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04/01/12   気分転換のためにタイトル絵をファインディング・ニモのギル風に(英文法が変)

キング・オブ・エロス ラス・メイヤー映画祭

    渋谷シネ・ラ・セットで「キング・オブ・エロス ラス・メイヤー映画祭」をやっているので初日に行ってきました。僕はラス・メイヤー作品を一本も観たことが無いのですが、伝説的な映画監督なので勉強になると思い参加。というかラス・メイヤーは巨乳と暴力を追い求めた映画監督で、同じものを追い求めている僕としては参加するしかないでしょう。
    60名しか入らない映画祭会場にはサブカル系のオシャレな女性達がいて、ラス・メイヤーってカルチャーとして確立しているんだなという印象を受けました。
    トークイベントには秘宝でもおなじみの柳下毅一郎氏、中原昌也氏が来ていました。二人がひとしきりラス・メイヤーの魅力について語られた後(DVD収録予定)に当日の上映作品「ファスター・プッシーキャット キル!キル! 」が開始。
● ファスター・プッシーキャット キル!キル!   
ジョン・ウォーターズが最高傑作と讃える伝説的トラッシュ・ムービー。3人の巨乳美女が欲望の赴くままに暴力とエロを楽しむというプロットは本当に僕好みで最高なんだけど・・・トラッシュ(クズ)・ムービーはトラッシュでしかない事を再認識。やっぱ僕はチャリエンでいいや。でも同日に観た「ジョゼと虎と魚たち」に比べるとおっぱいの大きさが10倍位あってそこらへんは良かった

● ジョゼと虎と魚たち   ★★★★
妻夫木聡が街を歩いていると、乳母車が転がってきてその中には池脇千鶴がいた。そして始まるラブストーリー。って書くとアホかと思えるけど、この映画はチンピラが「謎の乳母車の中にはどんなお宝が?」という会話からストーリーが始まる。こうする事で「乳母車の中には美少女がいた」という設定がアホじゃなくて、男と女の出会いになる。これぞ映画の脚本てやつでしょう。

ミスティック・リバー   ★★★★

    涙がとどめなく流れる映画(BYおすぎ)。僕も秘宝板読むまで気がつかなかったよ。映画館でこの話題で盛り上がっている客達がいました。
    子供の頃仲良しだった3人の少年(ジミー、デイブ、ショーン)。だがある日デイブがジミーとショーンの目の前で誘拐され性的虐待を受ける。ジミーとショーンはデイブが誘拐された時に、ただ見ている事しかできなかった。
    25年後、惨殺事件が起きた。被害者はジミーの娘。ショーンは事件を捜査する刑事、そしてデイブが容疑者だった。


    ミスティック・リバーとは罪が沈む川。日本で言うところの[ヤクザが色々沈めた大阪湾(違う)]。下水道に落ちていったボールは二度と取り戻す事が出来ない、[一体いくつのボール(死体)が落ちたのかはわからない。だってジミーは・・・。
   少年の時のジミーとショーンはストリートで誘拐されるデイブを見ていただけだった。大人になった二人があのストリートに立った時も、再び見ているだけだった。そのストリートにはボールが落ちていった下水道(ミスティック・リバーのメタファー)があった。デイブもそこに吸い込まれていった。もしマンホールの蓋が取り外される時が来たら・・・その時ジミーとショーンは?
]
    ショーン・ペン、ティム・ロビンズ、ケビン・ベーコンというクセの強い主役級俳優を3人も揃えた映画。あのローレンス・フィッシュバーンですら脇役にきっちり納まっています。クリント・イーストウッドの前には彼らもおとなしくならざるを得ないのか?いや、クリント・イーストウッド監督が本当に凄いのは、三人の個性を主役として発揮させながら丁寧に捌いているその手腕だ。
    ブライアン・ヘルゲランドは僕が今一番好きなハリウッドの脚本家になりそうです。この人、単調なトリックを強烈に使うのが実に上手い(実際今回もトリック自体はたいした事はない)。
   「ブラッド・ワーク」に続きドーナツネタが登場するのも印象的。

苦言

    鑑賞マナーが守れていない奴がいたらなるべくその場で注意してきたけど、最近本気で困った事態が発生。映写室で競馬中継観るのは止めろ。音が思いっきり場内に漏れていたぞ。

A.C.

