2004年ベスト&ワースト(中間発表)
ベスト5
1位:ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
2位:ハウルの動く城(予定)
3位:ドーン・オブ・ザ・デッド
4位:下妻物語
5位:スクール・オブ・ロック
というわけで何故か「スクール・オブ・ロック」を「DOTD」「下妻」より下にしてしまいました。星の評価とはズレますが、やっぱり順位にして選ぶと作品の完成度よりも自分の好みを優先させてしまいます。また2004年のベスト2、場合によってはベスト1には偉大なる映画監督:宮崎駿の遺作(予定)である「ハウルの動く城」が入ると思われます。って悪い冗談ですね。いつまでも優れた作品を作って欲しいです。
ワースト10
1位:ブラウン・バニー(公開は03年)
2位:DEEP LOVE アユの物語
3位:キューティー・ハニー
4位:恋人はスナイパー
5位:CASSERN
6位:沈黙の標的
7位:クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち
8位:レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード
9位:イノセンス
10位:みなさん、さようなら
ふがいないベストに比べてワーストは大充実!もう既に10本以上出揃っています。まあ積極的にクソ映画を観に行った自分が悪い。「沈黙の標的」「クリムゾン・リバー2」のようなバカ映画に「イノセンス」「ロスト・イン・トランスレーション」「みなさん、さようなら」のように”作品としては優れているんだろうけど僕個人が気に食わん!”といった映画が絡んでくるのが理想的なワーストですが・・・今年のワースト上位5本は映画として問題外、最低最悪の作品達が揃いました(あれ?ほとんど邦画だ)。以前ハリポの事を「説明的すぎる」と批判しましたが、この5本を観た後だと説明つけてくれただけマシだったことがよくわかります。
● アルカトラズの囚人 ★★★★
ゲイリー・オールドマン演じる囚人が脱獄不可能と呼ばれた刑務所からの脱出に成功。彼にはとある目的があったのだが、地獄の看守軍団やアラン・リックマンが立ちはだかる!という映画。っていうか遂にこの映画を誉めてしまう時が来たか!長かったぜ。
04/06/23 TOP文のみ更新
雑談
ずっと前にインディ・ジョーンズのDVDボックスセットを買って、最近になってようやく観れた。スピルバーグといったら「ジョーズ」「激突」が大傑作だけど、スピルバーグがその天才的な映画の才能を娯楽に注ぎ込んだこのシリーズも最高だ。僕は「魔宮の伝説」が一番好きだけど、3部作を改めて観ると「レイダース」がもっとも純然たる娯楽映画になっていると思う。
そしてもう一つ驚いたのが・・・無い!無い!ミスが無い!「レイダース」は大ミス(転がる岩を転がす棒が見える、インディと蛇が対峙するシーンで間にガラスが見える)が多いことでも有名な映画なんだけど、そのほとんどが修正されている!素晴らしい根性です。
● スパン/SPUN ★★
この監督の作るPVは大好きだけど映画はダメだった。ミーナ・スバーリファンは観てはいけないぞ!
● 21グラム ★★★
人が死ぬ瞬間体重が21グラム減るという昔のトンデモ学説(もちろん迷信)をモチーフに”命の喪失”を描いた作品。映画はストーリーの時間軸をズタズタにして観客を混乱させる。そして観客が頭の中でようやくストーリーが組み立てられる状態になったとき、観客は”命の喪失”の意味も頭の中で感じ取る。21グラムという数字はとてつもなく軽い、世界のどっかで誰かが死んでも僕にとっては21グラムよりも軽い。でも”命の喪失”ってのはそういうことじゃない。
● キッチン・ストーリー ★★★
オチは[トラクター野朗が高椅子に座って3人とも仲良しになる]だと思ったんだけどなぁ。心をくすぐられる感じの穏やかなコメディだけど、[逆に観察されていた]という映画的なネタがあんまし面白くない。
04/06/17 TOP文のみ更新
スクール・オブ・ロック ★★★★★
試写会でもイベントでもない一般上映なのにクライマックスと上映終了後に拍手が起きたのはビックリした。こういうのって極めて珍しいぞ。
おしとやかな人が花をたしなむように、おしとやかさと無縁な僕は岩や金属をたしなんでいる。僕がこういう音楽を聴くようになったのは90年代後半のモダン・へヴィネス大流行がキッカケなので正統なロックとはちょっと違うけど、それでも「クラシック音楽?ああ、クラシックって確かにいいよね。ディープ・パープルとかレッド・ツェッペリンとかよく聞くよ。」と常々思っている。(ディープ・パープルは現在も活躍中)
