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04/12/27   タイトル絵一覧更新

ターミナル   ★★★★

    「1941」以来のスピルバーグのコメディ映画。またもや日本独自の宣伝で恋物語にされてしまい、作品のキーワード「待つこと」もなんか「彼女との約束」にすり替わっていますが、実際は真っ当なハートフル・コメディ。空港から出られなくなってしまった人が、空港内で暮らすことになるという実話をネタにしている。この実話は以前「パリ空港の人々」でも映画化されたけど、「パリ空港の人々」よりも「ターミナル」のほうがずっと面白い。
    スピルバーグは超大物監督らしく大迫力のセット撮影を駆使するけど、物語自体はこじんまりとしている。敵役のスタンリー・トゥッチの行動が、あくまでも「仕事」が前提になっているのが良い。
オマケ:一般的な日本人にはわかりにくいギャグがありました。ご鑑賞の際に以下の台詞が出てきたら、このように脳内変換しておいてください。

制服→コスプレ
大会→コミケ
トレッキー→オタク
シェール→松田聖子


    [何であんなイイ女がボンクラとすぐに結婚するのか、ちょっとわかりにくかったと思いますが、↑にあるように二人はオタク同士だったというわけです。ちなみにあの人が婚約指輪を見せるときの手の形は、「スター・トレック」に出てくるバルカン星人の手の形になっています。オタク男の彼女も実はオタクだったという感動的なシーン。]

マイ・ボディーガード   ★★★

    これも日本独自の宣伝で純愛系になっています。元軍人で心を失くしていた男が、9歳の少女に人間らしさを教えてもらう。しかし少女を奪われた時、男は復讐鬼と化す。という物語が何故純愛になるのでしょうか?男の行動原理に愛なんて無い、というか9歳の少女に愛を感じるのはおかしいだろう。何故ロリコンが作った「レオン」と一緒にする?
    映画は序盤までは、何ちゃってボディ・ガードのデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングの物語になっている。しかし悲劇が起きる。
    デンゼルはダコタ・ファニングの母親に誓う
「誘拐に関わったヤツらはぶっ殺してやる」

    母親は答える
「キル・エム・オール(皆殺しにしろ)」
    ギターの音が鳴り、デンゼルの復讐かつ制裁開始(ここらへんはパニッシャー)。デンゼルは「ミッキー」のメキシコバージョンを聴きながら警察官を拷問!さらにデンゼルは無理矢理若作りしてレイヴクラブに侵入。「こーいう音楽聴いてられねえよ!」ということで[クラブを爆破]。そして今度はロケットランチャーとアナル爆弾で(以下略)。何故そこまでするのか?そうデンゼルは死の芸術家だったのだ!
   ってまるでセガール映画じゃないか!でもこれは派手なアクション映画ではない、あくまでも復讐する男のドラマ。デンゼルは聖書を読み神を信じています、でもヤツは罪を赦すような真似はしない。ヤツにとって人を殺すことは神に裁かせる前に神の御許へ送るだけの行為なのです。


    脚色がブライアン・ヘルゲランドなので、単純なトリックを効果的に使っている。監督はトニー・スコットなので、主人公の心情表現は演技に頼りきり。演出上は特に何もしておらず、主人公が辛い気分=映像がフラッシュバックするという手法で表現。途中からダコタ・ファニングは退場するので、観客がダコタの存在を忘れないよう、ダコタ・ファニングがサブリミナルされるという頭がおかしくなりそうなテクニックまで使う。

レンチ

    レンチのライブに行ってきました。前座にKOINUとSAFARI(浅野忠信とブライアン)があったんだけど、仕事が忙しくて間に合わず。というかこの日はレンチのライブに行けると思わなかったので、僕は私服を持っていなかったのでスーツ姿でした。アイドルのライブならいざ知らず、レンチのようなハードコアのライブにスーツ姿はかなり異常。モッシュピットに飛び込んでもスーツ野郎はみんな避けたいのか、あまり殴られませんでした。
    レンチはマッド・カプセル・マーケッツの前座の時がグダグダだったので不安だったけど、今回は新曲を上手く使いこなしていていいライブだった。新ドラマー(ムロチン)のしつこいドラミングからトランス状態に入っていって、ボーカル(シゲ)が全裸になるラストは最高でした。