    月曜日夜のEXTREME THE DOJO VOL.7(デス系、ハードコア系のライブイベント)に参戦します。このイベントに参加する人はほぼ全員ナパーム・デス目当てでしょう、しかし僕のお目当てはA.C.!一度解散したA.C.が復活して来日するんです。

    全く知らない人のために説明しますがA.C.とは究極のバンドです。 例えばですね、嫌いな映画、音楽、書籍等に「バカ!」「ゴミ!」「クソ!」とか言う時があるでしょう。僕だったら最低映画や日本の歌謡曲とかは全部クソだと思っています。当たり前ですがこれらの作品は本当にバカでゴミでクソなわけじゃない。僕が単に悪口として言ってるだけです。でもA.C.は違う、A.C.の音楽は本当にバカでゴミでクソなんです、これは悪口ではありません。彼らの音楽を単純に表現しただけです。
    A.C.の曲の雰囲気を具体的に書くと「アー!ギャッ!ギャッギャッギャッ!ヴァーアーゲー!ゲッ!ゲゲッアッ!」って感じです。またA.C.の曲は最速最短呼ばれていて、速い曲は数秒で終わります。大概は60秒前後、そんな感じだから一枚のアルバムに全部似たような曲が50曲前後入ってます。曲名もすごいのでCD屋さんで確かめてみましょう。
    A.C.のアルバムを100人が聞けば、半分以上が一分後には停止ボタンを押している事は確実でしょう。そして最後まで聞く人は一人いるかいないか。僕もA.C.のファンでアルバムを集めていますが、いつも途中で止めてしまうので最後まで聞いた事はないです。
    メタルファンにはBURRN!で0点を取ったことがある(100点満点で70点以下が”低い評価”、50点以下が出ることは滅多にない)と説明すれば彼らの凄まじさがわかるでしょう。
    今まで無数に作られてきた商業音楽CDというフォーマットの中でA.C.のアルバムよりも酷いものは存在しないと思います。究極のゴミ、それがA.C.なんです。
    ちなみにA.C.とかAxCxとか書かれていますが、正式なバンド名はANAL CUNT、つまり[ケツの穴、マンコの穴]

    5枚のアルバムがあり、全部で300曲近く入っていますがオススメアルバム、オススメ曲は一つもナシ。五千曲以上が収録されていると言い張っているLPも出しています。どうしても聞いてみたいという方は4thアルバムの「いい話じゃないですか」がオススメ。

04/01/09   TOP文のみ更新

ソニックマンザイ

    今年もマジック・ロック・アウト(冬のロック・フェスティバル)を開催するそうですね。トリのプライマル・スクリームは大好きなのですが、それ以外は興味無いので多分行かないかな?他にはメイデン・フェスティバルの開催もビックリ。
    日本の洋楽ロックファンのマナーが良いのか、各イベンダーはここ2、3年フェスを開催しまくりです(海外だとフェスをやるたんびに事件が起きる)。僕はフジロック、サマーソニックの2大フェスとファットボーイ・スリムのDJフェスしか行った事ないけれど、ロックファンとしてフェスが増える事は嬉しいです。フェスって参加できなくても情報だけで興奮してきます。でもビースト・フィーストはどうなったのだろう?