映画「スクール・オブ・ロック」に出てくるロックはどちらかというとクラシックなロックが出てきます。だから「ロックなんて普段聞かないよ!」って人も大丈夫。僕にも結構難しいネタがあったけど楽しめた。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のイントロがわかれば十分だと思う。ちなみにパンフレットには「(この映画で使用されているのは)主にBURRN!に掲載される音楽だ。」という大雑把でありながら非常にわかりやすい解説が載っています。
映画「スクール・オブ・ロック」の音楽はAC/DC系でクライマックスでは[ジャック・ブラックが小学校の制服スタイルで登場]するという、AC/DCのアンガスの存在自体が映画の伏線になっているネタも披露します。
ストーリーはハードロックバンドのギタリスト(だけどダメ人間)がバンドをクビになって、本格的にダメ人間になってしまった。しかし彼はひょんなことから超エリート小学校の教師に成りすます。そして教壇に立ち教鞭を振るうことなく偽教師を演じ続ける。だがある日担当クラスの小学生達がクラシック演奏をさせればものすごい力を発揮出来ることに気がつき、「それじゃあこいつらにロックバンドをやらせよう!」と思い立った。だが相手はポケモン世代の小学生、ロックのなんたるかを全く知らない!というわけでダメ人間と子供達のスクール・オブ・ロックの日々が始まる。
映画「スクール・オブ・ロック」は何がイイって映画の観客をジャック・ブラックという最強キャラに感情移入させるのです。観客はジャック・ブラックの暴れっぷりを楽しむ形式の映画のはずなんですが、子供達に対しては観客はジャック・ブラックの視点と一致する。僕達観客はロックの授業では子供達の才能に(ジャック・ブラックの視点で)驚き、子供達がロックを目指して頑張る姿は(ジャック・ブラックの視点で)楽しい。そしてクライマックス直前、子供達が[学校から追放されたジャック・ブラックをスクール・バスで迎えに行く]シーンは(ジャック・ブラックの視点で)嬉しいのです。
だから観客はクライマックスの[ジャック・ブラックのダイブ]に拍手をするのです。僕達観客にとって一番感動できることは[ダメ人間のジャック・ブラックがオーディエンスに受け入れられること]なのだから。
でもこの映画で残念なことが一つある。大人の視点で描かれているのがダメ。ジャック・ブラック(時々すごい男前になるね、コイツ)があまりにも強烈すぎて子供達の視点まで奪ってしまっている。自分の趣味を子供達に押し付けて「子供がやってるよ!すげーよ!楽しいよ!」と満足しているのと同じ事をやってしまっている・・・だからこの映画は面白いのか。
追伸:ロックン・ローラーといえども算数位は出来なきゃダメだぞ。
ミーシャ・バートン
秘宝掲示板でミーシャ・バートンネタの話題がありました(1年に1回位ネタになってるような気がする。毎回僕にネタを振ってくれる方々、ありがとうございます)。そして僕が最も尊敬する映画評論家の一人、町山氏の
町山智浩アメリカ日記でも現在ミーシャ・バートンネタがあります。
ミーシャ・バートンは1年程前から急激な変化をしていましたがその結果がアレだとわ、ちょっとビックリ。
そして町山氏に対するレスの中に
「これを作った人はどう思うのだろう」とありますが、
これを作った人は
「全然OKです!バッチコイですよ!!」と言ってますよ。そもそも僕はお姉さま、おばさま系の女優が大好きなのでミーシャ・バートンは理想通りの成長です。以前ミーシャ・バートンが「未来のジュリア・ロバーツ」と呼ばれているので
ちょっと怒りましたが、実際ジュリア・ロバーツ化している彼女を見ると
同じ美少女ゲロのリンダ・ブレアのように成長しなくて良かったと思う。
オマケ:
ミーシャ・バートンのページはまだIMDBとか知らなかった頃に、当時つきあっていた男優・女優にメッチャ詳しい彼女から情報仕入れて作りました。当然その彼女には
物凄く嫌がられた上に、彼女の家に行ったら僕の目の前で
「この人美少女ファンページ作ってるのよ。どうしたらいい?」と彼女の母親にまでチクられました。
レニー・ハーリンも作ってたっちゅーねん!
04/06/15 TOP文のみ更新
カレンダー・ガールズ ★★★★
注:ややネタバレ気味です。
思春期の男子の悩みと言えば「部屋に隠したエロ本が母ちゃんに見つかった」でしょう。しかし「カレンダー・ガールズ」で描かれる恐怖はそれ以上、なんせ「部屋に隠したエロ本が母ちゃんに見つかったら、母ちゃんがエロ本に出ようとしている」ですから。ぎゃあー!
