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田舎の村で医者いじめ?『惨殺半島赤目村』

土曜日, 7月 13th, 2013

今年の春ころの話だけど秋田県の上小阿仁村でまたまた医者がやめた。この村は医者いじめだけでなく、村内の対立が激しいことや自殺率が異様に高いことでも有名だ。そんな凄い村なら物語化したらさぞ面白いものができるけど、現在進行形の話なので物語化はできない………はずなんだけど、この村をネタにした勇気あるマンガがある。タイトルは『惨殺半島赤目村』。作者は今年映画版が公開された『鈴木先生』で一躍有名になった武富健治だ。

惨殺半島赤目村(1) (アース・スターコミックス)

『惨殺半島赤目村』の主人公は27歳の医者である三沢勇人(みさわはやと)。彼は東京在住だが都会嫌い。だから瀬戸内海にある赤目村という僻地の赴任の話を引き受ける。彼は素朴な村の生活に憧れて赴任したのに、彼を待ち受けていたのは村社会の闇と、リゾート開発された高級マンションだった。

惨殺半島赤目村01

田舎の村なのにリゾート開発したのでデカい建物がある赤目村。このマンション(正確にはホテル:スカイパレスAKAME)のモデルは間違いなくネット上で話題になったあの画像

赤目村は過去にリゾート開発に失敗した経緯がある。だから村内では対立が発生していた。リゾート開発を進めた村長派と、田舎の村でロハス的な生き方を選んだ若者たちの対立だ。主人公の三沢は村長に呼ばれた形になったため、若者たちからは敵扱いされてしまうのだ。

ちなみに上小阿仁村の医者いじめの原因もこれと同じ。村長に呼ばれた医者が自動的に村長派としてみなされて攻撃されたことだった。

惨殺半島赤目村02

田舎なので人間関係が超メンド臭い。主人公が居酒屋で「どうも」と挨拶したらこの仕打ち。

『惨殺半島赤目村』というタイトルは過激だけど、俺が持っているのは最初の一巻だけでまだ殺人事件は起きていない。でも設定と伏線がかなり複雑で読みごたえはたっぷりだ。というか設定の複雑さは執念の域に達している。村八分、リゾート開発、インフラ開発、土着の宗教や、地理から生じる文化、嫁入りシステムなど、あらゆる「村要素」が細かく設定されている。とはいえ次々に村の謎が明かされていくので読んでいて楽しい。ネット上で話題になってないのが不思議なくらいだ。

ところで俺は続きが気になって仕方ないので、ためしに『惨殺半島赤目村』が連載中のアーススターを買って先読みした。そしたらバッチシ殺人事件が起きて重要人物が殺されていて「ああ、読まなきゃ良かった!プロット追いながら読みたかった!」と後悔した。

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