    それはそうとサマソニ、ソニマニに引き続きソニックマンザイなるものが開催されるそうですね、チラシを発見しました。これは二日とも参加したいなぁ。
      
って嘘です。

追記、↑アホな更新していたら天罰が・・・

    スリップノット、ソニマニキャンセル!心の底から残念です。気になるのは代役ですが、主催者側も代役アーティストの難しさを明言しており、余り期待できません。主催者側も大変なショックを受けているでしょうが、何とか頑張って欲しいです。
    スリップノットと同クラスで、ファンが納得する代役と言ったらシステム・オブ・ア・ダウンくらいかなぁ(絶対に無理)。

04/01/05   映画の壺(その他7)更新

ソニックマニア

    日本中の映画ファンが「申年だからって猿の惑星かよ!」とツッコミを入れている今日この頃。行けるかどうかもわからないのに、売り切れを恐れてチケットを買ってしまいました。割と高確率で仕事が入ってしまうのですが、その時はチケットどうしよう・・・。今回は僕が楽しみなアーティスト&興味が無い人向けの解説をします。
● フィンチ
    かなり聴きやすいエモ系。


● ラウドネス
    ソニックマニアでただ一つだけ決まっていないアーティストがいて、「一体誰なんだろう?どうせわけわからん奴だろ」と予想していたんですが、まさかラウドネスだったとは!
    僕も昔はラウドネスは全く知らなかった。だから80年代で既に日本人アーティストがワールドツアーやビルボードチャートランクインを果たしていた事を知ったときはかなりビックリしましたよ。(坂本九を除く)


● プレイモ
    デビュー当時はフランス産リンプって呼ばれていた。その呼び名の通り、激しいラウド(但しフランス語)なので結構オススメできるのですが・・・。
    このアーティストにはもう一つ面白い側面があって、実は主要メンバーがアニメ・マンガ大好きなんです。大友、宮崎、押井に多大な影響を受けており、アートワークはもちろん日本のアニメを参考、髪型はキャプテン・ハーロックを参考、好きなアミューズメントは三鷹のジブリ博物館、日本でのライブではナウシカやラピュタを合唱したという熱い奴等です。しかもボーカルは学生時代日本語を学んでおり、それなりに日本語喋れます。っていうか日本語の曲もあります。「アキラ」を参考にしたという「キ・ラ」という曲は、まんま芸能山城組をパクったイントロから日本語でラップを決め、サビでは日本語でスクリームするというとんでもない曲。文法が少しばかり間違っているが、そんなの関係ないぞ!
    親日家というよりも単なるアニオタのような気もしますが、最新作ではロックを前面に打ち出し、エヴァネッセンス批判をするなど進化中でもある。しかし今回の来日でもやはりジブリ博物館に行くのか?ナウシカのDVDを買うのか?
    ☆:映画関係の部分は特に無い(日本のアニメ関係なら鬼のようにある)けど、メンバーの一人が元ディズニーのアニメーター。
    ☆:知らない人にはやはり「キ・ラ」がオススメかな?


● ジーザズ・ジョーンズ
    TDOパワーズさんオススメだったので現在予習中です。でもタイムテーブル見る限り、この時は夕飯になってしまう。


● エヴァネッセンス
    2003年にグッド・シャーロットと並んで、もっとも急上昇したアーティスト。
    ☆:映画「デアデビル」の主題歌を歌って世界中でブレイクした。
    ☆:知らない人にはデアデビルの主題歌「bring me to life」がオススメ。