04/12/24   TOP文のみ更新

メリークリスマス

    クリスマスです。いつものことですがここのアクセス数がメッチャ増えてます。クリスマスの時期になると、僕達日本人は浮かれているバカとひがんでいるバカのどっちかに分けられます。そんな日本人を憂いてか、駅前で某宗教団体の信者達が「クリスマスは一体どーいう日なのか考えろ」とか言ってますので、バカの僕も考えました。
    クリスマスはイエス・キリストの降誕を祝う日です。イエス・キリストが一体どーいうお方なのかは、もっともリアルに描いたと言われる映画「パッション」を観てもサッパリわかりません。まあでもイエス・キリストのせいで、ユダヤ人が肩身の狭い思いをしたり、十字軍の遠征が起きたり、ブッシュが再選したり、「マトリックス・レボリューションズ」のオチになったりと色々悲惨な事件が起きました。だいたいキリストは生まれから怪しいです。キリストは親父が神で、母ちゃんのマリアは処女懐胎したと言われるのですが、誰がどー考えたって未婚の女性が妊娠したに決まっている。そーいえばアメリカ人の多くが処女懐胎を信じているというのは、最近大きなニュースになりましたね。まあ普通に考えたらヨセフの野郎がマリアを押し倒したんでしょうが、ヨセフはマリアの妊娠を聞いたら別れたらしいので、相手はヨセフ以外の可能性もあります。あの時代に未婚の女性が妊娠したということは、暴行だった可能性もあります。神の正体は婦女暴行犯だったのかもしれない。百歩譲って処女懐胎が本当だった場合、マリアは神とファックして聖霊をゲットしたと解釈できます。何かせっかくのクリスマスなのに、こんなこと考えるのがアホらしくなってきました。まあとりあえず浮かれているバカもひがんでいるバカもどっちも正しいと思います。むしろ宗教色を排せばクリスマスは本当に素晴らしい日だと思う。街のイルミネーション見るだけでもいい気分になってます。そしてクリスマスの真の主役は、何といっても夢に溢れたサンタクロース。ヤツの赤をメインにして要所要所に白を使ったファッションセンスは、何百年たっても廃れることはないと思う。僕も彼のファッション真似して忘年会に行ってきました。





    ところで僕は

04/12/22   TOP文のみ更新

テレビ東京

●  このところ仕事が楽で、先週の木曜日は早く帰れた。そんな貴重な日にテレビをつけて「ロボコップ3」を観てしまった。あんなにクソつまらん映画なのに、何故かテレビ東京が流すと結構楽しめる。それにテレビ東京の映画宣伝って良いですねー。
「ザ・プレジデント・マン 地獄のステルスコマンド」が「オヤジ・アクションの決定版!侍侍武士道
「ロボコップ3」が「空飛ぶ超合金警官!いま、倒しにゆきます
「ターミネーター」が凶悪度は大統領級!冷血マシンシュワ降誕」

    これは”シュワ=大統領”ネタというよりも”大統領=凶悪”という風にとれるのが面白い。
    以前はヴァンダムの映画で「ジャンジャンジャンジャンジャンクロード!ヴァンヴァンヴァンヴァンヴァンダム!スーパー・ヴァンダミング・アクション!ってのもありました。ヴァンダミングは新語の動詞として、一般的に使われていくことでしょう。ググる(検索する)みたいに。


● 四捨五入すると30歳の自分が最近感じたこと
1:会社の女の子たちに白髪を指摘されて焦っている。
2:メタルギアソリッド3が難しすぎる、イージーモードでも苦労しまくり。CQCってどうやんだアレ?昔は兄の僕がゲームやっていて、弟はそれを隣で見ているだけだったものだが、兄がアクションゲームに対応できなくなってきた今、立ち場が逆になりつつある。
3:少年ジャンプの「テニスの王子様」という漫画でキャラが出てくると、新キャラなのか既存キャラなのかさっぱりわからない。
4:男性歓迎!のお洒落なマッサージ店(リラクゼーションスペースみたいな所)に行っても効かなかった。女性歓迎!の無骨なマッサージ店(普通の診察ベッドが置いてあるだけだった)に行ったらかなり効いた。

ベルヴィル・ランデブー   ★★★★

   
ベルヴィルでスウィングしてランデブー
ブードゥーにカンカン、ほうきにタブー

    マフィアに誘拐された孫を助けようとして、歓楽都市ベルヴィルに向かったおばあちゃん。おばあちゃんはベルヴィルの3つ子と呼ばれるおばあちゃん達と仲間になり、マフィアから孫を取り戻そうとするのだが・・・実は18歳ではない本物の老婆たちが、果たしてマフィアと戦えるのか![老婆たちは意外と全身凶器だったので、結構戦えるぞ!]
    登場キャラ達の行動原理は道理にかなっているんだけど、キャラ達の行動自体は道理にかなっていないので不条理映画のような印象を受ける。
● おばあちゃん
超厚底の靴を履いているおばあちゃん。実はそれが[最強の武器]だった。序盤の孫想いの部分が泣かせるけど、その後スパルタ系コーチとなって孫を鍛える。孫のためならパーフェクト・ストームも傘一つで突撃

