ロリコン変態馬鹿映画人リュック・ベッソン
このごろ仕事を選ばないジャン・レノ
フランス最低の映画監督ジェラール・クラヴジック
そして広末涼子・・・

日本では一応話題(フランスではヒット)になっている
日仏合作映画「WASABI」


    だがこれは案の定最凶のヘッポコ映画だった! しかしその「WASABI」という映画全体に漂う、つまらないとは言い切れぬ奇妙なグルーヴ感はもしかしたら大傑作かもしれない可能性を秘めている。
    ここではそんな「WASABI」の魅力をストーリーを全部バラすことで解説して行きます。ネタバレについては途中で警告が入ります。


「破壊屋」はこの映画のおかげで生まれ変わる事が出来ました。「WASABI」と出会えた事を感謝します。





フランス刑事、日本へ行く


    パリで暴れるとにかく何でも殴る暴力刑事のジャン・レノ(ユベール役)、彼は犯人全員がオカマの強盗事件を追っている、銀行に立てこもっているオカマ達のもとへ誰に命令されるわけでもなく単身乗り込むジャン・レノ。正面から乗り込んだら早速

「よし!人質は帰っていいぞ!」

    と犯人であるオカマの言い分も無視して人質を勝手に解放する(オカマはビックリしていて何も出来ない)。だが銀行の支配人らしき男は体中に爆弾を結びつけれれている!しかし起爆装置がリモコンとかスイッチとかじゃなくて発破工事のときに使うデカイ押し込み式の装置なので、銃で犯人を撃ち殺せば事件は解決する状況。
    興奮するオカマはジャン・レノに銃を渡すように要求、ジャン・レノは密かに弾を抜いた銃を渡す。そうすると自分の銃を捨てるオカマ、弾の無い銃でジャン・レノを脅すオカマ、ジャン・レノは反撃。アッという間にオカマ達は全員逮捕。

    ちなみに爆弾はコードを引っこ抜いたら解体できた。

    暴力が過ぎていつの間にか署長の息子まで手術室送りにしていたジャン・レノ、遂に停職扱いの休暇となる。休暇中のジャン・レノはゴルフが大好きなので、銀行から振込みの催促が来ているのにゴルフ場で遊んでいる。


    昔のジャン・レノは日本で働いていたフランスの諜報部員というどう考えても無理のある設定(敵対関係も安保条約みたいのも無いじゃん)で、19年前に小林ミコという女性と9ヶ月つきあっていた。しかしある日突然ミコが去ってしまったのだ。そしてそのミコを忘れずに今まで生きていたジャン・レノ。


    ジャン・レノにはつきあっている女性ソフィア(キャロル・ブーケ)がいたが、お互い本気になれない。
「私はベッドが得意よ、かわいい子供を産むわ日本人のことは忘れて」
    とジャン・レノに警告するソフィア

    そんなとき日本の弁護士(フランス語堪能)からジャン・レノに連絡は入る。その内容は19年間音沙汰無しだったミコが死亡したので今スグ日本に来て欲しいというものだった。


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アキバに到着


    ジャン・レノは「あれは 特別なです」というサンプリング曲が流れる成田空港に到着、とりあえずしつこく手荷物検査をうながす日本の税務署職員(フランス語堪能)を殴る。9.11以前に撮影されたとはいえ、テロ事件に打撃を受ける業界を無視したフランス人のエスプリの効いたユーモアです。


    その後、諜報部員時代の仲間で
「俺達は諜報部員だったんだぜ」
とベラベラ喋るモモと再開。
    どうしてモモがジャン・レノの急な来日がわかったかは
「俺は元諜報部員だぜ」の一言で済まされ二人は成田空港を離れ新宿に向かう。

    ちなみにこの映画は何故か新宿ロケが行われておらず(歌舞伎町の火事があった所為かもしれんが)
秋葉原を新宿だと言い張っている


    そして新宿(どう見ても秋葉原)についたジャン・レノとモモは連絡をくれた弁護士事務所に赴く。弁護士事務所は案の定障子戸になっている。


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広末登場


    ジャン・レノはそこで小林ミコはの死因は癌、そして実は19年前の恋で娘広末涼子(ユミ)が生まれていたことを知る、激しく動揺するジャン・レノに、弁護士はジャン・レノと広末涼子は親子そのものだと諭す。
    そして弁護士から遺書と謎の鍵を渡される。また遺書にはジャン・レノにユミ(広末)が成人するまでの後見人になるように書いてある。広末はあと2日(実質24時間)で成人なので遺言にはあまり意味が無い。
    っていうか勝手に失踪して19年間ほったらかしにしていた男に娘を頼むなんて絶対におかしい


