2012年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞
だれ映2012 ベストテン
順位 | 投票項目名 | 得票数 | 興行収入 |
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第1位 | 新しい靴を買わなくちゃ | 157 | 3億8千万円 |
第2位 | LOVE まさお君が行く! | 148 | 2億6千万円 |
第3位 | 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 | 85 | 59億7千万円 |
第4位 | 映画 ひみつのアッコちゃん | 70 | 6億円 |
第5位 | 綱引いちゃった! | 60 | 3億1千万円 |
第5位 | 劇場版 私立バカレア高校 | 60 | 不明だが最低でも2億円は超えた |
第7位 | 劇場版テンペスト3D | 57 | 不明だが相当低いはず |
第8位 | 今日、恋をはじめます | 52 | 不明だが最低でも15億円は超えた |
第9位 | 愛と誠 | 51 | 不明だが1億円未満のはず |
第10位 | 北のカナリアたち | 48 | 14億円 |
第10位 | 神秘の法 | 48 | 7億円 |
興行収入の情報のほとんどはキネマ旬報を参考にしています。
たくさんの投票、本当にありがとうございました!年末年始は忙しいので、みなさんのコメントで爆笑させてもらうのがストレス解消でした。自分の好きな映画が叩かれても爆笑できるから不思議。
以降は全体的にネタバレ気味なので注意!とくに踊る大捜査線、綱引いちゃった、バカレア学園は完全にネタバレしてます。
だれ映 2012 みなさまのコメント
だれ映ベストテン画像
ベストテンのアフリエイト画像を順位で並べました。『劇場版テンペスト3D』だけ関連商品が無かったです。踊るFINALのDVDが2万円っつのーがビックリ。
総評(前半)
- 上位二本の圧勝
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パリでアラフォー女性が転ぶと向井理と恋仲になれるという『新しい靴を買わなくちゃ』が1位に輝いた。予告編で向井理が言う「俺もアオイさんのエッフェル塔になれたらいいのに」という下ネタを連想させるセリフの破壊力もかなりのもんだった。2位は『LOVE まさお君が行く!』で、これで香取慎吾は三年連続だれ映ベスト3入りとなった………というか三回連続主演作がコケたという事実がヤバい。2012年はこの二本がだれ映の象徴だった。現実でもこの二本の映画は大コケだった。
2012年のだれ映は『新しい靴を買わなくちゃ』と『LOVE まさお君が行く!』のデッドヒートだった。この2作は3票差以上がつかないという時期が長く続いた。最終的には当初2位だった『新しい靴を買わなくちゃ』が汚名挽回して1位になり、2位に転落した香取慎吾はだれ映大賞の名誉返上を果たした。
- だれ映ベストテン
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踊るファンすら失望させる脚本の悪さと、フジテレビを失望させた興行成績が特徴的な『踊るFINAL』が3位。大丈夫、フジテレビは『テルマエ・ロマエ』が踊るよりもヒットしたから。
『映画 ひみつのアッコちゃん』と『今日、恋をはじめます』マンガ実写化がだれ映で得票が多いのは変わらず。ここまで実写化が続くといい加減原作漫画ネタが切れると思うのだが、2013年はついに『究極!!変態仮面』(女性の下着を顔に被るスーパーヒーロー)がメジャー映画として実写化される。
AKB48では『劇場版 私立バカレア高校』が5位にランクイン、でもこれジャニーズ映画であってAKB48は添え物なんだよね。
ランダム写真商法のAKB48なんて単なる小娘、元祖プロマイド女優のサユリ様が主演の『北のカナリアたち』が10位にランクイン。
ご当地映画の『綱引いちゃった!』、テレビドラマの再編集『劇場版テンペスト3D』は当然のランクイン。2012年最大の大コケ映画『愛と誠』が9位と票を伸ばさなかったのは意外だった。
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第1位 新しい靴を買わなくちゃ
- タイアップキャンペーン
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公式キャンペーンなのに「靴ををお買い上げ~」って間違えている…
- ネタバレ無しのストーリー
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兄:向井理と妹:桐谷美玲はパリに観光にやってきた。だが桐谷美玲の目的はパリ在住の恋人(綾野剛)に押し掛けるだった。桐谷美玲は兄をセーヌ川に置き去りにする。途方にくれる向井理だが落としたパスポートを偶然通りかかった中山美穂が踏んで転んで破ってしまう。延々と続く二人の「あはは、うふふ」。それと桐谷美玲が演じる面倒臭い女。観客はこの極限の恐怖に耐えられるか!?
