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円天は詐欺じゃないよ、全然違うよ   

画像は逮捕されたL&G会長:波和二のブログより


久々に計算ネタの更新。というか円天ネタ。今回はあまりにもバカすぎてどのメディアも全然説明しようとしない「円天が詐欺ではない理由」についての計算ネタです(そんなのいいからお前は映画ネタで破壊屋を更新しろ!というツッコミは無し)。読み飛ばしてもらって結構です。


「100万円」投資すると毎年「100万円天」がケータイ電話に振り込まれる。

という円天詐欺の仕組みについてはどこのメディアでも説明している。では逮捕された波和二が何故「詐欺ではない」と主張するのか?総理大臣を自称している波和二のブログの記事から引用すると

この電子商品券「円天」は、総理大臣波 和二が発明者でありますから、NHKを指導して国民に判り易く説明できるのです。
例えば、100万円で円天を購入すると、購入者の携帯電話に、毎年毎年同額の100万円天が振り込まれて来るのです。

別の記事からの引用。この「8倍」というのがポイントである。

100万円の日本円で円天を毎年毎年、100万円天ずつ支払って、国家がどうしてそれで儲かるのか?
国家が破産してしまうではないか?
誰でもそう考えるのです。
民営なら「8倍円天」でも充分です。
国営だから、「8倍円天」でも充分なのは同じです。
8年間、円天を支払って終わりにするというやり方です。

(中略)

総理大臣たるものは、日本を「富国強兵」にする能力がなければなりません。
円天販売によって日本国を富ませ、侵略の為の軍隊ではなく、治安力、防衛力の為の軍事力を持つことが現実の世界では必要です。

つまり投資者は「100万円」投資すると8年間、毎年「100万円天」が貰えるというのだ。合計「800万円天」が手に入るというわけ。「1円=8円天」だというわけだ。

で、波和二はブログ上で以下のような理論を何度も何度も書いている。↓これは波和二の理論で一番重要なポイントである。

「(円天の)交換率は25%の日本円となります。」

つまり「800万円天」は「200万円」になるというわけ。投資金額が2倍になって返ってくるのだから、投資者は「100万円」丸儲けである。だから波和二は「詐欺じゃない」「警察に潰されなければ出資者にお金を返せた」と主張しているのだ。

で、問題はその「200万円」をどこから持ってくるのか?という話なわけだが、そこで波和二は小学生みたいな主張をしている。以下は「日本政府が円天を運用した場合」なわけだが

1年目の円天発行枠を1兆円と設定します。
2年目は2兆円
3年目は4兆円
4年目は8兆円
5年目は16兆円
6年目は32兆円
7年目は64兆円
8年目は128兆円
:
:
10年目は512兆円
11年目は1,024兆円
といった具合に、日本円が国家に入って来ます。

つまり、円天を発行すれば毎年毎年日本政府(L&G)に日本円が入ってくるので返金できますよ!大丈夫ですよ!というわけなのだ。全然大丈夫じゃねえよ。というか何で2倍2倍にしているんだ?

波和二は別の記事でもっとすごい発表をしている。

1年目 100兆円
2年目 200兆円
3年目 400兆円
4年目 800兆円
5年目 1,600兆円
:
10年目 51,200兆円

つまり円天を運用すれば10年で10京の日本円が手に入るということなのだ。99年かけて15兆円稼いだことを自慢していた僕なんかチッポケすぎるな

うんで、こんなことも書いている。

5年位まで予約で埋まると、累計金額が3,100兆円になります。
この25%が日本円の換金用の資金として国家が保有しているわけです。5年目まではこれを上廻る換金額はないのです。
775兆円が換金資金です。
残りの75%、即ち2,325兆円が、国家が国民の為に使える日本円です

↑の記事を説明すると
「円天を日本円に交換するために、ちゃんと日本円の換金資金をキープしておきますよ。余った日本円は政府が自由に使いましょうね。」
ということだ。 で、そのキープしておく換金資金の計算方法だが

「累積した日本円(3,100兆円)」*「交換率(25%)」=「キープしておく必要のある換金資金(775兆円)」

という計算をしている。だから余る金額は「2,325兆円」なので、そんだけ国家(またはL&G)が裕福になるという主張をしたのだ。この計算は間違えている。円天の交換率の25%という数字は、日本円じゃなくて円天にかけるのが正しい。 1円=8円天なんだから「3,100兆円分」の円天を発行すると、8年後までに「2京4800兆円天」が生み出される。だから正しい計算式は

「累積した円天(2京4800兆円天)」*「交換率(0.25)」=「キープしておく必要のある換金資金(6,200兆円)」

つまり換金資金に必要なのは「6,200兆円」なのだ。「2,325兆円」が余るどころか、「3,100兆円」足りないのである。いつか必ず破たんするのだ。これをごまかすために2倍2倍で円天を発行し続けるという理論にこだわったのだろう。

この円天理論は波和二が世間の目をはぐらかすために生み出した理論だ。もう一回ブレイクすれば借金が消えると思ってた小室よりも酷い。 それとも掛け算の方法を本気で間違えてしまったばっかりに
「ああああ!円天ならお金がどんどん増える!みんな幸せになる!」
と勘違いしてしまったのだろうか?


しかしまあこんな詐欺で約2200億円も集めたというのは感心である。今度からは破壊屋オフ会でも、映画の話じゃなくて「不景気でも絶対に儲かる株」とか「カラダの中からキレイになれる浄水器の説明会」とかのセミナーをやりましょうか。

2009-02-05

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