角界の賭博行為が問題になっているけど、マンガ『のたり松太郎』を全巻持っている俺としては「それが問題になるんだ!」と思ってしまった。『のたり松太郎』の中では、力士たちの賭博がほのぼのとした日常光景として描かれているからだ。現実で賭博行為が告発されそうな力士たちも「日常行為なのに…」と言い訳していると思う。
マンガ『のたり松太郎』では、力士たちは相撲部屋で花札やマージャンでギャンブルにいそしんでいる。連載後半になって時代が変わっていくとギャンブル描写は減って、代わりにスーパーファミコンが登場してくるようになる。しかし連載後半でも支度部屋でマスコミも一緒にギャンブルに参加するというとんでもないシーンもある(以下に画像あり)。
ちなみに俺がちばてつやのマンガで一番好きなのは『のたり松太郎』だ。連載中盤までの「坂口」編も面白い。だけど連載後半で四股名が「荒駒」になると、マンガ内で時代の移り変わりも描写していくので、そこも魅力的なマンガだ。
主人公の松太郎は暴力団事務所に押し掛けてオイチョカブに参加する。このあと暴力団の幹部に「お関取がこんなところでバクチなんぞなさっては」とたしなめられる。だが暴力団の幹部は料亭を借り切って松太郎を接待する。時代は80年代初頭。
時代がだいぶ変わって若貴ブームの頃。マスコミを巻き込んで松太郎が魁皇と賭け腕相撲を行う。
この賭け腕相撲で大金を手に入れた松太郎は相撲に対してやる気を無くして、貴乃花相手に無気力相撲をとる。左下の背が低い力士は舞の海。
『のたり松太郎』の日常描写も今となっては問題大有りな風景だらけである。主人公の松太郎は暴力団からも御祝儀もらっているし…。
今回の賭博問題は琴光喜が暴力団に脅されたのが発端だ。世間では力士たちの賭博行為に注目が集まっているけど、警察が注目しているのはそこじゃなくて暴力団の資金源としての賭博だろう。もし暴力団が脅迫行為をしなければ力士たちの賭博行為は『のたり松太郎』の日常描写のようにほのぼのと続いていたのかもしれない。