- 大コケ映画
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ヒロインが中山美穂、北川悦吏子の脚本、岩井俊二の映像、そしてパリというロケ地。かつて流行ったものを組み合わせたけど「それって今は流行ってないよね?昔の話だよね?」とバレていたために観客が来なかった。おかげで向井理までも過去の人のように見えてきた。芸能界は新しい理を探したほうが良いぞ。
製作側が狙った客層はかつてトレンディドラマを観ていた層だけど「トレンディ」という言葉を口にした時点でそれがトレンディでないことはわかりきっていたことだ。トレンディドラマはブームが終わった瞬間からギャグになったのに、今の日本でなぜそれを復活させようとしたのか。復活しなくてもいいものが復活に失敗したという点ではドラクエに例えるとシドーが倒されたようなもんか。中山美穂、鈴木保奈美、山口智子もみんな2012年の復活に失敗した。
『新しい靴を買わなくちゃ』は公開初登場が9位、翌週にはランク外という大惨敗の結果に終わった。同じ日に公開されたヤクザ映画『アウトレイジ ビヨンド』は女性客も動員して大ヒット。『アウトレイジ ビヨンド』が『新しい靴を買わなくちゃ』をボコボコに下したのは2012年の映画興行の中でも嬉しいニュースだった。
- トレンディな設定
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この映画の最大の欠点は設定のつまらなさにある。「パンをくわえた転校生と曲がり角でぶつかる」と同じ次元の話を実写で大人がやるというのは本編観なくても、予告編を観なくても、設定を耳にしただけでうんざりさせられた。
Wikipediaのトレンディドラマを読むと、『新しい靴を買わなくちゃ』がトレンディドラマのフォーマットを守っていることがわかる。そして今まで作られてきた時代錯誤な恋愛映画の失敗作たちも同じフォーマットを使っている。中山美穂はレストランなどを紹介する編集者で、これは『未来予想図』『恋するナポリタン』などと同じ設定だ。向井理はカメラマンなんだけど『ハナミズキ』でも向井理はカメラマンだった。まあ向井理がいつもカメラマンなのはPENTAXカメラのイメージキャラクターだから仕方ないんだけど。
- どうしてこんな映画が生まれたのか?
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ハッキリ言ってしまえば観客のためではなくてスポンサーのために作られているからだ。「新しい靴を買わなくちゃ」というセンスは全く無いが購買意欲を連想させるタイトルからもそれがよくわかる。この映画の製作者たちがスポンサーから金を引き出すために
「この映画のターゲットはバブルを体験した40~50歳の女性です!
金が無くてブランドにこだわらない現代の若い女性と違って、ちゃんと金を出す世代です!
彼女たちにウケる映画を作ります!
というわけでスポンサーにつきませんか?」
とプレゼンテーションする姿が目に浮かぶ。『新しい靴を買わなくちゃ』は、『FLOWERS』や『恋するナポリタン』と同じく「仕事で悩んでいるワタシとか癒してくれるイケメンとか旅行とかおいしい料理出せば、女来るっしょ」という発想で映画作ったら女性が来なくて大コケした作品だ。コケて良かった映画だよ。
- 元ネタ映画
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設定も宣伝もトレンディ・ドラマ臭がタップリでうんざりだけど、映画本編自体はトレンディ・ドラマからほど遠い作風で元ネタ映画も存在する。元ネタ映画は『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』で、パクリというわけじゃないけどかなり強い影響を受けている。『恋人までの距離』はカルト的な人気を誇る恋愛映画で、ウィーンの街で出会ったアメリカ人男性とフランス人女性が日の出まで(ビフォア・サンライズ)延々と会話をしているだけ。それと同じことやろうとして失敗した。ちなみにEXILEのMAKIDAIも同じく『恋人までの距離』日本版に挑戦している。場所はフランスのリヨン。その映画のタイトルは『白夜』で、もしあなたがこれから『白夜』を観るというのなら、あなたの映画人生のワースト3に入りますよ!と断言できるくらいつまらない映画だ。
傑作コメント
- ゲーナ さん
- 「あのハレーションと逆光の中キャッキャうふふと戯れる向井理と中山美穂」という予告の一場面が全てを物語る映画。
- あんの さん
- 職場の先輩(女性)が「バブルの頃でも見に行く気にならなかったと思うわ」と断言していた
- NO NAME さん
- 観に行った人に、これを観ようと思った理由が聞きたい。
私には、これを観る理由が思いつかない。 - 縛りやトーマス さん
- 北川悦吏子、岩井俊二、中山美穂、坂本龍一とタイトルとは裏腹にまったく新しくない人たちが集まったラブコメ。
ホテルのロビーで振り返ると美穂がいる!というタイムマシンに乗ってきたような古ぼけた展開には唖然とした。
何もかも新しい物に変えなくちゃ! - かめきち さん
- 未だにトレンディドラマの世界に生きている女優と脚本家による悪夢の共演
- NO NAME さん
- 狙っていた男性を誘って見に行ったのですが、中山美穂のブリっ子にただただ鳥肌が立つだけの2時間でした。
後日、その男性とはめでたくセフレになりました
第2位 LOVE まさお君が行く!