でもこのジャンル(あるのか?)では既に究極の恐怖というものが描かれていて「サウスパーク 劇場版」では「スカトロ専門サイトを見ていたら女優が母ちゃんだった」というのがありました。関係無い話ですね。
「カレンダー・ガールズ」は婦人会のおばちゃま達がヌードカレンダーを作って大変な話題になったというイギリスの実話の映画化です。
映画が始まると田舎町のおばちゃま達の精力的な婦人会の活動が映し出されます。このおばちゃま達がヌードになると思うとちょっとゲソッときますが、始まって3分位でヒロインのおばさんが巨乳(ハリポのロンの母親)だとわかるので、もう大丈夫。むしろ早く見たくなってきます。
「カレンダー・ガールズ」はテンポの良い作品で、ヌード・カレンダー作成騒動が序盤です。婦人会のメンバーが息子(スリップノット、パパローチ好き)のエロ本やヌード・カレンダーから婦人会のヌード写真を思いつき、早速婦人会にヌードの話を持ちかけます。
「ねえ、あなたヌードになってみない?」
「私は55歳よ!・・・・・・・・・今脱がないでいつ脱ぐの!」
と女気溢れる台詞が胸を打ちます。ちなみに僕が爆笑したヌードを誘うシーンは
「ねえ、あなたヌードになってみない?」
「いいわ、でも局部を写すのはダメよ。女としてここを捧げたのは生涯でただ一人なの」
「あなたは何て夫思いの人なの!」
「違うわ、夫以外の男性よ!」
おばちゃま達がヌードになるので、当然夫達との確執も描かれると思いきや全部省略。夫達が酒を飲んでうなだれているというシーンがあるのみです。
そして中盤がヌード・カレンダーの発行騒ぎと、おばちゃま達がヌードを公開することが多くの人々を元気にさせていく様を描きます。そのメタファーとして劇中何度もひまわりが登場します。花が枯れるのは早いかもしれない、でもひまわり(女性)が素晴らしいのは常に太陽を求めている(前向き)からだということです。
そして後半はヌード・カレンダーが大ブームになるのと、女性がヌードを公開することの悪影響を描きます。優れたコメディ映画でありながらネガティブな部分もキッチリ描くのに感心しました。
ところで僕がかなりビックリしたシーンがあります。後半でカレンダー・ガールズ達はハリウッドに行って豪華なプールで有名ロックバンドと仲良くなります。そのロックバンドのメンバーがカレンダーガールズ好きだったらしい。ロックバンドとヌードモデル、よくある組み合わせですが・・・そのロックバンドは何とアンスラックス!!映画館で仰天しました。
掲示板について
破壊屋ロゴはいつものやつがデフォルトです。でもこういう風に時々気分転換もやります。
○掲示板は特にルール無しです。
○僕からのレスはほとんど無いので期待しないでください。
○雑談掲示板で映画の話をしても構いません。
○ネタバレは<font color="white"> </font>で文章を囲んでください。文字が消えます。
○僕のミスの指摘は大変有り難いです。
○通りすがりや捨てハンの人にはレスつけませんが、使っても全然構いませんので遠慮せずに。
○通りすがりじゃない通りすがりや、毎回捨てハンの人もいますがそれも構いません。
○でも同じスレッドで同じ人が違う名義でレスつけるという器用な真似はやめましょうよ。
● シルミド ★★★★
愛を大量消費させまくりの映画界、女性客を動員しないとやっていけない映画界。そんな中とてつもない男気映画が出てきた!こいつはスゲエ。こんだけ男性俳優が大量に登場するのに美男子が一人しかいない!なのに全員めちゃくちゃカッケエ!こういうジャンルはもう韓国人に任せます。
● スターシップ・トゥルーパーズ2 ★★
「最悪映画!」という前評判しか聞いてなかったので全く期待していなかったのですが・・・。結構面白いじゃん。っていうか僕は日本人だぞ!最悪映画なんて「DEEP LOVE アユの物語」「恋人はスナイパー」「CASSHERN」「キューティー・ハニー」で散々鍛えられているっちゅーねん!この程度で最悪映画を名乗ろうなんて・・。
● 深呼吸の必要 ★★★
田舎の畑に行った美男美女達が鎌を振りかざす映画なので「ヒューマン・キャッチャー」と間違えて観に行った(嘘)。
04/06/13 TOP文のみ更新
スターシップ・トゥルーパーズ ★★★★★
ハイスクールを卒業した主人公の少年がガールフレンドを追っかけて軍隊に入隊。でもそのガールフレンドは主人公を見捨ててエリートの男性と恋に落ちてしまった。失意に落ちる主人公だけどハイスクール時代から主人公に思い焦がれていた女性も出てきた。この4人の関係は一体どうなってしまうのか?そんなとき主人公たちの故郷ブエノスアイレスで大事件が起きた。ブエノスアイレスが壊滅したのだ。原因は宇宙からの隕石攻撃だった。
地球連邦軍は大宇宙艦隊を編成して出撃、敵地を目指して進撃する!だがその時宇宙空間を切り裂くプラズマ砲が出現!宇宙戦艦は次々に撃沈される。プラズマ砲の正体は昆虫のお尻から出る何かだった!(マジ)。そこで歩兵部隊は昆虫のお尻に核爆弾を突っ込んで倒す!(いや、マジだって)。そして歩兵部隊は全員叫びながら突撃という実に男らしい攻撃を実行する。
以上のように高テンションのストーリーですが、この時点で「スターシップ・トゥルーパーズ」のストーリーのまだ半分にも達していません。この後さらに映画のテンションはあがります。バグ(昆虫)と人間の戦争は始まったばかりなのです。
Forget the insecticide, bring on the NUKES!
