2012年の映画ワーストテン

映画秘宝

2012年のベスト映画とトホホ映画が決まる!

2012年の俺の映画ベストテンだけど、1月21日発売の映画秘宝に書いたのでそちらを参照してください。2012年は日本映画が面白くてベストテンでは1位も2位も日本映画にした。その一方でアメリカ映画に期待外れの作品が多かったかな。ワーストテンは今から書くけど、一本のぞいて全部日本映画だった。面白い日本映画を観るために死屍累々を踏んできたことを再認識した。

ワースト1位:踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

この映画に何か希望を見出すなら、もう続編が作られないことだ。全編ギャグだらけなのに誰も笑わない劇場内の空気は実にキツかった。

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ワースト2位:この空の花 長岡花火物語

最初の30分間は「これはとんでもない事故物件だ!途中退出しないと大変なことになる!」と思っていたけど、諦めて最後まで観た。老人の妄想とメッセージがギッシリ詰まったゴミのような映像を150分間見せられた。鑑賞後の数日は怒りが収まらなかった。あまりにもつまらない映画は途中でも映画館から出てDVDまで待つという苦渋の決断も必要なんだな。

思想が映像となって暴走する様は幸福の科学の映画を観ているような気分だった。俺は幸福の科学の映画をその政治思想と一緒にネタにするけど、俺と正反対の思想の持ち主は『この空の花 長岡花火物語』に対してソレが出来ると思うよ。

ワースト3位:新しい靴を買わなくちゃ

パリ=ステキ、向井理=ステキ、岩井俊二の映像=ステキという過剰なイメージの押し付けにうんざり。脚本で勝負していない恋愛映画は全部苦手なんだよ。

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ワースト4位:キリング・ショット

唯一のアメリカ映画。オープニングでカフェテリアで若い人々が喋っていると彼らは突然強盗を始める。そして物語の時間軸が入り混じるようになり………つまり『パルプ・フィクション』だ。『キリング・ショット』は熱烈なタランティーノ・マニアである監督が、タランティーノと同じ会話劇をやろうとして失敗した映画。まあタランティーノの会話劇だってつまらないしな。

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ワースト5位:LOVE!まさお君が行く

コメディ映画に効果音をつけるのはどの国の映画でもやっているとはいえ、これはやりすぎ。バラエティ番組よりも酷かった。でも香取慎吾は売れない芸人を好演していた。企画に恵まれない人だよ。

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ワースト6位:DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
この映画を観ないでAKB48の悪口を書いていたらツイッター上で怒られた………のでこの映画を観て悪口書いたらまたツイッター上で怒られた。触らぬAKB48に祟りナシ、キリストを超えたのである。なーむ。

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どうでもいいが、このDVD1万5千円もする。もちろんランダム特典付きで。

ワースト7位:愛と誠

「純愛はギャグ」という点に注目したのはどう考えても正しい!でもなぜここまでつまらない…。それはマジメさが足りないからだと思う。何もかもがふざけているので、「純愛はギャグ」という一番大事な部分が成立していない。

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ワースト8位:はやぶさ、遥かなる帰還

『おかえり、はやぶさ』も酷かったが、二時間を越えた『はやぶさ、遥かなる帰還』をワーストに入れたい。はやぶさ映画三連作は、はやぶさブームを盛り上げるつもりが盛り下げたよな。あれだけ「希望」を連呼していたけど、希望が墜落する様を見てしまった気分。

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ワースト9位:ホタルノヒカリ

『ひみつのアッコちゃん』もそうだったけど、「綾瀬はるかはバカ女」という映画が量産される理由がわからない。

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ワースト10位:グラッフリーター刀牙

なぜこの内容で二時間を超える…。文字合成ギャグもやめて欲しい。バキファンでバキネタなら何でも笑ってしまう俺でもキツかった。こういう映画作ってくれるのは嬉しいんだけどね。

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あ、幸福の科学の『神秘の法』が入らなかった。それくらい酷い日本映画が多かった。今回のワーストテンには全体的にコメディ映画が多い。2012年のベスト級映画『苦役列車』『夢売るふたり』もコメディ要素の強い映画だったけど、ワーストに挙げた日本映画たちはそういうコメディ映画じゃない。脚本で笑わせるんじゃなくてCGを使いまくってネタに走りすぎているコメディ映画だ。

ワーストテンに入れるほどじゃないけど、『逆転裁判』と『貞子3D』もネタに走りすぎていた。監督の想いが凶暴に炸裂している『ヒミズ』『KOTOKO』は観ていて不愉快だった。


ベストテンのほうは映画秘宝をよろしくお願いします。ちょっと補足するけど低予算アイドルホラー『POV ~呪われたフィルム~』とさらなる低予算映画『へんげ』という二本の邦画は、アイデアを駆使すればここまで面白い映画になれるという正しい意味での「新たなる希望」だった。

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