- タイアップキャンペーン
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前売り券(スポンサーにとってはタダ同然)、プレスシート(試写会でタダで配っている)、フィギュア(オマケでついてくるやつ?)って、ずいぶんと安いタイアップだな。
- 2度あることは3度ある
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『座頭市』『こち亀』と二回連続で記録的大失敗をしてしまった香取慎吾。もう後がなくなった彼とジェイ・ドリーム(SMAP専門の映画製作会社)が選んだ手段は失敗してもダメージが少ない主演作を撮ることだった。ジャンルは製作費が安いことで手堅い犬映画にした。国民的作品にしようと目論んで大失敗した『こち亀』のように宣伝費もかけなかった。
決まった設定は主演:香取慎吾、ヒロイン:広末涼子、主題歌:前田敦子。すごく豪華なはずなのに何か違う…。成海璃子と前田敦子というミニシアターに通うセレブ女優が一緒になった企画なのになぜこんな映画が生まれる。
ちなみに広末涼子の2012年の良作『鍵泥棒のメソッド』は6億円で、『LOVE まさお君が行く!』の二倍以上稼いでいる。本当に大丈夫か香取慎吾。
- そして2度あることは3度ある
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『LOVE まさお君が行く!』はテレビ東京のバラエティ番組コーナー『ポチたまペットの旅』の映画化だ。ここからはネタバレになる。番組で人気が出た犬「まさお君」は黒ラブラドール・レトリバーのメスと結ばれ子供が生まれるが、まさお君は2006年に悪性リンパ腫で7歳で亡くなった。番組の後釜はまさお君の息子犬にあたる「だいすけ君」が引き継いだ。『LOVE まさお君が行く!』はこのエピソードを映画化していて犬のラブストーリーと犬の難病が題材になっている。クライマックスでまさお君が死んでラストシーンはだいすけ君が登場する。
ところが現実ではそのだいすけ君が2011年の12月にロケ先で胃捻転で亡くなってしまった。すでに『LOVE まさお君が行く!』の撮影は終わっていたため内容を変更することはできなかった。さらに公開終了後には、日本テレビの人気犬ZIPPEIを含む7頭が車中放置の熱中症で死んでしまった。ZIPPEIの事件は『LOVE まさお君が行く!』とは全く別のテレビ局&動物プロダクションの事件だけど、世間の犬モノへの心証はだいぶ悪くなった。動物を扱う以上、不幸な病気・事故が起きるのは仕方ないと思うけど。
- 犬映画
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大ブームとなった犬映画だけど、2011年に佐藤隆太の『ロック』、2012年に『LOVE まさお君が行く!』が失敗したのでこれでひと段落つくのではないだろうか?もうすぐ堺雅人の『ひまわりと子犬の7日間』が公開されるけど。
ちなみに低予算犬映画の『青いソラ白い雲』は俺の2012年のベスト邦画なので、犬映画=駄作というわけじゃない!あ、でも『青いソラ白い雲』以外の犬映画は駄作ばっかりなんだよなー。
- 香取慎吾が行く!