● スリップノット
    メンバーが9人もいる驚天動地の最凶ミクスチャー集団。その外見は化け物としかいいようがないので、昔の破壊屋で確認してください。CDは1st,2ndがありますが、どちらもオススメ。ただし一度聴くとかなり体力を消耗します。
    以前マッド・カプセル・マーケッツのライブを「地獄絵図」と評しましたが、「スリップノット」のライブは単なる地獄です。僕もサマソニ02、アイオワツワーで彼らのライブを体験しましたが半端じゃないです。ライブの様子が想像つかない人は、まず頭の中でジャニーズのライブでも思い浮かべてください、あの観客が全員ゴツい兄ちゃんだった時と同じです。もしくは超満員の通勤電車で乗客全員が一斉に車内暴力を始めたのと同じ状況。特に圧巻なのは「SPIT IT OUT」で、ライブの客全員がライブの最中にしゃがみ、コリィ(ボーカル)がラップを始め「ジャンプダファックア!」の掛け声と共に暴力と跳躍と「ファックミー!」の渦に巻き込まれます。
    韓国のライブをキャンセルしたのでソニックマニア参戦が危ぶまれていますが、リーダーのショーンはバンドが上手く行かなかった時期に日本に逃げようとしたり、ターンテーブルのシドは何度か日本でDJやってて、マッド・カプセル・マーケッツの前座をやった際にはわざわざブラック・サイボーン(マッドのイメージキャラ)のコスプレしたりと微妙な親日家揃いなので大丈夫じゃないのかな?
    ☆:映画「バイオハザード」の主題歌を歌っている他に、最低映画「ローラーボール」に堂々出演、”男”という文字を前にしてライブしています。また「SPIT IT OUT」のPVは「シャイニング」のパロディになっています。
    ☆:知らない人にはあらゆるシングル曲を押しのけて、アルバム曲の「PEOPLE=SHIT」がオススメ!人間の脳天と度肝と脳髄と子宮と睾丸を破壊する大名曲だ!
    ☆:オマケ、コリィのコスプレした人と管理人。


● KORN
    カタカナにすると「コーン」・・・、ブラザー・コーンとは関係ありません。僕のフェイバリット・アーティストの一つ。90年代前半に「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」と「KORN」が登場して、その後の「ミクスチャー」を創り上げた。気が狂ってるとしか思えないボーカルをもっと狂っている低音と爆音が彩る脅威のアーティスト。実は「狂っている」というのには理由があって、KORNの楽曲はジョナサン(ボーカル)のトラウマを音楽によって吐き出すという意図があります。そのためKORNを聴いて救われたという人も多い。
    ☆:映画「トゥームレイダー2」の主題歌を歌い、映画ファン兼KORNファンの僕を非常に落ち込ませた。また「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」ではジョナサンがダフ屋役で出ている。
    ☆:知らない人には3rdアルバム収録の「GOT THE LIFE」、5thアルバム収録の「HERE TO STAY」がオススメ。ちなみに僕のフェイバリットは2nd収録の「TWIST」。この曲は僕の人生の名曲ベスト10にランクインする位大好きな曲で、多分「TWIST」を聴かなかったら僕の音楽の趣味は全く違うものになっていたはず・・・、という僕の文章を信じて「TWIST」を聴いても怒らないでね。


    というように映画と絡めるとダメなアーティストが揃っていて、ちょっとテンションが下がったけど、まあt.A.T.uのライブよりは盛り上がることでしょう。


    あ、t.A.T.uといえばロシアの大統領選挙の出馬宣言したそうですね。アメリカやロシアの大統領選は楽しそうでいいなぁ(アメリカでは毎回色んな奴が出てくる、「ガンダルフを大統領に」運動もあった)。
    t.A.T.uのプロデューサーはヘテロセクシャルな事がバレバレなのに痴話喧嘩の噂流したり、話題作りで大統領出馬とか、やる事がちょっと意味不明。いや、勿論t.A.T.uが大国の大統領になるというのは喜ばしい事なので大歓迎しますけど。頭の固いおっさんばかりが支配する状況を打破できるのは、コギャル系だけだ。
    そして日本のマス・メディア!お前らt.A.T.uを批判しすぎだ!いいか、僕はきっと10年後もt.A.T.uを讃えているぞ!これは予言じゃない、確信を持って言える!何故なら僕は今でもシャンプーを讃えているからだ!

04/01/04   TOP文のみ更新

正月らしいことはしてないけれど

    IMDBのベスト10を調べてみましたが、ロード・オブ・ザ・リング三部作のせいで、そろそろ「スター・ウォーズ」と「七人の侍」が圏外に落ちそうですね。「王の帰還」はとてつもない映画に仕上がっているそうですが、既に「二つの塔」で度肝を抜かれている自分としては「王の帰還」を受け止めきれるか不安です。ところで「The Lord of the Rings: The Return of the King」って”THE”が4つもあるタイトルになっていて珍しいです。

   
元日には初詣行って来ました。↓の神社です。ご利益は?