殺虫剤なんて忘れろ、核兵器持ってこい!!
(この最低の文章が劇場公開時のキャッチコピーです)
「スターシップ・トゥルーパーズ」は超傑作の映画で、1998年の僕のベスト1作品です。低予算のホラー映画にはバケモノが出てきて、人間の手足を切断したり、焼いたり、溶かしたり、脳ミソ食べたりする描写がよくありますが、「スターシップ・トゥルーパーズ」はそんな描写を
100億円以上かけてやってのけた素晴らしい映画です。監督は僕がレニー・ハーリン先生と並びもっとも尊敬しているポール・バーホーベン
先生。この二人は
男らしい映画監督という点で共通しています。
ポール・バーホーベン先生の作風といったらそりゃあ勿論女性蔑視なんですが、本人が
女性蔑視にまるで気づいていないのが実に男らしい。ポール・バーホーベン先生は「未来社会は男女平等が実現されているはずだ!」いう思想を持っており、「スターシップ・トゥルーパーズ」では男も女も皆一緒にシャワーを浴びています。
それは男女平等じゃないだろう。単純に
男の夢だろう。っていうか「ロボコップ」のロッカールームでも同じ事やってたし。撮影中はもちろん俳優達が裸になるのを嫌がったので、ポール・バーホーベン先生は
男らしく自ら裸になって、「恥ずかしくない!」と俳優達を指導したそうです。それは演技指導じゃなくてポール・バーホーベン先生が
単純に脱ぎたがったからでしょう。裸を見せたい変態だからでしょう。
「スターシップ・トゥルーパーズ」はアメリカでは大不評を買ったのに、何故か日本では大変評判が良い(本国ではビデオ扱いの続編も日本では劇場公開されている)。以下は僕の個人的な考えです。
「スターシップ・トゥルーパーズ」は
戦争やったるぜ!という概念の元に様々な
狂気の描写が映し出されます。映画の導入と最後は軍隊の勇壮な
戦争賛美のCMが流れ、未来社会では軍隊に入らないと市民権が手に入らないという設定になっている。地球連邦軍は
ナチスの格好をするし、子供を兵隊にしても主人公はそれを感慨深く見ている。マスコミに「敵と共存する方法はあるのでは?」と聞かれた主人公は
「皆殺しだ!」と答える。そして
映画のオチは捕虜虐待(女性器にドリルを突っ込むとか)。しかもいずれのシーンも戦争に対する皮肉というわけではなく、
そういう描写が好きだからやりましたというポール・バーホーベン先生の意図が見えてくる。
これは
戦争を政治手段にしてしまっているアメリカ人にとっては大変居心地の悪い描写なんだと思う。
戦争は狂っていない、でも「スターシップ・トゥルーパーズ」は狂っているという矛盾があるから映画を肯定することが出来ない。
それに対して戦争放棄し、戦争とは悪だ!それ以外の何モノでもない!という概念がある日本人にとって
戦争は狂っているし、「スターシップ・トゥルーパーズ」も狂っているとしか思えない。だから作品の
狂った描写を心の底から楽しむ事が出来るんだと思う。
実際「プライベート・ライアン」を観ても「リアルな戦争だなぁ」としか思えなかった僕が、「スターシップ・トゥルーパーズ」を観たときは戦争は悪だ!どんな理由があろうともやっちゃダメだ!という事を改めて気づかせてもらいました。
注:文中の「男らしい」は「バカ」に代えて読んでください。
ホーンテッド・マンション ★★
お父さんは仕事が忙しくてなかなか家族一緒に休日を過ごすことが出来ません。でもお父さんは何とか頑張って休みを作ってくれました。家族みんなで車に乗って東京ディズニーランドのホーンテッド・マンションにお出かけです。
この文章から斜字の部分を抜くと、映画版「ホーンテッド・マンション」のストーリーです。現実の家族の休日と同じ事をやるだけ、流石ディズニーのファミリー映画です。
でも中盤からは昔々、ある大金持ちのお屋敷で美しきお嬢様が死んでしまう。婚約を控えていたのに死んでしまった彼女はその強い恨みのために成仏できず、黒い存在となって現代に蘇りお屋敷を売り飛ばそうとやって来る!というそれらしい展開になります。