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この映画最大の欠点はコメディなのに笑えないという点だ。ギャグのほぼ全てが「犬が暴走する⇒香取慎吾が困る」というパターンなんだけど、これがまあつまらない。例えば下の画像はうまい棒を使った犬の撮影に失敗してうまい棒を食べる香取慎吾。こういうのがあんまし笑えない。
また香取慎吾が犬に暴走されて果物屋につっこむシーンでは、香取慎吾が犬に引っ張られているわけではなく自分から果物屋の机に乗っていくところがよくわかってしまう。犬の暴走を人間たちが描き切れていない。
香取慎吾はいつものバラエティ番組風の演技なんだけど、これが売れない笑い芸人の役作りには合っていた。ただ香取慎吾と広末涼子の役柄が貧乏人カップルなんだけど、とてもじゃないけど貧乏人に見えない。
- タラちゃん演出
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俺は「タラちゃん演出」って呼んでいるんだけど、『LOVE まさお君が行く!』では登場人物が動くたびに効果音が入る演出を多用しまくっている。他の映画だと『私立バカレア高校』や『今日、恋をはじめます』がタラちゃん演出をやっているんだけど、『LOVE まさお君が行く!』はやりすぎだった。この演出自体は色んな国の映画が使っているので別に悪くないんだけど、笑えないシーンで「ぴよーん」って効果音が入っていると鑑賞ストレスが…。
傑作コメント
- 窓の外 さん
- 来年は日テレが「ZIPPEI」を映画化します!
- いっくん さん
- 犬と香取慎吾がコンビを組むってかなりヤバイだろ。関係者には予想できなかったのか。犬のほうが演技がうまいということに…。
- コズエ さん
- 香取慎吾とハローキティは、本当に仕事を断れないんでしょうか?
- ♪akira さん
- TOHOシネマズの映画紹介で「何も考えずに楽しめる映画」とまで書かれた黒記録。シネコンにさえ匙を投げられた恐るべき邦画。
- yama さん
- 犬に難病にAKBと強力なバックアップがありながらコケてしまう香取慎吾の疫病神ぶりはある意味感心する。
第3位 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
- タイアップキャンペーン
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がんばれNOTTV。
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いろいろ大型タイアップやっているけど、それよりもこっちに驚いた。
- 最悪の映画シリーズ
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『踊る FINAL』が俺の2012年最悪の映画だ。このシリーズの新作が製作されるのは新たなる絶望だった。
『踊る2』は俺の映画人生の中でも最悪級の作品だった。ものすごい鑑賞ストレスを感じる一方で、満員の観客は大爆笑しながら観ていた。あの時は自分と世間の距離を感じた。
ところが『踊る3』と『踊る4』は俺が観た劇場ではまさに通夜。誰も笑わない誰も泣かない。『踊る』シリーズが映画界に与えた功罪はよく議論になるけど、俺は罪のほうが大きいと思う。『踊る3』と『踊る4』の醜態を観るとそう感じる。
- 崩壊している脚本
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『踊る4』は『踊る3』よりはマシになったとはいえ、脚本の崩壊っぷりは「こんな酷い脚本観たこと無い!」というレベル。脚本のおかしいところを挙げたらキリがないけど、少し挙げると(以下ネタバレ)
- 画面にバナナが出てくるからバナナが伏線って、それ伏線じゃねえ!
- 子供はバナナが好きだから誘拐された子供がバナナ工場にいるってのが意味わからん。
- 署内から盗まれた銃で殺人事件が起きるって『踊る3』と同じ。またかよ。
- 無罪の真犯人を射殺するってのもよくわからん。確かによくある設定だけど、検察がミスって無罪になったとか、警官の目撃証言が証拠採用されなかったとか、そういうのだったらわかるんだけど、そういう努力は一切なし。
- 黒幕は隠ぺいするように誘導したり殺人をほう助して内部告発するってアホだろ。そんな内部告発されてもマスコミ困るよ!