   それに 20才になる娘の存在を知らなかった父親が、母親と付き合ってたのは19年前ってのは納得いかない。ユミの年齢を18才から20才に設定変更した時のポカだろう
    ジャン・レノが妊娠知らないうちに失踪したんだしほぼ20年前なので、父親違くない?
ネタ提供:ヤーリーさん
    脚本書いた奴は誰だ!!あ、「TAXi2」で
ブレーキ痕が魚臭いから犯人は日本車
という脚本書いた馬鹿のベッソンか。

    ここでユミ(酒飲んで警官殴って留置所帰り)の初登場シーン、広末はわざとらしくわめきながら出現、フランス語は上手いが演技は下手だ。といってもこの映画は全員演技下手なので相対的には上手い

    広末の馬鹿騒ぎ振りにショックを受けたジャン・レノに、みんなで日本酒を飲もうと差し出す弁護士(広末は未成年という設定だろうが!)、しかし ジャン・レノは徳利をラッパ飲み日本に勤務していたって嘘だろ。


    広末も母の親友ということになっているジャン・レノが後見人ということに納得、二人で新宿の街(ホントは秋葉原なので総武線が手前に見える)に出る。


だけど二日前に母を亡くした広末、超元気で友達にケータイ掛けて笑っている。


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ファンクなお葬式


    ジャン・レノとユミは小林ミコの火葬のために斎場へ。この映画は「今まで東京で撮影できなかった場所で撮影した!」と宣伝されていて、この斎場の外観がその場所。なぜ普通の斎場で撮影しなかったのかは謎です。
    またこの映画は全編とおして広末が狂ったファッションをしているがこの母の火葬シーンでも広末は首輪、肩だし、ミニスカ、赤のパンストという罰当たりファッションで敢行。 劇中の季節は不明だが、登場人物からエキストラまで長袖を着ているのに広末のファッションは露出高め。たしかにコギャルのイメージはそうだが、映画の場面と状況を無視したスタイリストのセンスは疑わざるをえない(多分スタイリストが悪いわけじゃないが)。ちなみにブランドはヒステリック・グラマー。


    ジャン・レノは小林ミコの頭に三角巾がある遺体と対面、 顔に青酸カリの結晶がついているのに気がつく。 ただでさえ不自然なプロットだがさらに

死体には死化粧が施されているし

どうして今まで結晶が落ちなかったのか


どうして鼻についているのか


どうして誰も気がつかないのか



どうやったら青酸カリの中毒死と癌を間違えることが出来るのか
絶対不可能なプロットである。


    しかも爪のあいだに土がはさまっているのでジャン・レノ
「俺医者だから」の嘘一言で火葬直前の死体から勝手に回収、広末は抗議どころか
「医者なの!?私の鼻を整形してよ」
母の死体の前ではしゃぐ


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母親のひどい扱い


    火葬された小林ミコの遺灰は東京湾に撒かれる、遺灰は勝手にまいちゃいかんぞ! しかも「漁場、海上交通の要所を避けて、陸地より20km以上離れた沖合」だ!港から捨てるように撒くなよ。 さらに遺体はもう燃やしたのに霊柩車が待機してある。
ネタ提供:アラバマさん

    葬儀が全て済んだジャン・レノと広末は母の姉の元に行く、母(推定40代半ば)の姉はどうみても70越えている老人、しかも妹亡くしたばっかりなのにやっぱり元気。ジャン・レノは広末の部屋に行きそこで死んだ母親のカルテを見せてもらう。


   ジャン・レノは広末に父親のことを聞く
広末「殺してやりたいわ」


何故殺したいのかというと・・・

広末は母に「自分は強姦されてあなたを身ごもった」と言われていたから

    自分の娘にそんなこと教える母親はいないと思うが、そーいうのが好きなベッソンの脚本なので仕方ない。焦ったジャン・レノは
「きっと君のママは君と本当の父親を守るためにそう言ったんだよ」

そりゃお前が強姦魔だからなぁ


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注:以降はネタバレです
これより下は公表されている映画の
ストーリーを越える部分です。