ぶるーす神社

● ブルース・オールマイティ   ★★★
    ジム・キャリーがとんでもない超人能力を身に着けて大騒ぎ!というマスクを被らない「マスク」なんですが、設定を「能力とは全知全能の神」「神でも人の意思は動かせない」「っていうか神でも女の気持ちを理解出来てなかったらダメにしたんで物語はある程度発展形になっています。
    「ジム・キャリーはモノマネが上手い」ってよく言われていますが、実際には見たことが無かった。でも「ブルース・オールマイティ」を観て納得。「俺をあの男にしろ」と願い、本当にあの男になりきるんです。おかげでブルースは命を狙われるハメに・・・(ホグワーツ[じゃなくてサンフランシスコのほう]のハリーに変身しちゃったから)。ジム・キャリーのモノマネという高度な役をこなしたアンカーマンの男も面白い。
    しかしクライマックスは「子供がドラッグを吸わずに学校に行く事が[奇跡]なのだ」って、それ日本じゃ当たり前だよ!
    それと僕はいつも外国映画を観ていて不思議に思うんですど、どうして外国映画に出てくるチンピラってあんなに平均年齢が高いんですか?日本だったらチンピラ系の役は未成年が多いんだけどなぁ。


● 阿修羅のごとく   ★★★★★
    また2003年のベスト10入れ替えないと・・・。     深田恭子は女優らしくなってきたけれど、とてもじゃないが1980年の派手な女には見えない。外見も含めてそこまで変身するのが女優だと思う。僕は女優という存在が大好きだけど芸能人には全く興味ない、深田恭子には女優として期待しているので頑張って欲しいです。それに比べて八千草薫、大竹しのぶ、黒木瞳、桃井かおりらの充実振りは桁違い。演技を観ていてゾクゾクくる。
    森田芳光の演出も絶好調、「情事が始まると花がボタッと落ちる」という古臭い演出が、ギャグでも記号でもなくて効果として成立していた。


● 武士(MUSA)   ★★★
    韓国人が「七人の侍」や「プライベート・ライアン」や「ロード・オブ・ザ・リング」をよく研究して作った集団戦闘アクション。白人とよろしくやってる日本の武士を差し置いて、韓国・中国・蒙古の武士達の大チャンバラが展開するぞ!後半の泣かせる展開が上手い。一見すると姫がワガママのような気がするけど、実際は男達のほうがワガママだよなぁ。
    ただ戦闘シーンの整合性が取れていなかった。森の中の戦いなんて行動に意味が感じられない。これはアクション映画にとってはものすごく重要な要素なのに、惜しい。

    最近「二つの塔」のDVDを観たけれど、あのヘルム峡谷の戦闘シーンでは、どのキャラがどういう行動をとっているのか?どの行動がどういう効果なのか?振り下ろした剣は誰に当たっているのか?全てのカットが意味と効果を持ちながら繋がっていた。「ロード・オブ・ザ・リング」の編集をしている奴は神業の持ち主だと思う。

04/01/01   タイトル絵一覧更新   明けましておめでとうございます。2004年も皆様にとって良い年となりますように、そして映画という文化がもっと発展しますように。