- 青島と室井の辞職騒動がメチャクチャすぎて酷い。警察の不祥事は現実にいくらでもあるんだから、もうちょっと現実を連想させるような設定にしてよ。
- 深津絵里は青島の所へ行くためにバスジャックして被害者が残っているバナナ工場をぶっ壊す。観ていて反応に困った。
- 隠ぺいと告発がテーマだとかほざくわりには、主人公たちもしょっちゅう隠ぺいしている。
- 日産リーフとタイアップしているのでやたらCM臭いシーンがある一方で、日産リーフの電源を生かす!みたいな発想が無いのが謎。
- 脚本とは関係ないけど戒名ギャグが死ぬほどつまらない。あのシーンを映画館で観るのは拷問。スリーアミーゴスが日産のCMキャラだから一秒でもカットできないんだろうな。
「それこそが踊るだよ!ツッコミ入れるのが間違っているよ!」とか言われても反論はしないけど、「それが踊る大捜査線なら踊る大捜査線が終わって本当に良かったなぁ、それが俺の希望だよ」と思う。
- 新たなる希望
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この映画を観て希望を感じることが出来る人が一人だけいる。それは小林幸子だ。『踊る FINAL』は一時期芸能界から抹殺状態だった水野美紀が復活した作品だ。水野美紀が表舞台から姿を消したのはバーニング・プロダクションに逆らったから。これは小林幸子が一年足らずであっという間に消されたのと同じ理由だったりする。だから小林幸子はこの映画を観て頑張ってほしい!
それと俺は『踊る2』を観たとき「こんな日本映画がこれから増えるんだろうな」と思っていたらその通りになった。『踊る』は終わったんだから、この手のくだらないテレビ局映画はもうやめてほしい。『13人の刺客』『任侠ヘルパー』『鈴木先生』のようにテレビ局映画でも面白いのが出てきた。それが新たなる希望だよ。
傑作コメント
- mi さん
- 私も仕事中に「会社をより良く変えたい」とか神妙な顔しながらデスクワークをしているが、特に行動にうつしてるわけじゃないのでギバちゃんにはシンパシーを感じる。
- yama さん
- そういえばこれにも香取慎吾が出てるんですね。そりゃダメだわ。
- キャラメリゼ さん
- 子供はバナナが好きだから、知らない人に誘拐されていてもバナナさえあれば泣かないし、持ってる防犯ベルも鳴らさない!と謎解きされたシーンでは笑いました。
- power_medicine さん
- まさか『こち亀』のネタフリをよりにもよって本家大元が回収するなんて……。
あと、日本中の『SW』ファンが、映画館で見る予告のタイトルコールの度にお溜めになられたストレスの量がしのばれます。 - 加齢臭 さん
- 前作のウンコさ加減にくらべればまだましだったが、戒名ギャグ時の劇場内の沈黙さにこのシリーズのオワコンな意味でのFINALを再認識した。
第4位 映画 ひみつのアッコちゃん
- タイアップキャンペーン
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綾瀬はるかが化粧品を開発するという映画。当然化粧品会社がスポンサーなのであった。
- 元ネタ映画
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コメントでみんなツッコミ入れているけど「何で子供が主役じゃないんだよ!」という疑問が湧いてくる企画だ。
実はこの映画の元ネタは『ひみつのアッコちゃん』ではなくて、トム・ハンクスのアメリカ映画『ビッグ』だ。『ビッグ』は大人になりたいと願っている少年が、不思議な力によって大人になる。そしておもちゃ会社に就職しておもちゃの開発で活躍する。トム・ハンクスは純粋な子供の心を持ったまま大人の世界に入るのだ。これは『不思議の国のアリス』と同じで、主人公の子供が大人の社会というファンタジーワールドを冒険する形になっている。うちらみんなが経験している仕事の世界が、子供の視点で見るとファンタジーになるのだ。
ところがこれが日本映画の『劇場版 ひみつのアッコちゃん』になるとファンタジー感は無くなり、子どもから大人になった綾瀬はるかの痴態を観るだけの映画となる。綾瀬はるかはおもちゃ会社じゃなくて化粧品の会社に就職するんだけど、子供が化粧品の開発で活躍するという展開も無理があるだろ。
日本映画が外国映画を真似るのはOKだけど、真似ているのにつまらないのは何故なのだろう。
- 何で子供が主役じゃないの?
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だいたいこのテーマなら、大人びた少女の姿を描くべきなのに終始バカな綾瀬はるかしか見えない。『プリンセストヨトミ』も原作を改変してまで綾瀬はるかがバカ女を演じていたが、いったいどの層が白痴な綾瀬はるかを観たがっているのだろうか。
面白そうなシーンもいくつかある。アッコちゃん役の子役がスカートめくれてパンツ見えているのを大人の男性に指摘されて、その男性と二人きりで観覧車に乗るというロリロリな展開がノリノリで描かれるんだけど、そっちのほうを膨らませたほうが面白かっただろ。ちなみにその男性は岡田将生なんだけど、岡田将生のロリコン疑惑を知っておくと面白さ倍増です。ただし、これは岡田将生はウケ狙いで言っているだけのはずなので決めつけないように!