● シャンピオン
子供時代はかわいかったが、成長すると悲哀しか感じられない男に。

● ベルヴィルの三つ子
若い頃は歓楽街の売れっ子だったが、年老いてストンプ系のアーティストに転身。好物はダイナマイト漁で捕まえたカエル料理。

● マフィアのボス
手塚治虫の漫画に出てきそう。というか手塚治虫に似ている。

● マフィアの部下
四角四面な男達。江口 寿史の漫画に出てきそう。

● ブルーノ
うるさい。

エイプリルの七面鳥   ★★★★

    僕は”人が一杯死ぬけど、ちっとも悲しくない”というタイプの映画が大好きなんですが、何故だか「イン・アメリカ 3つの小さな願い事」「死ぬまでにしたい10のこと」などといったタイプの作品も好きなんです。「エイプリルの七面鳥」も「死ぬまでにしたい10のこと」路線で宣伝しているので観に行きました。日本版の公式サイトはピンクを基調に、柔らかくて暖かい雰囲気の絵がふんだんに飾ってあります。ストーリー解説も料理の下ごしらえやテーブルセッティングに合わせて解説している。内容は”ヒロインが仲の悪い母親のために七面鳥料理を作ってあげる”という感じに書いてあります。
    ところがあくまでもこれは、日本独自の宣伝(しかも女性向け)で、実際はケイティ・ホルムズ演じる凶悪で凶暴だったゴスッ娘が、断絶した家族を迎えるために七面鳥料理に悪戦苦闘するというホームコメディ。本家公式サイトのTOP画像を見てもらえばちょっとわかると思う。
    「エイプリルの七面鳥」の監督・脚本はピーター・ヘッジス。彼は脚本家で本作が初監督作品なわけですが、「エイプリルの七面鳥」にはこいつの「オレの脚本テクニックすげーだろ!」感が満載。実際メチャクチャ上手い。会話や小道具から映画の設定が少しづつ判明していく手法を使うので、説明シーンが皆無。また10人以上のキャラが登場してそれぞれにドラマがあるのに、上映時間が80分というのも上手い証拠。キッチリまとめてある。
    映画は二つのストーリーが平行して語られます。一つはエイプリルの家族の物語。中流白人階級のエイプリルの家族が、エイプリルと感謝祭を過ごすためにNYへ向かう。でもみんなは凶悪だったエイプリルに会うのに不安を抱いている。特に母親はどーやってエイプリルの七面鳥を捨てるかまで考えている。
    もう一つはエイプリルの物語。エイプリルは七面鳥を作ろうとするけど、オーブンが壊れてしまって上手くいかない。そこでエイプリルはアパートの住人達に助けを求めるのだが・・・。

    映画評は雑誌上でもネット上でも、みんな「家族の再生」とか「母と娘の絆」とかになっている。でもこの映画で一番重要なのは「感謝祭の意味」のはず。エイプリルにとって感謝祭はインディアンに対する感謝が元になっている、そしてエイプリルの口から出てくる感謝祭ネタは、白人がインディアンに対して行ってきた迫害ネタばっかり
    一方でエイプリルの家族は白人社会の人間なので、黒人が走ってくるだけで悲鳴をあげるような人たち。[さらにエイプリルの彼氏が黒人だと知った家族はエイプリルを見捨てる。エイプリルを見捨てた帰路の中でエイプリルの母は、トイレで叱られている少女と目が合う。母はエイプリルとの間に何も良い思い出が無い、それでもエイプリルは娘なのだ。母は再びエイプリルの元へ行こうとする、そのためにはバイカーの協力が必要だった]。僕はこのバイカーはインディアンと戦った騎兵隊を意味すると思う、だからこのバイカーが感謝祭(=インディアンに対する感謝)に唐突に参加する。
    [ラストシーン、エイプリルは断絶した家族と繋がる。表面的には宣伝通り「母と娘の絆」が繋がって、「家族の再生」したってことでしょう。でもエイプリルが七面鳥を作り上げるためには、黒人と中国人の協力が必要だった(白人はオタクや菜食主義なので役に立たない)。そして白人も黒人も東洋人もバイカーもみんな一緒に感謝祭を過ごす。繋がったのは家族だけじゃない。]