僕が幼稚園児の時東京ディズニーランドにホーンテッド・マンションが登場しました。出来立てホヤホヤのホーンテッド・マンションで僕は怖さのあまりワンワン大泣きした記憶がある。だからホーンテッド・マンションの映画版であのテーマソングが流れてくると結構ドキドキするものがあった。でも映画本編はビックリするほど怖くない。っていうかホーンテッド・マンションなのに主題歌はラップでした。
普通こういう映画には悲鳴要員っていうのがいます。ホーンテッド・マンションにやってくる主人公一家は父親(エディー・マーフィー)、母親(幽霊が狙う女性)、娘(気が強い女の子)、息子(気が弱い男の子)というメンバーなんだけど、悲鳴要員はエディー・マーフィーで女子供が全く怖がりません。気が弱いという設定のはずだった息子ですら幽霊の大群を見かけたらポツリ[「I see dead people.」とシックス・センス]のパロディを決める。強い父親像が常に求められるアメリカのファミリー映画で、父親が一番弱いというのは時代なのでしょうか。まるで日本のホームドラマです。
映画の中盤からはエディの奮闘ギャグがメインで面白いんだけど、クライマックスがあまりにも弱すぎるのが大きな減点。英国式貴族社会の雰囲気バリバリのホーンテッド・マンションに、コテコテのアメリカン黒人ファミリーがやってくるという対比は面白い。
04/06/08 TOP文のみ更新
キューティー・ハニー ★
この映画を観続けることは「パッション」の拷問を見続けるよりもずっと辛い苦難でした。今まで何度も何度も映画館に行って途中退出は一度も無かったけど、流石に「キューティー・ハニー」は途中で抜けようと考えました。BGMのほとんどが「ぱっぱや~」で、女優が「にゃー」「にょー」とか喋っていて、アクションシーンで「いやよ、いやよ」とか「チュクチュクしちゃう」とか流れる映画なんてガマン出来るわけがない!「俺はこういう女と一緒にいてどれくらい耐えられるのだろう?」と自分を試すつもりで頑張りました。その結果90分以上も耐えられるということがわかったのが収穫かな。
とてもじゃないけど映画を観ている感覚がなかったです(ハニメーションって言うんだっけ?)。映画のレベルが余りにも低すぎる。低すぎて映画が始まっても始まった事に気がつかなかった。だらだら映像を観ているうちに「え、これが映画本編なの?」と思ってしまった。よく映画本編が流れる前に、その映画に関するCMやPVが流れたりするけどそれだと思ってた。っつーか劇中CMやりすぎ!企業や商品の出し方が不自然すぎる!
「キューティー・ハニー」はバリバリのコメディ映画なんだけど、全編に散りばめられた無数のギャグが全て外れていた(ミッチーが歌うシーンで女性観客が数人笑っただけ)。こんなコメディ映画は初めて観ましたよ。バカ騒ぎしている映画の内容とは対照的に映画館の中は異様に寒い空気が流れていて、まるで「デイ・アフター・トゥモロー」の図書館状態。
映画監督だったら「女優を自分のイメージ通りにイジりたい」という願望があるのだろうけど、「キューティー・ハニー」の監督は「女優をイジってアニメキャラにしたい」という欲望があってそれが気持ち悪い。この監督は多分「愛」を「自分が他人から与えられる強い感情」としか思っていない。愛は物事の決着をつけるだけ、愛が物事を作り出すって事は考えない。だから劇中愛を全く描いていないのに「愛を信じるんだ!」と叫んで、愛が全てを解決するクライマックスをやってしまう。
僕と「キューティー・ハニー」を作った監督の感性は完全に合わない。「キューティー・ハニー」はチャリ・エンを意識した部分もあるし、アイドル系女優がコスチューム・プレイしている点では現在公開中の「下妻物語」に似ている。でも作り手がアニオタだから「チャーリーズ・エンジェル」や「下妻物語」にあったカワイイという感覚が無い、センスも無い、ポップ感覚も無い。それにセクシーじゃない。エロいアニメ絵って確かにエロいけど決してセクシーじゃない。女として魅力があるわけじゃない。そのアニメ感覚を実写でやっている。多分アニメや特撮ものとしては面白いことをやっているんだろうけど、僕もアニメや特撮は嫌いじゃない。だから本当に感性が合わなかったとしか言いようが無い。
でも宣伝の時に騒いでいたハニメーションという概念が公開までに消え去っていて良かった。みんなすぐに忘れるように!