- 興行成績
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興行成績は6億円で、これは幸福の科学の映画『神秘の法』と『ファイナル・ジャッジメント』よりも興行成績が悪いという酷い数字。しかし同じ綾瀬はるかの『ホタルノヒカリ』は18億円で三倍以上稼いでいる。ここ数年流行っていた昭和マンガ実写化企画の限界がようやく見えてきた感じ。
傑作コメント
- NO NAME さん
- 綾瀬はるかといい長澤まさみといい、オッパイが大きい若手女優は作品に恵まれない法則でもあるんですかね?
- まゆまゆ さん
- 昔のアニメの実写企画は、もう法律で禁止にするといい。
- かめきち さん
- テレビじゃだめなんですか?
- Ryuto さん
- 予告編を見てここまで「?」が出た映画も初めてでした。アッコちゃんからアッコちゃんを抜くとこんな感じになるんでしょうか?
- ショウ@オールアクセプター さん
- 綾瀬はるかの魅力が未だに分かりません。
まぁ、俺の好きな堀北真希ちゃんより、
作品恵まれている印象はありますが。
第5位 綱引いちゃった!
- タイアップキャンペーン
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大分県が大分県の映画公式サイトで「九州総選挙」をやるというとんでもない暴挙。当然ながら大分県が一位。
- ご当地映画
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俺はこういう映画を「地方自治体映画」って呼んでいたんだけど「ご当地映画」という呼び名がついたらしい。『綱引いちゃった!』はご当地映画の成功例『フラガール』を真似ようとして、『フラガール』の脚本家に作らせた映画だ。
ご当地映画とは、自治体がロケ地を提供したり、前売り券を購入したり、宣伝に協力する一方でご当地の観光促進となるような映画を撮ることだ。2012年だと岩手県盛岡市を題材にして失敗した『HOME~愛しの座敷わらし』や、千葉県浦安市が剛力彩芽をヒロインにした『カルテット!』があった。また千葉県鴨川市が、ご当地アニメやったら経営破たん寸前だった聖地の高校が経営破たんするという事件まで起きた。また今年は秋田県が韓流ドラマ『IRIS2』のロケ誘致の条件として支援金8330万円を支払った。
- 超ネタバレ
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俺はわりと好きな映画なんだけど、映画のテーマを叫びながら綱を引くクライマックスはドン引きでした。っつーかなぜセリフでしゃべらせる!
えー、全ての女性映画のネタバレになるけど、もういいや。こういう女性スポーツものやガールズムービーって、日本映画だろうがアメリカ映画だろうがクライマックスで必ず負けるんだよね。『綱引いちゃった!』はそこの描き方がかなり唐突なので受け入れられなかった人も多数。俺は好きだったけど。
傑作コメント
- イノシシ さん
- 現在大分に住んでるんですが、「恋空」「種まく人々 みのりの茶」そしてこの「綱引いちゃった!」といい、マジで誰映ばかり作られて悲しくなります。
- テルミンわちこ さん
- 日本には定期的にこういう映画作らないといけない法律があるんです、きっと。
- crystal growth さん
- 綱引きの魅力も大分市の良い所も一切伝えていない。
何がやりたかったのか一切分からん。 - 民朗 さん
- フラガール以降ご当地ネタは地方活性化にもなるので、地元から金も集まりやすいのでしょうが……、いつまで柳の下の泥鰌を掬おうとすれば気が済むんだよ!掬い手が悪けりゃ泥鰌は捕れないよ!