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    2日前に19年間想いつづけた女性を亡くしたジャン・レノと母親を亡くした広末の二人ははしゃぎながらショッピングへ


    ジャン・レノはフランスから送金しようと(口座が空だったんじゃないのか?)するがそこで広末の口座に200億円入っていることが判明、勿論広末もそのことは知らない。
    とりあえず銀座のH2へショッピングに向かう二人。でもロケは横浜高島屋。 高島屋の中で広末を狙って謎のヤクザ達が襲ってくる!BGMはプロディジーの”ブードゥー・ピープル・リミックス”!高島屋には合わない。
    セキュリティも警察も一切騒がない高島屋でヤクザをコミカルに全滅させた(っていうかジャッキー・チェン・テイスト)ジャン・レノと広末は横浜高島屋を出る。しかしストーリー上の現在地点は銀座のH2なので、横浜高島屋の目の前には数寄屋橋の交差点となっている。


    銀座で高島屋の買い物袋をいっぱい持ち歩きながら、帝国ホテルへ向かいフロントで「レオン」と同じシーンをこなす二人。部屋に入ると「レオン」の恥ずかしいシーンでもある、ナタリー・ポートマンの形態模写よろしく広末のファッションショーが始まる




だけど高島屋にはヒステリック・グラマーは絶ッ対に無い!


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アジアの猿共に人権無し


    帝国ホテルに相棒のモモが武器をスーツケースにたっぷり調達してきてくれた。マグナム拳銃に手榴弾にバズーカにミニミサイルに地対空ミサイルすいません武器じゃなくて兵器でした。っていうかスーツケース片手で持てる量と重さじゃない、それ以前に調達はできない。


    広末はジャン・レノとモモに
「踊りに行こうよ!」
と誘うのでとりあえずマグナムと手榴弾を持っていくことに。 ちなみに踊るのはクラブじゃなくてダンス・ダンス・レヴォリューション。 渋谷INTIに行った一行は日本人達とゲームで遊ぶ、日本の若者に馬鹿にされるジャン・レノ。
    そのときヤクザ達が襲撃!ジャン・レノは瞬く間にヤクザを6人撃ち殺す。役立たずのモモは「ケイシャツデース!」と叫ぶ
    逃げ出したジャン・レノと広末。
「もうわけがわかんないよ!」
と泣き出す広末にジャン・レノは優しく


「ごめん、せっかくの夜を台無しにして」


6人殺しておいてそれかい!!


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ヤクザ、しるぶぷれ?


    6人が射殺されても警察が一切動かない渋谷を後にして小林ミコの事務所を調べることにしたジャン・レノと広末。しかし事務所は既に何者かに荒らされていた・・・、のではなくて何も無かった。確かに荒らされた部屋って撮影準備メンドクサイよね。何も無い事務所(多分どっかの空き賃貸)を見ながらジャン・レノは
「ヤクザが家具も全部持ち去ったんだ、しかしミコは大事な物を持ち歩ける物に隠さない」と都合の良い推理を展開。

    荒らされた部屋ではなくて何もない部屋なので、観客にバレないようにわざわざ明かりをつけないで捜索するジャン・レノ、壁を殴って穴をあけるとそこに手帳がある
手帳にはすっげえ下手糞な字で名前と金額が、ジャン・レノは手帳を持ち帰ると今度は帝国ホテルの部屋が荒らされて・・・、というかソファーが倒れてゴミが散らかっている程度。 ジャン・レノは「これは脅しだ」と推理。

    そこにヤクザの親分(フランス語堪能)から呼び出しの電話が掛かってくる、母親の正体の調査はモモにまかせてジャン・レノはわざわざ広末を連れてヤクザの元へ行く

    っていうか娘と一緒にヤクザに会いに行くなよ!まあ「グラン・ブルー」で溺れる父親を息子と親友が助けないで海上でわめいてるだけという演出をやってのけたベッソンだから仕方ないか。


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決着まであと9時間


    ヤクザはジャン・レノと広末をゴルフの打ちっぱなしに連れて行く。ゴルフが大好きなジャン・レノは状況をかえりみずに「俺にも打たせろ」

    ヤクザの目的は広末の200億円で、広末が成人すれば口座から引き下ろせるので広末を拉致ろうとしたのだ、銀行の業務開始まで後9時間

    広末は自分の本当の父親がジャン・レノだと言うことを知る。「どうして教えてくれなかったの?」と噛み付く広末だが強姦疑惑のフォローは一切ナイ。

    そしてヤクザに連れて行かれる広末、特に助けようとしないジャン・レノ、ヤクザが銃でジャン・レノを撃ち殺そうとしたらジャン・レノはゴルフボールで反撃!、銃が無いヤクザは ヌンチャクで襲い掛かってくる!