I CAN FLY!
●
昔映画秘宝の掲示板に「窪塚洋介のドロップキックに日本映画の未来を感じた・・・」とかカキコしたことがありましたが、今度のドロップには違う意味の未来が見えますね。でも死ななくてホント良かったです。
ピーターパンは「YOU CAN FLY!」と言ったけど、空を飛ぶには魔法の粉と夢見る想いが必要。窪塚君には魔法の粉が無かったんだと思う。ハッパじゃなくて粉(以下自主規制)
●
ジムノペディのライブに行ってきました。ああいった歌謡曲のライブは生まれて初めて。でも最後の方は結構激しく壮大になって感動した。
仕事が忙しくて着替える暇が無いのでスーツ姿で行ったんだけど、それで良かった。場所が表参道のライブハウスなので客層もそれっぽいのがチラホラ。僕はライブや音楽イベントの時は必ず足元はスニーカー!(革靴なんて仕事と法事以外に使う時あるのか?)ボトムは動きやすいパンツかGパン!(スラックス?股引みたいなもんだろ)服はアーティストTシャツ!(オシャレかどうかは関係ない。自分の趣味の主張するのに必要)頭はニットキャップかタオル!(ダイブしてくる人から身を守らないと!)なので、思いっきり浮いてしまうところだった。
●
ネット上でスパイダーマンがSM縛りされている写真を見つけた。先に言っておくけど決して僕では無い!ネット上の人に誤解されるのは構わないけど、現実の人に誤解されたらかなわん。
●
「リディック」のキャッチコピー、「壮大な銀河年代記の幕が開く 悪魔か、救世主か、危険きわまりないアンチ・ヒーロー誕生!」ってこの映画続編だよ、既にヒーローは誕生しているのでわ?
● デイ・アフター・トゥモロー ★★★
批判しているけど実は大好きなローランド・エメリッヒ監督の作品。前半ディザスター、後半サバイブで中々の出来。
04/06/06 映画の壺(ターミネーター3)更新
下妻物語 ★★★★
映画が始まった瞬間から高テンションの爆走開始!(ただし時速40キロ以下) そのまま映画は史上最速の早さで[エンディング]へ(「ドラえもん のび太の魔界大冒険」よりも早い)。篠原涼子はゲロ噴射!そして花電車!
ヤンキーも老人もみんなジャージ着ている関西地方から、牛糞落ちてる茨城県下妻市、18世紀フランスまで映画の舞台は時空自在に動く。映画はとりとめなく暴走し・・・。
僕は日本の映像界特有の「CGや編集で意外なことやればオシャレ」という感覚が大嫌いです。しかもそういった現象を映画に持ち込んで「この映画って面白い」と誉める傾向に辟易していたし、邦画の悪いクセだと思っていた。「下妻物語」はその悪いクセをやってしまっている。でも「下妻物語」に関しては否定的にはなれません、だって映画として面白いから。映画本筋の「性格の合わない女の子二人の友情」がちゃんとクライマックス目指して突っ走っています。(メチャクチャな序盤はクライマックスの[胎内にいる桃子の「私が生きるのはロリータ人生のためだけじゃない!イチゴを助けたいからなの!」]という状況の伏線になっている)
ロリータファッションに身を包んだ桃子はある日バリバリのヤンキーのイチゴと出会う。その日以来イチゴは何かと桃子に付きまとうのだが・・・。
桃子は根性が捻じ曲がっている女の子。それを自分で認めているし、反省もしていないし、改善しようとも思わない。桃子は孤独が好きで友達がいなくても構わない。自分の道しか見ていない。観客はそんな桃子に共感が出来るのです。こういう世間からはずれまくったキャラを観客に納得させるもの女優の資質だと思う。
そしてさらに強烈なキャラがイチゴ!っていうか土屋アンナ!言葉遣いも動きもヤンキー丸出しですぐに人を頭突くわ、蹴るわでカワイイ。
この二人がとてつもなくイイ!絡みを観ているだけで幸せな気分になってくる。日本の若手女優でここまで感心出来る存在は少ないぞ。
映画館の中は女の子だらけだったけど「下妻物語」は単なる女の子映画じゃない。原作者は「ハードボイルドじゃなきゃ乙女じゃない」と言っていて、実際劇中でも男気に通じる乙女チックな生き様が出てきて男性にも観れる内容になっています。劇中代官山のナヨナヨしたオカマ野郎がそれを理解させてくれる。乙女チックだろうがハードボイルドだろうが一生懸命にやっていくことが大切なのです。
「下妻物語」のクライマックスは[孤独に生きる一匹狼が、ヤクザの鉄砲玉と絆を深め合う。だがその鉄砲玉が自分の組を破門されリンチにかけられていた。孤独に生きるはずだった一匹狼は鉄砲玉を救うためにヤクザに殴り込みをかける・・・。]と同じ事をやります。何て男気があるんだろう!いや男気なんて言葉は古臭い、っつーか男じゃねえ。女気だ!下妻物語は女気溢れる青春映画だ!
