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トリプルX ネクスト・レベル   ★★★★

『トリプルX ネクスト・レベル』は2004年にアメリカで公開されて大不評を買った。興行的にも失敗だったので、日本での公開は見送りになった。アメリカの映画評論家・ネット評ではかなり叩かれた。しかし僕は『トリプルX ネクスト・レベル』が超絶的バカ映画の傑作だと思っている。
『トリプルX ネクスト・レベル』は黒人ラッパーたちを登場人物にしているため、黒人の描き方が酷いことになっている。「黒人男性=グランド・セフト・オート(車泥棒)で生活している犯罪者」というのがさも当たり前のような設定になっている。黒人の主人公と白人のオタクとの会話のやりとりが特に酷い。
しかしその一方でこの映画は白人のタカ派の政治家(田母神前空幕長みたいな感じ)を悪役に設定している。映画の背景になっているのは当時のアメリカの外交政策と軍事法案だ。そして白人のタカ派の政治家を倒すために黒人たちが決起するクライマックスは心が激しく動かされる。「理解と歩み寄り(の外交)」の演説と、黒人たちの進撃がカットバックで描かれるシーンなんかが象徴的だ。この感動は『おくりびと』の一億倍(当サイト比)はあるだろう。


以下、再掲。


「ジェームズ・ボンドのようなセレブスパイの時代は終わった!これからはチンピラスパイの時代だ!ボーダーやスケーターをスパイにしようぜ!」

↑のように間違ってはいないが、思いっきり間違っているコンセプトを元に作られたケッ作アクション映画『トリプルX』。その続編である『トリプルX ネクスト・レベル』は、アメリカ公開時に大不評を買った。
『トリプルX ネクスト・レベル』の原題は『xXx2 State of the Union』である。「State of the Union」とは「国家の現状」で、「State of the Union Address」で「一般教書演説」となる。
『トリプルX ネクスト・レベル』はどうして評判が最悪なのか?どうして「State of the Union」というタイトルなのか?っていうか『トリプルX』のラストシーンで正式なトリプルXになれたのに、ボラボラ島に遊びに行ってしまった主人公ザンダーはどうしているのか?それらは映画本編を観れば凄くよくわかった。以下ストーリーの解説。





余談:この映画の男性監督リー・タマホリは、2006年に売春で捕まりました。買春じゃなくて売春で捕まりました


2009年の追記:この映画から5年後にオバマ大統領が誕生しました。

2009-03-07

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