04/12/18   TOP文のみ更新

雑談

    僕はそれなりに漫画大好き人間なんだけど、中学高校時代に集めていた漫画は白土三平、さいとうたかを、横山光輝だったので、漫画に関しては硬派な趣味の持ち主だった。その反動なのか知らんが、今何故か「地獄先生ぬ~べ~」が読みたくてしょうがない(小中学生が読むようなホラー漫画です)。我慢できないので、現在「地獄先生ぬ~べ~」全巻コンプリートを目指している。いやホント「地獄先生ぬ~べ~」はめっちゃ面白い。もちろん同じ作者が現在ジャンプで連載している「未確認少年ゲドー君」(打ち切り直前)も大好きだ。この作者は民話や伝承といったものから、迷信や都市伝説までひっくるめて子供向けに翻案している部分が非常に良い、子供の頃に読みたかった。


>友人知人各位
僕は今年おじいちゃんが亡くなっているので、年賀ハガキは結構です。

戦争のはじめかた   ★★★★

    ホントは2001年の映画なんだけど、9.11が起きてしまい公開延期。その後も公開のタイミングが上手く掴めず、5回の公開発表と延期を繰り返した。アメリカが一致団結して戦争起こそうとしているときに「冷戦のときは東西の対立構造も知らないでラリってました。」という映画は確かにマズい気がする。

    1989年 ベルリンの壁崩壊直前の西ドイツ。東と西の対立は激しいけど実際の戦闘は起きていない。西ドイツに駐留しているアメリカ軍補給部隊の事務官である主人公(ホアキン・フェニックス)は、かなりの悪党だった。遊んでいる最中に友人が事故死したら死因を偽装。大佐(「ザ・ロック」とは対照的なエド・ハリス!)の奥さんとは浮気。基地内の備品を過剰に購入して闇市場に横流し。トルコ人から買ったヘロインを精製して基地内で売り捌く。もうけた金でベンツを買って贅沢な暮らしをしていた。
   ある日主人公はアメリカ軍の兵器を盗んで、その兵器をマフィアに渡して膨大なヘロインを手に入れようとする。ところが主人公の新しい上官に鬼軍曹(スコット・グレン)がやってくる。鬼軍曹はすぐに主人公の副業に気がついた。主人公は買収しようとするが、鬼軍曹にはそんなもの通用しない。さらに鬼軍曹はベトナムでも活躍した歴戦の戦士で、将軍からの信頼も厚い男だったのだ。さあ、どうやって主人公は副業を続けるのか・・・。


    この映画は一見主人公のほうが悪人に見える。[だけど主人公と鬼軍曹どっちが悪人かというと、鬼軍曹のはずなんです。主人公は確かに悪党だけど、誰も殺していない。ところが鬼軍曹は戦争で人を殺している。僕が「鬼軍曹のほうが”悪”じゃん!」って明確に気が付いたのはクライマックスになってから。]普通の犯罪と戦争だったら戦争のほうが圧倒的に”悪”なはずなのに、意外と自分はそのことを理解していない。
    「戦争のはじめかた」は少女の肌が焼かれていたり(ベトナム戦争のナパーム)、ベルリンの壁崩壊の最中だったり、”落ちる”が重要な要素になったりしていて、メタファーが色々あるので難しく深読みに陥ってしまいそう。だけど序盤の戦車暴走シーンの無責任なまでの楽しさが、難しさを吹き飛ばす。「戦争のはじめかた」には明確な反戦メッセージも反軍事メッセージも存在していない。だからそーいった政治性を抜きに「あれ?軍隊って平和のために存在しているんだっけ?戦争のために存在しているんだっけ?」と基本的なことを考えることができる。

    ちなみにこの映画は[プロローグとエピローグが同じ状況]という、優れたギャグマンガと同じ構造をしている(冷戦のときも湾岸のときも軍隊のボンクラっぷりは同じってこと?)。[主人公も元気そうで良かった]。

