テレビに出たいヤクザたち

大相撲の暴力団観戦騒動は心が温まるニュースだった。刑務所内の仲間を応援するために、テレビに出ようとするなんてすばらしい!実際のところは刑務所内の仲間への応援だけじゃなくて、敵対する暴力団に自分たちの結束をアピールする目的がメインらしいが………でもこれはコメディ映画になると思う。こんな感じで。


組長が逮捕されてしまった暴力団。残された組員たちは、刑務所内の組長を励ますために、あらゆる努力を尽くしてテレビに出ることにした。

  • 新商品発売の行列最前には、組員たちが必ず並ぶ。商品が欲しいわけじゃなくて、テレビに写るためだ。
  • 高い塀で囲まれて警備が厳重な組長の自宅は、ビフォーアフターに出演したことによって開放的な家に改造されてしまった。
  • 組長の妻は小料理屋を開き、アワビやカニといった高級食材を激安で提供して、もしもツアーズで取り上げられた。激安なのは密漁しているからだ。
  • 堅物で何も出来ないと思われていた幹部は、細かすぎて伝わらないモノマネ選手権で『仁義なき戦い』シリーズのネタでブレイクした。
  • 組長の娘はかなりの美人なのでアイドルグループに入って人気が出るが、悪徳プロデューサーに肉体を要求される。しかし組員たちの手によって、その悪徳プロデューサーは港に沈むこととなる。

だが彼らの正体が暴力団だと気が付いたテレビ局側が、彼らを一切テレビに出させないように通達を出した。八方塞がりとなった暴力団だが、『ROOKIES 卒業』をパクって暴力団が更正してスポーツする映画を製作することにした。そのパクリ映画は大ヒットしたし、教育的な内容ということで刑務所内でも上映されることになった。しかしその映画を観た刑務所内の組長は感動のあまり更正してしまった!

数年後、組長が出所するとその暴力団は解散していた。その代わり映画プロダクションになっていた。いまや社員になった元組員たちは、今まで不在だった社長が戻ってきたことを歓迎する。そして今度は『踊る大捜査線』をパクった暴力団映画を作ることにしたのだった。


脚本はクドカンが最適なんだろうけど、俺はクドカン嫌いだから成島出のほうがいいなー。

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