックがかかってない。
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伊東美咲の部屋を見た田村正和は「飲みに行こうか」。ってオイ!さらに飲むんかい!
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田村正和は伊東美咲に言う。
「妻はオレが殺した」
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これは「妻がガンだということに気がつかなかった。」という意味なんだが、普通それを「妻はオレが殺した」って言うか?
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田村正和と伊東美咲はお互いの連絡先を交換することなく別れて日本に帰国する。こんなんで話が続くの?
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ある日、田村正和の娘が転んで軽い怪我をした。娘をタクシーで送り届けてくれたのは偶然にも伊東美咲だった。偶然に頼りまくっている脚本だ(一応、娘と同じ音楽教室にいたという伏線はあるが)。
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田村正和の娘のお誕生会に伊東美咲が呼ばれる。伊東美咲は田村正和の娘に犬をプレゼントする。いやちょっと待てよ。犬って結構高いだろ!しかも相手の意思を確認しないで犬をプレゼントってありえないぞ!犬を登場させて無理矢理話を進めるのがYoshiだ。
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田村正和が急にガンになって倒れる。余命三ヶ月だった。ちなみに伊東美咲が『ラストラブ』前後に出演した2作品(『椿山課長の七日間』『Life 天国で君に逢えたら』)でも主人公が病気で死んでいる。伊東美咲恐るべし。
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ジャズミュージシャンとしての田村正和を信頼しているスポンサー(演じるのは何故かユン・ソナ)が、全米ツアーの計画を立てる。田村正和は断れよ!
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伊東美咲は田村正和に心惹かれている。それを心配した伊東美咲の若い同僚は、田村正和に
「あの人を惑わせないでください」
と注意をするが、田村正和は
「オレはなあ若い相手に対しては優越感しかねーんだよ!オレは人生を十分に生きてきたからだ!」
と反論。すげーなYoshiの書く台詞って。これがYoshiの考える大人の恋愛なのか。
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余命わずかの田村正和はジャズのためにNYに行く。そこは小学生の娘と過ごせよ!
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田村正和はNYで病状が悪化。公園のベンチで死ぬ。
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終わり。ええ?小学生の娘はどうなるの?
映画の設定が『オータム・イン・ニューヨーク』に似ているという点はさておき、田村正和の演技が最低だった。ロクに台詞の発声すらできていない。
ところであからさまにおかしい台詞である「妻はオレが殺した」だけど、映画秘宝に「(妻が死ぬ直前に)妻の呼吸器を田村正和が外している」というツッコミがあった。
おおお!本当だ!外している!
そして、ピッピッピーーーー(これも古い)。
これだったら確かに妻を殺したのは田村正和だ!
2008-09-21
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