04/12/15   TOP文のみ更新

音楽の雑談

●  プロディジー&エヴァネッセンスとかビースティ・ボーイズ&キティとか、わけのわからん呼ばれ方をしているフィンランドのVELCRA(何て読むのかわからん、ヴェルクラ?)のアルバムを購入しました。かなり気に入りましたよ、僕の中ではVELCRAが2004年最強の新人です。ヘヴィネス重視のエヴァネッセンスといった感じだけど、凄いのは1曲目の「マイ・ロウ」。強力な女ボーカルに、メタルファンにも通用するザクザク音と、ダンスミュージックのようなデジタルサウンドが被さっていて最高。でもやたら高い輸入版しか発売されておらず、しかもコピーコントロールCDなので購入はオススメしません。


●  HEAL NIIGATA渋谷AX、アヴリル・ラヴィーン横浜アリーナ、ケミカル・ブラザーズ東京ベイNKホールのチケット買いました。ソニック・マニアの2日目も興味あるな。特にソニマニはヴェルベット・リボルバーが出るし。だけどキルスイッチがキャンセルしたのが残念! カウントダウン・ジャパンの3日目も行くつもりだったけど、チケット売り切れ!ひえー!どなたか情報を・・・。

●  アヴリルは発売日の朝にぴあに並んで、10時後もずっと待たされた挙句チケットが買えなかった。失望しながら11時過ぎにローソンに入ったら、全く並ばずにチケットが買えた。今度からはローソンにしよう。


●  12月22日のレンチも行きたいんだけど、この時期は忙しい。でも前座がサファリ(浅野忠信)なんだよなぁ。


●  「糞盤」からずっと注目していた、日本人ミクスチャーのマキシマム・ザ・ホルモン。最近出た包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ「霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔」がかなりインパクトのある曲だったが(タイトルもね)、この「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」というタイトルは当初通らなかった。しかしこうやって文字を線で消すことで発売できるようになったらしい。そしてマキシマム・ザ・ホルモンが来年出す新曲が、今度は歌詞で引っかかってしまったらしい。詳細はここに
    この「マキシマム・ザ・ホルモン」はワン・ミニッツ・サイレンス張りの暴力衝動と、安室奈美恵にも通じるポップさが同居した恐るべきバンドなので、一度視聴してみることをオススメします。
● 戦争のはじめかた   ★★★★
    面白いし、わかりやすい。

やさしい嘘   ★★★

    息子からの手紙を生きがいにしているおばあちゃん。しかしある日息子は事故で死んでしまう。そこで母と孫娘は、息子が生きていると思わせるために、息子の手紙を偽造しておばあちゃんに渡し続ける事に・・・。
    という基本プロットだと優しい映画のように思えるけど、実は「やさしい嘘」は移民映画の変型版。 映画の登場人物達はグルジア国民。長い間ロシアの支配下にあったグルジアは閉塞しきっている。だけどおばあちゃんはロシアの恩恵を受けていたので、スターリンを尊敬している。50代と思われる母は夫をアフガン戦争で亡くし、停電・断水・借金などグルジアの現状で苦しんでいる。娘はフランス語を学んでいる。つまりおばあちゃんが過去のグルジア、母が現在のグルジア、娘が未来のグルジアなんです。三世代の女性を通じて、ある国の過去、現状、未来を描く。

    そして[普通の移民映画が、主人公がオープニングで移民になるのに対して、この映画はエンディングで移民になっている。移民が生まれる事情を描いた映画なのです。]
    クライマックス、[おばあちゃんは家のフランス語の蔵書を全て売り払い、移民としてフランスに入国してそのまま不法滞在していた息子(死んだとは知らない)のいるフランスへ向かう。そこでおばあちゃんは自分一人で息子は死んでいたという事実に辿り着く。
    事実を知ったおばあちゃんは、母と娘に「息子はまた別の国の移民となった」という嘘をつく。これがおばあちゃんの出した結論だった。それを知った孫娘は移民になることを決意して、フランスに残る。孫娘の決意は希望に溢れているわけでもない。だけど移民にならないとグルジアの未来は切り開けない。
]移民という存在から程遠い日本人にも、移民の存在を考えさせられる映画です。

04/12/06   TOP文のみ更新

雑談

    「スパイダーマン」で一番泣けるのは、ピーター・パーカーが所持金7ドルで女の子をデートに誘って断られるシーン。僕はこのシーンを見たとき、大学時代に所持金2000円(帰りの電車賃込み)でデートに行って、相手の怒りを買ったことを思い出した。
    あるデートの日、お金に余裕がなかったけど、とりあえず財布の中には1000円札2枚と小銭。「まあこーいう日もあるさ」と思い普通の気分で出かけた。しかしケンタで食事をおごった後、今日はもう散歩するのみと知った彼女は怒った。
「2000円しか持たずにデートする人なんて信じられない!」
    あの時は「だって仕方ないじゃないか・・・」と思ったけど(口には出せませんって!)、ピーター・パーカーが7ドルで女の子を誘ったとき、その余りのショボさに彼女が怒ったのも少しだけ理解できた。だけどそれ以上にピーター・パーカーの気持ちは良く理解できる。
● Mrインクレディブル   ★★★★★
    「王の帰還」に続く今年のベスト映画。インクレディブル夫人の濡れた髪の毛を見たとき、生まれて初めてアニメの女に実写の女と同じ感情を抱きました