- まぼ さん
- タイトルを童謡「猫ふんじゃった」に掛けた「シコふんじゃった」から拝借するという中途半端さ。潔く「綱引きガール」とかにした方が、まだウケたのでは。
第5位 劇場版 私立バカレア高校
- 劇場版 私立バカレア高校
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タイアップ無し!しいて言うなら前田敦子が歌う主題歌。
- 遅れてやってきた不良映画ブーム
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「ほら、今不良映画流行っているだろ!ウチのジャニーズJrを使って不良映画作るんだ!」
「もう不良映画ブームは終わりましたが…」
「今流行っているのは何だ!」
「AKB48ですが」
「それだ!」
って感じの映画だった。 - 男女比1:9
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映画の興行ニュースによると観客の男女比が1:9で男性客がほとんどいないらしい。俺が観に行ったときは男の客は俺以外の1人だけ、あとの20人くらいは全員女性だった。母娘が何組かいたのも印象的だった。
もう、誰も覚えてないと思うけど、主演の男の子はジャニーズが『フランダースの犬』の日本版として作った『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』と同じ子です。
ちなみにジェイ・ドリームの作る映画は赤字とまではいかなくても、どの作品も期待していたほどの大ヒットにはならない。一番の原因はSMAPの求心力が落ちていることだけど、ジェイ・ドリーム映画で予想外の大ヒットとなった唯一の作品は『武士の一分』だ。そして『武士の一分』は高い評価を受けた作品でもある。とりあえずジェイ・ドリームは面白い映画を作ろうとしろよ!
- AKB48は関係ない
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ジャニーズJrとAKB48のコラボ映画だけどAKB48はほとんど関係ない。
ストーリーはジャニーズJrたちが演じる主人公高校生が、Mis Snow Manという別のジャニーズJrたちの高校と抗争になるというストーリーで、AKB48のほうは誰かが転校する騒ぎが起きるだけ。ジャニーズJrとAKB48のストーリーはほとんど絡まない。ジャニーズ側のストーリーが3分写ると、AKB48側のストーリーが1分写るという感じ。どうオチがつくのかと思ったら「抗争した男の子たちが退学にならないようにAKB48が嘆願する」だけだった。
劇中出てくるAKB48はみんなかわいい顔なのでAKB48の区別がつかない俺は映画を観ながらゲシュタルト崩壊を起こしていた。もちろん登場人物だったら区別はつくんだけど、劇中の画面構成は大量のアイドルの顔がまんべんなく写るように工夫されていて、金払ってプロモを見せられている気分。AKB48の厚化粧は韓国映画よりも厚い。
こういう美男美女オンリーの世界観だと美醜がまったくわからん。と思ったら「一目ぼれするほど美しいAKB48」というのが出てくるんだけど、顔の周りにCGで特殊効果が施されているのでわかりやすかった。っつーか特殊効果がないと美女の美しさが表現できないのか。
傑作コメント
- NO NAME さん
- 王様のブランチでエクスペンダブルズ2とバカレアが紹介された時、バカレアのほうが圧倒的に紹介時間が長かった事に若干殺意を覚えた
だから興行収入でエクスペンダブルズ2が圧勝した時は飯が美味かった - NO NAME さん
- 映画館でさぞ恐ろしい光景が繰り広げられてるのかと思いきや、聞いた話ではほぼジャニオタだけだったそうで。
きっとAKBオタにとっても彼女たちは恐怖の対象なんでしょうな。年季もパワーも違うし。 - m@sa さん
- この映画ほどスタッフ&役者と観客の知能指数がイコールなものも珍しい
- つんちゃん さん
- この映画を観てわかったこと。
ジャニーズ所属メンバー出演の映画は許せるが,AKB48は許せない。女子パート全部カットすれば普通のアイドル映画になる。 - NO NAME さん
- こんなの見たやつがレアなバカ
総評(後編)
- 外国映画
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2012年のだれ映は上位19位までが全て日本映画、外国映画は20位の『プロメテウス』、27位の『STAR WARS エピソードI/ファントム・メナス 3D』が目立つくらい。『プロメテウス』はエイリアンシリーズの系譜という重要な情報を伝えず剛力彩芽がやたら伝えようとする宣伝がうざかったし、神による生命の創造を追及するために巡礼者となる科学者を剛力彩芽が吹き替えるというのも意味不明だった。
- 俺が好きな映画
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俺が好きな映画がだれ映上位に入っているのも印象的だった。『綱引いちゃった!』『今日、恋をはじめます』『北のカナリアたち』『任侠ヘルパー』『プロメテウス』なんかは割と好きな映画です。
- 毎年恒例