以下、僕が思いっきり感動した後半の展開
[桃子はイチゴの特攻服の刺繍をすることにした。イチゴは言う「特攻服を預けるってことは命を預けることだ。お前にまかせた」。
桃子は一生懸命刺繍した。桃子は何で一生懸命刺繍したのか自分でわかっていない。刺繍を受け取ったイチゴの喜ぶ顔を見てどうして自分が泣きそうになったのかわかっていない。その気持ちが友情だってことをわかっていない。
ある日桃子に幸福がやってきた・・・。桃子は自分が孤独でも生きてられると思っていた。高校時代がずっと一人でも平気だった。「不幸には耐えられる」。自分の内なる世界を信じている桃子には孤独なんて不幸ですらなかった。でも不幸よりも耐えられない事が出てきた。「幸福になること」。幸福を目の前にした桃子は初めてイチゴにすがろうとしした。そして自分を励ましてくれるイチゴを見てわかっていなかった事がわかった。でもそのときイチゴはピンチに陥ってしまった。
モモコは自分の意思でイチゴの元へ向かう決意をする。憧れの神様も賛成してくれた。桃子は爆走する、スクーターの時速は30キロかもしれないけど、もう誰も桃子を止められない。だからトラックにぶつかってもヘッチャラ。道には牛糞、はじけるキャベツ、フリルの服からこぼれるのはパチンコ玉。そこは下妻。
ラストシーン。桃子とイチゴはボロボロの顔で笑う。そんな二人がかわいくてかっこいい。
]
オマケ
● 女性の攻撃性を示すシーンでハンドボールが出てくるのは、元ハンド部としては複雑な気分でした。
● ヤンキーの女の子ってカワイイのにどうして男の趣味はヒドイのだろう(劇中だけじゃなく現実も)。
● 宣伝で「超大物がゲスト出演!」って煽っているけど僕は芸能人とか全くわからない。だから「超大物がゲスト出演!って言われてもなぁ」と思っていたら・・・あの御方だとわ!
● 映画館にはロリータファッションの女の子が多かった、かわいかったぞ。ああいう女の子達って好き。でも男がやるのはどうかと。
雑談
予告編に「勝手に日本語字幕をつける」という手法がよくあるけど、「マッハ!」のそれがやり過ぎていて面白い。
● キューティー・ハニー ★
ワーストだらけの2004年だけど、これは今年のワースト3に入る。
● ポータブル空港 ★
「キューティー・ハニー」の上映前に流れたショート・フィルム。これも最悪。
● みなさん、さようなら ★
宗教談義、哲学談義、フランス艶笑小咄が延々と続く。「女優が川に入るシーンでオナニーした」「それで川が白く濁った」 つまんねー。
● カレンダー・ガールズ ★★★★
文明国の男性ならきっと誰もが経験しているであろう恐怖、「部屋に隠したエロ本が母ちゃんに見つかった」。だが真の恐怖はそれではない!真の恐怖とは「部屋に隠したエロ本が母ちゃんに見つかったら、母ちゃんがエロ本に出ようとしている」だ!ぎゃあー!