2003年の映画ベスト10

   
1位 リベリオン

    散々悩んだBEST10だけど結局「リベリオン」を一位にしました。
   公開当時「リベリオンが暫定BEST1だ」と書いたけれど、それ以降「リベリオン」よりも優れた映画は余裕で10本以上あった。そもそも「リベリオン」はオカシイ映画です。”感情が無い未来社会”なんて有り得ないし、”自分で薬を打って感情抑制”というのも妙です。だけど”感情が無い未来社会”がいくら有り得なくても、根性入れて描き切ったのなら映画として成立する。”自分で薬を打って感情抑制”というのが妙でも、この薬が絡む数々のシーンが見事なので逆に面白くなってくる。
    映画とは有り得ない事が本当に起きるのもの。だけど有り得ない事を本当にするためには多くの困難がある。そういった困難にそこらへんのB級映画が打ち勝ってくれた。破壊屋にとって「リベリオン」こそ2003年を代表する一本だ。
    え、「リベリオン」は「マトリックス」の完璧なパクリ?別にパクってもいいんだよ、問題はパクリから何かを生み出すこと。そして「リベリオン」は脅威の武術ガン=カタを生み出した!すぐにでもガン=カタのアイデアを全世界共通の財産として扱い、今後世界中のボンクラ映画小僧がこのアイデアを流用できるようにすべきだ!




2位 トーク・トゥー・ハー

    マンコは神秘だ。わかってる事だけど映画でそんな事は表現出来ない。でも「トーク・トゥー・ハー」はメタファーとかではなくて、ずどーんと画面に女性器を登場させる事で神秘を表現した。精子となった男が女性器の中に消えていくように、あのシーンの美しさと不思議さに引き込まれた。個人的には根本敬の「タケオの世界」を超えたと思う。大量に生産される恋愛映画とはもはや次元が違う愛の映画。映画の表現にはまだまだ可能性があるんだ。




3位 マトリックス・レボリューションズ

    キリストは十字架を背負い、苦難の道を歩み、ゴルゴダの丘で死に、真の救世主となった。そして人々はその奇跡を待っている。
    ネオも同じ救世主だ。だけどその道はアニメとマンガとカンフーが溢れていた!(カンフーは現実じゃなくて映画限定)。しかも奇跡を待っている人々はモビルスーツかパワードスーツかレイバーだかわからんロボットに乗っていた!
    「マトリックス」をサラリーマンの妄想とするなら、「マトリックス・レボリューションズ」は完全に中学生の妄想。中学生の妄想をそのまま映画化したんだから、そりゃ評判悪いわな。だけど聖書よりは面白いと思うんだけどなぁ。




4位 チャーリーズ・エンジェル フルスロットル

    女の子達がキャッキャッとコスプレを楽しんでいるのを、男がジーッと観ていたらそれは変態だ。でもその女の子達が男のところへ駆け寄ってきて「あなたも一緒に楽しんでイイのよ」言ってくれたような映画。同意があるってことは素晴らしいことだ。
    この映画に対する僕の回答は「僕の夢が叶った!ありがとう!」なんだけど、それってつまり僕の夢が1800円相当だったことを認める事になってしまう・・・。お金で買える夢もある by M○STER C○RD




5位 イン・アメリカ 三つの小さな願い事

    映画「E.T」の奇跡を観て大きなショックを受けた少女。そして[家族が思いついた優しい嘘のおかげで、少女は再び「E.T」の奇跡を観る]。大喜びしている少女の笑顔に感動していたのに、まさかここでもっと大きな感動が来るとは・・・。
    映画は魔法になる、魔法は奇跡になる、魔法も奇跡も人を幸せにする。「イン・アメリカ」に映画を観る事との素晴らしさを改めて教わった。




6位 キル・ビル Vol.1

    もしあなたの前に人魚姫になった女性とヴィーナスの誕生になった女性がいたらどうします?そんな時「サンダとガイラでお願いします」と言ったバカが作った映画。いやそれはVOL2の方なんだが。
    この映画で全身が震えたシーンが二つあります。一つは病室で犯され続けたユマが男の足を切りつけようとするシーン、もう一つは青葉屋に殴り込みをかけるシーン。どちらも女の「くぉんのやろー」という強烈な感情が激しく流れ込んで来て、本当に体が震え上がりました。




7位 ファインディング・ニモ

    死ぬほど笑った。2003年最強のコメディ映画。本当に子供向け映画なのか?ギャグのネタが異様に高度だぞ。




8位 ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔

    「スペクタル映画はもう製作不可能」。これがほんの数年前まで映画界の常識だった。だけどもう企画する映画が無いハリウッド、凄まじい勢いで発展するCG、映画化不可能だった原作に夢を賭ける人々。そんな状況から脅威のスペクタル映画が再び登場した。まだこの映画が完結していないという事すら幸運に思えてきます。