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幸福の科学映画、はやぶさ映画、K-POP映画と今までのだれ映人気作が軒並み得票が減っているのは「ネタにするのも飽きられた」ということだろうか。
毎年恒例「タイトルだけで投票を集める作品」では『どんずまり便器』『グラッフリーター 刀牙』の2作が人気でした。「そんな映画があったんだ!」枠では伝説的アニメ映画『銀河鉄道の夜 』から27年を経てふたたび宮沢賢治原作を猫擬人化アニメにした『グスコーブドリの伝記』が人気でした。
- コケ映画
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だれ映ベストテンに入る映画はほとんどがコケた映画だ。唯一の例外は『今日、恋をはじめます』の大ヒット。2012年最大級の大コケ映画である『愛と誠』(興行成績が悪すぎて公表されていない)や、あまりにも失敗しすぎたせいでDVDすら発売されていない『劇場版テンペスト3D』が代表例。ちなみに史上最高の赤字となったハリウッド映画『ジョン・カーター』は66位だった。
だれ映では得票を集めなかったけど、世間では『苦役列車』も大コケ映画だった。あのAKB48総選挙のバカ騒ぎで集めていた得票は何だったんだ…。ただし作品の出来はすごく良いし、前田敦子の女優としての仕事ぶりも大変良かったのでヒットして欲しかった。主演の森山未來と監督の山下敦弘が最高の仕事をしているので悲しい。ちなみにだれ映ベストテンには前田敦子が主題歌を提供した作品が2本入っている。
良い映画がコケた例では周防正行の『終の信託』がようやく3億越え程度という惨敗が衝撃的だった。
岡田准一の『天地明察』、キャストが充実していた『莫逆家族』、アニメの『ももへの手紙』も残念ながらコケ映画だ。
- テレビ局映画
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だれ映ベストテンの作品は幸福の科学を除いた全てがテレビ局が製作委員会に入っているテレビ局映画だった。だれ映ベストテンに入るのは話題作でもある証拠だけど、テレビ局がケツ持ちしてくれないと話題作になれないという現状と、テレビ局が作る映画が相変わらず酷いのが多いということが見えてくる。ちなみに幸福の科学以外でテレビ局映画でない作品で一番ランクが高いのは24位の『リアル鬼ごっこ3&4&5』だった。どっちも酷いか。
- ランダム特典
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劇場入場時や前売り券でランダム特典をつける映画は相変わらず多い、というかさらに増えた気がする。まあアニメとAKB48なんだけど。「劇場版」という言葉の意味は「テレビやDVDと違って客が窓口に行くたびに金を払うシステム」だね。
- アイドル映画
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アイドル全盛の時代だけど、2012年は話題になるアイドル映画も無かった。だれ映で目立つのはジャニーズとAKB48が共演した『劇場版 私立バカレア高校(5位)』、予告編の酷さが話題になったAKB48指原莉乃の『劇場版ミューズの鏡 マイプリティドール(20位)』、いつまでも作り続けられる低予算アイドルホラーシリーズの『2ちゃんねるの呪い 新劇場版・本危(32位)』、モーニング娘。の『篤姫ナンバー1(38位)』くらいか。
- 東日本大震災映画
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さすがに票が入ることはほとんど無かったけれど、2012年は震災関係のドキュメンタリー映画が数多く公開されていた。というか本当に数が多いんだけど、誰かこれらの作品を追っている評論家とかいないのかな?
- ゴリ押し
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去年は「ゴリ押し」という言葉が流行った商品にしろタレントにしろ企業が売りたいものばかり押し付けてくる風潮が強くなっている気がする。プラズマクラスターとかナノイーを発生させるテレビや、池田大作みたいに賞を受賞し続ける剛力彩芽なんかにそれを感じる。それは毎年のことかもしれないけど、もっと作り手側が想定していない大ヒットが生まれてほしい。
- 最後に
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どうでもいいけど、2012年は似たような設定の日本映画ばかり観ていた。実家がしいたけ農家とか(『綱引いちゃった!』『LOVE まさお君が行く!』)、太った女性が父親を大事にする映画とか(『夢売るふたり』『はさみ』『綱引いちゃった!』)、ネタバレになるからタイトルは書かないけど女性が海外に留まる理由が子供を亡くしたからというのも複数あった。単なる偶然だと思うけど、映画を思い出すときに記憶が混ざるんだよなぁ。
- もう一つ最後に
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みなさん本当に投票とコメントありがとうございました!!
ところで2013年のこの映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞の最有力候補は剛力彩芽がヒロインの実写版『ガッチャマン』でしょうか。