   しかしジャン・レノはぬるいアクションでヤクザを全滅させる、そしてヤクザを倒した後に何故か1秒も無いカースタントや爆発シーンが挿入される。


    ヤクザに娘をさらわれて決着まであと9時間のジャン・レノとモモはとりあえず居酒屋へ飲みに行く(秋葉原なので石丸電気が見える)


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ニッポンの心、京都


    居酒屋でまったりと飲みながら事件の真相について話すジャン・レノとモモ。 つまみはわさびの大盛りだけ

    ジャン・レノは大臣に表彰されている小林ミコの写真で真実を知る。実は小林ミコはヤクザへの潜入捜査を行っていたのだ。


日本に潜入捜査は無いよ!
大臣じゃなくて警視総監だろ!
女性がどうやってヤクザの潜入捜査するの?
とにかく居酒屋でそんな話するなよ!
極秘捜査の記念写真なんか撮るなよ!

まあとにかくミコは潜入捜査がバレてヤクザに殺されたのだ。

    また小林ミコの遺体にあった土は京都の土であることが判明、何だよ京都の土って?

   
つまり京都で土がある場所で青酸カリで殺されて、
その青酸カリが顔についたまま東京に運ばれ、
そこの病院で”癌で死亡”と診断されたんだな?




    そしてジャン・レノの写真の裏には”始まりの地と終わりの地”と書いてある。
ジャン・レノ「ミコとは京都で出会ったんだ!そうだ、京都へ行こう」



唐突に京都ロケ


次のシーンで舞妓と京都駅が映る、その次のシーンで清水寺。

    ここでジャン・レノは絵馬を一つ手にとると・・・その絵馬には鍵穴がある!遺書と共に残った鍵で開けると中から小林ミコからの手紙が。内容は
「失踪してゴメンナサイ、任務を優先させたのです。あなたたちのためにお金を残しました(注:200億円)あの娘を守ってね」
ってな感じ、ジャン・レノは清水寺の舞台を眺めて決心をする。警察に事件の解決を頼む事を・・・。娘を守るんだったら最初っから警察に頼めよ!


京都ロケ終了

ちなみにどうして無数の絵馬からミコの絵馬がわかったのか?
そもそもなぜ絵馬に手紙があると知ったのか?
大事なものもは動かせないところに隠すんじゃなかったのか?


    とにかく一切説明がナイ脚本だ。映画の展開はリュック・ベッソンの脳内でのみ展開していく。


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クライマックス


    ここで舞台は東京に戻ります.................え?


ジャン・レノは広末を午前10時までに助けなくてはいけないんですが

1:新幹線で京都に行った
2:清水寺に行く
3:東京に帰る





午前10時過ぎるじゃん






とにかくクライマックスは銀行が舞台

    広末を無理やり連れたヤクザは金を自分の口座に振り込もうとする。しかし銀行員は先回りしていたモモだった。何の疑問も抱かずに日本の銀行でフランス語を話し掛けるヤクザ

    ただこれは映画の製作者が自分の国の聖女が電波系英語で「ふぉーろ・みぃいい」と叫んでフランス軍を率いる映画を監督したベッソンだから仕方ないですが。

   そしてヤクザの陰謀は成功する・・・。 普通の窓口でヤクザが少女を脅しながら200億の送金をするのにあっさり受理する銀行側、本人確認はサインでOK、印鑑も身元確認もいらない
    ジャン・レノ達の罠なのでツッコミ入れるところではないかもしれんが、あのヤクザは少しでも疑問に感じて欲しいし、何より映画を作ったフランス人たちも自分達に疑問を感じて欲しい
ネタ提供:もりりんさん

    本当にこんなプロットで200億手に入るのなら日本(主にミニシアター好きの人たち)とフランスが馬鹿にするハリウッド映画の脚本家達は仕事が無くなる。




クライマックス・・・

そのときジャン・レノが登場!

