ピザボーイ 史上最凶のご注文

ピザボーイ

ハリウッド映画の記号的な演出に「メタリカのTシャツを着ているのはダメな大人」というのがある。他には「リンプ・ビズキットを聴いているのはバカなガキ」「パーカーを着ているのはオタク」とか。リンプ好きでメタリカのTシャツを持っていてパーカーを集めている俺にとっては心が傷つく演出だ。

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映画でメタリカTシャツを着ているバカ1、メタリカのライブを観ようとして死ぬ(『ダーウィン・アワード』)

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映画でメタリカTシャツを着ているバカ2、農民(麻薬の密造とも言う)やりながらラップでアメリカデビューを夢見ている男(『コラテラル・ダメージ』)

メタリカTシャツを着ている男が出てくる『ピザボーイ 史上最凶のご注文』は快作『ゾンビランド』のルーベン・フライシャー監督とジェシー・アイゼンバーグ主演コンビの最新作だ。映画の出来はというと、悪ノリで笑わせるコメディなので『ハングオーバー』や『宇宙人ポール』のような構成の上手さは期待しないほうがいい。
劇中で『ダイ・ハード』や『リーサル・ウェポン』を引用している辺りは『ホット・ファズ』に似ているかな。

映画のストーリーは「ピザの配達人が爆弾をつけられて無理やり銀行強盗をやらされる」というもので、現実に同じ事件が起きているのでそのことでも問題になった作品だ。爆弾をくくりつけられる主人公を演じるのは『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグで、劇中で彼がフェイスブックに言及するシーンはかなり笑える。主人公の相棒としてインド人が出てくるんだけど、コイツはアメリカのコメディアンでギョロ目をぎらつかせながらワメいてばっかり。主人公とインド人が妹を巡ってケンカするシーンは、褒める意味でかなり酷い。

もう一つのプロットとして、ニートの白人コンビが保守派の父親を殺そうとしてメキシコ系の殺し屋を雇う、というのがある。このニートがメタリカのメタルマスターTシャツを常にを着ているわけ。

二つのプロットに分けたのは面白いんだけど、お笑いネタが掛け合い漫才ばっかりになっているのが残念。でもエンド・クレジット後のオマケ映像は爆笑したしプロットの終わらせ方として上手い。下品すぎるのもビックリしたけど。

あとこの映画で一番笑ったシーンはネタバレだからリンク先に書くけど、こんなシーンだ

そして『ピザボーイ 史上最凶のご注文』で一番驚いたのは、殺し屋が口走る爆弾の解除コードがアレだったことだ。アレって日本だけじゃなくて世界共通の暗号だったんだね。Wikipediaで調べてみたら、色んな言語で紹介されていたよ…。リンク先ネタバレ⇒アレの正体

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映画『ゾンビランド』でもフェイスブックネタはある。

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同じく映画『ゾンビランド』から、俺のお気に入りシーン。ずっとネトゲー(ウォークラフト)をやっている引きこもりの主人公と、ゾンビに襲われて主人公の部屋に逃げてきた美女。主人公は美女にコーヒーを渡すべきなのにマウンテンデューを渡して呆れられる。もちろん主人公はパーカーを着ている。

ゾンビランド [Blu-ray]かなり好きな映画。オープニングはメタリカの『For Whom The Bell Tolls』、『ピザボーイ』のオープニングはハイヴスの『tick tick boom』。

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