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韓国の伝説のアニメ『テコンV』を観た!   

秘宝ナイトで韓国の伝説のアニメ映画『テコンV』を観たぞ!

『テコンV』は1976年に韓国で製作されたロボットアニメで、韓国人の誇りであると同時に反省すべき過去でもある。韓国での『テコンV』の扱いはWikipediaが(珍しく)上手くまとめているのでそちらを参照してください


映画が始まると『テコンV』復活の経緯が語られる。30年前のフィルムを2年かけて修復したのだ。このページに載せている画像は色の状態が悪いが、2年かけて修復したバージョンはかなり綺麗になっている。

フィルムを修復した人たちへの感謝が述べられると、次に子供の頃に『テコンV』を観た韓国人たちに向けて
「私たちが子供の頃にはテコンVがいた。私たちが使う文房具にもテコンVがいた。」
といったナレーションと映像が流れる。そして当時の子供がお父さんになって、自分の子供と一緒に『テコンV』を楽しんでいる写真が出てくる。思わずしんみりとくる。そして『テコンV』本編が始まる。

『テコンV』本編の導入部分は、クラシカル・ディズニー(白雪姫やシンデレラ)の導入部分と同じである。登場人物が森の中を歩いていると、どうぶつさんたちがやってくるパターンである。ただ『テコンV』がクラシカル・ディズニーと決定的に違うのは…

どうぶつさんと戯れるのがお姫さまじゃなくてハゲの中年男性!この時点で場内爆笑だった。しんみりした気分も吹き飛んだ。っていうかこれはディズニーキャラのチップとディールだよね?ディズニーmeetsマジンガーin韓国!アニメ界の石景山遊楽園!まあ森の中で動物キャラを出したらディズニーテイストになるのはしょうがないような気もするが………。


『テコンV』は1970年代の韓国で作られたので儒教的思想が強い。儒教で一番大事な要素いえば「お父さんは立派な人です」という考え方だ。あのハゲの中年男性が主人公のお父さんなのだが、超絶的に立派な人として描かれる。テコンVよりもお父さんのほうがインパクトのあるキャラなので、もっと画像を載せる。

真にカッコイいい男とはハゲが似合う男だということがよくわかるキャラだけど、男前すぎてキモい。

お父さんが北朝鮮的な悪役と言い合いになるシーンでは、お父さんの周りをハトが飛び交うという凄くわかりやすい演出がある。鳩山首相にも是非身に着けてもらいたいワザだ。


主人公やお父さんが精悍な男前として描かれる一方、日本人の顔はカッコ悪く描かれる。『テコンV』でも主人公が日本人とテコンドーで勝負して勝つシーンがあるうえに、その後のストーリーに絡まない。単に日本人が負けるだけのシーンなのだ

他にも韓国独特の要素として、テコンVはテコンドーで悪のロボットと戦い、脚本には韓国独特の思想「恨(ハン)」を組みこんでいる。

とうぜんながらテコンVはマジンガーZのパクリなので、コクピットのシステムはマジンガーZにおけるホバーパイルダーと同じである。ホバーパイルダーが出てきたときはマジンガーZ世代の人たちが笑っていた。


『テコンV』はかなり面白い。当時の韓国の価値観が子供向けアニメに思いっきり反映されていて、ネタとしてはもちろん勉強になる意味でも楽しめる。今の時代から見たら『あしたのジョー』や『巨人の星』だってネタであるが、そこに70年代韓国テイストやパクリネタが加わって、さらに楽しめるのだ。

今回は秘宝ナイトのみの特別上映だったが、日本での一般公開に向けての動きもありそちらに期待したい。永井豪さんならきっと頭の柔らかい反応を見せてくれるはずだ!(というか実際にそういう反応を見せているらしい)


韓国で111メートルのテコンVを作るというニュースが流れたときに、テコンVの存在を知った韓国嫌いの人たちが思いっきりテコンVをバカにしていた。しかし日本が誇るゴジラだってアメリカ映画の『原子怪獣現る』のパクリだ。50歩100歩だがそんなものどこだってやっているのだ。でも111メートルのテコンVってのはホントにバカだなぁ。

そして現在のテコンVは竹島の守護神として日本をやっつけている。この動画は韓国のCMである。流れている音楽はテコンVの主題歌で、映画本編を観たあとにこの曲を聴くとなぜか好きになってしまう珍曲。僕の「カタカナで歌ってみたい曲ベスト3」に入った。

永井豪のダイナミックプロダクションはこのCMに対抗して、マジンガーZがテコンVをやっつけて「著作権を守ろう!」と主張するCMを作ったらどうでしょうか?


オマケ: カタカナで歌ってみたい曲ベスト3
3位:テコンVのテーマ
2位:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナのテーマ(男兒當自強)
1位:ポリス・ストーリーのテーマ(英雄故事)

2009-09-23

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