9位 ロボコン

    悲しい事に唯一の邦画。以前は毎年邦画が上位にランクインしていたんですが・・・すいません、もうちょっと邦画を観ます。




10位 シカゴ

    銀幕は非現実の世界です。でも「シカゴ」は銀幕の中に「舞台という非現実の世界」を展開させて、逆に銀幕の世界を現実にさせた。そしてクライマックスで銀幕の世界と舞台の世界が融合する。まさに21世紀のミュージカル映画です。
他にも今年はこんな映画が面白かった!


● 集まった人達が一人づつ殺されていくという古臭いサスペンスを楽しんでいると、集まった人達は同じ誕生日だったという要素が加わり、最新のサスペンス映画に変貌する「アイデンティティー」

● 女性が主役の映画がバンバン公開される中で男同士の対決を描いた「インファナル・アフェア」

● 宗教事情を考慮すると滅茶苦茶過激な「マグダレンの祈り」

● 現実と虚構という映画のテーマを皮肉なギャグで描いた「シモーヌ」

● プレステ世代直撃の「マトリックス・リローデッド」

● 2が公開されてから10年以上ずっと馬鹿にしていた矛盾ネタに、きちんと説明がつくとは思わなかった「ターミネーター3」

● [宇宙人に選ばれた超能力少年達がうんち星人と戦う]というプロットを真面目に撮った「ドリームキャッチャー」

● 女性の権利が伝統として確立される現代映画「クジラの島の少女」

● 日本でこんなに話題になるとは思わなかった「ボウリング・フォー・コロンバイン」


    ・・・他にも色々ありすぎて全部は書けません。とにかく2003年は豊作すぎた。ベスト10も別の日に選んだらガラっとかわることでしょう。
    2004年はおそらく「王の帰還」VS他の映画達という構造になるのでしょうか?2004年も素敵な映画が沢山ありますように。あと映画を観に行く暇がありますように。

2003年の映画ワースト10

1位 踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!

    どんなバカ映画だろうがゴミ映画だろうがクソ映画だろうが、映画である限りそれは愛すべきものです。だけど映画ですらなかった「踊る大捜査線」は単なるバカでゴミでクソ。映画を観るという感覚すら存在しなかった。僕が映画館で味わったのは茶の間でくだらないTV番組を観ている感覚と全く同じだった。メディアの力もあるとはいえ「踊る大捜査線」が超特大ヒットしたのは当然の事だと思う。多くの人達にとって映画とは夢でも魔法でもない。バラエティやTVドラマと同じで、フォーマットが映画というだけなんだ。日本映画界のレベルが下がるのを感じ取りました。
    この映画は日本の国民映画って呼ばれているけど、ポピュラーな芸能人達が映画の真似事して、女性蔑視の物語を展開し、「責任を取るのがリーダー」「リーダーが良ければ組織もいいもんだ」が感動の決め台詞なんだから、間違いなく日本人向けの国民映画でしょう。例え組織を無視しても自分の意思を通そうとするアメリカ人のヒーロー像や、女性を主役にした映画がバンバン製作されるアメリカ映画と比べると随分と差を感じます。
   僕はバーホーベンのようなバカな男の歪んだ女性蔑視は笑って観るけど、「踊る大捜査線」のように女性蔑視を社会常識的に描かれるのも観ていて困る。
    3年以上破壊屋やっててディズニーやベッソンやハリポタを批判しても抗議は特に無かったけど、「踊る大捜査線」公開当時は踊るファン達に初めて掲示板を荒らされた(でもマトモな踊るファンの方たち、去年はスイマセンでした)。しかしこの件でファンレターメールなるものが多く届いたのも驚きだった。