ヤクザ達とジャン・レノの間で一触即発の状態に・・・

しかし銀行の客も行員も実は全員警察官だった!


ここでジャン・レノの決めセリフ




















「俺にゴルフボールと銃の弾を持たすと危ないぜ」








カッコ悪い・・・

カッコ悪いよ・・・

カッコ悪すぎて恥ずかしいよ・・・

小学生でもこんなセリフ考えないよ

昔っから言いたかったんだけどさ

リュック・ベッソンって脚本、いや
映画の才能ゼロじゃん!



こんな馬鹿のせいでジャン・レノの才能が無駄に使われていると思うと腹立たしい


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エンディンブ


しかしヤクザが逆キレして発砲!

警官は全員伏せる!

ジャン・レノがヤクザを皆殺し!



こうしてジャン・レノとモモと広末は銀行を後にする・・・


    銀行の外には数人の警官と5,6人の特殊部隊SATが死ぬほどやる気のない包囲を敷いていた。空港で出てきた下っ端刑事が実はお偉いさんだったので
「またあんたか」
の一言でジャン・レノ達は取調べ無しで帰っても良いことになる、ヤクザを皆殺しにして死体をそこらじゅうに転がしまくっているのに。


そしてクライマックスが終わって・・・


    舞台は成田空港、空港のみんなが広末とジャン・レノに注目しているという商業映画とは思えない超不自然なロケーションである。
    モモはおみやげとしてジャン・レノに「日本最高のワサビだ」といってワサビを渡す。といってもスポンサーがSB食品なのでチューブ式のヤツである。


    ジャン・レノは広末に小林ミコの形見のペンを包み紙でクシャっと包んだヤツを渡す。こうして別れることになったジャン・レノと広末は父子として抱きしめあって・・・

    泣くほど嫌ならどうして別れるんだよ!連れてくOR残ればいいじゃん。セリフによると一ヶ月だけのお別れらしいが、どうして一ヶ月なのかどうしてフランスへ戻る必要があるのかの説明もナイ

    っていうか二人は資産200億円を手に入れて銀行員気絶させるくらいの金持ちなのにどうしてまだ貧乏臭いんだよ!何で飛行機の座席がエコノミー・クラスなんだよ!



    ちなみにラストシーンは飛行機にモモのミサイルとかバズーカがあることがバレてジャン・レノがビックリするというオチ。公開次期は9.11後なので結構不謹慎。


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疑問点


    これで「WASABI」のストーリーは終了です。しかしまだまだ明かされない疑問(説明をつけていない伏線)はたくさんあります。最大の疑問はどうして広末が200億円持っていたのかです。一応隠されていた手帳には金絡みのことが書いてあったが200億に達するようなモノではないし、ヤクザから200億盗んだのならヤクザが怒るのは当然でしょう。ただし小林ミコは偽装で大使館に勤めていたので、外務省関係で機密費使い込んだと思うのが自然かな?


    さらにパリの警察官が休暇で日本に来ているのに、警察手帳を出しまくるのもおかしい。人を殺しまくるのでときどき警察手帳を出さないとジャン・レノがただのコミカルなレオンに見えてしまうのはわかるのですが。


さらなる疑問として宣伝内容と実際の映画のストーリーが違ったり、パンフに劇中存在しないシーンとかがあります。ベッソンの脚本は収拾ついていないので、編集の時点で滅茶苦茶になってしまうのでしょう。


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最後に


    僕の解説を読んでおそらくリュック・ベッソンのファンは怒るでしょうが、僕だって悪名高いレニー・ハーリンの大ファンなのでお相子です。

    映画に詳しい人なら「これはバンド・デシネだから(フランスの漫画)」と反論するかもしれない、でもバンドデシネの映画って全部つまらないじゃん。

    広末はあれだけ頑張っていたのだが周囲がやる気ないのが致命的。一言も日本語を喋らないジャン・レノや推定在日20年の相棒モモが日本語喋らないのも不自然。もし喋ったらもっと不自然だけど。

    まあ製作が「フィフス・エレメント」で冒頭から宇宙人たちに英語をペラペラ喋らせておいて、ヒロイン役の宇宙人は何故か英語が喋れない設定にして自分が作ったオリジナル言語を喋らせたベッソンだから仕方ないが

続WASABIへ行く
続々WASABIへ行く



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