● ゴジラ FINAL WARS   ★★★
    北村龍平ファンの弟と一緒に盛り上がりながら観た。上映中近くにアメリカ人のギークス系(オタク)の観客達がいた。僕と弟はエメゴジ([ローランド・エメリッヒのゴジラ])が出るたんびに大喜びしたんだけど、アメリカ人達は全く反応せず。逆にミニラが出てくるとアメリカ人達は喜んだけど、僕達はしらけた。アメリカ人たちのほうが正統派のゴジラファンなのかもしれない。

04/12/01   TOP文のみ更新

深呼吸の必要   ★★★

    今年の五月、一生セカチューは観ないぞと決めたこの僕が「深呼吸の必要」を観に行きました。本来なら絶対無視を決め込む系統の作品ですが、沖縄旅行の前だったので予習という事で鑑賞しました。まあ「田舎の畑に行った美男美女達が鎌を振りかざす映画」だと思えばヒューマン・キャッチャー+テキサス・チェーンソーみたいで楽しいですよ。

    沖縄のキビ狩り隊に農作業なんて初めての5人の男女がやってくる。最初はどことなくぎこちなかった彼らだが、キビを狩っていくうちに少しずつ気持ちがほぐれていく・・・
    癒し、自然との触れ合い、自分探しとかいう言葉が好きな人達向けのウザそうな映画ですが、そんなことはない。映画「深呼吸の必要」は深呼吸の必要を訴えるような押し付けがましさは全く無い。映画の登場人物達が日々の生活から離れて深呼吸している様子を見せるだけの映画です。だから「深呼吸なんざ必要無え!必要なのは過呼吸なまでの映画とロックだ!」と思っている僕にでもゆったりと観れる内容になっています。
    「深呼吸の必要」が凄いのは、映画として必要なシーンをバッサバッサとカットしているところ。例えば映画が始まってすぐにメンバーがキビ狩り隊を抜け出して結局戻ってくるシーンがあります。でもこのシーンはメンバーが「抜け出す」シーンと「戻る」シーンだけを記号的に描いているだけで、どういう経緯で抜け出すのか?そして何故戻る決意をしたのか?といった部分は描かれない。物語として当たり前の部分はバッサリ削除しておいて、「少し心がほぐれた」という結果しか描かない。というか[映画が終わっても決着がきちんとつくキャラがほとんどいない]。
    さらに「深呼吸の必要」は劇中回想シーンを一切入れない(オープニングにそれらしきものはあるが、回想シーンとしては機能していない)。人間ドラマを描くときは回想シーンをジャブジャブ入れるのが映画作家達の手法なんですが、そういうことは一切やらない。男女の存在が丁寧に配置されているのに恋愛も展開しない。それどころか過去も持たず、心に傷も持たず、複雑な背景も一切持たない、劇中何も事件が起きない女性が主人公だったりする。
    映画としての装飾をトコトン排して、気持ちがほぐれていく心情だけを優しく突き詰めた映画です。


    「自然と触れ合うのはイイ!農作業の手伝いは素晴らしい!出会いや感動がある!会社で縛り付けられるような人生はダメだね。」のたまう数年来のキビ狩りマニアに対して、若いメンバーが「あなた現住所はどこなんですか?住民税払っているんですか?」と問い質すシーンがあって気に入った。自然の素晴らしさを描く映画ってよく文明批判をやるけど、「深呼吸の必要」は逆に自然の素晴らしさを訴えている人間を問い詰める。このシーンでキビ狩りマニア演じる大森南朋(映画の前半はこいつの演技の一人勝ち状態)と、若いメンバーを演じる成宮寛貴は覚えておこう。

    ところで今会社の友人達の間でオーストラリア旅行の話があるらしい。その時の会話。

僕「オーストラリアかあ!行ってみたいな。」
友人「行きたいよねー、世界の中心。」

    シマッタ!オーストラリアってあの場所か!アレを観なきゃいけないのか!
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