2位 アカルイミライ

    2003年海外でも話題になった黒沢清の新作で評価は非常に高い映画。でも街をブラブラしている不良少年達に[「明るい未来が待っている」]というラストシーンに呆れ果てた。もし彼らが何かを築く力を持っていたり、逆に何かを破壊する力を持っていたなら、[「明るい未来が待っている」]のかもしれない。でもこいつらダンボール箱を壊しただけじゃん、街をうろついているだけじゃん。それとデジタル・カメラの撮影も酷い。カメラに水滴がついたまま撮影してちゃダメでしょう。「リアルな映像撮れるからデジカメ」って、商業映画の映像はホームビデオとは違うよ。




3位 トレジャー・プラネット

    ディズニーどうした、夢と冒険を安売りしているだけじゃないか。あと藤子不二雄のデザインなんてパクってどうするんだよ!中身をパクりなさい、中身を!




4位 スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする

    トリック映画全盛の時代にその程度のトリックで映画一本撮られてもなぁ。




5位 フィアー・ドット・コム

    「リング」と「回路」のパクリなんだけど、「貞子の怨念が呪いとなってこの世に残る」という「リング」。「死者の魂がネットに棲む」という「回路」。同じ幽霊を扱いながらコンセプトが全く違う事をアメリカ人達が理解していないため、心霊現象の部分が滅茶苦茶なことになっている。 一番凄いのは基本プロットで「殺人鬼に惨殺された女性の霊が、殺人鬼に怨みを晴らすために殺人事件を捜査している人達を呪い殺す」って思いっきり矛盾しているよ!
    殺人鬼はWEBサイトを持っていて、そこで美女達を拷問した挙句惨殺する様子を流すんだけど、そのサイトのアクセス数がほんのちょっとなのはどういう事?見るたんびに死んでたら世界中大騒ぎでしょ?(とある事情でサイトが祭り状態になるんだけど、その理由も笑える)。しかも「殺人鬼はしょっちゅうサイト移転するから捕まえられない」ってオイ。クライマックスには主人公が犯人と正面対峙するんだけど、犯人が人質を抱えるので銃を撃てない。だから主人公が[横まで走って]銃を撃つ!というアクションはビックリしたなぁもう。




6位 ザ・コア

    他にも一つ星つけた映画は色々あるけど、批判しながら2回観に行った「ザ・コア」をランクイン。こういったバカ映画が無いとハリウッドじゃない




7位 バッド・ボーイズ 2バッド

    TOO BADって映画の出来が?




8位 TAXi3
9位 ミシェル・ヴァイヨン
10位 トランスポーター

    この3本はいずれもリュック・ベッソン製作脚本。今年は3本もベッソン作品が観られて幸運だった。相変わらずの最低バカ映画でこっちの期待を裏切ろうとしない、この3本のうち1本位はベストに入れてもいい。しかし「トランスポーター」→「TAXi3」→「ミシェル・ヴァイヨン」と公開されるたんびにものすごい勢いで劇場がガラガラになって行くぞ。大丈夫なのかベッソン?最後の「ミシェル・ヴァイヨン」に至っては横浜じゃ観られないかったし。

    2003年のワーストは圧倒的な「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(っていうか21世紀のワースト映画)を筆頭にかなり豊作。ワーストも裏を返せばベストと同じ、「踊る大捜査線」だってベストに入れようかどうか悩んでいた。2004年もとんでもない映画に一杯出会えるといいな。21世紀ワーストは「踊る大捜査線」VS他の映画達という構造になるのでしょう。

数列の解答

1,11,12,1121,1321,122131,132231,122232,112431,13213141,・・・
[1]は11つなんだから次の項は[11]
[11]は12つなんだから次の項は[12]
[12]は11つで21つなんだから次の項は[1121]
[1121]は13つで21つなんだから次の項は[1321]・・・

    というように数字と、その数字の存在する個数を組み合わせた数列なのです。小学生の方がこの問題を解けやすいと思います。ちなみにこの数列は途中から循環を始めるので5以上の数字は出てきません。ですから4まで数えられるなら園児でも解けます。
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