04/06/01 映画の感想更新
クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち ★
「最後の審判の日・・・目覚めるのは神か悪魔か」
って
目覚めるのは寝ていた観客だろ!そのくらいつまらん。
ミステリーやサスペンスには連続殺人モノというジャンルがあります。横溝正史の金田一耕助なんかが有名ですね(知らん!という人は「金田一少年の事件簿」でも可)。連続殺人モノは殺人事件が何度も起きるので、
探偵役の主人公が役に立っていないとしか思えないという欠点があります。
また連続殺人モノの要素として多いのが見立て殺人です。横溝正史で言えば「八つ墓村」や「犬神家の一族」、アガサ・クリスティで言えばマザー・グースをモチーフにした「そして誰もいなくなった」なんかが有名ですね。映画作品で一番有名なのはやはり「セブン」でしょう。7つの大罪をモチーフにした連続殺人が起きるという内容は実に陰惨で斬新でした。
そして
バカのリュック・ベッソンが選んだ見立て殺人の題材は素晴らしいです。
キリスト12使徒連続殺人事件、つまり
12人殺されても犯人が捕まらない。主人公や警察が物凄いバカにしか見えない。
映画のストーリーはこんな感じ(少しネタバレ)
異端系の修道院の壁に十字架を打ち込むと血が流れてきて、壁の中に死体があることが判明する。そこへジャン・レノ演じる刑事が
「寄付にきました」と
エスプリの全く効いていないジョークを披露しながら登場。事件の謎を捜査する・・・。って修道院の壁に死体が隠してあったんだから、
もちろん修道院側が犯人なわけですが、ジャン・レノはそこに関しては全く捜査しない。修道院側の
「先週地元の業者に壁の塗り替えを頼んだけど、その記録は残っていません。」と言われてジャン・レノは納得してしまう。しかもジャン・レノはDNA鑑定が好きなので壁に塗り込められた遺体は掘りもせずにDNAを調査する。どういう事かと言うと壁から採取した血液でDNA鑑定、そしてDNAから遺体の身元や顔写真を調べる。ってDNAはそこまでわからねえよ!それよりも遺体を調べれば一発でわかるだろ!まあきっと被害者がDNAまで保存されている前科者か、もしくはフランスがSF小説並みの管理国家で全国民のDNA情報を持っていたのでしょう。
結局遺体は壁の中のまま。
この事件以降、12使徒連続殺人事件が起きる。12使徒と同じ名前と職業の人間が次々に殺されるのです。
その頃ブノワ・マジメル演じる若い刑事が
イエス・キリストを車で轢いてしまった。
キリストはフランス人じゃねーだろうという疑問を余所にキリストは病院に収容される。そして病院でジャン・レノとブノワ・マジメルは出会い、二人で事件を解決することになる。
さてこの
キリストや12使徒連続殺人事件は本筋とは関係がありません。「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」の本筋は
悪のドイツ人達がマジノ線にある秘宝を求めて主人公達と対決という、リュック・ベッソンが「インディ・ジョーンズ」か「トゥーム・レイダー」を観ながら思いついたストーリーです。どうして12使徒連続殺人事件が起きたのかというと、12使徒と同じ名前と職業を持っている
12使徒コスプレ集団が、[
たまたま秘宝の入り口を見つけたのでドイツ人達]に殺された、それだけです。クライマックスでは
「12使徒連続殺人事件は些細な事だ」という素晴らしい台詞もあります。
「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」の宣伝を観た人達ならわかるでしょうが、この映画には
黙示録の天使たちと呼ばれる者達が出てきます。彼等は黒い修道服を纏っていて
顔がない。また黙示録の天使たちは
超人的(ヤマカシ)な運動能力を持ち、板やガラスをぶち破り、車並みに早く走り、高い所から飛び降りても、
銃で撃たれても平然としている
不死身の存在です。
そして12使徒連続殺人事件の犯人はこの黙示録の天使たちなのですが、黙示録の天使たちは黒い修道服を纏った顔が無い男達なので
目立つ目立つ。そんな
コスプレ集団の彼等が空港や病院やスーパーマーケットで12使徒を襲う様はまるでギャグ。
っていうか黒い存在で、顔が無くて、中世武器を使い、不死者であるって・・・ベッソン!お前それ
「ロード・オブ・ザ・リング」の幽鬼を観ながら思いついただろ!
「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」は
クソ映画会社のヨーロッパ・コープの作品なので演出も致命的に下手。例えばこんなシーンがあります。
”何者かが扉を開けて忍び込んできた。その扉から風が吹き込んできてロウソクの炎を消す・・・”ってこんな古臭いクリシェが今どき通じると思っているのか?いや、これがもし中世が舞台の映画だったら問題ない。でもこのシーンの舞台って
空港の事務所じゃん。祭壇のつもりなんだろうけど突然事務所にロウソクが出てくるのは不自然だよ。
また監督に陰惨さを演出する力が全く存在しないために、メチャクチャな手法で陰惨さをアピールします。例えば刑事が被害者の奥さんの家で話をしていると無理矢理カラスが出てくる
(家の中だぞ)。また劇中の警察署は停電中としか思えない程暗く、
ガラスが全て血の赤色をした部屋まで出てきます。部屋の中をわざわざ
懐中電灯で調べるというシーンもある。
部屋の電気をつけろよ!
チェイスシーンの演出も全然ダメ。普通チェイスシーンというのは追う者と追われる者が同じ場所を走るものですが、「クリムゾン・リバー2」は追う者と追われる者が違う場所を走っているのでチェイス感が弱い。
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